佐々木憂流迦、11.13 NOAHでプロレスデビュー「プロレスも格闘技もファイトアートしては一緒」「僕の中の流れを大事にしたい」
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RIZINを主戦場とする佐々木憂流迦[うるか]が、プロレスリング・ノア(以下NOAH)の11月13日(月)の新宿フェイスでの興行「MONDAY MAGIC EP3」にてプロレスデビューする。佐々木は10月30日、NOAHのオンライン記者会見で、プロレスデビューの理由と、今後のMMAの活動について話した。
佐々木は89年10月7日生まれの34歳。小学生のときからプロレスが好きで、PRIDEでの五味隆典の活躍を見てからMMA選手を目指すようになり、2010年にプロMMAデビュー。同年に修斗の新人王を獲得し、13年に修斗環太平洋バンタム級王座を獲得し1度防衛。14年~18年はUFCで9戦4勝(4一本)5敗の成績を残し、パフォーマンス・オブ・ザ・ナイトを2度獲得し、フライ級で最高で13位にランクインしたこともあった。
18年大晦日にRIZINに初参戦するとマネル・ケイプに勝利。19年10月の朝倉海戦でTKO負けした際にあごを骨折し長期療養を余儀なくされ、20年大晦日の瀧澤謙太戦で復帰し判定勝ち。それまでRIZINではバンタム級だったが、21年9月の堀江圭功戦からフェザー級に上げ判定負け。22年2月のクレベル・コイケ戦でも一本負け。今年5月のRIZIN有明大会ではボイド・アレン相手に寝技で主導権を維持し判定勝ちした。(上写真)
ここのところ試合ペースが落ちていたが、10月23日にNOAHの興行のリングに登場してマイクを持つと「幼少期の時に最初に憧れたこのリングに今立ってます」「全身全霊、佐々木憂流迦をこのリングにぶつけます。またこのリングで会いましょう」と話し、11月13日のプロレスデビューを表明していた。NOAHのホームページには「エキシビションマッチ参戦」と記されている。
10月30日の会見で佐々木は「最初ご縁をいただいたのは1年ぐらい前です。プロレス好きなの?(会場に)遊びに来たら?って感じでした。初めはやるつもりは無かったんですけど」と明かすが「1月1日の日本武道館、グレート・ムタと中邑真輔(下動画)を見て、ファイトアートとして、作品として、こんなん作れるんだと思ったんですよ。めちゃくちゃ食らっちゃって。そこで腹が決まったところがあります」と、プロレス挑戦に至った心境を話した。
プロレスデビューに向けての練習について「やることが違い過ぎてマジで難しいと滅茶苦茶実感しています」と佐々木。「打撃やグラップリングに頼り過ぎず。新人なんで“ペーペー”のつもりです」「トレーニングの内容も動き系から重量上げる系に変わりました」といい、現在の体重を聞かれると「もうちょいで90kgです。前のアレン戦も87ぐらいから落としたのでそんなに変わらないです。100行きたいんですけど行かないんですよね」と笑顔で話す。格闘技の練習は「ちょいちょいやっているんですけど、どっちかというとプロレスの練習に重きを置いていますね」とのことだ。
気になる今後のMMAの試合について「タイミングと御縁なんでわからないです。でも総合はデビューして14年やっているんで、いつでもできる気持ちはあります」と話すが、「自分の中では流れとか導き見たいなものがあって、今、その流れが僕の中ではそっち(=プロレス)に行っている感じです」とも話し、大晦日のRIZINへの関心を聞かれても「世間的な大きな流れはもちろんあるんですけど、僕の中の流れを大事にしたいのがあります」と答え、今はプロレスに“流れ”が向かっていることを明かした。
「MMAでの憂流迦選手を見てきたファンにプロレスの魅力を伝えたい?」という質問に、佐々木は「特には無いですね。MMAを見たい人はMMA見ればいいじゃんと思いますし。僕のファンを無理に引っ張ってきてプロレス好きになりなよってのも違って。納得させるのも自分の腕だと思っているんで。プロレスのファンの方が僕の試合を見た時に全然ダメだと思われたとしても、自分のせいですから。一からなので大変だと思います」と回答した。
佐々木がプロレスを見て感銘を受けた中邑真輔とは元々親交があり、プロレスデビューを報告したところ「体しっかり作れよ」とアドバイスされたという。佐々木は静岡の和術慧舟會駿河道場出身だが、中邑も02年に新日本プロレスに入門するまでは東京の和術慧舟會RJWでMMAを練習し、その時に培った技術をベースに、02年から04年にMMAの試合を5戦経験している。プロレスデビュー当初はMMA色の強い動きだったが、次第に自身のスタイルを確立し、現在は世界最大のプロレス団体WWEの主力として活躍している。
中邑についての思いを聞かれた佐々木は「プロレスも格闘技も別ジャンルですけど、僕の中ではファイトアート、作品としては一緒なんですよ。その中で心に食らうものが作れるのは凄い人だなあと思いますね。『超尊敬している』って書いておいてください」と話した。