新日本キック 3.3 後楽園ホール:勝次「目黒ジムの選手として、伝統のあるWKBAを巻く意味がある」、江幡塁「目標はラジャダムナン王座。そこはブレていません」
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新日本キック 伊原プロモーション主催「MAGNUM 49](3月3日(日)後楽園ホール)に出場する江幡塁、勝次のインタビューが主催者から届いた。
第10試合 スペシャルメインイベント WKBA世界ライト級王座決定戦 3分5R
勝次(藤本ジム/日本ライト級王者)
ノラシン・シットムアンシー[Norasing Sit.Muangsi](タイ/元テーププラシット・パタヤスタジアム60kg級王者)
第9試合 メインイベント 56kg契約 3分5R
江幡 塁(伊原道場本部/WKBA世界スーパーバンタム級王者)
アナージャック・シットゲーオプラユーン[Anajak Sit.Kaewprayun](タイ/元タイ南部2階級制覇王者)
勝次「KOに拘らずに泥臭い試合をしてでもタイトルを獲りにいきます」
――勝次選手は、KO勝ちの後にお客さんと『1・2・3ハッピー!!』と叫ぶなど、とても明るいイメージがありますね。昔から、そういうキャラクターだったんですか?
勝次「あの掛け声は、キックイベントのKNOCK OUTで、意識が朦朧としている中で勝手に出た言葉だったんですが、面白いと思って始めました。じつは、こう見えても挫折を何回も味わってきたんです」
――そんなに挫折があったんですか。
勝次「第1次挫折が、デビュー戦の頃ですね。15歳の時に兵庫県でキックを始めて、アマチュアムエタイの世界選手権で鴇(稔之=現Kickbox会長)さんと知り合ってから、父に『東京で勝負してこい』と言われて、藤本ジムへ移籍したんです。すぐにトップになれると思っていたら、デビューから連続でドローに終わって。『君は勝次ではなく、分次(わけじ)だな』と笑われていました。当時から藤本ジムはみんなレベルが高かったので、必死になって練習しました」
――まさに力づくで、のし上がっていったんですね。
勝次「それから1年くらいして父の癌が発覚して、その時が第2次挫折です。結局、3年くらいしかもたなかったんですが、どうにか父にチャンピオンベルトを見せてあげたいと思いながら闘っていました。でも当時、日本ライト級のチャンピオンは先輩の石井達也さんで、同門はタイトルに挑戦できないため、焦りばかりありました。一度、リングから『チャンスをください』とアピールしたこともあって、少し険悪なムードになってしまいました。ジムで本気のスパーをやったこともあります」
――同門対決は、ご法度ですからね。
勝次「そうしたら石井さんがケガをしてしまい、タイトルを返上することになりまして、僕にチャンスが回ってきたんです。すでに父は亡くなってしまいましたが、墓にベルトを持っていこうと決意して臨みました」
――2014年5月18日、王座決定戦の相手は翔栄選手でしたね。
勝次「兵庫からも仲間が会場に駆けつけてくれて、300人くらいは応援団がいたと思います。人生をかけた大勝負だったんですが、判定で負けてしまって。人生で一番、落ち込みましたね。これが第3次挫折です」
――先輩にケンカを売るほど欲しかったベルトですから、落ち込み方は激しかったでしょうね。
勝次「この時に、人生観が変わりました。考え方をすべて変えろと知り合いに言われて、すべてポジティブに考えるようにしました。一つひとつ、どんな些細なことでもいいと思ったら、取り入れるようにしていきました」
――なるほど、そこがハッピーの原点なんですね。そして1年後、永澤サムエル聖光選手を破ってライト級チャンピオンになりました。
勝次「嬉しかったですね。2015年3月15日、まさにサイコー(315)の日になりました(笑)。モチベーションはMAXでしたし、得意のワンツーの右ストレートが当たって、セコンドのタオル投入で勝つことができました」
――本当に生まれ変わったんですね。日本チャンピオンになることが目標だったと思いますが、その後の野望はどう変化したのでしょうか。
勝次「チャンピオンになった後は、防衛戦という難関がありました。目黒(現=藤本)ジムには『タイトルを防衛してこそ本当のチャンピオン』という言葉がありまして、初防衛戦はやはり苦労しました」
――春樹選手に判定勝ちでした。
勝次「相手も必死ですから厳しい試合でしたね。でも自分の目標は有名になってジムを開くことなので、ここが本当の始まりになりました」
――ジムの開設ですか。
勝次「今ではなく、将来的にですけどね。父から、『お前は子どもが好きだから、指導者にも向いているよ』と言われていたんです。そのために経営学を勉強するスポーツの専門学校にも、通わせてもらっていました。また昨年6月に後援会を発足してもらって、定期的に懇親会をさせていただいている中で、応援していただく方は、企業の社長とか凄い方ばかりなので勉強させてもらっています。『お金は出さないけど、お金の稼ぎ方を教えてあげる』と言ってくださる方もいて、本当に感謝しています」
――それは大きな財産ですね。勝次選手はチケットをたくさん売る選手だと聞きました。
勝次「これも選手の仕事だと僕は思っています。練習や試合をするのは当然として、チケットを販売する能力もこれからの選手には必要です。自分で言うのはなんですが、僕はいい営業マンなんですよ(笑)」
――今回はWKBA世界タイトルがかかっています。
勝次「WKBAは、世界で最初にできた目黒ジムの故・野口修会長が、初めて創設したキックボクシングの世界タイトルです。目黒(藤本)ジムの選手として、伝統のあるベルトを巻くことに意味があると思っています」
――KO勝ちを収めて、1・2・3ハッピーをやりたいところですね。
勝次「いえ今回は、KOに拘らずに泥臭い試合をしてでもタイトルを獲りにいきます。判定になっても、1・2・3ハッピーをやりますよ」
――それは楽しみですね。
勝次「ジム開設が目標と言いましたが、その前にやることはまだたくさんあります。今、話題になっているONEで、キックボクシングのチャンピオンとして試合をしてみたいですね」
江幡塁「那須川VSメイウェザーを見て、若い頃の気持ちを思い出しました」
――江幡選手は、那須川天心選手と階級がほぼ同じですよね。昨年末の『RIZIN』のフロイド・メイウェザー選手との試合は観ましたか?
塁「はい。自宅で観ました。あの条件の中、よく頑張っていましたね」
――やはり那須川選手にとって不利な条件だったと思いますか。
塁「そうですね。ボクシングルールで、しかも体重も経験も違います。誰がどう見ても、那須川君のほうが不利だというのは分かるのではないでしょうか。でも仮に自分が彼と同じ立場だったとしたら……、やはり挑戦してしまいますね。どんなに不利な条件だと分かっていても、あの最強と呼ばれるメイウェザー選手が相手ですから、対戦したくなるのは格闘家として当然だと思います」
――そういうものですか。
塁「ええ。僕はそう思います。結果は残念でしたが、あの試合を見て自分が若い頃の気持ちを思い出しました。自分なら絶対にできる、絶対に負けないという野心や自信は、若い頃に強く持つものですからね。ああ、自分にもそういう時期があったなと、とても懐かしく思いました」
――目標だけを真っすぐに見て、ガムシャラに突き進む那須川選手の姿を見て感情移入したファンもいたと思います。江幡選手も、そういう時期があったと。
塁「あったというか、今もありますね。懐かしいとは言いましたが、そういう意味では昔から目標は変わっていませんね。打倒ムエタイというのは、僕たちの目標ですから。僕たちの階級で誰も成し遂げていない伝統あるラジャダムナンスタジアムのベルトを獲得することしか見ていません。彼の試合を見て懐かしいと思ったのは、うまく表現できませんが那須川選手の純粋な気持ち…、自分を信じる思いが伝わったからかもしれません。その意味では、僕たちと同じだなと思いました」
――一方で、那須川選手と武尊選手の対戦の話題がよく出てきます。頂上対決という表現に対して、どういう思いでいるのでしょうか。
塁「僕は盛り上がればいいと思っています。彼らがメディアに出て大きく取り上げられることの方が重要で、キックボクシング界にとっていいことですよね。そこで興味を持ってくれたファンが、本場ムエタイに挑戦をしている僕らの存在を知ってもらえれば嬉しいし、一緒に盛り上げていきたいとは思っています」
――対戦したい気持ちはあるのでしょうか?
塁「僕たちの打倒ムエタイの試合スケジュールが最優先ですが、もしもそういう話が出てくれば、やらない理由はありません。それによって業界が盛り上がってくれるのであれば、喜んで協力しますよ」
――那須川選手や武尊選手に勝つことがゴールではないと。
塁「はい(きっぱり)。僕たちにとって一番、大切なことは、ラジャダムナンスタジアムのベルトを腰に巻くことです。キックボクシングの選手、新日本キックの選手にとって、それを目指すのは宿命ですから。そこは、昔からまったくブレていません。歴史に守られたムエタイの聖域とも呼ばれる伝統の階級に挑戦して、目標を達成するのが僕たちの悲願です」
――他のことにとらわれている時間はないですか。
塁「そこだけにフォーカスしていないと、目標は達成できないのではないでしょうか。そんなに甘い世界ではありませんし。今回、兄の睦がタイで試合をしたんです。セコンドについたんですが、相手にローキックを効かせて足を引きずるくらいまでダメージを与えていたのに、判定負けを喫してしまいました。日本だったら勝っていたと思いますが、あらためてタイの判定基準の難しさを痛感しましたね。首相撲対策をばっちりやって、パンチでも蹴りでも負けるわけがないという万全の状態だったにもかかわらず、ミドルキックのポイントで判定負け。判定の取り方は分かっているつもりでしたが、さらに研究が必要だと思いました」
――そこは難しいところですよね。ムエタイの基準で争うと、小さい頃からやってきた彼らに同じことで競り勝つことは難しいわけですし、強引に倒しに行けば隙が出て、そこを狙われてしまいます。
塁「そうなんですよね。でも、だからこそ面白いのも事実です。難しいからこそ挑戦する価値のあるものですし、ぜひ兄弟で達成したいですね」
――今回は、南部2階級元王者のアナージャック選手との対戦です。南部王者は、ネームバリューこそないものの地味に強い印象があります。
塁「たしかにこれまで何回か南部王者と対戦してきましたが、みんな強かった印象がありますね」
――相手の研究はするのでしょうか。
塁「映像で見るかもしれませんが、研究はしないでしょうね。これは伊原(信一)会長にもよく言わることなんですが、相手が誰でも闘える準備をしておきなさいと。だから、どんなタイプがきても問題ありません。実際、僕はどんな技でも倒せる準備をしていますから、研究されても大丈夫です」
――ここ数年、ローキックだけではなく、ハイキック、ボディブロー、ヒジ打ちなどでKOしていますね。
塁「臨機応変に使い分けられるようにしないと、打倒ムエタイは達成できませんから。すべての技でKOできるように高めたいです。そうすれば、打倒ムエタイは達成できると信じています」
対戦カード
第10試合 スペシャルメインイベント WKBA世界ライト級王座決定戦 3分5R
勝次(藤本ジム/日本ライト級王者)
ノラシン・シットムアンシー[Norasing Sit.Muangsi](タイ/元テーププラシット・パタヤスタジアム60kg級王者)
第9試合 メインイベント 56kg契約 3分5R
江幡 塁(伊原道場本部/WKBA世界スーパーバンタム級王者)
アナージャック・シットゲーオプラユーン[Anajak Sit.Kaewprayun](タイ/元タイ南部2階級制覇王者)
第8試合 73kg契約 3分5R
斗吾(伊原道場本部/日本ミドル級王者)
プーパンレック・クラミツジム(タイ/クラミツムエタイジム/元蹴拳スーパーミドル級王者)
第7試合 67.5kg契約 3分5R
リカルド・ブラボ(アルゼンチン/伊原道場アルゼンチン支部/日本ウェルター級王者)
デンノンセン・エイワスポーツジム(タイ)
第6試合 女子51kg契約 3分2R
栞夏(トーエルジム)
アリス[高橋アリス](伊原道場本部)
第5試合 71kg契約 3分5R
喜多村誠(伊原道場新潟支部/元日本ミドル級王者)
中川達彦(打撃武道 我円)
第4試合 62kg契約 3分3R
内田雅之(藤本ジム/日本ライト級1位)
拓也(チャクリキ武湧会)
第3試合 61.5kg契約 3分3R
長谷川健(RIKIX/WPMF日本ライト級王者)
髙橋亨汰(伊原道場本部/元日本フェザー級1位)
第2試合 ライト級 3分3R
渡邉涼介(伊原道場新潟支部)
北川哲也(STURGIS新宿ジム)
第1試合 フライ級 3分2R
小野拳太(藤本ジム)
石渡悠真(P.K.センチャイムエタイジム)
概要
大会名 MAGNUM 49
日時 2019年3月3日(日)開場・16:45 開始・17:00
チケット料金 SRS¥20,000/RS¥15,000/S¥10,000/A¥7,000/B¥5,000/立見¥4,000(当日のみ)
チケット販売 チケットぴあ、後楽園ホール、出場選手・所属ジム
お問い合わせ 伊原プロモーション 03-3780-1338 http://www.shinnihonkickboxing.com/