修斗 9.19 渋谷O-EAST:SASUKE、KO勝ちで環太平洋フェザー級王者に。朝倉未来戦控えた世界王者・斎藤裕に宣戦布告。猿丸ジュンジ、ストロー級王座へ前進
MARTIAL WORLD PRESENTS GYM VILLAGE
大阪梅田中津 キックボクシング ジョウジム
キックボクシングで楽しく運動!燃焼!ストレス発散!初心者でも経験者でもしっかり指導。見学・体験大歓迎!
プロフェッショナル修斗公式戦 PROFESSIONAL SHOOTO 2020 Vol.6 Supported by ONE Championship 第1部・第2部
2020年9月19日(土)東京・渋谷TSUTAYA O-EAST
レポート:井原芳徳 写真提供:サステイン((C)SUSUMU NAGAO)
第2部
第4試合 メインイベント 修斗環太平洋フェザー級チャンピオンシップ 5分3R
×仲山貴志(総合格闘技津田沼道場/環太平洋王者、世界2位)※初防衛戦
○SASUKE(マスタージャパン/環太平洋1位、世界6位)
2R 2’05” KO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
※SASUKEが王者に
1月に修斗環太平洋フェザー級王座を獲得した仲山が初防衛戦。挑戦者のSASUKEは16年にプロデビューしたが、翌年から3年以上怪我で試合から遠ざかった。だが昨年7月の鈴木淑徳戦で復帰後、山本健斗デリカット、西浦ウィッキー聡生ら相手に4連勝し、王座初挑戦に辿り着いた。現在のフェザー級世界王者は斎藤裕。8月のRIZINで勝利後、朝倉未来とのRIZINフェザー級王座決定戦が内定したが、修斗で斎藤の首を狙うのは誰かという争いにもなる。
1R、スタンドの攻防の後、SASUKEが足払いで倒し、猪木アリ状態に。スタンドに戻ると、中盤、仲山がパンチの連打からの胴タックルで倒して上になる。だがSASUKEは得意とする下からの腕十字を仕掛けて極めかける。仲山は腰を上げギリギリで耐える。最後は仲山がトップキープするが、その先には行けない。記者採点はSASUKE。
1Rを先取したSASUKEは、これで心理的に優位に立ったか?2Rは序盤からチャンスをつかむ。仲山の右ローの直後、SASUKEが左フックをヒット。仲山がひるむと、SASUKEは飛び膝を当て、そのまま潰して上から鉄槌を連打し、仲山を追い詰める。仲山は動いて耐えるが、SASUKEは金網際で押さえてコントロールを続け、肘も絡めてダメージを与え、最後は鉄槌を連打して仲山の動きが止まったところでレフェリーがストップした。
SASUKEは金網によじ登り雄たけびをあげ大喜び。ベルトを巻きマイクを持つと、堂々とした言葉で、今後の打倒・斎藤に向けてのアピールを繰り広げた。
「格闘技を始めた頃、チャンピオンになるとはこれっぽっちも思っていませんでした。デビューして、大きな怪我でブランクを作って、格闘技を嫌いになってしまえれば、どれだけ楽だったことか。だけど、自分を、限界まで追い込んで、こうして勝つことでしか、自分を肯定できない不器用な人間なので、僕はこれをずっと続けていきます。
そして、修斗にはもう一本ベルトがあるのは皆さんご存知でしょうか。それを持っているのは斎藤チャンピオン、どこかで見ているでしょうか。チャンピオンは名実共に本当に強く、まさしく修斗を背負うにふさわしいチャンピオンと思っています。だけど俺はその首を狙っています。チャンピオン、テレビの前で、大きな舞台(=RIZIN)で売られた喧嘩があるでしょ?そちらを片付けてからでも構いません。僕とやりましょう」
ここまで緊張した面持ちだったSASUKEだが、拍手を聞くと、熟考した言葉を言い切った後のせいか、笑顔を浮かべ「はい、色々言いましたが、素直にうれしいです」と話し、場内から笑いが起こる。そして「長く喋り過ぎてもしょうがないので、最後に一言、修斗の先輩の言葉を借りて締めたいです。日本のフェザー級、いや、修斗のフェザー級、いい選手、強い選手、たくさんいます。だけどみんな俺には勝てないよ。何で勝てないって?なぜなら、俺だって、修斗を愛しているから」と、暫定バンタム級世界王者の岡田遼の決めゼリフを借り、昼夜大会の最後を締めくくった。
第3試合 セミファイナル フェザー級 5分3R
○藤井伸樹(ALLIANCE/バンタム級世界7位、環太平洋8位)
×後藤丈治(TRIBE TOKYO M.M.A)
判定3-0 (片岡29-28/田澤29-28/横山29-28)
4月のRoad to ONEで元修斗環太平洋バンタム級王者の祖根寿麻をニンジャチョークで沈めた後藤が修斗に初参戦した。後藤は昨年北海道から上京し、TRIBEに加入し、パンクラスでの4勝と合わせて5連勝中と絶好調。だが藤井はパンクラス時代からの約30戦で一本・KO負けは一度も無く、今回も持前のタフさ発揮し勝機をつかむことに。
1R、後藤がサウスポーに構え、左ストレート、左ハイを積極的に放つ。藤井が組みに来れば、離れて下がりながら左ストレートを当てる。3分過ぎからは左ストレート、ハイのヒットを増やし、左肘打ちも絡め、藤井を苦しめる。終盤、ようやく藤井が倒してバックを取りかけるが、後藤は脱出。すると終了間際、藤井が金網際に後藤を詰め、左右のストレートを当てて挽回する。記者採点は後藤だが、藤井にも勝機のある展開だ。
すると2Rも藤井の流れが続き、序盤からタックルで倒し、後藤が立ってもすぐ金網に押し込み、片足タックルで倒して上をキープする。中盤、後藤はスタンドに戻すが、藤井は前に出続け、終盤にもタックルで倒し、すぐにバックを奪い、裸絞めを極める。後藤は苦しい表情を浮かべながらも時間いっぱいまで耐える。記者採点は藤井。
3Rも藤井が2R序盤同様に片足タックルで倒すと、再びバックを奪い、早くも裸絞めを極める。後藤はアゴを引いてギリギリのところで防御を続けるが、藤井はポジションを少し動かしながら裸絞めのトライを繰り返す。3分過ぎ、ようやく後藤が脱出するが、藤井が再び倒す。それでも後藤は立ち、左ハイとパンチを当てるが、消耗が激しく攻めきれない。記者採点は藤井。合計29-28で藤井。ジャッジ3者も同様で、藤井が判定勝ちした。
試合後のマイクで藤井は「久々に削り合うと疲れるんですよ」と飄々と口にして観客を笑わせ「前回、結果残せなかったんで(※1月に田丸匠に判定負け)、今回、強い相手来ましたけど、今度はきっちり勝てるよう練習してきます」と話した。
第2試合 ウェルター級 5分2R
×ヨシ・イノウエ(パラエストラTB)
○飯田健夫(フリー)
2R 4’23” 腕ひしぎ十字固め
第1試合 フライ級 5分2R
×大竹 陽(HAGANE GYM)
○関口祐冬(修斗GYM東京)
1R 2’19” KO (右フック)
第1部
第5試合 メインイベント フライ級 5分3R
○猿丸ジュンジ(修斗GYM東京/ストロー級世界1位)
×飯野タテオ(和術慧舟會HEARTS/ストロー級世界2位)
1R 4’54” KO (パンチ連打)
22歳の新ストロー級世界王者・箕輪ひろばへの挑戦を目指し、34歳の両者が激突。猿丸は18年1月の次期挑戦者決定戦で村田一着にKO負けしたが。その後は1つの引分を含め4戦負け無し。飯野は18年8月、ジェットタテオから飯野タテオにリングネームを改めて復帰以降4連勝し、王座初挑戦に近づいたが、過去4度王座挑戦経験のある猿丸がキャリアの差を見せつけることに。
1R、序盤から飯野が圧をかけるが、猿丸はかわしつつ左フックを当て、タックルを仕掛けて倒す。飯野はすぐ脱出するが、猿丸はがぶってギロチンを仕掛ける。飯野は外すが、猪木アリ状態で猿丸が立った状態から、寝ている飯野にパウンドを的確に当てる。スタンドに戻り、飯野はしぶとく圧をかけ続けるが、猿丸はうまくかわし、随所でパンチをヒットし、飯野をじわじわ消耗させる。すると終盤、猿丸が左ジャブを連打し、飯野がひるむと、チャンスを逃さず、金網に詰めてパンチを連打。飯野が崩れ落ちたところでレフェリーがストップした。
マイクを持った猿丸は「俺の夢は修斗の世界チャンピオン。タイトルマッチをやる時は会場で俺のこと見てください」とアピールし、王座挑戦を熱望した。
第4試合 セミファイナル ウェルター級 5分3R
○大尊伸光(野田ボディビル同好会/世界ライト級1位、環太平洋5位・元王者)※フリーから所属変更
×マックス・ザ・ボディ(カメルーン/BRAVE)
1R 3’07” KO (左フック)
Road to UFCでの「ソーリーごめん」の迷言でおなじみ大尊伸光が、一昨年の大晦日のRIZINで、あのトフィック・ムサエフに敗れて以来1年9カ月ぶりに戦線復帰した。マックスはGRACHANやTTFに出場してきた選手で修斗初参戦。
1R、大尊は少し離れたところから右ロー、カーフキックを着実にヒットする。マックスは時折スイッチし、早くも効いている様子だ。すると中盤、大尊が右ローを出すと、マックスは詰めて右と左のパンチを振り回すが、大尊がカウンターの左フックでマックスのアゴを撃ち抜き、見事一発でKOした。
大尊は「僕のお母さんが今、ガンと戦っています」と話すと、母親をケージの中に呼び込み「俺も勝ったからママも絶対に勝てよ」と激励した。
第3試合 ライト級 5分2R
○工藤諒司(TRIBE TOKYO M.M.A/フェザー級環太平洋9位)
×野瀬翔平(マスタージャパン福岡)
1R 2’13” KO (右ストレート)
ONE Championship本戦目指し快進撃を続ける工藤諒司も1年半ぶりに修斗に復帰。1R、グラップラーの野瀬は開始すぐから詰めて押し込んでテイクダウンを狙う。だが工藤はクリンチの状態で左肘を当てながら突き放すと、右ストレートをクリーンヒットして野瀬をひるませる。さらに工藤はパンチを当て続け、最後は右ストレートでKOした。
マイクを受け取った工藤は「実は昨日、14年生きた愛犬が亡くなってしまって、本当に悔しくて、試合が終わったら会いに行こうと思ったんですけど間に合わなくて。ですが今日は愛犬の死が意味のあることだと証明できたので、ありがとうと伝えたいです。ありがとうございました」とアピールした。
第2試合 ライト級 5分2R
○西川大和(西川道場)
×椿 飛鳥(トライデントジム)
1R 3’23” 三角絞め
1R開始すぐから西川が序盤からテイクダウンを奪うが、椿は脱出し、抱え上げて倒す展開を繰り返す。だが西川はすぐ立ち続ける。西川は椿に抵抗せず、動かさせて少しずつ体力を奪っているようにも見える。すると3分過ぎ、椿が豪快に抱えて倒し、これからという展開を作ったが、下になった西川が三角絞めを極めてタップアウト。西川が17歳とは思えないクレバーな試合運びで、修斗参戦2連勝を飾った。
第1試合 女子51kg契約 5分2R
○中村未来(マルスジム)
×永尾音波(AACC)
判定3-0 (20-18/20-18/20-17)
1R、スタンドの打撃戦が続き、中盤以降、中村が圧をかけ、パンチとミドルのヒットを増やし、やや優位。終了間際には引き込んでギロチンも仕掛けて好印象を残す。
2Rは序盤から中村がテイクダウンを奪って、1分足らずでサイドを取る。左足を顔面に押さえつけながら、鉄槌を連打する。永尾はスタンドに戻して押し込むが、中村はギロチンやがぶりやオンブの状態で攻め込み、終盤にはニンジャチョーク、腕十字も仕掛けてチャンスを作り終了。中村が多様な攻めで好印象を残し判定勝ちした。