KNOCK OUT 12.11 後楽園ホール:4階級王座戦インタビュー(2/2)高3・乙津陸「数学に比べたらタイトルマッチはチョチョイのチョイ」×心直「作戦?1Rだけ倒しにいく」
MARTIAL WORLD PRESENTS GYM VILLAGE
中野トイカツ道場
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KNOCK OUT 2022 vol.8(12月11日(日)後楽園ホール)では4階級のタイトルマッチが行われる。このうち2試合、第2代KNOCK OUT-REDスーパーフライ級(52kg)王座決定戦 乙津陸 vs. 心直、初代KNOCK OUT-REDスーパーフェザー級(60kg)王座決定戦 新田宗一朗 vs. 久井大夢の4選手のインタビューが、KNOCK OUTプロモーションから届いた。なお、大会の模様がツイキャスにて生中継されることも発表されている(視聴料3,300円~)。
第8試合 セミファイナル 第2代KNOCK OUT-REDスーパーフライ級(52kg)王座決定戦 3分5R(延長1R)
乙津 陸[おつ りく](クロスポイント大泉)
心直[しんた](REON Fighting Sports Gym/シュートボクシング日本バンタム級(52.5kg)1位)
カード発表会見では心直の言葉にいらだちを隠せなかった乙津だが、それでもデビューから7戦目で無敗の王者になる自信は満々。その自信と、高校生ファイターならではの悩みとは? カード発表会見でも「無敗と言っても強い相手とやっていない」など痛烈な言葉を乙津に浴びせ、一触即発だった心直だが、ここでも発言はさらに全開! 「しゃべる通り魔状態」の発言の中身とは?
第6試合 初代KNOCK OUT-REDスーパーフェザー級(60kg)王座決定戦 3分5R(延長1R)
新田[あらた]宗一朗(クロスポイント吉祥寺/INNOVATIONスーパーフェザー級王者)
久井大夢[たいむ](TEAM TAIMU)
すでに他団体のベルトも巻いている新田にとって、王座を争う相手がデビュー3戦目の新鋭という事実はどう響いているのか? そして会見で宮田充プロデューサーからかけられた言葉については?
プロデビュー3戦目でのタイトルマッチ抜擢で、勝てば新記録となる超新星・久井は、キャリアで上回る新田を相手にしても臆するところは一切ないようだ。その自信の言葉をどうぞ!
乙津陸「数学の期末試験の方がよっぽど強敵。試験さえ終われば試合はチョチョイのチョイですよ!」
――念願の王座決定戦が、やっと実現ですね。
乙津 宮田プロデューサーにはいつも濁されてばかりだったんで、発表された時はうれしくて心拍数がヤバかったですね。「やっと来たか!」って感じでした。
――ただ、カード発表会見では相手の心直選手とやり合う場面がありました。
乙津 まあ、口では何とでも言えるんで。「すげえ文句言う人なんだなあ」と思いました。そういう人なんだなあと。
――宮田プロデューサーもその場でちょっと言ってましたが、わりとすぐに頭に血が上ってましたよね。実はもともとそんな感じ?
乙津 宮田さんにも「短気の乙津君」って言われたんですけど、短気なんですかね?(笑) 友達とかなら全然「やめろよ~」って感じの対応するんですけど、タイトルマッチでの対戦が決まって、緊張が走ってる中でああいうことを言われると、やっぱりムカつきますよね。年下だからってナメてんじゃねえぞと。
――年齢も試合数も、心直選手が上ですよね。そこでナメるなと。
乙津 はい。キャリアは相手が上ですけど、実力は俺の方が全然上なんで。ナメられても、結果で黙らせちゃえばいいかって感じです。
――やっぱり沸点は低いですね(笑)。でも、そういうところがいい形で試合に出ている感じが、特に最近はあるんじゃないですか?
乙津 そうかもしれないですね。この前の酒井柚樹戦とかも含めて、攻撃が逆に丁寧になってきたというか。さらに狙いを定められるようになってきたなとは思います。酒井戦は跳びヒザとヒザ蹴りを狙ってたんですけど、後から見返しても、その成長は感じられましたね。
――ただ、酒井戦はかなりな激闘になりましたね。
乙津 相手がもうちょっと心折れてくれるかと思ったんですけど、全然そんなことなくて。悔しさもあり、楽しさもあり、いろんな感情が入った試合でしたね。ボコボコにしたのは確かなんですけど、やっぱり倒すと倒さないとでは結果が全然違うんで、次の試合からはしっかり倒して、記録を更新していきたいと思ってます。
――『KNOCK OUT STYLE』でもまるまる一回分使って取り上げられたように、試合自体の評価が高かったですよね。でもやっぱり、倒せなかった以上、そう言われるのもあまり本意ではない?
乙津 いや、結果としては悔しいけど、みんなが見て楽しんでくれたなら、俺としては全然いいかなとは思ってます。だから相手もこっちもいろんな感情が出て、いい試合になったのかなとは思いますね。
――タイトルマッチ前にそういう試合ができたというのもよかったですね。これでまた意気込みを新たにしたのでは?
乙津 そうですね。今回は初の5ラウンドなんですけど……まあ、5ラウンドはかからないと思いますけどね。最悪5ラウンドまで行った時でも、あの試合を思い出すと思うんで。毎回、思い出すんですよ。「前の試合では、俺はこんなところで落ちなかったぞ」と。そういう意味で、この前の試合はプラスになるんじゃないかと思います。
――あれをくぐり抜けたんだから、と。
乙津 はい。いつも頭をよぎるんですよ。練習でも、「この前の追い込みはもっといけた」と感じたりもするし。
――さて、ファイターとしての心直選手についての印象は?
乙津 この前の会見で、俺に「大して強くない相手としかやってない」って言ってましたけど、オマエもその1人だからな、という感じはありますね。パッとしないというか、常にリングで倒れてるイメージがあります。ヒジとサウスポーというところは気をつけますけど、いつもの俺の試合になっちゃうかなという感じですね。
――ヒジに関しては?
乙津 ヒジありのキャリアは俺の方が全然少ないですけど、今回はヒジも会長と猛特訓してるので、今度こそはヒジで切って倒してやろうかなと思ってます。
――切った上で倒すと。
乙津 ミットでも、パンチとキックのミットをやった上にヒジとヒザだけのミットもやってますし、ヒジとヒザだけのサンドバッグも毎日やっているので、切ってもいいし倒してもいいという感じです。
――いろんな意味で死角はない?
乙津 そうですね。練習もすごく調子がいいので、全く死角はないです。
――ちなみに、今は高校3年生ですが、期末試験の方は?
乙津 ちょうど今週あるので、パパッと終わらせて、そこから練習に専念しようかなという感じです。今回は期末がちょっと早くて、減量前に終わらせられるのでちょうどよかったです。
――今は試験も迫ってるんですね。
乙津 たぶん明後日からだったと思います。
――「たぶん」? 高校生が期末試験を「たぶん明後日」って、どういうことですか(笑)。
乙津 俺、「気づいたら今日が試験だった」とかよくあるんで(笑)。
――マジですか(笑)。それで点は取れるんですか?
乙津 まあ、赤点は何とか回避できます。赤点さえ取らなければ、俺的には満点なんで(笑)。
――一番強敵の科目は?
乙津 数学ですね。よく分かんない式があるんですけど、数学なのに英語が出てくるっておかしくないですか?
――理解度が分かる言葉ですね(笑)。
乙津 数学はやってらんないですよ。英語とかは小っちゃい頃に習ってたんで、まだ何とかなるんですけど。数学は一番強敵ですね。数学に比べたら、今度のタイトルマッチなんかチョチョイのチョイですよ!
――チョチョイのチョイ!
乙津 数学には毎日黒星ですけど、早く試験終わって、チョチョイのチョイでベルトを獲っちゃおうかなって感じっす。
――それは(笑)。今回勝てば、ずっと願っていたチャンピオンですよ。
乙津 はい。でももう一つ目標があるので、それはベルトを獲ってからもう1個ですね。それは今回獲ってから改めて言います。1個じゃ満足してられないので。
――過去の発言からもだいたい予想はつく感じがしますが、それは試合後のお楽しみということで。試験以外はノリノリですね。
乙津 試験以外は、チョー波に乗ってます。練習でも、5ラウンドやっても全く落ちないぐらいにスタミナがついてますし、スピードも過去イチじゃないかと思います。もう、始まったら俺の試合ですね。今回は自信しかないです。
――ベルトまで突っ走ると。では最後に、今回の試合で特に注目してほしいポイントはどこでしょう?
乙津 俺の今年のラストマッチなので、デビュー戦からの成長と、獲った後のストーリーをこれからよろしくお願いしますって感じです。今、ベルトをどこに置こうかって考えてるんですよ。マジで楽しみです。
心直「俺の作戦ですか? 1ラウンド“だけ”倒しにいきます!」
――先日のカード発表会見では乙津選手と直接のやりとりがありましたが、どう感じましたか?
心直 率直な感想でいいなら、「もっとしゃべれや」って思いました。返しが物足りないですよね、全く。
――乙津選手はわりと、ひと言でバシッと斬ろうというタイプですしね。
心直 というか、しゃべれないのをああやってカバーしてるだけじゃないですか。
――心直選手の方から仕掛けた発言もありましたが、あれは乙津選手をイラつかせようという意図もあったんですか?
心直 いや、別にそういうのはないです。彼はまだ子どもなので、これからああいうトラッシュトークも経験していくと思うんですけど、あの会見では他の選手たちがみんな「頑張ります」とかばっかりで盛り上がらないし、しゃべるべき人がしゃべらないとなと思って、ああなった感じです。
――ただ乙津選手は、言われてけっこうイラついた感がありましたよね。宮田プロデューサーにも言われていましたが、けっこう沸点が低いというか。
心直 そうでしたね。感情のコントロールができないんじゃないですか。そういう指導を受けた方がいいと思いますね。
――まあそれはともかく(笑)、王座決定戦の相手が乙津選手に決まったときはどう思いましたか?
心直 正直な感想は、「絶妙なマッチメークだな」と思いましたね。
――絶妙?
心直 乙津選手が勝つのも見えるし、俺が勝つのも見える。宮田さんが好きそうなマッチメークだなというのをすごく感じました。どっちにも可能性があるというか。今回、タイトルマッチが4階級で行われますよね。工藤“red”玲央vs古木誠也は、古木選手は前KNOCK OUT王者にKOで勝って、工藤選手は今、波に乗ってるし、どっちが勝ってもいいと。僕的に「いいカードだな!」と思ったのは新田宗一朗vs久井大夢で、これもまた絶妙ですよね。久井選手が3戦目で王座獲得すればキック史に名を残すというか、歴史に刻まれるじゃないですか。新田選手はKNOCK OUTで連勝してて、若干課題の残る王者にはなるけど、という感じで。で、僕はここに来て、直近の3連敗はあるけど、それ以前の実績はあって、そこを評価してくれたのかなと。
――なるほど。
心直 ハッキリ言って、乙津選手はまだチャンピオンクラスとはやってないですよね。僕はチャンピオンクラスに競り勝ったり、何なら完封したりもしてるわけです。三段論法で言えば、乙津選手は僕に勝てばチャンピオンだし、僕はここでベルトを獲っちゃえばチャンピオンとしてもっとKNOCK OUTを盛り上げられるぞと。そういう点で、すごく絶妙なカードだと思います。
――解説者のようですが(笑)。
心直 僕はけっこう、興行とかをそういう目で見てますね。ボクシングとかに対してもそうだし。今はボクシングはスーパーバンタム級が熱いですよね。(以下、しばらくボクシング・スーパーバンタム級の情勢解説が続いたが割愛)
――それはそれとして(笑)、今大会でタイトルマッチが並ぶ中での心直選手の役割とは?
心直 僕の役割としては、注目度を上げるということがまず一つ。その上で結果を出すと。注目度だけ上げて結果を出さないって、相手がオイシイだけなんで、僕としては面白くないので。「オマエ、さんざん言ってたのに負けたやんけ」って言われるだけですからね。
――乙津選手はデビュー以来全勝で来ています。例えば前回、彼と戦った酒井柚樹選手は「噛ませ犬じゃねえ」ということでファイトを燃やして、大会でも一番の熱戦になりました。「運営が推している無敗の新鋭の対戦相手」というような意識はない?
心直 全く。噛ませ犬って、実力差があるからそうなるわけじゃないですか。僕は実力差はないと思ってますし、経験値で言えば僕の方が全然上だし。俺を噛ませ犬として使いたいなら、もっと強い相手を用意した方がいいよって。どこに噛ませ要素があるのかなと思います。実力的には普通のタイトルマッチじゃないですか?
――そこで乙津選手は心直選手に対して、「3連敗してるヤツ」という言い方でしたよね。
心直 まあ、そりゃ自信は持つでしょうね。デビューから6戦全勝、3KOですから。那須川天心とか以来の話ですよね、言ってみたら。ただ、対戦相手も含めて内容が違うじゃないですか。本当に「強い人と試合した?」って言いたいですよ。僕なら乙津選手が戦った相手と1週間に1人ずつやっても、6戦6勝6KOですよ。雑魚しかいないですから。
――7人まとめてdisるとは(汗)。まあそれはともかく、乙津選手の強いところ、警戒するところは?
心直 近い距離ですかね。近づいて連打とかはいいもの持ってるし、攻撃力はスーパーフライ級ではある方なんじゃないですか。でも僕はスーパーバンタム級とかバンタム級とか、上の階級でもやってるし。あの階級ではいいものがあるというぐらいですかね。あとは、あそこの会長の外智博さんがけっこう策士なので、どういう作戦を立ててるのかなと。でも、俺が乙津選手だったら俺をどう倒すかなと逆の立場で考えると、おのずと分かってくると思うんですよね。そっちだけが立ててる作戦じゃないよというのは頭に入れておいてほしいですね。サプライズじゃないけど、一つ面白いものを用意してますんで。
――それも含めて、どういう試合にしたいですか?
心直 これを言ったら、たぶん見出しに使われると思うんですけど、ズバリ、1ラウンド“だけ”倒しにいきます。
――ほう。1ラウンドだけ、ですか。
心直 1ラウンド“から”じゃないですよ。1ラウンド“だけ”倒しにいきます。それ以上はシークレットということで。ただ決して、1ラウンドに鈴木千裕選手みたいに攻めるという意味でもないですよ。
――今回はREDルールのタイトルマッチなので、5ラウンドありますが……。
心直 だからなんですよ。面白くないですか? 5ラウンドあって、1ラウンドだけ倒しにいくんですよ。そのファイトスタイルを見てもらいたいです。別にスタミナがないとかじゃないんで、その意味は試合を見てもらえば分かると思います。
――それは非常に興味深いですね。
心直 ただ、その作戦がうまくハマってしまえば、2ラウンド以降も狙っていくのかもしれないし、やっぱりリングで対峙してみないと分からないので、作戦変更の可能性はありますけどね。そこも含めて、楽しみにしておいてください。
――分かりました。勝てば、チャンピオンというだけでなく、乙津選手の連勝を止めることにもなります。
心直 まあでも、ほしいのはベルトですよ。これまでKNOCK OUTではBLACKの王座決定トーナメントに出たり、他団体でもお話だけはあったりしたんですけど、ケガがあったりとかでタイトルマッチには至らなくて。ここで勝てばベルトというのは初めてなので。
――それだけにベルトへの思いは強い?
心直 強いというか……KNOCK OUTを見ててちょっともどかしいというか、『KNOCK OUT STYLE』ではバラエティをやっているのにもかかわらず、キャラ立ちしてる選手がいないじゃないですか。あそこに出られるヤツがいない。
――そうですかね?
心直 正直、前回の会見でも僕が一人勝ちだと思ってて。あれだけ多くのカードが発表されて、ネットニュースでも僕しか取り上げられてなかったじゃないですか。しまいには、この前の『KNOCK OUT STYLE』でも「次回、4大タイトルマッチ決定。中でも盛り上げたのはこのカード!」って、俺だけ出てたので、アレはマジでおいしかったですよね。それぐらい、KNOCK OUTは俺しかいないだろうと。
――盛り上げてやるぜ、と。
心直 盛り上げるし、今回REDを獲って、BLACKの王座もほしいんですよ。今、それができてるチャンピオンっていないじゃないですか。2階級制覇は小笠原瑛作選手がいますけど。史上初の赤黒統一王者が心直って、ちょっと面白くないですか。ポッと出てきて赤黒統一っていうのを狙ってます。
――赤黒統一は、乙津選手もずっと狙ってるんですよ。
心直 ああ、アイツは無理です。だって今回、赤も獲れないから。彼は今、高校3年生でしたっけ?
――そうですね。
心直 ああ、じゃあ無理か。たとえここで負けても、来年のK-1甲子園にエントリーしてあげようと思ってたのに。トーナメントだからいっぱい試合できるので、そこで連勝すればいいじゃないですか。こうやって、負けた後のこともちゃんと考えてあげてたのに。
――かなり余計なお世話ですが(笑)。
心直 でも高校は卒業しちゃうんで、普通に老沼選手とやればいいんじゃないですかね。ちょうどいいと思いますよ。
――全方位に対して斬りつけますね(汗)。まるで通り魔状態ですよ。
心直 下も上も、怖いものないんで。どんと来いって感じですよ。組まれれば誰とでもやりますし。バンタム級も響波選手が返上して空位になったし、2階級制覇もいいんじゃないですか。
――夢は膨らみますね。
心直 そうなんすよ。まあとりあえず、目の前のベルトを獲ってからですけど。
――では最後に、当日の試合で一番注目してほしいポイントはどこでしょう?
心直 出た!
――何ですか(笑)。
心直 それ、懐かしいですね! 前回聞かれた時は、槙野智章の髪型の話をしたんでしたよね。
――そうでした(笑)。
心直 あの時僕が言った通り、七三ヘアーは流行ったじゃないですか。格闘技界はどこ見てもみーんな七三ですよ! 何なら街なかでも七三だらけですよね。アレも僕の一人勝ちでした。
――なるほど(笑)。で、今回は?
心直 どうせ工藤選手は「工藤拳」とか言ってるんでしょう? 古木選手はインタビューが苦手そうだから、「倒すところを見てほしい」とか? 乙津選手はどうせ「無敗の高校生が最強になるところを見てほしい」とかですよね?
――いや、他人がどう言ってるかはともかく(笑)。
心直 じゃあ僕は、「前日会見から、翌日の一夜明け会見まで」に注目してほしいです。試合はどうでもいいんで、会見に注目しろと。会見も全く面白くないじゃないですか! みんな「頑張ります」みたいな。まあ、KNOCK OUTは俺に任せてくれって感じですよ。KNOCK OUTを背負えるのは俺しかいないんで。で、勝ったら3月の代々木でコウジとやらせてくれと言いたいです。
――えっ、それはまた面倒くさい話を!
心直 いやいや、ボクシングのエキシビションとかやってるコウジじゃないですよ。他団体王者の●●コウジですよ!
――それはもっと大変そうなのでこのへんにしたいと思います。ありがとうございました!
新田宗一朗「今までは何となく勝っちゃってた。でも今回は意識が違います!」
――先日のカード発表会見では、宮田プロデューサーから「もっとインパクトがほしい」という発言がありました。あれをどう受け止めましたか?
新田 宮田さんが言いたいのは、今までの試合を振り返るとパッとしたものがないと言うことだと思うんですよね。自分は今まで倒されることもなかったですけど、倒したこともないので。そういう盛り上がりというか、見せ場を作れるようにということだと思ってます。実際、僕の試合はお客さんから「塩試合」と言われたりもしてたので、自分でも気にしてたところはありました。
――10月のカミ シロ戦の前日も、宮田プロデューサーからは「この試合(を含む2試合)の内容が大会のカギを握っている」という旨の発言がありましたよね。その試合は判定勝ちでしたが、今振り返ると?
新田 あの試合も、体が思ったように動かなくて、期待に応えられなかったですね。倒せなかったし、変に力んだところもあったので、盛り上がりがないような試合をしてしまいました。
――端から見た勝手な印象ですが、そもそも性格的に「ガーッといくぜ!」という感じではないように見受けられるんですが……。
新田 それもありますね。今までは相手が来るのに合わせて試合をしてたんですけど、それだと結局今までと同じような試合になってしまうので、もっと自分からガツガツ圧力をかけていかないとというのが、今後の課題ですね。
――ただ、それってけっこう根本的なところなのでは?
新田 そうっすねえ……。性格からくるところなので、そんなにすぐは変われないかもしれないですけど、今回は今までと違う戦い方、自分からプレッシャーをかける戦い方を意識して練習しているので、ちょっとずつ変わっていこうかなと思ってます。
――今回、王座決定戦という部分は大きいですか?
新田 そこまで気にしているわけではないんですけど、自分が獲らないと面白くないと思うので、しっかり獲っていこうと思います。
――その相手が、プロ3戦目の久井大夢選手です。改めて、プロ3戦目の選手と王座を争うことになった気持ちというのは?
新田 ホントに、タイトルマッチという感じがあんまりしないんですよね。まあでも、強い人が勝つ世界だし、自分がチャンピオンになってどんどん強い人と戦っていけば「ああ、やっぱりアイツがチャンピオンだな」ってなると思うので。チャンピオンになってもどんどん試合していきたいと思っているので、それの一つという感じですね。
――対戦が決まる前、久井選手のことは認識してましたか?
新田 全然してませんでした。「KNOCK OUTのスーパーフェザー級は選手がいないな」としか思ってなかったので。
――アマチュア3階級制覇、プロデビューから連続KO、そして10代という若さも買われての大抜擢ですよね。
新田 そういう点で、違う意味のプレッシャーもありますけど、自分の先輩なんかは落とせない試合とか大事な場面では必ず勝っている姿を見ているので、やっぱり誰と組まれても勝つという姿は一番大事ですよね。だから相手が若いからとかキャリアがどうこうというのは、あんまり関係ないですね。
――では、この試合の一番のテーマは?
新田 魅せる試合をするというのが一番ですね。次の大会は5ラウンドの試合が多くて、なるべく短い時間で終わった方がいいだろうなとも思うので。5ラウンドまではかけないつもりでいます。
――それはイコール倒すということだと思いますが、倒し方も用意している?
新田 それは言えないですけど(笑)、まあ自分が負けてるところもないと思うので、潰して潰して、最後倒せたらいいかなと思います。何で倒すかはその時の流れで。
――今、他団体のタイトルも持っている状態です。それがあるのとないのとでは、気持ち的に違いますか?
新田 そんなに気にしてはいないですけど、自分が負けちゃうと、今まで戦ってきた相手も負けることになるじゃないですか。全部背負って戦っていくつもりなので、そう考えると負けられないですよね。
――そういう面でも意識が変わってきた?
新田 はい、そうですね。今まで何も考えずに試合してきたみたいなものなので。
――言い切った!(笑)ここまで15戦10勝2敗3分と、勝率はいいじゃないですか。何も考えなくてもそんなに勝てるものなんですか?
新田 この前の試合もそうだったんですけど、「ポテンシャルで勝ったようなもんだね」ってよく言われるんですよ。なので、もっとちゃんと細かいところをやった方が勝ちやすく、倒しやすくなるよと周りからはずっと言われてて。でも、「あんまり考えすぎてもしょうがない」って自分で勝手に吹っ切れて、自由に戦ってたんで。今回はちゃんと1Rから作戦を考えて戦おうかなと思ってます。
――でも、練習が嫌いというわけではないんですよね?
新田 そうですね。でも山口元気会長からすると、自分は練習量が少ないって言われますね。自分ではやってるつもりだったんですけど。今回はそこを変えるために小笠原瑛作さんとつきっきりで練習してるんですよ。最低限、チャンピオンと同じだけ練習すれば自分もそこまで行けるかなと思ってるんで。
――小笠原瑛作選手は、それこそ練習熱心で有名じゃないですか。
新田 はい、人が見てなくても黙々とやれるタイプなので。そこに乗っかって、自分も便乗してます。
――便乗(笑)。
新田 やっぱりそうするとキツいんですよ。今まで自分はプロ練習の時間しかやってなかったんですけど、瑛作さんはそれとは別に朝練とかラントレとかもやっていて、そこにも参加させてもらったので。そうなると疲れも溜まったり、違う筋肉を使ったりというのもあるので、参考になりますね。
――ようやくたどり着きましたか(笑)。
新田 今までは何となく勝っちゃってたので、甘かったですよね(笑)。
――でもそれは、ポテンシャルに恵まれているということでもあるので、そこに努力がもっと加われば、大変なことになるのでは?
新田 まあそうですね(笑)。勝っても負けても努力を続けないといけないというのは分かったので、そこは意識していきます。
――ところで、改めてKNOCK OUTの王座に関してはどう思っていますか?
新田 やっぱり目指してたベルトなので。ちょっとタイミングが早いかなとは自分でも思ったんですけど、ここで勝ってまたいろんな相手に勝ち続ければ、みんな認めてくれると思うので。とりあえず1戦1戦やって、ベルトを守っていきたいです。
――今回は新しい新田選手が見られそうですね。
新田 はい、倒しちゃうかもしれないので、期待しておいてください。
――あれ? 「倒しちゃうかもしれない」って、さっきは「なるべく時間をかけずに」って言ってませんでしたっけ?
新田 ハハハハ。まあホントに、チャンスがあれば狙っていきますんで。
――では最後に、当日の試合で特に注目してほしいポイントはどこでしょう?
新田 今回は……前回、「ミドルを蹴りまくる」と言ってて全然蹴らなかったので……
――確かに!
新田 じゃあ今回は、削って削って倒すので、そこに注目してほしいです。最後は倒すので。
久井大夢「キャリアとか関係ない。絶対に倒して最強のチャンピオンになる!」
――少し前になりますが、9月大会でのプロ第2戦、向井貫太戦を今振り返ると?
久井 うーん……内容はよくなかったし、倒せたという結果だけでしたね。全然納得いってないです。対戦相手のやりづらさとかもあったし、倒しにいこうとしすぎたのもよくなかったですね。
――向井選手のムエタイスタイルがやりづらかった?
久井 そうですね。メッチャやりづらかったです。まあ、いろんなタイプと試合できるというのはいいんですけど。
――とは言え、デビューから2戦連続KOで、次が王座決定戦になりました。カード発表会見では相手の新田宗一朗選手とも顔を合わせましたが、印象はどうでしたか?
久井 もともと持っていた印象からは変わらないですけど、「勝って当たり前」みたいなことを言っていたので、ナメてんのかなというのを感じました。
――イラッときた?
久井 まあ、多少は。結果で返すしかないかなと思ってます。
――新田選手からすると、自分はベルトも持ってるし、戦績も全然違うので、そう思うのも当然かなという気もします。「そういう試合」であるということについては?
久井 キャリアとかだけで言うと、前の試合も相手は10戦ぐらいしてましたし、キャリアどうこうみたいなのは考えてないですね。相手の方が格上と見られてると思うんですけど、キャリア関係なく倒したろうかなと思ってます。
――改めて、新田選手の試合での印象と警戒するところは?
久井 お父さん(久井淳平。元INNOVATIONスーパーフェザー級王者)が持っていたベルトを今持っている選手で……お父さんを抜かすという意味でも、倒したいなと思っています。警戒するのは一発のヒジぐらいですかね。止められて終わりとかなったらイヤなんで。
――新田選手も向井選手同様、やや掴みづらいタイプかなと思います。向井戦の経験も踏まえて、どう考えていますか?
久井 新田選手の対策はけっこうしてるんで、捕まえて倒す自信はあります。判定は考えてなくて、KOで倒せるかどうかというところを考えてます。
――タイトルマッチというところは意識しますか?
久井 モチベーションは上がりますけど、いつも通りやるだけかなと思ってますね。タイトルマッチだからどうこうというのは、特に考えてないです。
――お父さんからはどんなことを言われていますか?
久井 2人で練習をしているので、絶対獲るという気持ちでやってます。技術的なことでは、やっぱりヒジを警戒しろというのは言われてます。
――プロではREDルールは初めてですよね。自分が出すということも含めて、ヒジについては?
久井 もちろん練習もしてますし、ヒジの戦い方というのもあるんかなとは思ってます。
――今回は初のタイトルマッチ、初のREDルール、初の5ラウンド戦と、初めて尽くしですが、不安はないですか?
久井 不安は別にないですね。逆に、相手は3ラウンドより5ラウンドの方が後半バテてくると思うんで、そっちの方がいいかなと。自分は疲れない練習をしてるんで、そこは自信ありますし。
――では、「ヒジをもらって止められてしまう」以外に死角はない?
久井 あとはラッキーパンチぐらいですかね。背も高いしやりづらいかなとは思うんですけど、それぐらいです。
――実際、こんなに早くタイトルマッチのチャンスが来るとは思ってなかったですよね?
久井 そうですね。やるとしてももうちょっと後かと思ってました。ビックリもしたし、絶対獲らなアカンなと思いました。何年かかってもチャンスを得られない人もいるのに、こんなに早くチャンスがもらえて、本当にうれしいです。
――お父さんからチャンピオンの心得みたいなものを聞いたことは?
久井 「チャンピオンになるヤツは何かある」みたいなことは、常々言われてます。今回タイトルマッチが決まって、さらに言われました。新田選手に関しては、戦ってみて何か感じるものがあるかなと思ってるんですけど。
――ということは、今は特に感じてない?
久井 今はそうですね。でももちろんナメてかかれへんし、しっかり戦おうと思ってます。
――チャンピオンベルトを巻いてるところを想像したりは?
久井 しますね。倒すイメージを作った後に、ベルトを巻いてマイクでしゃべってるところを想像したりはしてます。
――そこで話す内容も?
久井 はい、その内容ももう決めてます。あとは現実の試合で結果を残すだけですね。
――初タイトルがKNOCK OUTのタイトルになるというのは、想像していましたか?
久井 デビューした団体ですし、宮田プロデューサーにもよくしてもらっていて、違う団体に出ることは考えてませんでした。まあ、初のタイトルマッチがREDルールになるとは思ってなかったですけど(笑)。
――KNOCK OUT自体への印象は?
久井 いい団体やと思いますね。ベルトもカッコいいし、強い選手もたくさんおるし。
――チャンピオンになったら、その中に並ぶわけじゃないですか。どんなチャンピオンになりたいですか?
久井 やっぱり「最強」ですね。誰にも負けないような。天心とか武尊を超えるような選手になりたいです。
――その意味では、龍聖選手がそういう存在としても注目されています。彼のことは意識していますか?
久井 今はメチャメチャ目立ってるし、メチャ強いんで、意識はしてます。無敗でチャンピオンになってるし、超えていかなアカンなと思ってます。
――しかし3戦目でチャンピオンになれば、ある意味超えることになると思いますが。
久井 まあ、そうかもしれないですね。
――同時に、現在のKNOCK OUTでは関西勢で初のチャンピオンということになります。そこについては何かありますか?
久井 ああ、そうですね。でもそこは特に気にしてないです。これまでプロも全部東京ですし、アマチュアの時から東京の試合の方が多かったので、アウェイ感とかもないです。前の試合も東京の選手が相手なのでもっとアウェイみたいな雰囲気になるのかなと思ってたんですけど、そんなこともなかったですし。今回も同じ感じでやれればいいかなと。
――勝ってベルトを巻くのに、最終的に必要なものって何だと思いますか?
久井 そこまでの過程で、ベルトにかける思いじゃないですかね。もちろんそれは勝っている自信があります。
――では最後に、今回の試合で一番注目してほしいポイントはどこでしょう?
久井 僕が倒す瞬間を見てもらえればと思います。絶対に倒すので。倒すパターンはいっぱい考えているので、その時の流れで倒します。
KNOCK OUT 12.11 後楽園ホール:4階級王座戦インタビュー(1/2)工藤“red”玲央「工藤拳は蹴りもある」×古木誠也「代打でいつ呼ばれてもいいよう準備している」
対戦カード
第9試合 メインイベント RED フェザー級(57.5kg) 3分5R(延長1R)
小笠原瑛作(クロスポイント吉祥寺/KNOCK OUT-REDフェザー級王者・元同スーパーバンタム級王者、WPMF世界同級王者、ISKA K-1ルール世界バンタム級王者)
チャーパヤック・サクサトゥーン[Chartpayak Saksatun](タイ/ラジャダムナン認定フェザー級9位、BBTV同級7位)
第8試合 セミファイナル 第2代KNOCK OUT-REDスーパーフライ級(52kg)王座決定戦 3分5R(延長1R)
乙津 陸[おつ りく](クロスポイント大泉)
心直[しんた](REON Fighting Sports Gym/シュートボクシング日本バンタム級(52.5kg)1位)
第7試合 初代KNOCK OUT-BLACKスーパーバンタム級(55kg)王座決定戦 3分3R(延長1R)
古木誠也(G1 TEAM TAKAGI)
工藤“red”玲央(TEAM TEPPEN)
第6試合 初代KNOCK OUT-REDスーパーフェザー級(60kg)王座決定戦 3分5R(延長1R)
新田[あらた]宗一朗(クロスポイント吉祥寺/INNOVATIONスーパーフェザー級王者)
久井大夢[たいむ](TEAM TAIMU)
第5試合 第2代KNOCK OUT-REDスーパーウェルター級(70kg)王座決定戦 3分5R(延長1R)
津崎善郎(LAILAPS東京北星ジム)
クンタップ・チャロンチャイ(タイ/BTC GYM/元WMC世界・WMAF・M-1スーパーウェルター級王者)
第4試合 BLACK 63kg契約 3分3R(延長1R)
鈴木宙樹[ひろき](クロスポイント吉祥寺/元REBELS-BLACK -60kg級王者)
モンダム・ウィラサクレック[Mondam Weerasakreck](タイ/ウィラサクレック・フェアテックス)
第3試合 BLACK ライト級(62.5kg) 3分3R(延長1R)
大谷翔司(スクランブル渋谷/INNOVATIONライト級王者)
庄司啓馬(TEAM TEPPEN)
第2試合 RED スーパーバンタム級(55kg) 3分3R(延長1R)
大野貴志(士道館新座ジム/元WMC日本&Bigbangスーパーバンタム級王者、元MA日本バンタム級王者)
古村 光(FURUMURA-GYM)
第1試合 BLACK スーパーバンタム級(55kg) 3分3R(延長1R)
小倉尚也(スクランブル渋谷)
加藤和也(ドージョーシャカリキ)
プレリミナリーファイト第2試合 BLACK フェザー級(57.5kg) 3分3R
福田拓海(クロスポイント大泉)
雅治(レンジャージム)
プレリミナリーファイト第1試合 アマチュア 65kg契約 2分2R
柳澤翔太(クロスポイント吉祥寺)
松本大輝(パラエストラ八王子)
概要
大会名 MAROOMS presents KNOCK OUT 2022 vol.8
日時 2022年12月11日(日)開場・17:00 プレリミナリーファイト開始・17:30 本戦開始・18:00
会場 後楽園ホール
中継 ツイキャス(生中継/3,300円~)
チケット料金 SRS席¥20,000 RS席¥12,000 S席¥8,000 A席¥6,000 ※当日券500円アップ ※小学生から有料、6歳未満でも座席を必要とする場合は有料
チケット販売 KNOCK OUTオフィシャルショップ チケットぴあ 出場選手・所属ジム
お問い合わせ Def Fellow 03-6262-3760 inquiry@knockout.co.jp https://knockoutkb.com/