新日本キック 3.3 後楽園ホール:勝次、WKBA王座戦はタイ人選手に延長判定負け。江幡塁、RIZIN榊原氏の目の前で快勝
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新日本キック 伊原プロモーション「MAGNUM 49」
2019年3月3日(日)後楽園ホール
レポート&写真:井原芳徳
第10試合 スペシャルメインイベント WKBA世界ライト級王座決定戦 3分5R
×勝次(藤本ジム/日本ライト級王者)
○ノラシン・シットムアンシー[Norasing Sit.Muangsi](タイ/元テーププラシット・パタヤスタジアム60kg級王者)
6R 判定0-3 (櫻井9-10/少9-10/仲9-10)
5R 判定1-0 (櫻井48-48/少49-48/仲48-48)
※ノラシンが王者に
新日本キックの伊原信一代表が代表を兼任するWKBA(世界キックボクシング協会)のタイトルマッチ。ノラシンは戦績52戦35勝(5KO)15敗2分の33歳。勝次より2歳上だが、切れ味鋭い動きで勝次の野望を打ち砕く。
1R、中盤まで勝次が圧力をかけていたが、ノラシンが左ミドルを強打すると、後半はノラシンが圧力をかけるように。まだお互い攻撃が少なく、ジャッジ3者も記者も10-10。
2Rもノラシンが圧力をかけ、長身を活かした伸びのある左前蹴りを当て続け、勝次を逃がさない。勝次はパンチの空振りが多く、ノラシンは右ストレートも強打し、やや好印象を残す。ジャッジは1者がノラシンにつける。記者もノラシン。
3Rもノラシンの左の前蹴りに手を焼く状況が続いたが、中盤過ぎ、ノラシンが右ミドルを強打した直後、勝次が左アッパーと右フックを連続でヒット。ノラシンは倒れた後にすぐ立ったが、シーナレフェリーはダウンを宣告する。タイならダウンとならない可能性もあるが、日本なら妥当な裁定だろう。記者採点もジャッジも10-8で勝次。
4R、ダメージの小さいノラシンは、点差を埋めようと、左右の前蹴り、右ボディストレートの連打、左フック等で勝次を脅かす。勝次も随所で左フックを返し、大差はつけさせなかったものの、終了間際、ノラシンの右肘で勝次は左まぶたを少し切られてしまう。記者採点は9-10でノラシン。
5R、ノラシンは左右の前蹴りを当て続け、勝次のパンチをかわし、終盤には膝蹴りもヒット。勝次も中盤に右ストレートを一発当ててのけぞらせたが、手数で差が開いてしまう。ノラシンの攻撃が途中減ったため、記者採点は10-10としたが、9-10でノラシンについても不思議ではない。合計48-48でドロー。ジャッジも2者がドローとし、延長に突入する。
延長Rはマストシステム。勝ちを義務付けられた勝次は必死に前に出るが、ノラシンはかわし、右ミドルを強打し続ける。すぐに勝次も左ボディを返すが、他の顔面狙いのパンチはなかなか当たらない。ノラシンは終盤、勝次の軸足を刈って2度スリップさせ、巧さを印象付ける。記者採点はノラシン。ジャッジ3者も順当にノラシンにつけ、勝次の王座奪取を阻んだ。
第9試合 メインイベント 56kg契約 3分5R
○江幡 塁(伊原道場本部/WKBA世界スーパーバンタム級王者)
×アナージャック・シットゲーオプラユーン[Anajak Sit.Kaewprayun](タイ/元タイ南部2階級制覇王者)
判定3-0 (シーナ49-47/少49-47/仲50-46)
休憩明けの第7試合以降は、本部席の伊原代表の後ろで、RIZINの榊原信行実行委員長も試合を観戦した。塁は大会前の公式インタビューで、天心や武尊との対戦意欲について聞かれ「僕たちの打倒ムエタイの試合スケジュールが最優先ですが、もしもそういう話が出てくれば、やらない理由はありません。それによって業界が盛り上がってくれるのであれば、喜んで協力しますよ」とコメントしており、榊原氏にしっかりアピールしておきたい試合だ。対するアナージャックは戦績65戦45勝(10KO)18敗2分の20歳。
1R、塁が左右に細かく動き、右ロー主体で攻めようとするが、長身のアナージャックに対し、距離が遠く、空振りが多い。
2R、塁は攻撃を散らしてフェイントをかけつつ、右フック、左ボディ、左ミドルのヒットを増やす。右ハイで勢い余ってトップロープ上を一回転して外に出てしまう場面も。だが終盤はフェイントを読まれ、ヒットが減ってしまう。
3R、塁が右ロー、左の奥ローのヒットを増やし、じわじわ優勢に。首相撲になっても右肘を当ててアナージャックをひるませる。アナージャックはローを嫌ってサウスポーに切り替えるように。
4R、アナージャックはサウスポーを貫き、序盤こそ左ミドルをもらってしまった塁だが、次第にボディ狙いの右フックのヒットを増やし、右アッパー、ストレートも効かせて追い詰める。
5Rも塁が圧力をかけ、右ストレートを随所で当てて優勢。だがアナージャックも左ミドル、ハイを返し続けて耐え終了。ダウンは奪えなかったが、ポイントを重ね続け判定勝ちした。
第8試合 73kg契約 3分5R
△斗吾(伊原道場本部/日本ミドル級王者)
△プーパンレック・クラミツジム(タイ/クラミツムエタイジム/元蹴拳スーパーミドル級王者)
判定0-1 (仲29-29/秋谷29-30/シーナ29-29)
1R、斗吾が圧力をかけ、フック主体のファイト。プーパンレックは回って距離を取りながら、時々右ミドルを返す。2R、プーパンレックの首相撲につかまって膝をもらってしまう場面も度々あり、斗吾はやや攻撃が減ってしまう。3R、斗吾が圧力をかけ続け、パンチを時折当てるが、決定打には欠け、ドローに終わった。
第7試合 67.5kg契約 3分5R
○リカルド・ブラボ(アルゼンチン/伊原道場アルゼンチン支部/日本ウェルター級王者)
×デンノンセン・エイワスポーツジム(タイ)
2R 1’47” KO (右ストレート)
1R、まだ両者慎重だが、ブラボが終盤に左ボディをクリーンヒットする。2R、ブラボが圧力を強め、手数を少しずつ上げると、右ローを連打した後、右ストレートでダウンを奪う。デンノンセンは立ち上がれず、KO勝ちとなった。
第6試合 女子51kg契約 2分3R
×栞夏[かんな](トーエルジム)
○アリス(伊原道場本部)
判定0-3 (29-30/29-30/28-30)
ファッション雑誌「セブンティーン」の専属モデルの15歳・高橋アリスがアリスのリングネームでキックデビュー戦(プロフィール紹介記事)。
1R、長身のアリスが左ジャブを突いてプレッシャーかけ、右のミドルとローを当て続けていたが、終盤には栞夏も中に入り、左右のフックを当てるようになる。
2Rも少し栞夏のパンチをもらうが、アリスもパンチを返すようになると、右ストレートが効き目を発揮し、終盤は栞夏がふらついてしまう。
3R、疲れの見えてきた栞夏に、アリスが右ロー、組んでの膝を当て続ける。崩しも決め、優位をキープし判定勝ちした。
アリスは「KOで勝てなかったのでもっと練習して頑張ります。セブンティーンの誌面にも出ているのでぜひ見てください」とアピールした。実戦で右の蹴りの威力を示すことに成功。モデルとの両刀で今後躍進が期待できそうだ。
第5試合 71kg契約 3分5R
○喜多村誠(伊原道場新潟支部/元日本ミドル級王者)
×中川達彦(打撃武道 我円)
1R 2’53” KO (右ストレート)
喜多村は昨年10月大会で元ラジャダムナン王者のT-98に肘によるカットでTKO勝ちして以来の試合。中川との実力差は大きく、左ジャブの連打で最初のダウンを奪うと、その後もハイキック、肘で圧倒し、最後は右ストレートで終わらせた。
第4試合 62kg契約 3分3R
○内田雅之(藤本ジム/日本ライト級1位)
×拓也(チャクリキ武湧会)
2R 1’54” KO (3ダウン:膝蹴り)
第3試合 61.5kg契約 3分3R
×長谷川健(RIKIX/WPMF日本ライト級王者)
○髙橋亨汰(伊原道場本部/元日本フェザー級1位)
2R 2’10” KO (左ハイキック)
1R、サウスポーの髙橋とオーソドックスの長谷川の蹴り合いがしばらく続いたが、残り1分、高橋の左ストレートで長谷川がダウン。終盤にも高橋が左ストレートでダウンを奪う。2Rもその流れは変わらず、高橋が左ストレートでまたもダウンを奪取。ここで止めていいぐらいのダメージだが、続行すると、最後は髙橋が左ハイで長谷川をマットに沈め、持前の破壊力を強烈に印象付けた。まだ無冠だが、WPMF日本王者に完勝したため、そろそろ他団体進出も期待したいところだ。
第2試合 ライト級 3分3R
○渡邉涼介(伊原道場新潟支部)
×北川哲也(STURGIS新宿ジム)
判定3-0 (30-27/30-27/30-27)
第1試合 フライ級 3分2R
×小野拳太(藤本ジム)
○石渡悠真(P.K.センチャイムエタイジム)
判定0-3 (18-20/18-20/18-20)