PFL 4.4 テキサス(レポ):渡辺華奈、女子フライ級リーグ初戦は元UFCシェイナ・ヤングを寝技で攻め続けるも一本取れず判定勝ち
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PFL 1 (2024)
2024年4月4日(木/現地時間)米国テキサス州サンアントニオ・ボーイングセンター
レポート:井原芳徳 Photos by Cooper Neill / PFL
PFL(Professional Fighters League/プロフェッショナル・ファイターズ・リーグ)はMMAの階級別のリーグ戦が主体のイベント。
4~7月の予選(PFLでは「レギュラーシーズン」と呼ばれる)の2試合を戦い、参加10選手のうち勝ち点上位の4選手が夏の4人トーナメントの準決勝(プレーオフ)に進み、秋の決勝(チャンピオンシップ)で勝利すれば100万ドル(約1億4千万円)の優勝賞金を獲得する。
レギュラーシーズンは短いラウンドで勝利するほど高い勝ち点を獲得できる(1R勝ち6点、2R勝ち5点、3R勝ち4点、判定勝ち・反則勝ち・不戦勝3点、引き分け1点)。試合場はケージ。通常のMMAルールと異なり肘無しとなっている。
PFLは18年からリーグ戦を行い、昨年のリーグ戦には、男子のフェザー級に工藤諒司、ライト級に西川大和、女子のフェザー級に東よう子が参戦したが、3人とも2連敗し予選で敗退した。
PFLはサウジアラビアからのバックアップを受け、昨年11月にベラトールを買収した。今年は男子のヘビー級、ライトヘビー級、ウェルター級、ライト級、フェザー級、女子のフライ級の6階級のリーグ戦を行う。女子フライ級にはベラトールの同級王者のリズ・カモーシェ、1位のジュリアナ・ベラスケス、2位の渡辺華奈、5位のデニス・キールホルツが参戦し、他の階級でもベラトールの選手が多数参加しているのが今年の特徴だ。
女子フライ級リーグ 5分3R
○渡辺華奈(FIGHTER’S FLOW/ベラトール同級2位/勝ち点0→3)
×シャナ・ヤング[Shanna Young](米国/勝ち点-1)
判定3-0 (30-27/30-27/30-27)
渡辺は柔道をベースにし、17年にMMAデビュー後、DEEP JEWELSとRIZINで活躍。21年からRIZINの派遣でベラトールにレギュラー参戦し、昨年は4月にイリマ・レイ・マクファーレンに判定負けしたが、7月のBELLATOR JAPAN(超RIZIN.2)ではヴィタ・アルテイガに判定勝ちしている。
初戦の相手・シャナ・ヤングはMMA 14戦8勝(2KO/3一本)6敗・33歳の米国人。伝統派空手とレスリングをベースとし、15年にMMAデビューし、同年にKOTCで女子バンタム級王座を獲得し、20~22年にUFCに上がり4戦1勝3敗。昨年2月にPFLに初参戦し、リーグ戦以外のワンマッチで判定勝ちしている。
PFLの試合前日の公式計量では、UFCのワンマッチ同様、各階級の1ポンド(0.45kg)のキャッチウェイトが設けられている。フライ級なら125ポンド(56.7kg)+1ポンドが認められ、渡辺は125ポンドでクリアしたが、ヤングは128.6ポンド(58.33kg)で2.6ポンド(1.18kg)オーバーした。ヤングには勝ち点マイナス1とファイトマネーの20%を渡辺に譲渡するペナルティが科される。ファイトマネーを譲渡するペナルティはUFCと変わらない。
公式計量の後、公開計量が行われ、その様子をXにアップした渡辺は「ルールを守れない子はお仕置きだ」と投稿した。
ケージで向き合った両者の体格差はほぼ無い印象だ。1R、渡辺はサウスポーで構え、ヤングの右ストレートを時折被弾しつつも前に出て、渡辺も右ジャブを当てつつ、組み付いてヤングを金網に押し込む。そこから渡辺はじわじわ背後に周り、オンブになると、そのままグラウンドに持ち込み、裸絞めを仕掛ける。だが足4の字ロックが解けてしまい、極まりは不十分に。渡辺は執拗に裸絞めを狙うが、1R以内に極め急いでしまっている様子で、バックキープが不十分な上、パウンドでダメージを与えることも乏しい。最後は腕十字を狙うも、下に落とされ終わる。直前に同じ女子フライ級のジェナ・ビショップが1R腕十字で勝利し勝ち点6を得たことで、渡辺も焦ったか?記者採点は渡辺。
2R、渡辺はまたも組みに行き、金網際でバックを取るが、足のロックは不十分で、裸絞めの形にもなかなか入れない。中盤に立たれてもすぐ渡辺は倒して上になるが、終盤、ヤングは返して上になる。ヤングは少しパウンドを落とすが、渡辺は下から腕十字を狙う。だがこれも極められず終わる。記者採点は渡辺。
3R、渡辺は1分足らずでバックを取り、コントロールを続けるが、ここでも4の字ロックが不十分で、極めの形に持ち込めないまま時間が経過する。最後、またも腕十字を狙うが、これも対処され、最後はヤングががぶって終了する。記者採点は渡辺。合計30-27で渡辺。ジャッジ3者も渡辺を支持し、渡辺が判定勝ちし、勝ち点3を獲得した。
第1戦終了時の女子フライ級リーグの順位
1位・6点 ダコタ・ディッチェバ 1R 3’54”
2位・6点 タイラ・サントス 1R 3’57”
3位・6点 ジェナ・ビショップ 1R 4’15”
4位・3点 リズ・カモーシェ 判定勝ち
5位・3点 渡辺華奈 判定勝ち
6位・0点 ジュリアナ・ベラスケス
7位・0点 チェルシー・ハケット
8位・0点 イララ・ジョアニ
9位・0点 リサ・モールディン
10位・-1点 シェイナ・ヤング 計量オーバーのペナルティ
※勝ち点6=フィニッシュしたタイムが早い順、勝ち点0=フィニッシュされたタイムが遅い順、タイブレーカー規定:直接対決の勝者が上位となる