極真会館 10.27-28 武蔵野の森総合スポーツプラザ:第50回全日本大会 上田幹雄、鎌田翔平を決勝で破り初優勝
MARTIAL WORLD PRESENTS GYM VILLAGE
神楽坂 江戸川橋 クラミツムエタイジム
立ち技最強、ムエタイを究める!16周年、選手コース開設。ジュニア、女子クラスも。今ならスタート月会費0円!
国際空手道連盟 極真会館(館長/松井章奎)「第50回オープントーナメント全日本空手道選手権大会」
2018年10月27日(土)28日(日)東京・武蔵野の森総合スポーツプラザ
レポート&写真:井原芳徳 中継:BSフジ 11月4日(日)14:00~15:55
128選手が参加し、2日間に渡り行われ、優勝まで7試合勝たないといけない毎年秋恒例の体重無差別トーナメント。千駄ヶ谷の東京体育館が2年後の東京五輪に向けて改修中のため、東京・調布の味の素スタジアムの近隣に昨年11月オープンした会場で初開催された。
昨年の全日本大会のベスト8が今年も全員エントリーし、春の全日本ウェイト制大会の重量級・軽重量級を制したロシア勢も多数参戦。来年秋に開催される4年に一度の全世界空手道選手権大会の日本代表選抜も兼ねているが、世界大会の前哨戦としても注目される。
全日本大会は昨年も一昨年も決勝戦は鎌田翔平と高橋佑汰の争いとなった。一昨年は鎌田が左ハイで技有りを奪い本戦判定勝ちし優勝したが、昨年は再延長にまでもつれ込む接戦に。終了間際、鎌田が胴廻し蹴りを出したが、高橋が右の前蹴りで迎撃すると、鎌田は尻餅をつき、高橋がすぐさま残心を決める。5人の審判のうち過半数の3人が有効と判断し、これが決め手となり高橋の勝利となった。
鎌田がゼッケン1番、高橋がゼッケン128番で、今年も決勝まで上がらないと2人が当たらない組み合わせに。高橋と鎌田を追う位置にいるのが、荒田昇毅と上田幹雄。荒田は一昨年が4位、昨年が3位、上田は一昨年が3位、昨年が4位。荒田は高橋に、上田は鎌田に、2年連続で決勝進出を阻まれている。23歳まだ伸びしろのある上田は、帝京大学の空手道部で週2回稽古し、ロシアでも1か月間武者修行をしており、その成果を発揮することになる。(10月3日の記者会見の記事はこちら)
試合時間は本戦3分(二回戦まで2分)、延長2分、再延長2分。体重判定10kg差が無い場合は試割(ためしわり:拳や肘等による板割り。2日目の三回戦の前に実施)の枚数によって勝敗が決まり、それでも差が無い場合は審判長が決定する。(上写真は試割をする鎌田)(※トーナメント表 極真会館公式HP PDFファイル)
[Aブロック]
四回戦
○鎌田翔平(東京城西/2017全日本2位、2016同優勝、2017世界ウェイト制重量級優勝)
×徳田寛大(大阪南/2018全日本ウェイト制重量級4位、2018オールアメリカンオープン3位)
延長5-0 本戦2-0
四回戦
×南原健太(東京城北/2017全日本7位、2018全日本ウェイト制重量級2位)
○オレクサンダー・イエロメンコ(ロシア/2017全日本8位、2017全日本ウェイト制重量級2位、2017世界ウェイト制重量級2位)
本戦0-5
準々決勝
○鎌田翔平(東京城西/2017全日本2位、2016同優勝、2017世界ウェイト制重量級優勝)
×オレクサンダー・イエロメンコ(ロシア/2017全日本8位、2017全日本ウェイト制重量級2位、2017世界ウェイト制重量級2位)
合わせ一本
アショット・ザリヤン(ロシア/2017全日本5位)が初日に敗退する波乱はあったが、各ブロック順当に有力選手が初日を終え2日目へ。四回戦では鎌田が延長戦で足掛け下段突きで技有りを奪い優勢勝ち。イエロメンコは南原をローの連打で追い詰め勝利した。
準々決勝で鎌田は顔面狙いの左の前蹴りで2度技有りを奪い合わせ一本勝ち。テクニックの高さを印象付けた。
[Bブロック]
四回戦
○アントン・グリアエフ(ロシア/2018全日本ウェイト制重量級優勝、2018ロシアンカップ重量級優勝)
×与座優貴(茨城県常総/2018全日本ウェイト制中量級2位、2017世界ウェイト制軽量級優勝)
本戦5-0
四回戦
×アレハンドロ・ナヴァロ(スペイン/2018オールアメリカンオープン優勝、2016ヨーロッパ無差別優勝)
○荒田昇毅(千葉県中央/2017全日本3位、2016同4位、2017世界ウェイト制重量級3位、2015世界7位)
再延長0-3 延長0-2 本戦0-1
準々決勝
×アントン・グリアエフ(ロシア/2018全日本ウェイト制重量級優勝、2018ロシアンカップ重量級優勝)
○荒田昇毅(千葉県中央/2017全日本3位、2016同4位、2017世界ウェイト制重量級3位、2015世界7位)
本戦0-5
荒田は四回戦でナヴァロとの突きと下段の削り合いを続け、再延長にまでもつれ込んだ末に勝利。死闘の末に敗れたナヴァロにも観客からは拍手と歓声が巻き起こった。
準々決勝で荒田はグリアエフの左ミドルをもらう場面が序盤は多かったが、中盤以降はローを効かせてグリアエフをぐらつかせ本戦で勝利した。
[Cブロック]
四回戦
○上田幹雄(横浜北/2017全日本4位、2016同3位、2017世界ウェイト制軽重量級3位、2015世界6位)
×ゴデルジ・カパナーゼ(ロシア/2017全日本6位、2017全日本ウェイト制重量級優勝)
延長5-0 本戦1-0
四回戦
×安島喬平(茨城県常総支部/2018全日本ウェイト制軽重量級2位、2013全日本優勝)
○アンドレイ・ルジン(ロシア/2018全日本ウェイト制軽重量級優勝、2017世界ウェイト制軽重量級優勝)
本戦0-5
準々決勝
○上田幹雄(横浜北/2017全日本4位、2016同3位、2017世界ウェイト制軽重量級3位、2015世界6位)
×アンドレイ・ルジン(ロシア/2018全日本ウェイト制軽重量級優勝、2017世界ウェイト制軽重量級優勝)
本戦5-0
四回戦の延長戦で上田は、スイッチしながら前に出ての左ハイキックで技有りを奪い勝利。ルジンはローで安島を下がらせ減点1を誘い四回戦で勝利した。
準々決勝でルジンは頭を付けての攻撃で2回、つかみで1回注意を宣告され、累積で減点1に。上田が内容面でもローを効かせて若干優位に試合を運び勝利した。
[Dブロック]
四回戦
○キリル・コチェネフ(ロシア/2018ロシアンカップ軽重量級2位、2015世界4位)
×イゴール・ザガイノフ(ロシア)
本戦5-0
四回戦
×コンスタンティン・コバレンコ(ロシア/2018ヨーロッパウェイト制重量級優勝、2017ヨーロッパ無差別優勝)
○高橋佑汰(東京城北/2017全日本優勝、2016同2位、2017世界ウェイト制軽重量級2位)
本戦0-5
準々決勝
○キリル・コチェネフ(ロシア/2018ロシアンカップ軽重量級2位、2015世界4位)
×高橋佑汰(東京城北/2017全日本優勝、2016同2位、2017世界ウェイト制軽重量級2位)
延長5-0 本戦0-0
高橋は三回戦で八木橋拓哉(埼玉県西北支部)に右上段膝蹴りで一本勝ち。四回戦ではコバレンコのノンストップの突きの連打に苦しむが、終了間際に右ハイで技有りを奪い消耗戦を制した。
準々決勝で高橋は軽快に出入りしつつ右の蹴りを巧く当て続けるが、決定打に欠く。終了間際にはコバレンコの前蹴りがローブローになってしまい、高橋が悶絶して倒れ込むアクシデントも。続行後もダメージが残る様子。延長戦で終盤に左のボディ狙いの膝を立て続けに当ててコチュネフを下がらせたものの、全般の突きと蹴りでコチュネフが上回り勝利。昨年覇者の高橋がベスト4に入る前に散った。
[準決勝]
○鎌田翔平(東京城西/2017全日本2位、2016同優勝、2017世界ウェイト制重量級優勝)
×荒田昇毅(千葉県中央/2017全日本3位、2016同4位、2017世界ウェイト制重量級3位、2015世界7位)
本戦 失格
鎌田も荒田も開始すぐから積極的に突きを打ち攻めるが、お互いつかみで注意を受け、荒田は顔面殴打でも2度注意を受けてしまい、失格に。両者不完全燃焼の結末となってしまった。
○上田幹雄(横浜北/2017全日本4位、2016同3位、2017世界ウェイト制軽重量級3位、2015世界6位)
×キリル・コチェネフ(ロシア/2018ロシアンカップ軽重量級2位、2015世界4位)
本戦5-0
上田は左足のダメージが溜まっている様子で、ローを蹴った際に痛そうにする場面もありながら、執拗にローを蹴り、終盤、足掛けと捌きの複合技から突きを決めて技有りを奪い勝利した。
[3位決定戦]
○荒田昇毅(千葉県中央/2017全日本3位、2016同4位、2017世界ウェイト制重量級3位、2015世界7位
×キリル・コチェネフ(ロシア/2018ロシアンカップ軽重量級2位、2015世界4位)
再延長4-0 延長0-2 本戦0-1
荒田はロー、ボディを効かせ、中盤まで優勢だったが、コチュネフが底力を発揮し、突きの手数で挽回し延長に持ち込む。消耗戦に突入しても死闘が続き、コチュネフが若干手数が多いがはっきり差がつかず再延長へ。接戦は続くが、終盤に手数を上げた荒田が辛うじて勝利し3位となった。
[決勝]
×鎌田翔平(東京城西/2017全日本2位、2016同優勝、2017世界ウェイト制重量級優勝)
○上田幹雄(横浜北/2017全日本4位、2016同3位、2017世界ウェイト制軽重量級3位、2015世界6位)
延長0-5 本戦0-0
上田は鎌田に2年連続で決勝進出を阻まれ、今年は決勝で戦うことに。お互いロー主体としつつ、ハイやミドルも絡めるテクニカルな蹴り主体の攻防。中盤からお互い突きの打ち合いが増えると、つかみが増え、注意が出される。お互い決め手が無く延長へ。中盤まで互角だったが、終盤、上田が残りの力を全て振り絞るように突きのラッシュ。鎌田は後退して場外に出てしまい注意を受ける。結局これが決め手となり上田の初優勝が決まった。
勝利者インタビューで上田は「優勝すると言ってずっとできなかったので、お世話になっている皆さんに恩返しする気持ちだけで戦いました。優勝させてもらいましたが、自分は強くない存在で、極真会館が自分を育ててくれました。松井館長と握手してホッとした気持ちです。世界大会は優勝あるのみです。極真会館は一番強い団体と信じて、空手に励んでいきたいです」と話した。
優勝 上田幹雄(横浜北支部)
準優勝 鎌田翔平(東京城西支部)
3位 荒田昇毅(千葉県中央支部)
4位 キリル・コチュネフ(ロシア)
5位 アンドレイ・ルジン(ロシア)
6位 高橋佑汰(東京城北支部)
7位 アントン・グリアエフ(ロシア)
8位 オレクサンダー・イエロメンコ(ロシア)
敢闘賞 アントン・グリアエフ(ロシア)
試割賞 西村界人(東京城北支部/22枚)
新人賞 長澤大和(北大阪支部)、山上大輝(東京城北支部)
2018全日本女子空手道選手権大会
優勝 永吉美優(城西世田谷東支部)
準優勝 佐藤七海(城西国分寺支部)
3位 アナスタシア・カサノワ (ロシア)
4位 イウリヤ・グリゴレワ (ロシア)
※トーナメント表(極真会館公式HP PDFファイル)