RISE 3.24 後楽園ホール:清水賢吾・藤田大和・原口健飛がKO勝ち。フェザー級王座戦は森本“狂犬”義久×工藤政英の再戦に。野辺広大・結城将人が再起戦勝利。ベイノア辛勝。瀧谷渉太は判定負け
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RISE 123
2018年3月24日(土) 後楽園ホール
レポート&写真:井原芳徳 (中継 スカイA Part.1 4/23(月)21:00~ Part.2 4/24(火)21:00~)
第9試合 メインイベント -92kg契約 3分3R(延長1R)
○清水賢吾(極真会館/RISE&SB日本ヘビー級王者/91.8kg)
×デビッド・トラレッロ [David Trallero](スペイン/ユニットデニア/WKUスペイン・ヘビー級王者、MMA MIX FIGHTポルトガル王者、WFロシアキックボクシング世界ヘビー級王者/91.3kg)
2R 1’27” KO (左フック)
清水はRISE公式インタビューで「6月17日の幕張メッセでジェロム・レ・バンナとやりたい」と話し、前日計量後の会見でも「前から戦いたいと言って来たバンナ選手に少しずつ近づいているので、そのためにも明日はしっかり勝ちたい」とコメントしていた。
対するトラレッロはISKA推薦選手で、キック戦績26戦24勝(17KO)2敗の33歳。米国のMMA情報サイト・Sherdogの戦績データベースを見ると、MMA戦績は11戦6勝(4KO)5敗。ボクシングの戦績データベースのBoxRecによると昨年9月と11月にボクシングの試合をして1勝1分。蹴りも使うが典型的なブン回し系のパンチャーで、清水にとって仮想バンナとなるかもしれない。
1R、長身の清水が右ロー、左ミドル等を積極的に当て攻勢。終盤、コーナーに詰め、ミドル、パンチ等をまとめると、突然トラレッロが顔を背け、レフェリーがダウンを宣告する。その後も清水が蹴りを連打するが、トラレッロが右フックを当てると清水はひるみ、トラレッロは右の連打で反撃する。記者採点は10-9で清水で、1ポイントをトラレッロに戻した。
2Rも清水の右ロー、トラレッロの右フックの構図。激しく打ち合うが、中盤、パンチの交錯する展開で、清水の左フックがクリーンヒットし、トラレッロがダウン。8カウントぐらいで立ち上がるが、10カウント時にレフェリーに背中を向けてポーズを取らなかったため、レフェリーがストップし、清水のKO勝ちとなった。
清水は「メインにふさわしいか、わからないですが、とりあえずKOで飾れたので良かったと思います。もらってしまいましたが、もらいながらカウンターを狙って、ってことで、心配なさらず見てもらえたらと思います。今日KOで勝ったので、ぜひ大物とやらせてください。次回6月17日幕張、熱い試合しますので、応援お願いします」とアピールした。
第8試合 セミファイナル 第3代RISEフェザー級(-57.5kg)王座決定トーナメント準決勝 3分3R(延長1R)
○森本“狂犬”義久(BRING IT ONパラエストラAKK/RISE 1位/57.5kg)
×宮崎就斗(TARGET/RISE 6位/57.5kg)
判定3-0 (長瀬29-27/大沢29-27/横山30-27)
16年11月より試合を行っていない花田元誓が返上した王座を賭け、4選手でのトーナメントがスタートする。森本・宮崎・工藤政英の3選手は、昨年11月のTDCホール大会の「DEAD OR ALIVE -57kg TOURNAMENT」に出場し、森本と工藤は準決勝で敗れ、宮崎は一回戦で敗れた。篠塚辰樹はプロボクシング4戦3勝(2KO)1敗を経てキックに転向し、2月4日のRISEでデビューし、ランカーの山川賢誠を76秒でパンチでKOした。
森本×宮崎はRISEを主戦場とし続けた選手同士の顔合わせ。1R、宮崎はサウスポーからの左ミドル、右ロー等蹴り主体で攻めていたが、終盤、森本が右ストレートをクリーンヒットしひるませ、パンチラッシュで追い詰める。記者採点は10-9で森本。
2R、その流れに乗り、森本が右ストレートを再びクリーンヒットし、右を連打し続けると、宮崎がひるんだところで小川レフェリーがスタンディングダウンを宣告する。その後、宮崎もパンチと蹴りを返すが、森本が耐えて攻勢をキープする。記者採点は10-8で森本。
3R、宮崎が左ミドル、三日月蹴りを当てていると、少しずつ森本は口が開いて苦しそうになり、宮崎が度々左フックを当てて猛反撃。場内を沸かせるが、ダウンは奪えず。記者採点は9-10で宮崎で、合計29-27で森本。判定勝ちした森本は「6月17日、生意気なウサギ(工藤)を思いっきりぶっ倒します」と宣言した。
第7試合 第3代RISEフェザー級(-57.5kg)王座決定トーナメント準決勝 3分3R(延長1R)
○工藤政英(新宿レフティージム/RISE 2位/57.4kg)
×篠塚辰樹(TEAM TEPPEN/57.5kg)
2R 1’43” KO (3ダウン:右ローキック)
篠塚のセコンドには共同生活している那須川天心の姿。1R、開始すぐから篠塚がボディ、顔面にパンチを連打するが、工藤は耐えると、右ローをコツコツヒット。ボクサースタイルの染み付いた篠塚は左足を上げてカットができず、もらい続けると終盤にはぐらつくように。記者採点は10-9で工藤。2Rも工藤が執拗に右ローを当て続け、右ローで3ダウンを奪ってKO勝ちした。
結局、決勝戦は去年のDoAトーナメントの3位決定戦の構図に。森本と工藤は昨年5月の後楽園大会で対戦し、激しい殴り合いの末に延長ドローに終わっており、決着戦も激闘となりそうだ。
なお、リングサイド席では、先日、RISEの会見場を借りて会見したTRY HARD GYMのHIROYA代表代行と、弟で前K-1 WORLD GPスーパー・フェザー級王者の大雅が観戦していた。TRY HARD GYM勢は2月にK-1との契約が切られ、RISEをはじめ各団体のオファーを待っている状況。森本も客席の大雅に気付いており、試合後のバックステージで森本は「リングサイドで大雅が俺を見下すように見ていて腹が立ちましたね。殴りたくなりました。ベルト取ったら階級上げてもいいんで殴りたいですね」と矛先を向けていた。
第6試合 スーパーフェザー級(-60kg) 3分3R(延長1R)
○野辺広大(RISE ON/INSPIRIT/RISE 1位・元王者/60.0kg)
×鷲尾亮次(レグルス池袋/J-NETWORKスーパーフェザー級王者/59.9kg)
判定3-0 (小川30-28/大沢30-28/秋谷30-28)
野辺は昨年11月のTDCホール大会でイ・チャンヒョンに敗れ王座陥落して以来の試合。対する鷲尾はRISE初参戦。1R、サウスポーの鷲尾に対し、野辺が圧力をかけ、左ボディ、右ストレート等を当てるが、鷲尾も随所で左ミドル、左膝、右ストレート等を返し、はっきり差をつけさせない。記者採点は10-10。
2Rも同じような構図の中で、少し野辺が左ミドルをもらって苦しそうな表情を浮かべる場面もあったが、果敢に前に出て、終盤には左ハイや左ボディや右ストレートをまとめる。僅差だが記者採点は10-9で野辺。
3Rも野辺が前に出て、右ストレート、右ハイを随所でクリーンヒットし、鷲尾を下がらせ続ける。ダウンは奪えなかったがはっきり差をつけ終了。記者採点は10-9で野辺で合計30-28で野辺。
終わってみれば完勝の野辺は「言うことを考えていたんですけど、これじゃ胸張って言えないんで。次は進化した姿を見せます」と、少し序盤相手にチャンスを与えたことを反省するようなコメントだった。
第5試合 ウェルター級(-67.5kg) 3分3R(延長1R)
○“ブラックパンサー”ベイノア(極真会館/J-NETWORKウェルター級王者/68.0kg→67.5kg)
×憂也(魁塾/RISEスーパーライト級(-65kg)4位、DEEP☆KICK 65kg級王者/67.5kg)
判定3-0 (秋谷29-28/長瀬29-28/30-28)
ベイノアは2月大会でRISEに初参戦し、昨年のRISE新人王・中島将志をKOした。憂也は番長兇侍をKOして以来1年ぶり参戦だ。
1R、ベイノアが序盤に鋭い右ローを連打するが、憂也も左ミドルを返すようになり、左ボディと左フックの連打を決め、少しベイノアの表情を曇らせる。だが終盤にかけては蹴りの打ち合いで五分に戻す。記者採点は10-10。
2R、憂也が圧力をかけ、左主体でパンチを当て、ベイノアが時折右ロー主体で返し、均衡状態が続く。記者採点は10-10。
3R、これまで下がり気味だったベイノアだが、憂也の右ミドルをもらっても前に出ると、右ストレートをクリーンヒットしダウンを奪う。後の無い憂也の陣営からは「倒れてもいいから打ち合え」という声が飛ぶと、憂也は打ち合いで当て返して反撃。ベイノアは下がり続けて耐えて終了。ベイノアが苦しみながらも勝利をもぎ取った。
ベイノアは「憂也選手めちゃくちゃ強かったです。バッチリ勝ってタイトル戦アピールしたいと思っていたんですけど、この内容ならアピールできないかなと言いつつ、ぜひ挑戦させてください。昨日計量で最初の計量クリアできずすみませんでした。会見に出れなかったので昨日の分も喋ります。ダメですか?」と話すと、RISEの淵脇広報から「ダメ」いう声が飛ぶが、それでも話し続けつつ、「6月幕張大会出たいです」とアピールした。
第4試合 -53kg契約 3分3R
×瀧谷渉太(KSS健生館/元Krush -55kg王者/52.9kg)
○金子 梓(新宿レフティージム/53.0kg)
判定0-3 (豊永29-30/佐藤28-30/長瀬28-30)
瀧谷はKrush -55kg初代・第2代王者として通算3度防衛。昨年8月、ホーストカップで1年10か月ぶりに復帰し、初戦では國本真義に判定負けしたが、11月の復帰2戦目では麗也に判定勝ちしていた。瀧谷はRISEで今年新設される53kg近辺の階級での初代王座奪取を目指す。対する金子はレスリング出身の23歳で、RISEのアマチュア大会KAMINARIMONで好成績を残し昨年5月にプロデビュー。これまでRISEで5戦し全勝している新鋭だ。
1R、瀧谷はサウスポーに構え、細かい前後の出入りも織り交ぜながら回って、左のミドル、ローを当てて先手を取るが、中盤以降は金子も右ミドルを返すようになり、瀧谷が時折スリップする場面も。記者採点は10-10
2Rも瀧谷が左ミドル、金子が右ミドル主体の攻防で、なかなか均衡が崩れなかったが、終盤、金子が右のスーパーマンパンチを当てると、右の三日月蹴りも効かせ、瀧谷の表情が少し曇る。記者採点は9-10で金子。
3Rもその流れは変わらず、金子がパンチを当て続けていると、瀧谷は苦しそうに組もうとするが、レスリング出身の金子は押し離して細かくパンチを当て続け、右ストレートでダウン気味に倒す。最後まで同じように金子がパンチを当て続け、はっきり差をつける。記者採点は9-10で金子で、合計は28-30で金子。ジャッジ3者とも金子を支持し、金子の勝利となった。
第3試合 -58kg契約 3分3R(延長1R)
×泰良拓也(パウンドフォーパウンド/RISEフェザー級(-57.5kg)7位/58.0kg)
○藤田大和(リバーサルジム新宿Me,We/アマボクシング全日本選手権’11バンタム級(-56kg)優勝/58.0kg)
1R 2’18” KO (右フック)
藤田はアマボクシングで活躍し、昨年10月のRIZINではMMAルール、大晦日にはキックルールで那須川天心と戦って、敗れたが知名度を上げた。RISEは初参戦だ。迎え撃つ泰良はRISEを主戦場としており、前日会見では「RISEは那須川天心だけじゃないと証明します」と対抗心を燃やしていた。
1R、藤田は開始すぐから圧力をかけ、左ボディを強打し先手。泰良も回ってミドルを当てるが、藤田はひるまず前に出続け、時折左ミドルも織り交ぜる。そして中盤過ぎ、左ボディを再び効かせ、泰良の表情が曇ると、その隙を逃さず右のオーバーハンドフックを当ててダウンを奪取。泰良はダメージが大きく、カウンターの右フックで2ダウン目を奪う。ここですぐ止めてもいいぐらいだったが、小川レフェリーが10カウントを数えても泰良が立ち上がれなかったところで結末となった。
完勝の藤田は「大晦日の悔しい気持ちを今日までぶつけに来ました。今年しっかりキックをやって、天心君を追い越すまで行きます」と、那須川へのリベンジを目標に掲げた。
第2試合 スーパーフェザー級(-60kg) 3分3R(延長1R)
×アイオロス純(STURGIS新宿ジム/RISE 6位/60.0kg)
○原口健飛(聖武会館/JAPAN CUP 2017 -57kgトーナメント優勝/59.55kg)
2R 2’06” TKO (タオル投入:右ストレートでダウン後)
原口は11月のDoAトーナメントで、優勝する内藤大樹と一回戦で延長に及ぶ接戦を繰り広げた19歳の新鋭。1R、原口はサウスポーも織り交ぜながらアイオロスの圧力をかわしつつ、右ロー、左右のミドルを強打し、終盤に左の飛び膝蹴り、二段式の左ハイで2ダウンを奪う。
2R、アイオロスが物おじせずに前に詰めたため、少し攻めにくそうにした原口だが、少しずつパンチでダメージを与え、右ストレートでダウンを奪うと、アイオロス陣営からタオルが投入された。今後、スーパーフェザー級上位戦線での躍進が楽しみだ。
第1試合 バンタム級(-55kg) 3分3R
×佐藤九里虎 [ぐりこ](PHOENIX/RISE 13位/54.8kg)※佐藤駿 改め
○結城将人(TEAM TEPPEN/55.05kg→55.0kg)※U.M.A.より所属変更
判定0-3 (大沢28-30/小川28-30/秋谷28-30)
瀧谷同様にKrush -55kg戦線で活躍した結城が、那須川天心のいるTEPPENに移籍し初戦。セコンドには那須川の父・弘幸氏がつき、リング下では天心も見守る。
1R、結城が左ボディ、左右のロー、右ハイを駆使しつつ、右ストレートで佐藤をぐらつかせる。佐藤もパンチの打ち合いで返すが、結城の主導権は変わらない。
2Rは佐藤も左インロー、右ミドルを返し、距離をうまく取って、結城は少し攻めあぐねる状態に。3R、結城は圧力を強め、度々右ストレート主体のパンチで佐藤をぐらつかせる。佐藤も打たれ強く、ダウンは取れなかったが、結城が健在ぶりを示すファイトで勝利した。
オープニングファイト2 スーパーフェザー級(-60kg) 3分3R
×伊仙町勇磨(BLA-FREY/2015年RISING ROOKIES CUPスーパーフェザー級準優勝/59.6kg)
○洸杜 [ひろと](T’s KICKBOXING GYM/60.0kg)
2R 0’49” KO
オープニングファイト1 スーパーライト級(-65kg) 3分3R
×吉田 敢(BRING IT ONパラエストラAKK/64.6kg)※ゴールデングローブより所属変更
○雑賀弘樹(亀の子道場/2017年J-NETWORKライト級新人王/64.8kg)
1R 1’24” KO