RISE 1.13 後楽園ホール:WORLD SERIES前哨戦はKOの連続。鈴木真彦、良星を返り討ち。原口健飛、秀樹粉砕し白鳥大珠に宣戦布告。直樹が63kgトーナメント出場権
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RISE 136
2020年1月13日(月/祝) 後楽園ホール
レポート&写真:井原芳徳
2階級タイトルマッチ
第9試合 メインイベント RISEバンタム級(55kg)タイトルマッチ 3分5R(無制限延長R)
○鈴木真彦(山口道場/王者、WBCムエタイ日本統一バンタム級王者)
×良星[らすた](平井道場/1位、元Bigbangスーパーバンタム級王者)
4R 2’49” TKO (タオル投入:右ストレートでダウン後)
※鈴木が初防衛
RISEは昨年2019年同様、今年もビッグイベントシリーズ「RISE WORLD SERIES(RWS)」を開催する。昨年は58kgと61kgで世界トーナメントを3大会に渡って開催したが、今年は63kgの世界トーナメントと55kgのアジアトーナメントを行い、-55kgの優勝者には那須川天心との対戦権が与えられる(12月のRWS概要発表会見の記事参照)。4月12日のエディオンアリーナ大阪第1競技場でのRWS 2020開幕戦を前に、2020年初のRISEナンバーシリーズでは前哨戦のようなカードが並んだ。
鈴木と良星は揃って22歳。18年7月、第7代RISEバンタム級王座決定トーナメント一回戦で対戦し、鈴木が判定勝ちし、トーナメントを制覇し王者となった。良星はその後宮元啓介、結城将人らに7連勝し、王座奪取とリベンジの機会に辿り着いた。鈴木は天心に負けてから5年間無敗、17連勝で、昨年9月のRWS幕張大会では良星の後輩・田丸辰に延長判定勝ち。4月からのRWS -55kgアジアトーナメント出場を控えており、今回はなおさら負けるわけにはいかない。
1R、開始すぐから鈴木はコーナーに良星を詰め、右のフェイントからの左ボディ等のパンチ、右ローを積極的に当てる。良星は離れて素早く飛び込んてパンチや蹴りを放つが、度々詰められ、パンチをもらい続けてしまう。
2R、鈴木は同じように圧をかけ続けて主導権。途中まで良星もパンチと蹴りを出していたが鈴木のパンチをもらううちに鼻血を出し苦しそうな表情を浮かべるように。
3Rも同じように鈴木が詰めてパンチ主体で攻勢を維持する。良星は2Rほどもらわないが、攻撃を返せず。終了間際には右目の下の出血が増え、ドクターチェックを受ける。
4R、開始すぐこそ良星が胴廻し回転蹴りを当てて、場内を沸かせるが、以降は鈴木がパンチ、膝を当て続け、ダウン寸前まで追い詰める。終盤、良星の出血が再び激しくなりドクターチェックが入る。再開後も鈴木の攻勢は変わらず、右ストレートをクリーンヒットしダウンを奪う。すぐKO宣告していいぐらいの倒れ方で、小川レフェリーはカウントしたが、良星陣営からタオルが投入された。
鈴木は「良星選手も一度対戦した時から勝ち上がって、気持ちの見えるファイトをしてくれたので、僕も気持ちよく戦えました。ありがとうございました。応援してくれる人がパワーになっているので、アジアトーナメント優勝するんで、会場に応援に来て、パワーください」とアピールした。
第8試合 セミファイナル RISE第6代ライト級(63kg)王座決定戦(RISE WORLD SERIES 2020 -63kg出場者決定戦) 3分5R(無制限延長R)
×秀樹(新宿レフティージム/1位、K-1 REVOLUTION FINAL -65kg級世界王者)
○原口健飛(FASCINATE FIGHT TEAM/2位、Road to RIZIN KICK Tournament(2018 58kg)
1R 2’23” KO (右フック)
※原口が王者に。RISE WORLD SERIES 2020 -63kg出場権獲得
白鳥大珠が返上したライト級王座と、RWS 63kg世界トーナメント出場権を争う一戦。既に昨年の61kgのトーナメントの優勝者の白鳥が63kgトーナメント出場権を獲得しており、リングサイドの中継席で試合を見守る。
1R、両者サウスポ―に構え、長期戦を意識してか、ローの蹴り合いで少しずつ削り合おうという展開かに見えた。ところが終盤、両者の距離が詰まると、原口が左ボディを当ててから、秀樹の右フックのカウンターで右フックをクリーンヒット。秀樹はダウンすると、立ち上がろうとするが力が入らず、レフェリーがKOを宣告した。
ベルトを巻いた原口は「19歳で結婚して、2人の娘がいます。チャンピオンになれて良かったです」と話して、長女を抱きかかえる(次女は12月に生まれたばかりだという)。続けて「言いたいことがあります。王子(白鳥)に喧嘩売ろうと思います。僕のほうが強いんで、いつまでもチャンピオン面してんじゃねえ。組み合わせ抽選会がありますけど、対戦を指名します」とアピール。すると白鳥がリングインし「原口選手のことは純粋に強い思っていたんで、こんな試合を見せられて、やらないわけないでしょ。抽選と聞きましたけど一回戦でいいです。4月、大阪でやろう」と呼応した。
インタビューで原口は「何で勝ったかわからないですね。右の拳に感触がありますけど、実感が無いです。アップでもパンチを打ってないですね」「(作戦は)全く違いました。5Rあるんで、穴を見つけるためにも、少しずつ嫌がることするつもりでした」「運も実力のうちで、自分を褒めたいです」と試合を振り返った。白鳥については「また逃げると思ったんですけど、素直に認めてくれて、嫌いな部分が無くなって、尊敬して(試合を)できる感じです」と話した。
なお、休憩時間前には、4月のRWS大阪大会に出場する天心、白鳥がリングインしファンに挨拶した。天心は「次の試合はまだ決まっていないですが、4月の大阪大会を盛り上げます」、白鳥は「同じ階級の選手に煽られているので、やってやろうと思っています」と話した。
また、RISE 137 2.23 後楽園大会でHidekiを相手にRISEウェルター級(67.5kg)王座の防衛戦を行う“ブラックパンサー”ベイノアもマイクを持ち「今日のメインの秀樹選手とHideki選手の名前がややこしい。負けたら改名して欲しい。僕も負けたら免許書に書いてある本名に変える。ベルトと改名を懸けて、2月23日、首洗って待っとけ」とアピールした。
RISE WORLD SERIES 2020 -63kg出場決定トーナメント
第2試合 一回戦 3分3R(延長1R)
○北井智大(チームドラゴン/RISEライト級(63kg)3位)
×髙橋一眞(真門ジム/NKBライト級王者)
2R 2’16” TKO (2ダウン:右フック)
秀樹×原口以外にも、4選手参加の1DAYトーナメントでRWS -63kg世界トーナメント出場権が争われた。
1R、長身の髙橋が着実に左ミドルを当てているが、北井は蹴りをもらってから詰めてパンチを振るい続け、終盤に右フックをクリーンヒットして髙橋をひるませる。すると2R、序盤から北井が右アッパーでダウンを奪取。髙橋も打ち合いでパンチを返し、右膝を当てて巻き返したものの、終盤に北井が再び右フックでダウンを奪い、トーナメント規定によりTKO勝ちとなった。
第3試合 一回戦 3分3R(延長1R)
○直樹(BRING IT ONパラエストラAKK/RISEライト級(63kg)級4位、スック・ワンキントーン スーパーライト級王者)
×山口侑馬(山口道場/RISEスーパーライト級(65kg)1位、元INNOVATIONライト級王者)
3R 2’50” TKO (2ダウン:パンチ連打)
1R、前に出てフックを振るう侑馬に対し、直樹は回って距離を取りながら、カウンターや打ち終わりで着実にパンチを当て、右ハイも当て、やや優位に試合を進める。
2Rも直樹がパンチを当て続け、終盤には何発も当ててダウン寸前まで追い詰める。3R、直樹はなかなか仕留めきれなかったが、パンチの連打で2度ダウンを重ねてTKO勝ちした。
第7試合 決勝 3分3R(延長2R)
×北井智大(チームドラゴン/RISEライト級(63kg)3位)
○直樹(BRING IT ONパラエストラAKK/RISEライト級(63kg)級4位、スック・ワンキントーン スーパーライト級王者)
2R 2’50” TKO (3ダウン:パンチ連打)
※直樹が優勝。RISE WORLD SERIES 2020 -63kg出場権獲得
1R、北井が圧力をかけ続け、直樹が距離を取って回ってジャブ、ストレート、右ローを当てるが、時折北井がロープやコーナーに詰めて右ストレートをクリーンヒットし、直樹を苦しめる。
2Rも北井が序盤から詰めてパンチを連打。直樹のセコンドからは「打ち合うな」という声が飛ぶが、直樹は打ち合いに付き合うと、的確にパンチを当て、北井が鼻血を出して後退。直樹が右ストレートでダウンを奪う。その後もフラフラの北井にパンチを当て続け、さらにダウンを奪う。一度、北井がフラついてロープの外に出てしまい、ここで止めてもいいぐらいだったが続行。最後もパンチを連打して北井が防戦一方になったところでようやくレフェリーが止め、直樹のTKO勝ちとなった。
マイクを持った直樹は「僕、これで準決勝、決勝KOできたんで、ちょっと長めで喋っていいですかね。新成人のみなさんおめでとうございます。これで4月から始まる世界トーナメントの代表に決定しました。大阪で遠いですけど、応援してください。優勝します。この後、タイトルマッチありますけど、俺抜きでタイトルマッチやってもおかしいでしょ?今年中に世界トーナメントとRISEのベルト取るんで、俺のこと注目しておいてください」とアピールした。
なお、大会終了後のインタビューで、原口と白鳥のマイク合戦について聞かれると「いいんじゃないですか。俺はヘボい外国人を呼んで欲しいです。サクっとおいしい所だけ持っていければいい感じです」と笑顔で話していた。
ワンマッチ
第6試合 バンタム級(55kg) 3分3R(延長1R)
○志朗(BeWELLキックボクシングジム/ISKAムエタイ世界バンタム級王者)
×京谷祐希(山口道場)
判定2-0 (佐藤29-29/大澤30-29//秋谷30-29)
志朗は昨年9月の幕張大会でのRWS -58kg世界トーナメント決勝で那須川天心に判定負けして以来の試合。RWS -55kgアジアトーナメント出場権を得ており、その前に55kgで試合を行う。京谷は武尊に唯一の黒星をつけた選手として知られ、9月の幕張では3年ぶりに戦線復帰し、RISEバンタム級8位の金子梓をKOしている。
1R、京谷がサウスポーに構え、志朗が時折右ミドル、インローを当てるが、お互いカウンター狙いか?慎重で、攻撃が少ないまま終わる。
2Rも同様だが、志朗が右ミドル、インローのヒットをじわじわ増やす。京谷はパンチを打ちたいが、さっと志朗に距離を取られ続け、志朗の動きに対応できない。2Rが終わってコーナーに戻ってからもセコンドに「やりにくいわ」とつぶやく。3Rは志朗が蹴り数を上げ、京谷のパンチを封じ続け、ポイントを取り判定勝ちした。
第5試合 フェザー級(57.5kg) 3分3R(延長1R)
×宮崎就斗(TARGET/4位)
○澤谷大樹(HAWK GYM/6位)
判定0-2 (秋谷29-30/大澤29-29/長瀬29-30)
第4試合 スーパーフェザー級(60kg) 3分3R
○SEIDO(Lara-Tokyo/13位)※Team ORCAより所属変更
×中澤良介(TRY HARD GYM/16位、2019年RISING ROOKIES CUPスーパーフェザー級優勝)
判定3-0 (大澤30-29/佐藤29-29/長瀬29-28)
第1試合 ライト級(63kg) 3分3R
×畑中健太(蹴空ジム)
○KENTA(HAYATO GYM/JAPAN CUP 2016 -65kg級優勝)
3R 1’18” KO (右フック)
1R、畑中が左フックで1ダウンを先取するが、終盤、勢いが落ちると、KENTAがパンチ連打でダウンを奪い返す。2RにもKENTAが右ストレートで1ダウンを奪い、3Rに右フックで2ダウンを重ねたところでレフェリーがストップした。
オープニングファイト第2試合 61kg契約 3分3R
○齋藤奨司(FIGHT FARM/2018年KAMINARIMON全日本大会-65kg級優勝・大会MVP)
×KAZUMA(KASHIMA DOJO)
1R 2’40” KO (パンチ連打)
オープニングファイト第1試合 バンタム級(55kg) 3分3R
×七海貴哉(G-1 TEAM TAKAGI)
○大森隆之介(EX ARES/JAPAN CUP 2019 -60kg級優勝)
3R 1’17” KO (パンチ連打)
※2R右ストレートで七海に1ダウン、右ストレートで大森に1ダウン。