GLADIATOR 3.3 大阪 176BOX(レポ):フライ級王座決定トーナメントは元王者のNavE、ナラントンガラグ推薦のオトゴンバートル、韓国のイ・スンチョルが初戦突破
MARTIAL WORLD PRESENTS GYM VILLAGE
神楽坂 江戸川橋 クラミツムエタイジム
立ち技最強、ムエタイを究める!15周年、選手コース新設。ジュニア、女子クラスも。今ならスタート月会費0円!
BODYMAKER presents GLADIATOR 025
2024年3月3日(日)大阪・176BOX
レポート:井原芳徳 写真:GLADIATOR事務局
メインカード
第13試合 GLADIATORライト級暫定王座決定戦 5分3R
―田中 有(Reliable)
―ジョン・ハングク[Jung HanGuk](韓国/チームMADウルサン/Gentleman Flower FC & Zeus FCライト級王者)
1R 1’46” ノーコンテスト
※ジョンが前日公式計量で70.3kgのリミットを0.6kgオーバー。ジョンはイエローカード2枚からスタート、ファイトマネーの50%を田中に譲渡。田中が勝った場合のみ暫定王者となり、ジョン・ハングクが勝った場合はノーコンテストとなる。
田中は昨年12のGLADIATOR 024でのライト級王座挑戦者決定戦でグスタボ・ウーリッツァーに判定勝ちした。だがGLADIATORは「チャンピオン佐々木信治選手が海外MMA大会の試合機会を模索するチャレンジャー魂を尊重し、今大会での王座防衛戦は見送り」、ハングクとの暫定王座決定戦を用意した。
ハングクはMMA 21戦10勝9敗2敗。韓国の2つのプロモーションでライト級ベルトを獲得しているが、上記のとおり計量オーバーしてしまい、変則の暫定王座決定戦となった。
試合は短時間で終わることに。1R、開始すぐに田中はタックルを仕掛けて、柔術式の引き込みをして下のポジションを取り、ハングクの右手を取る。ハングクは振りほどいて立ってから、ハーフガードで上から押さえて密着する。中盤、ハングクがパスガードしてサイドを取ると、田中はブリッジするが、背中を向けてしまうと、ハングクはバックに回り込む。そこからハングクは両足を田中の左足に絡めつつ、前方に回転すると、膝固め(カーフスライサー)を極めてタップを奪った。ハングクは見事なサブミッション技術を見せたが、ノーコンテスト裁定がアナウンスされると、悔し涙を流してうずくまった。
第12試合 GLADIATORフライ級王座決定トーナメント準々決勝 5分3R
○NavE(N★TRUST/元GLADIATORフライ級王者)
×藤沢彰博(Stray Cats fight team/Jungle hunter fight club)※心技道場/TEAM THAI-YOから所属変更
1R 2’26” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
NavEは昨年3月大会でニャムジャルガル・トゥメンデムベレル(モンゴル)に開始わずか7秒、左フックでKO負けしてGLADIATORフライ級王座から陥落したが、ニャムジャルガルはRoad to UFCの非トーナメント戦への出場が決まり、王座を返上した。
フライ級王座決定トーナメントは8選手が参加し、準々決勝(一回戦)4試合のうち1試合が2月16日の東京でのGLADIATOR CHALLANGER SERIES 01で行われ、チェ・ドンフン(韓国)が和田教良を2R左三日月蹴りでKOしている。
NavEと元ONEの藤沢のトーナメント初戦はNavEの完勝に。1R、NavEがサウスポーで構え、プレッシャーをかけ続けると、中盤に入り、左のテンカオを藤沢の右の胸元にクリーンヒットする。NavEは前に出て脇を差して押し込み、足を掛けて倒すと、金網際でバックマウントを奪い、パウンドを連打してフィニッシュした。
マイクを持ったNavEは「ただいま、GLADIATOR」と第一声を放つと「今回はGLADIATORを楽しもうと上がりました。応援して下さった皆さんありがとうございました」と話した。続けて自身が主催しているGLADIATORのアマチュア大会への出場を呼びかけた。
第11試合 GLADIATORフライ級王座決定トーナメント準々決勝 5分3R
×久保健太(GSB多治見)
○オトゴンバートル・ボルドバートル(モンゴル/Shandas MMA Fitness Center)
2R 3’12” フロントチョーク
オトゴンバートルはモンゴルでジャダンバ・ナラントンガラグ氏が主催するMGL-1で今年1月にプロデビューし1R裸絞めで勝利したばかりだが、師匠でもあるナラントンガラグ氏が「既にモンゴルでは相手がいない」とGLADIATORに推薦してきた選手。ナラントンガラグ氏は20年前にK-1 MAXで魔裟斗と戦ったキックボクサーだったが、同年のKID戦でMMAに初挑戦すると、10年前にONEでMMAの王者にまでなった、モンゴル格闘技界の大物で、今回オトゴンバートルのセコンドにつく。
試合はナラントンガラグ氏が太鼓判を押したとおり、オトゴンバートルが素質の高さを印象づける内容に。1R、オトゴンバートルは開始からバックスピンキックを放ってプレッシャーをかけ、右ストレート、ハイ、ローなどを当て、久保を圧倒する。久保は距離を取り防戦一方に。
2R、久保も意を決して前に出るようになるが、オトゴンバートルは随所で的確に打撃を当てると、中盤過ぎ、右ミドルを強打し、右ローを空振りさせてから、二段蹴りで左ハイをクリーンヒットし、久保をダウンさせる。オトゴンバートルがパウンドを当てると、久保はタックルで難を逃れようとしたが、オトゴンバートルはタックルを切ってからギロチンチョークを極めタップを奪った。なお、オトゴンバートルは大会MVPに選ばれ、70万円の賞金を獲得している。
第10試合 GLADIATORフライ級王座決定トーナメント準々決勝 5分3R
○イ・スンチョル(韓国/DK GYM)
×オトゴンバヤル・ツェルマー(モンゴル/Shiren Beelii Fighting Center Mazaalai Fighting Center)
2R 4’58” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
スンチョルは昨年12月大会で澤田政輝を1R右ストレートでKOし、6連勝中の選手。
1R、ツェルマーが序盤からのパンチラッシュで右ストレートを当て、スンチョルをダウンさせるが、金網際で押さえた際、頭部に膝蹴りを当てる反則を犯してしまい、ツェルマーにはイエローカードが出される。スンチョルが5分休憩してから試合を再開すると、中盤と終盤に2度テイクダウンを奪いつつ、いずれもバックマウントまで行き、パウンドを当て反撃する。
2R、ツェルマーはまたも序盤から前に出てパンチと膝を当て、打撃の強さを印象付ける。ツェルマーはスンチョルのタックルを切り続け、中盤には左フックでダウンを奪う。その後のスンチョルのタックルもツェルマーは切ったが、少しずつスタミナの消耗が目立つようになる。すると終盤、ようやくスンチョルがテイクダウンを奪い、バックマウントを奪うことに成功する。スンチョルはコツコツとパウンドを当ててダメージを蓄積させると、残り30秒からパウンドの回転を上げ、最後はマウントに移ってパウンドを連打し、2R終了間際に鶴和レフェリーがストップした。
フライ級王座決定トーナメントの初戦はNavE、チェ・ドンフン、イ・スンチョル、オトゴンバートル・ボルドバートルの4選手ともフィニッシュして勝利した。初戦敗退したツェルマー含め、海外勢の躍動が目立つ初戦となり、準決勝は熾烈な争いとなりそうだ。
なお、プレリミナリーファイト終了後には、2月16日の東京でのGLADIATOR CHALLANGER SERIES 01で勝利し、フェザー級王者となった河名マストがケージに登場し、観客に挨拶した。河名は「グラジが海外とのプロモーションとの架け橋になっていく中で、韓国勢、モンゴル勢だけが。どんどん海外に出ていくのが悔しい気持ちがありました。ここで僕が北米に行って、みんなに続いて来れるような未来を作れればと思います」と話した。2月の試合後のマイクでは「I want to fight ROAD TO UFC. Please call me.(ROAD TO UFCで戦いたいです。どうか呼んでほしいです)」とアピールしており、先ごろ開催が正式発表された今年のRTUにエントリーできるか気になるところだ。
プレリミナリーファイト
第9試合 フェザー級 5分3R
○チハヤフル・ヅッキーニョス(MIBURO)
×石田拓穂(Reliable)
1R 0’53” KO (左フック)
第8試合 フェザー級 5分3R
○ハンセン玲雄(Reliable)
×桑本征希(SMOKER GYM)
判定2-1 (吉田30-27/鶴和28-29/杉村30-27)
第7試合 バンタム級 5分3R
×藤原克也(SMOKER GYM)
○上荷大夢(TEAM AGENT)
2R 2’19” 裸絞め
第6試合 フェザー級 5分2R
○水野 翔(STYLE)
×福田泰暉(team STAKE)
判定3-0 (○19-19/○19-19/20-18)
第5試合 バンタム級 5分2R
○吉田開威(朋武館)
×土本暉弘(Asura)
判定3-0 (20-18/○19-19/20-18)
第4試合 フライ級 5分2R
○宮川日向(SMOKER GYM)
×八木祐輔(TKエスペランサ)
1R 3’39” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
第3試合 フライ級 5分2R
×澤田政輝(矢田道場)
○田中義基(皇子山MMA)
1R 4’46” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
第2試合 ライト級 5分2R
×八木敬志(猛者連本部)
○磯嶋祥蔵(N★TRUST)
判定0-3 (18-20/18-20/18-20)
第1試合 フェザー級 5分2R
○田口翔太(Asura)
×髙橋惺哉(毛利道場)
2R 2’29” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
オープニングファイト バンタム級 5分1R
○ルキヤ(正道会館 大河道場)※向井琉綺弥 改め
×岩田虎之助(G-FREE)
1R 0’22” KO (左フック)