DEEP 12.22 後楽園ホール:水野竜也、桜井隆多との新旧ミドル級王者対決は2R一本勝ち。大塚隆史、再起戦完勝も「全然納得行っていない」
カーエイドpresents DEEP 87 IMPACT
2018年12月22日(土)後楽園ホール
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レポート&写真:井原芳徳
第9試合 メインイベント ミドル級(ノンタイトル戦) 5分3R
○水野竜也(フリー/王者)
×桜井隆多(R-BLOOD/元王者)
2R 2’53” 裸絞め
水野は2月のDEEPでの第9代王座決定戦で奥野泰舗に3R裸絞めで一本勝ちし、プロ10年目にして初のタイトルを獲得。最近では8月のROAD FCソウル大会でイ・ウンスに1R裸絞めで一本勝ちしている。今回は同じ茨城県出身の先輩ファイターとの戦いだ。
桜井はDEEPミドル級の第2代王者。4月大会で片平”なぎさ”吉幸と戦う予定だったが、前日計量の日の朝に片平が病院に運ばれ、試合が中止になっていた。その時の桜井の試合はウェルター級だったが、今回はミドル級に戻しての戦いに。試合自体は昨年8月のパンクラスで佐藤光留に2R TKO勝ちして以来となる。9月17日に47歳になったが、10歳下の現王者との過酷な戦いに挑む。
1R、サウスポーの水野が左ストレートを開始すぐに当てるが、桜井は組み付くと、首と脇を抱えて倒して上になる。桜井はハーフガードで押さえ続けるが、水野はスイープを狙いながらアームロックも仕掛けようとする。桜井は動いて外してサイドポジションを奪い、パウンドを連打し、再びハーフガードに戻る。水野が再び腕を取りに行くと、桜井は外し、立ってサッカーボールキックを当てるが、水野も最後はアキレス腱固めを仕掛けて反撃を試みる。ポジショニングとグラウンドの打撃で桜井がポイントを先取する。
2R、水野がパンチを当てるが、またも桜井が組み付き、倒して上に。水野は下からアームロックを再び仕掛け、桜井は外すが、隙を突いて水野はバックを奪い、ポジションをキープする。じわじわと裸絞めの体勢に持ち込むと、裸絞めを極めてタップを奪い、見事逆転勝ちを果たした。
試合後マイクを持った水野は「桜井選手、47歳になっても強かったです」と桜井を称え、「海外が色々盛り上がっていますが、自分はDEEPを盛り上げたいです」と宣言した。
第8試合 セミファイナル バンタム級 5分3R
○大塚隆史(T GRIP TOKYO/元DEEPバンタム級&フェザー級王者、WSOF-GCバンタム級王者)
×赤尾セイジ(パラエストラ東大阪/元HEATバンタム級王者)
判定3-0 (高本30-27/松宮30-27/福田30-27)
大塚は昨年、RIZINのバンタム級トーナメントに出場し、アンソニー・バーチャック、カリッド・タハに勝利して大晦日の準決勝に進んだが、石渡伸太郎に判定負け。「RIZINが終わって、試合が決まらなくてヤベえなって。試合しないと選手は忘れられちゃうんで、とにかく強い外人とやって勝って自分で発信していかないとなって」と思い、8月のDEEP後楽園大会でビクター・ヘンリー戦を自ら希望して実現させたが、3R KO負けに終わっていた。
1R、お互いパンチを放ちつつ、タックルからテイクダウンを狙う状況が続き、中盤に大塚が押し込んでからじわじわ崩してテイクダウンに成功する。しばらく上を制し続け主導権を握る。赤尾がスタンドに戻すが、挽回する攻撃につなげられない。
2R、開始すぐにパンチが交錯し、赤尾がタックルで倒すが、すぐ大塚は立ち、金網に押し込み挽回する。中盤以降は大塚が押し込む時間が長くなり、テイクダウンに成功すると、じわじわバックに回り、主導権を維持する。
3Rは大塚が大半の時間押し込み、金網際で崩して上になったり、背後に回り込んだりして、主導権を維持する。最後にようやく赤尾が上になるが時間切れになる。大塚が3Rとも持前のレスリング力でポイントを取り完勝した。
大塚はマイクを持ったが「全然納得行っていないです。出直して来ます。こんな試合じゃ勝ったと思っていないし、結果勝っただけなんで。次パワーアップして来ます」と、悔しそうな表情のまま話した。
第7試合 63kg契約 5分3R
○DJ.taiki(パンクラスイズム横浜/元DEEPバンタム級王者)
×石司晃一(フリー)
判定3-0 (高本29-28/松宮29-28/福田29-28)
1R、DJがスイッチしながら前に出て、石司は回って距離を取る構図が続く。お互いパンチを時折り当てるが均衡状態が続く。3分半過ぎ、石司がテイクダウンに成功するが、すぐスタンドに戻る。その後も押し込む状態と離れた状態が繰り返される。テイクダウンを奪った石司がポイントを先取する。
2R、中盤にDJは声を上げながら首投げで倒すが、石司はすぐ立って押し込む。終盤、石司が左ジャブを当て、テイクダウンを奪いかけるが、DJはすぐ返して上に。DJはパウンドを落とすが、石司も下から蹴り上げを当てて、大差をつけさせない。DJがパウンドで好印象を残しポイントを奪い返すラウンドに。
3R、お互いタックルを仕掛けてテイクダウンを狙うが、切って押し込む状態が繰り返される。中盤過ぎから、DJはサウスポーからの左ミドル、ロー、ストレートのヒットを増やし打撃で好印象を残して終了する。DJが2Rと3Rのポイントを取り、接戦を制した。
第6試合 ライト級 5分3R
×長倉立尚(吉田道場)
○大原樹里(KIBAマーシャルアーツクラブ)
1R 2’02” TKO (ドクターストップ:肘打ちによる頭部のカット)
フェザー級王座挑戦経験もある長倉は階級アップしての試合。1R、開始すぐから長倉はパンチで積極的に攻め、やや押し気味だが、大原も少しずつパンチを返し、長い手足を活かして前蹴り、肘打ち、膝蹴りも当てるように。すると長倉は側頭部を出血しドクターストップがかかった。
第5試合 バンタム級 5分3R
×北田俊亮(パンクラスイズム横浜)
○白川”Dark”陸斗(志道場)
判定0-3 (植松28-29/田澤28-29/福田28-29)
4月のバンタム級王座戦でソン・ジンスに敗れた北田俊亮は、新鋭の白川と対戦。1R、スタンドでのお見合いが長い展開となるが、北田は終盤に崩しからギロチンを狙い、わずかにチャンスを作り、ポイントを先取する。
2Rも北田がテイクダウン狙いを続けるが、白川は組まれてもなかなか倒れず、膝を返す展開を繰り返す。中盤に短時間お互い上になるが長くは続かない。
3Rも同じような構図が続く中で、白川が中盤の離れた展開でパンチのヒットを増やしやや好印象を残す。とはいえお互い今一つ攻めきれないまま終了。白川が2R以降、打撃でやや優位な印象を残したことが幸いし、判定勝ちをもぎ取った。
白川は「北田選手、試合を受けて下さって感謝しています。まだまだ実力は足りないのはわかっています。でも来年はDEEPバンタム級でタイトルマッチで絡んでいけるよう頑張ります」とアピールした。
第4試合 ウェルター級 5分2R
○佐藤洋一郎(カタナジム/元修斗環太平洋王者)
×ペク・スンデ[Seung Dae Baek](韓国/チーム・ホン)
1R 0’27” KO (右ストレート)
負傷欠場の川中孝浩の代役のスンデは1986年11月23日生まれの22歳。DEEP事務局からの情報によると、テコンドーで活躍後、ムエタイ、ボクシングを学びながらMMAを始めたという。韓国のROAD FCのルーキーリーグや中国のレジェンド・キングといった大会で勝利し、今年7月のGRACHANではルクク・ダリに判定負けしている。
1R、開始すぐから佐藤が左ミドルを当てると、詰めて来たペクに左ストレート、右ストレートを連続で当ててKOした。
第3試合 フライ級 5分2R
×曽我英将(ALLIANCE)
○藤田大和(リバーサルジム新宿Me,We)
1R 1’52” 裸絞め
アマチュアボクシング全日本選手権優勝経験のある藤田は、昨年にアマチュアでMMAを2戦した後、10月のRIZINでの那須川天心のMMAマッチの相手に抜擢されMMAプロデビュー。以降はRIZIN、RISEでキックの試合を4試合しているが、今回は久々にMMAに戻った。試合は藤田が圧勝する展開で、1R開始すぐから押し込み、倒してバックに回り、裸絞めを極めて、最後はレフェリーがストップした。マイクを持つと藤田は「大晦日盛り上がっていますけど、置いて行かれないように、来年頑張ります」とアピールした。
第2試合 フライ級 5分2R
△島袋チカラ(CORE王子豊島)
△安谷屋智弘(総合格闘技道場闘心)
判定0-1 (植松18-20/福田19-19/高本19-19)
第1試合 ライト級 5分2R
○宮崎直人(総合格闘技津田沼道場)
×新里佳彦(フリー)
1R 1’29” 裸絞め
オープニングファイト フェザー級 5分2R
○高塩竜司(KIBAマーシャルアーツクラブ)
×佐々木由大(トライフォース赤坂)
2R 4’52” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)