ムエタイ 3.29 ルンピニー:大田原友亮、タイ復帰2戦目は逆転KO勝ち
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格闘技医学会
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スックペッティンディー True4Uテレビマッチ
2017年3月29日(金)タイ・バンコク・ルンピニースタジアム
記事提供:早田寛(Photo & Text by Hiroshi Soda)
第1試合 125ポンド契約 3分5R
○ユースケ・エクシンディコンジム[大田原友亮](B-FAMILY NEO)
×デンキリ・サックウィチャン
2R TKO勝利
大田原友亮がタイ復帰2戦目をルンピニースタジアムにて闘った。前回のラジャダムナンでのタイ5年ぶりの復帰戦では、対戦相手が契約体重を2.7kgもオーバーしたが、大田原陣営はその相手との対戦をやむをえなく承諾。だがリング上での動きも良く、大田原本人も「手応えはあった。次はもっと成長した自分をタイでも見せていけるはず」と自信をつけた。
今回の復帰2戦目も前回のラジャダムナン復帰戦と同じく大手ペッティンディープロモーション主催のテレビマッチ、True4U(24ch)だ。対戦相手のデンキリ・サックウィチャンは、スラータニー県出身の22歳。前情報では「一発の重いファイター」という事だ。大田原は入場時に、ぺッティンディープロモーションのプロモーター、シアタン氏から「ユースケ、テレビマッチだ。面白い試合をしてくれ」という言葉をもらいリングインする。
1R、いつもは自分から蹴ってゆく大田原だが、今回は手数も少なく、逆にデンキリの左ローとミドルが目立った。とくにデンキリのローキックが数を増してゆき、大田原はこれを全てカットしなければ後半戦になって苦戦を強いられるだろう。
2R、大田原もようやくエンジンがかかってきたか。それまでのデンキリの蹴りをカットしつつ、左ミドル、左ローを繰り出し、そして距離を詰め肘も繰り出す。更に両者の距離が詰まり、パンチが交差。大田原が放ったワンツーがデンキリの顔をかすめると、これにムキになったデンキリが大きなパンチで突進。そこに合わせた大田原の左フックがデンキリのこめかみ部分にヒット。その瞬間デンキリはバッタリ大の字に倒れた。デンキリの意識の飛んだ顔を見たレフリーはカウント・スリーで試合を止めた。
大田原友亮の2RTKO勝利が決まり、場内ギャンブラーも荒れ狂う。初回から手数が少なかった大田原を不審に思い、デンキリ側への買いが殺到し、賭け率もデンキリ有利に差が開き始めたころ、そんな時に大田原は、たった一発の左フックでデンキリを倒してしまったのだ。この大どんでん返しに、場内の誰もが驚かされただろう。
この試合に大田原友亮の所属ジム会長で実父の大田原光俊氏も、場内ギャンブルエリアで息子、友亮の勝利に賭けていた模様。同氏曰く「今日は、うちの息子に30万円賭けて、友亮が勝ったから120万円になりました。やはり自分達親子は練習ばかりしないで、こんなユルい感じでやってる方が調子が出るんですよ。試合と賭け、両方に勝ったし、ある意味、今日はムエタイに勝ったぜ!完全復帰したかな?っていう感じですかね。自分ら親子は、これから一週間は遊びまくりますんで、もしタイ旅行に来る人がいたら連絡ください」と息子、友亮勝利への喜びを語った。
2RTKO勝利を収めた大田原友亮は、プロモーターの要望どおり、“面白い試合”をやってのけた。そしてこの試合のファイトマネーを受け取ると同時に、次の試合(4月19日)の出場要請も受けた。大田原は試合後に「前回は試運転的な意味合いもあった試合でしたが、今回は絶対に勝たなければならない気持ちで挑みました。自分を使ってれるペッティンディープロモーションの期待に応えられてうれしいです。今後は、また拠点をタイにし、ここに住みながら活動していきます。4月19日もまたルンピニーで試合が決まりました。日本の皆さん、応援をよろしくお願いします」と語った。