K-1 6.30 サラエボ(レポ):無差別級ワールドGP東欧予選はリザーバーのミロス・ツヴェチカニン(セルビア)が3連続KO勝ちで優勝
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K-1 WORLD GP 2024 in Sarajevo
2024年6月30日(土/現地時間)ボスニアヘルツェゴビナ・サラエボ:スケンデリヤアリーナ
記事提供:K-1 GROUP
K-1ボスニア大会は、14年ぶりに復活した無差別級のK-1WGP世界予選の開幕戦にあたる。今年12月14日(土)に東京・代々木第一体育館で行われる『K-1 WORLD GP 2024 in Tokyo』への出場切符をかけ、8名の選手が東欧ラウンドに出場した。この無差別級東欧予選トーナメント優勝者1名が、東京で行われるFinal Tournamentへの出場権を獲得する。
無差別級東欧予選トーナメント一回戦は、カディル・イルディリム(トルコ)vs.トーマス・ハロン(チェコ)、クラウディオ・イストラテ(イタリア)vs.ニダル・ブチリ(モロッコ)、バリント・ラドヴァー(ハンガリー)vs.ミロスラフ・ヴーヨヴィッチ(モンテネグロ)、イヴァン・バルテク(スロバキア)vs.ダニロ・トシッチ(ボスニア・ヘルツェゴビナ)の4試合が組まれ、1dayトーナメントで覇を競い合った。
本戦にさきがけて行われたリザーブファイトは、セルビアのミロス・ツヴェチカニンが強烈なヒザ蹴りでムアメル・ユーゴヴィッチ(ボスニア・ヘルツェゴビナ)の眉間をカットしてTKO勝ちとなった。
そして、本戦一回戦で“トルコのターミネーター”イリディリムが、チェコの42歳トーマス・ハロンと激突した。イリディリムはWAKO-PRO世界スーパーヘビー級王座を24回防衛した絶対王者。対するハロンは、22年にエロール・ジマーマンに敗北も昨年12月にザヒール・ベナディからKO勝ちを収め、21年のRoad to ONEでは120kg級トーナメントで優勝している強豪だ。
ハロンはイリディリムの右をもらい1Rにダウン。2Rは打ち合いとなり、ハロンが左をもらって尻もちをつくも逆襲。最終3Rは、後ろ廻し蹴りで顔面を狙ったイリディリム。場外へ転倒するアクシデントもあったが、ハロンがボディフックで反撃するシーンも。だが判定は、ダウンを奪っているイリディリムが3-0で勝者となった。
トーナメント一回戦2試合目は、昨年9月のK-1無差別級トーナメントでマハムード・サッタリを豪快なフックでKOしサプライズを起こした“グリズリー”イストラテが、ブチリと対戦。ブチリはEnfusionで2018年に“エロジマン”ことエロール・ジマーマンからKO勝ちを収めているヨーロッパのトップファイター。いきなり一回戦から好カード実現となった。
イストラテは、1Rから左右の鋭いパンチで追い込むもブチリがパワーを活かして左をヒット。2Rにブチリは、ボディブローとローキックでダメージを与えていく。イストラテはパンチのコンビネーションもやや軽い印象。3Rにイストラテは右フックを合わせるも、ブチリがニヤリと笑う。最後はフック連打で追い込んだブチリ。判定はドローとなり延長ラウンド突入も、これを不服としたイストラテが控室へ戻ってしまい、試合放棄という結末に。優勝候補のイストラテが一回戦で消える番狂わせが起こった。
トーナメント一回戦3試合目は、ハンガリーのラドヴァーとモンテネグロのヴーヨヴィッチの顔合わせ。ともに1Rから積極的に攻撃。2Rもパンチから蹴りにつなげる動きを見せた2人だが、大きな差はない。3Rはヴーヨヴィッチがバックスピンキックなどアグレッシブに攻め、判定勝ちを収めた。
トーナメント一回戦4試合目は、“スロバキアの番犬”バルテクと地元“ボスニアヒーロー”トシッチが激突した。バルテクは1Rからリーチのあるパンチで、そしてヒザ蹴りへつなげる。トシッチはパワフルなパンチで追い込んだ。2Rもトシッチがパンチでダウンを奪いに行く。3R、トシッチはノーガードでパンチを打ち込み、判定勝ちを奪った。
準決勝第1試合は、“トルコのターミネーター”イリディリムと“グリズリー”イストラテに勝利した“ザ・ソルジャー”ブチリが激突。ブチリは1Rにプレスをかけてパンチを打ちにいくも、イリディリムの左が顔面を捉えるシーンも。2Rにイリディリムが左右のパンチを仕掛ける。だがブチリの圧力がイリディリムを下がらせた。3R、ブチリはプレスをかけて左右のフックで追い込むも、イリディリムは手数で勝負した。勝負は接戦となり、イリディリムが判定勝ちを収めた。
そして準決勝第2試合は、ヴーヨヴィッチとトシッチの対決に。だが、ヴーヨヴィッチが出場できずにリザーバーのミロス・ツヴェチカニンが登場し、トシッチと対戦するアクシデントがあった。1R、ツヴェチカニンが左右のフックで追い込む。トシッチはダメージがあるのか、防戦一方に。2R開始と同時に、トシッチのセコンドからタオルが投入されてTKO決着。リザーバーのツヴェチカニンが決勝へ進出を決めた。
決勝は、これもK-1の運命なのか、番狂わせは最後まで続いた。優勝候補のイストラテ、バルテクが次々と敗北し、なんと“トルコのターミネーター”イリディリム、ミロス・ツヴェチカニンもケガでリタイヤに。リザーバーのツヴェチカニンと、準決勝でイリディリムに判定負けのニダル・ブチリが復活対決という誰もが予想していない展開となった。
試合が始まると、元気なツヴェチカニンが、ローキックを連発。ブチリはパンチで逆襲するも、ツヴェチカニンがバックスピンキックでバランスを崩させるシーンも飛び出した。2Rに入るとツヴェチカニンは、飛びヒザ蹴り、ローキックで追い込む。するとブチリが右手を挙げ、戦意喪失の意思表示。レフェリーがダウンカウントを数え、ファイティングポーズをとったブチリ。再開すると、ツヴェチカニンがさらにローキックで追い込んだ。今度は背を向けて逃げるブチリを見て、レフェリーが試合をストップ。リザーバーが優勝するという、前代未聞の結末となった。
これで、ツヴェチカニンがK-1WGP開幕戦の切符を手に入れることに成功。14年ぶりのK-1WGP復活は、日本で無名の選手が優勝をするという予想外のストーリーで幕を開けることとなった。
<大会記録>
オープニングファイト第1試合
×ニコラ・イリッチ(Kick Box Klub Derventa /ボスニア・ヘルツェゴビナ)
KO 1R1分10秒 ※パンチ連打
○イサ・ジルジッチ(Flek „Tom-Cat“/ボスニア・ヘルツェゴビナ
オープニングファイト第2試合
×バーバラ・フィアラ(NAŠA STVAR 2016/セルビア)
KO 1R2分22秒 ※3ノックダウン
○マリーケ・カリス(MIKES GYM/オランダ)
オープニングファイト第3試合
×ラザール・クリコヴァツ(Rebel Fighting Academy /モンテネグロ)
判定3-0
○サヴァス・カゲルディス(BG Academy/ギリシャ)
無差別級東欧予選トーナメント・リザーブファイト
○ミロス・ツヴェチカニン(セルビア)
TKO 1R1分17秒 ※眉間カットでドクターストップ
×ムアメル・ユーゴヴィッチ(KNVZA Armin Jejna/ボスニア・ヘルツェゴビナ)
無差別級東欧予選トーナメント一回戦第1試合
○カディル・イルディリム(D&Kスポーツセンター/トルコ)
判定3-0
×トーマス・ハロン(チェコ)
無差別級東欧予選トーナメント 一回戦第2試合
×クラウディオ・イストラテ(コンバットジム/イタリア)
延長ラウンド 試合放棄 ※本戦1-1
○ニダル・ブチリ(へマーズジム/モロッコ)
無差別級東欧予選トーナメント 一回戦第3試合
×バリント・ラドヴァー(ハンガリー)
判定0-3
○ミロスラフ・ヴーヨヴィッチ(モンテネグロ)
無差別級東欧予選トーナメント 一回戦第4試合
×イヴァン・バルテク(ケルベロスジム/スロバキア)
判定0-3
○ダニロ・トシッチ(アレスジム/ボスニア・ヘルツェゴビナ)
スーパーファイト 第1試合
×マティア・ドロブニャク(モンテネグロ)
判定0-3
○ベンジャミン・ポトゥラク(Jumruk Gym/ボスニア・ヘルツェゴビナ)
スーパーファイト 第2試合
×フェルハト・アルスラン(Dragon Cave Hanau /トルコ)
TKO 2R終了時 ※右肩脱臼の疑いのため棄権
○アルベルト・ウグリンチッチ(Kick Box Akademija Ilidža/ボスニア・ヘルツェゴビナ)
スーパーファイト 第3試合
×ジャファロ・ゲジウス(Mike Gym/スリナム)
判定1-2
○テオ・ミケリッチ(Punch It Gym/クロアチア)
無差別級東欧予選トーナメント 準決勝1試合
○カディル・イルディリム(D&Kスポーツセンター/トルコ)
判定2-1
×ニダル・ブチリ(へマーズジム/モロッコ)
無差別級東欧予選トーナメント 準決勝第2試合
○ミロス・ツヴェチカニン(セルビア)
TKO 2R開始時 ※セコンドからタオル投入
×ダニロ・トシッチ(アレスジム/ボスニア・ヘルツェゴビナ)
※ミロスラフ・ヴーヨヴィッチが負傷のため、リザーバーのツヴェチカニンが出場
スーパーファイト 第4試合
○ミハイロ・ツラフィッチ(Rebel Fighting Academy/モンテネグロ)
判定2-0
×ハリス・ビベル(Hemmers Gym/ボスニア・ヘルツェゴビナ
スーパーファイト 第5試合
×エルネスト・デュプラク(SUNAN Muay thai gym/ルクセンブルク)
判定0-3
○メスド・セリモヴィッチ(Flek „Tom- Cat“/ボスニア・ヘルツェゴビナ)
無差別級東欧予選トーナメント 決勝
×ニダル・ブチリ(へマーズジム/モロッコ)
KO 2R2分10秒 ※右ローキック
○ミロス・ツヴェチカニン(セルビア)
※カディル・イルディリムがケガのため棄権。準決勝でイルディリムに負けているブチリが復活出場に