いぶすキック 12.8 鹿児島(レポ):上野賢志、引退試合で2ダウン奪い判定勝ち。クローン病とも闘った選手生活を告白。勝次がエキシビションマッチで登場
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鹿児島県指宿市主催「いぶすキック vol.2」
2023年12月8日(日)鹿児島県指宿市 ふれあいプラザなのはな館 体育館
記事提供:Eruption in 薩摩実行委員会
新日本キックフェザー級王者の瀬戸口勝也が発起人となり指宿市が主催する、いぶすキックvol.2が昨年に引き続き12月8日にふれあいプラザなのはな館にて開催された。
今回も前回同様いぶすき産業祭りの一環として開催され、観戦無料・地元TV局のKKB鹿児島放送のアプリ『KAPLI』で生中継された(下記リンクはKAPLIで放送された、いぶすキックのYoutubeアーカイブ配信動画)
第5試合 メインイベント 肘有りルール 56kg契約 3分3R 上野賢志引退試合
○上野賢志(薩摩ジム)
×NAOYUKI(フリー)
判定3-0 田尻 30-26・3373 30-26・日高 30-26
※NAOYUKIは3Rに2ダウンあり
上野は2015年にデビュー。今までにKOSスーパーバンタム級のタイトルなど4冠を獲得した。対するNAOYUKIは2017年にデビューし、Eruption薩摩の57.5kgトーナメントで優勝するなどの実績を持っている。
同じ鹿児島在住同士という事で一緒に練習をするなど交流もある2人だが、NAOYUKIは上野の引退試合の相手を自ら志願した。上野はNAOYUKIの志願に応える事になり、今回いぶすキック vol.2のメインイベントで対決する事になった。
1Rから上野はキレのある左ミドルを中心にした攻撃で、左ストレートなどのパンチも当てていき途中で肘も絡めていく。NAOYUKIは左右のローや右ミドルを蹴っていくが、上野は簡単に当てさせないよう対応する。
2Rになるとパンチで圧力を強めていく上野。NAOYUKIも時折パンチを当てるが上野の圧力は止まらない。パンチの合間に左ミドルや左ハイを絡めてNAOYUKIにダメージを与え、首相撲の展開でも上野が主導権を握りNAOYUKIは徐々に攻撃が出せなくなる。
最終3Rになって上野の攻撃に更にキレが増してくる。1分が経過したあたりで、上野の左ストレートが当たりNAOYUKIがバランスを崩す。そこから詰めて左ボディからの右フックでダウンを奪取。そこからもパンチの連打などでNAOYUKIを追い詰め、3Rのゴングと同時に右フックでダウンを追加。引退試合を完勝という形で終えた。
上野はマイクで17歳の時に国が指定する難病・クローン病を発症していた事を告白。現役生活の途中でもクローン病が悪化し手術をして2年程現役を離れたが、チャンピオンになるという目標を諦めきれずにキックをやり続けたら4冠王になれた事を話した。
その後に皆様も辛い時期は経験すると思うが、目指している物があれば諦めなければ夢は叶うか分からないが良い事は必ずあると話し、今日それを勝利という結果で見せれて良かったと伝えた。そして応援に来てくれた方々に感謝を述べ10カウントを聞いて現役生活の幕を閉じた。
第4試合 女子52kg契約 2分3R
×MEGUMI☆KICK SPARK(KICK SPARK)
○Amy(RIOT GYM)
判定0-2 田尻 30-30・3373 29-30・日髙 29-30
MEGUMIのジムの代表である瀬戸口代表とAmy(えいみぃ)のジムの代表であるRIOT代表は過去に沖縄で対戦した事があり、その時はRIOT代表が勝利した。今回は鹿児島に場所を変えて愛弟子同士の対決が組まれた。
1R序盤からお互いに攻撃を当てていき首相撲の展開では膝を打ちあう。2Rに入っても同じ展開が続く。
3RになりMEGUMIが前に出ていく。AmyはMEGUMIが前に出てきたタイミングで左右のパンチをヒットさせて、首相撲からのコカシも入れていき見せ場を作る。
この3Rの攻勢が評価された形になり、1者はドローだったものの2者がAmyを支持し判定で勝利。因縁の愛弟子対決を制した。
AmyはマイクでMEGUMI選手の地元の大会という事でアウェーの地で不安があったが勝利できて嬉しいと話し、これから上に上がっていくので自分の名前を覚えてほしいと話した。最後は第3試合やエキシにあやかって『いぶすき大好き』という言葉で試合を締めた。
いぶすきっく エキシビションマッチ
勝次(TEAM TEPPEN)
旬ノ介(K-LIFE KICK BOXING GYM)
※エキシビションのため勝敗なし
エキシビションマッチは、新日本キックの元王者でRISE参戦中の勝次とKPKBバンタム級王者でRISE本戦を目指す旬ノ介のエキシビションとなった。
1Rから旬ノ介はスピードのある攻撃を繰り出す。対する勝次は右のキックを中心に攻める。お互いにコカシも見せる。
2Rに入り左ローからの右ハイで勝次がダウンを奪う。その後に勝次が攻めるが、逆に左ストレートで旬ノ介がダウンを奪い返す。立ち上がった勝次に追撃の左ストレートをいれダウンを追加した旬ノ介は、トップロープに登り喜びを爆発させる。
その中で再び立ち上がった勝次は、積極的に攻めて右のスーパーマンパンチでダウンを奪い返す。ダウンを奪い返された旬ノ介は立ち上がり、お互いに最後激しい打ち合いを見せ、エキシビションが終了した。
まずは旬ノ介がマイクで勝次選手や関係者に感謝を述べて、今は鹿児島や地方でも大会が増えてベルトなどを取れるようになったが、自分はそこで満足する事なくメジャー団体のRISEで結果を残して鹿児島や地方の格闘技を盛り上げていくと宣言した。
勝次はマイクで鹿児島に来るのは初めてだが最高な気分で今度は観光で来たいと話し、旬ノ介を鹿児島の皆様で応援してほしいと観客に伝えた。最後は勝次の音頭で『いぶすきハッピー』という言葉でエキシビションを締めくくった。
第3試合 55kg契約 3分3R 拳志引退試合
○拳志(DFC博多)
×オッカーサン(インタージム郡元)
判定2-0 玉利 30-30・3373 30-28・日髙 30-28
広島出身の拳志は今回が引退試合。1R左右ミドルや右カーフを中心に試合を組み立てる拳志に対し、右ローを中心に攻めるオッカーサン。首相撲ではオッカーサンが主導権を握る。
2Rにオッカーサンは右のオーバーハンドも振るっていき攻めていくが、拳志の右カーフでオッカーサンの足が少しずつ流れてくるようになる。
3Rになると拳志はパンチやテンカオも絡めていき、試合の主導権を握っていく。オッカーサンも諦めずにパンチを振るうが、ジャッジ2者が拳志を支持し判定で勝利した。
マイクで拳志は鹿児島でお世話になった方々の前で試合をしたかったと話をして、今回出場したアマチュアの選手達に色々な方々の支えのおかげで試合できる事を忘れてないで上のレベルに上がっていってほしいと伝えた。
今後もキックには関わっていきたいとの事で、後進の選手を育成し鹿児島の大会にも選手を出場させたいと話した。最後は『いぶすき大好き』という言葉で締めくくり10カウントを聞いて有終の美を飾った。
第2試合 57.5kg契約 3分3R
×MEGUMI(Beginning)
○SYUNYA Bravely(Bravely)
判定3-0 玉利 28-30・日髙 28-30 ・3373 28-30
第2試合から首相撲が有効のルールになる。1R左ミドルを中心に組み立てるSYUNYAに対し、MEGUMIは飛び込んでのパンチを中心に攻めていく。
2Rに入りSYUNYAの左ミドルで、MEGUMIの右腕が赤くなり口も開くようになってくる。
3R強引にパンチを当てようとするMEGUMIだが、SYUNYAは左ミドルを軸にパンチや首相撲のコカシも混ぜて試合をコントロール。SYUNYAが判定で勝利した。勝者にはトロフィーの他にいぶすキック特製キャップも送られた。
第1試合 女子48kg契約 2分3R
△森田実幸(K-LIFE KICK BOXING GYM)
△KOKORO Bravely(Bravely)
判定0-1 3373 30-30・玉利 29-30・日高 30-30
第1試合はワンキャッチ・ワンアタックルールの試合。1Rはお互いにローキックを中心に探り合いながら、合間にパンチを入れる展開が続く。
2RになるとKOKOROは掴んでからのヒザや左右のキックを使っていき、森田はパンチを中心に攻めていく。
3Rお互いに手数を出していくが明確な差はつけられず、1者はKOKOROにつけたものの2者はドローとした。
今大会も前回大会に続きプロ大会の前にアマチュア大会が開催された。今大会は約50試合程が組まれ、九州の大会で実績を残している船倉健新(K-LIFE)や啓人(インタージム郡元)なとが参戦し勝利した。
アマチュア大会では新しい試みとして首相撲マッチの試合も組まれた。首相撲マッチはボディへのテンカオ・両手で掴んでの膝・首相撲からの膝とコカシがOKとされ、顔面への膝と膝以外の打撃は一才禁止というルール(Youtube動画配信の1:33:30あたりから首相撲マッチの試合)。
今回は1試合が組まれ赤コーナーの選手がテンカオを中心にボディを攻めて、コカシを使った動きも取り入れ相手を翻弄。2R残り1分でコカシから転倒させダウンを奪い、その後に再度コカシを使って相手を転倒させた。それを見たレフェリーが試合を止め、赤コーナーの選手がKO勝利した。
大会も少しずつ増えてきて選手達のレベルが上がってきている鹿児島の格闘技界。鹿児島の格闘技界から日本や世界へ羽ばたく選手が1人でも多く生まれる事を期待したい。