KNOCK OUT 12.11 後楽園ホール:4階級王座戦インタビュー(1/2)工藤“red”玲央「工藤拳は蹴りもある」×古木誠也「代打でいつ呼ばれてもいいよう準備している」
MARTIAL WORLD PRESENTS GYM VILLAGE
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KNOCK OUT 2022 vol.8(12月11日(日)後楽園ホール)では4階級のタイトルマッチが行われる。このうち2試合、初代KNOCK OUT-BLACKスーパーバンタム級(55kg)王座決定戦・工藤“red”玲央 vs. 古木誠也、第2代KNOCK OUT-REDスーパーウェルター級(70kg)王座決定戦・津崎善郎 vs. クンタップ・チャロンチャイの4選手のインタビューが、KNOCK OUTプロモーションから届いた。
初代KNOCK OUT-BLACKスーパーバンタム級(55kg)王座決定戦 3分3R(延長1R)
工藤“red”玲央(TEAM TEPPEN)
古木誠也(G1 TEAM TAKAGI)
本人が「5年に一度のツキが来てる」という言葉通り?今年3連勝でタイトル獲得のチャンスを掴んだ工藤だが、その相手は11月大会で響波をKOした古木誠也に決定した。工藤は古木の存在をどう見ているのか? そして初戴冠のチャンスをどう受け止めているのだろうか?
古木は見事なパンチで自分より15cm身長の高い響波を一撃KO。キックボクシング6戦目で初のタイトルを目前にした今、古木はどう思っているのか?
第2代KNOCK OUT-REDスーパーウェルター級(70kg)王座決定戦 3分5R(延長1R)
津崎善郎(LAILAPS東京北星ジム)
クンタップ・チャロンチャイ(タイ/BTC GYM/元WMC世界・WMAF・M-1スーパーウェルター級王者)
津崎はいきなり巡ってきたタイトルのチャンスで、師匠とも戦ったことのある大ベテラン、クンタップと対戦が決定。タイ人とは初の対戦だが、それよりもタイトルへの思いが強いという。そんな津崎の決意とは?
クンタップは10月の中島弘貴戦では久々の実戦ながら、持ち前のうまさを発揮して中島の連勝を止めてみせた。これまでのキャリアも買われての王座決定戦への起用となったが、本人もこの試合には特別の思いがあるようだ。大ベテランのムエタイ戦士がこの試合に見据えるものとは?
工藤“red”玲央「僕がチャンピオンになるのは決まってる。格闘技の神様が決めてくれるはず」
――最近の試合前インタビューでは、最後に「もっと●●のこととかも聞かれるのかと思った」と言われることが多いので、先にお聞きします。今日話したいことは?
工藤 サッカー・ワールドカップのこととか、ポケモンが新しく出たじゃないですか。趣味のこととか聞かれるのかなと思って。
――一応、試合に向けてのインタビューですからね(笑)。ワールドカップは見てるんですか?
工藤 そんなに熱狂的というわけでもないですけど、一応見てます。ドイツ戦は起きてる時間だったので見ましたよ。深夜まで起きて見たりはしないですけど。
――なるほど、人並みですね(笑)。ポケモンは買ったんですか?
工藤 「スカーレット」の方を買いました。発売日に買ったんですけど、始めたのはさっきなんですよ。始めようと思ったらコントローラーが壊れてて、今はコントローラーも入手困難なんですよ。人気だからなかなか売ってなくて。ようやく買えて、始められたって感じです。
――そうなんですね。……では試合のことをお聞きしてもいいでしょうか?(笑) まずは前回のダイナマイト柿崎戦を振り返ると?
工藤 まあまあよかったんじゃないですかね。
――まあまあですか。
工藤 そんな緊張もせず、リラックスして戦えたので。周りから倒せ、倒せと言われてたので、力みはありましたけど。
――しかし最後は見事なKO勝利だったじゃないですか。「工藤拳」も、その前の試合ではしゃがむところまでは見せてましたが、今回はダウンを奪うところまでいきました。
工藤 そうですね。前回はうんこ座りでおわっちゃったんで。
――うんこ座り(笑)。今回の手応えはどうでしたか?
工藤 あの時はけっこうよかったんですけど、今は工藤拳が20個ぐらいに増えてるんで、今となっては普通に倒しただけって感じですね。
――20個に増えたんですか! 試合後の一夜明け会見では「工藤拳は8つある」と言っていましたが。
工藤 先週か先々週か調子よくて、1週間で10個ぐらい作ったんですよ。今週は2個だけなんですけど。
――際限なく増えていくものなんですね(笑)。そのパターンだけでも、相手を惑わせられる?
工藤 僕はそんな卑怯な手は使いたくないので、惑わせてるつもりはないんですよ。あの動きに対して、僕なら冷静に対処できると思ってますし。あれは自分が一番動きやすいというか、その後に打ちやすいというか、そういう動きなんです。
――ああ、「自分が落ち着くためにやっている」とも言っていましたね。
工藤 そうです。相手を騙すとか、そういう目的じゃないんですよ。あと、勘違いしている人が多いんですけど、工藤拳はパンチだけじゃないんですよ。蹴りもあるので。
――えっ、そうなんですか? 蹴りだと「拳」じゃないのでは? 「工藤脚」とか……。
工藤 いや、それはカッコよくないので、全部まとめて工藤拳です。いやそれこそ、しゃがむっていうのは脚だけの動きじゃないですか。
――それはそうですけど、その後に出るパンチが工藤拳なのかと思ったもので。
工藤 でもそのためには脚の動きが大事なわけですよ。工藤拳のキーポイントはパンチじゃなくて、脚なんです。
――奥が深いですね……。柿崎戦の後に、響波vs古木誠也の勝者と王座を懸けて対戦することが決まって、古木選手がKO勝ちで上がってきました。あの試合についてはどう思いましたか?
工藤 普通に「すごいな」と思いましたよ。「俺だったらもっと早く倒せた」とか、そんな生意気なことを言うつもりもないし、純粋にすごいと思いました。
――どちらかが勝つだろうなという予想とかはしてたんですか?
工藤 うーん……どっちかが勝つだろうなとは思ってましたよ。
――そりゃそうですよ!(笑)
工藤 あーでも、「古木選手とだったらいい試合になるだろうな」というのは思ってましたね。
――ただ、響波選手だったらリベンジマッチになっていたところでした。そこは考えなかった?
工藤 そうなんですけど、負けた昔の僕とはもう違いますからね。そこを意識してもしょうがないので。響波戦の時(2020年2月)もけっこうチケットを売って、お客さんにたくさん来てもらってたんですよ。それでこの前、「背が高い方が勝ったら、2年半前のリベンジになるよ」みたいなことを言ったら、みんなその試合のことを覚えてなかったんです。人間ってそういうものなんだ……と思って。
――そうでしたか。
工藤 結局みんな、僕を見に来てるので、相手のことはどうでもいいんですよ。だから自分と響波選手で、勝手に「再戦だ」「リベンジだ」って盛り上がっても、お客さんはそんなところ見てないっていう。ちょっと悲しかったんですけどね(笑)。だからリベンジとかは関係ないです。僕のレベルもあの頃とは全然違うので。
――なるほど。では相手に決まった古木選手のことは、今どう見てるんですか?
工藤 空手出身なので、多彩な蹴りをいっぱい出してくるのかなと思って。勝手な想像ですけどね。
――でも響波戦ではパンチ一発で見事なKO勝利でした。
工藤 でも「ラッキーパンチだった」って言ってませんでした? 分かんないですけど、僕はけっこう人のことを信じちゃうんで。「たまたま当たった」って言ってたから、そうなのかなと。あの顔はウソつかないですよね?
――いや、知らないですけど(笑)。謙遜の可能性もあるじゃないですか。
工藤 でも僕は信じてますけどね。「あれは練習してて、狙い通りでした」とは言ってなかったんで。でも、たまたまでも勝ちは勝ちですからね。
――では、一番警戒するのは蹴りだと。
工藤 そうですね。でも相手のことを気にしてもしょうがないので、自分のやるべきことをやるだけですよね。相手は誰でもいいので、自分の底上げをするだけです。
――その結果、工藤拳も20種類に増えたと。
工藤 はい。いや、22個かな?
――さらに増えた(笑)。それは番号とかつけてるんですか?
工藤 まだつけてないんで、それは試合が終わってからやろうかなと思ってます。実況で「あ、工藤拳15番だ!」とか言ったら面白いじゃないですか。
――いや、面白いですけど、出た時に瞬時に見分けられるかどうか……。
工藤 そうですよね(笑)。まあ、僕は必ずチャンピオンになるので。「3月の代々木第二でのビッグマッチにはチャンピオンとして出る」って、ずっと言ってるじゃないですか。これはその通りになるので。
――確かに言ってましたね。こうして実際にタイトルマッチが決まって、相手が決まっても、その自信は全く変わらないと。
工藤 変わらないですね。自信というか、僕がチャンピオンになると決まってるので。結局は格闘技の神様が、どっちがふさわしいかと決めてくれることだと思ってるので。僕はふさわしいと思ってますし。
――ここで勝てばKNOCK OUTのチャンピオンです。そこへの思いは強いですよね?
工藤 もちろんです。応援してくれる人たちの夢を、ようやく僕が叶えられるので。今回もたくさん応援に来てくれますし、その人たちの夢も僕が叶えると思ってます。
――では最後に、当日自分のここに一番注目してくれというポイントはどこですか?
工藤 下がらない姿勢ですね。僕は迷ったらダメなんで。本当に気持ち全開に出して突き進むので、そのファイトスタイルを見てほしいですね。突き進んで、倒して勝つので。そしてベルトを巻きます。
――分かりました。ありがとうございました!
工藤 応援よろしくお願いします!
――いえ、僕は一応、中立なので「どちらも応援します」なので……。
工藤 ああ、そうですか。まあいいや、とりあえず勝ちます!
古木誠也「まだ出せてない技がたくさんあります。いろいろ試してチャンピオンになります!」
――響波戦は見事な勝利でした。改めて試合を振り返ると?
古木 とりあえず、勝てて安心しました。トレーナーとやってきたことが形になったのが、勝利につながったんだと思います。
――一夜明け会見では、「狙っていたわけではなかったが、普段の練習が出た」というお話をされていましたね。
古木 そうですね。意識したわけではなくて、自然と形に出たという感じです。
――響波選手とは15cmの身長差がある対戦でした。その攻略はどう考えていたんですか?
古木 やっぱり身長が高いし、絶対ヒザを狙ってくるだろうというのは予想していたので、倒しにいくというわけではなく、ガードを意識してジックリ戦っていくという感じでした。それで倒せたのでよかったと思います。
――対峙してみて、パンチが入りそうだという感じはあったんですか?
古木 いや、全く。ガードを意識していたので、そんなにパンチを狙っていたわけではないです。
――しかし実際は一発で決まりました。その瞬間はどう感じましたか?
古木 やっぱり安心したというか……「よかった!」と思ってホッとしました。
――試合後にはリング上でマイクでの挨拶もありました。その時、実況・解説陣、特にゲスト解説の谷川貞治さんが「慣れてないところがいいねえ」と言っていました。実際、あの時はどうでしたか?
古木 分かると思うんですけど、自分はしゃべるのがすごく苦手なんですね。それに試合後にマイクでしゃべるというのが初めてだったのもあって、緊張しかなかったです。
――緊張するというのは会見でも?
古木 そうですね。カメラがあったり、人に見られていると思うと緊張してしまいます。響波戦のカード発表会見が初の記者会見でもありましたし。
――しかし次の試合は王座決定戦でもあり、そういう機会は増えそうですよ。
古木 そうなんですよね……。まあ、慣れていくしかないかなと思ってます。しゃべるのは、試合より緊張するので。
――先日の勝利によって、12・11後楽園大会での王座決定戦が決まりました。前戦から3週間ほどでの連戦になりますが。
古木 ダメージもないですし、問題ないですね。期間が短いのは自分にとってはあまり関係ないというか、普段からいつ試合が決まってもいいように、トレーナーと練習しているので。試合が決まったから追い込みをするというわけじゃなくて、試合が決まってなくても毎日のように追い込んでいるので。代打とかでいつ呼ばれてもいいように準備しているので、試合間隔とかは関係ないですね。
――キックでは6戦目で王座獲得のチャンスが来ました。
古木 こんなに早くチャンスがもらえると思ってなかったので、本当にありがたいです。
――予想外に一発で倒せて、会見やマイクも初めて経験して、タイトルマッチも初めて決まった……ということで、めまぐるしい感じなのでは?
古木 そうですね。初めてのこと尽くしなので大変ではありますけど、これからしゃべる方も慣れていきたいと思います。
――さて、王座決定戦では工藤“red”玲央選手との対戦となりました。印象は?
古木 ベテランでタフだし、パンチもありますし、厳しい戦いにはなりますけど、いつも通りに自分の試合に持ち込むだけです。
――このところ工藤選手は3連勝で、前回もKO勝利と好調です。そのあたりはどう見ていますか?
古木 試合を重ねるごとに強くなっていってるなと思いますね。
――前回の試合でダウンを取った動き、「工藤拳」というらしいですが、あれについては?
古木 油断しないようにしたいですね。ああいう動きも出してくるだろうなという想定はしているので、ガードを固めるのは当たり前ですけど、しっかり対処したいと思います。自分も試合になると緊張してアガってしまうというのもあるんですけど、練習はしていても出せてない技がいっぱいあるので、試合を楽しみながら、そういう技もいろいろ試していきたいと思います。
――空手でたくさんの試合経験がありますが、キックボクシングでは、そこでも想像しなかったような相手の動きなども多く出てくるのでは?
古木 ありますね。キックと空手では距離感が全然違っていて。空手は距離を詰めてお互いに殴り合う、我慢比べみたいな感じなんですけど、キックは一発でやられちゃったりもするので、全体的に違いますね。
――そこは楽しめていますか?
古木 キックは面白いですね。緊張感もぜんぜん違いますし、試合はワクワクします。1日も早く試合がしたいと思ってます。
――先ほど、「自分の試合に持ち込む」という言葉がありました。どういう展開が理想ですか?
古木 先ほども言った通り、けっこうアガっちゃうので、落ち着いて試合をするのが理想です。倒す、倒さないは関係なく、落ち着いて試合を楽しみつつ、いろんな技を試せたらと思います。
――それは、これまでの5試合ではどれぐらいできていますか?
古木 いや、全然できてないですね。この前の響波戦ではトレーナーの指示は全部聞けていたと思うんですけど、技は全然出せてないです。
――ということは、キックボクシングでの伸びしろはまだまだある?
古木 まあ、もう少しは成長できると思います。
――いよいよ、次で勝てばチャンピオンです。それを考えると……?
古木 キックを始めた時点でチャンピオンを目指してはいたんですけど……やっぱり早いですね。デビューしてまだ1年経っていないんで、本当に早いと思います。
――巡り合わせもありますが、自分の力で勝って呼び寄せたものでもあるわけですよね。
古木 自分の力というか……トレーナーのおかげですね。
――チャンピオンになると、試合以外にもいろいろ要求されるものがあると思いますが……。
古木 ですよね(笑)。でもチャンピオンになるからには、それにふさわしい存在にならないといけないなとは思います。もっと圧倒的な強さを見せたいですね。
――タイトルマッチということで、応援の方もたくさん?
古木 来てくれると思います。みんなの応援は力になりますし、当日みんな来てくれると思うとつらい練習も乗り越えられるし、頑張れます。勝ってみんなを喜ばせたいというか、恩返ししたいですね。今はジムにチャンピオンもいないので、ジムにベルトを持ち帰るというのも励みになります。
――では最後なんですが、今回の試合で一番ここに注目してほしいというポイントはどこでしょう?
古木 自分も体の強さには自信があるので、タフさを見てもらいたいですね。あといろんな技を試したいので、そういうところも見てもらえたら。
津崎善郎「KNOCK OUTのベルトを獲りたいという気持ちでは負けない。ケガしても戦って勝つ!」
――王座決定戦の相手がクンタップ選手に決定しました。そう聞いた時にはどう思いましたか?
津崎 10月大会でクンタップ選手が中島弘貴選手に勝ったじゃないですか。あの時にジム内で、「これは次、クンタップ戦あるかもね」という話は出ていたんですよ。石毛慎也会長がそれを予測して、「あるぞ」と言っていて。でも、まさかそれが王座決定戦になるとは思いませんでしたけど。
――では、クンタップ戦ということより、それがタイトルマッチだということに驚いたと。
津崎 そうですね。前回の試合で負けちゃったこともあって。あそこで勝っていたら、「タイトルマッチもあるかな」と思っていたかもしれないですけど。
――自分では思ってもいなかった流れでタイトルマッチが決まったわけですね。モチベーションの点ではどうですか?
津崎 いや、モチベーションは上がりに上がってます! 流れ自体は意外なものでしたけど、このチャンスは逃せないなと。タイトルには過去2回挑戦していて、今回が3回目なんですけど、一番気合いが入ってます。試合中にケガとかしても、絶対に獲りにいくという気持ちが、今回は一番強いですね。
――その相手としてのクンタップ選手はどうですか?
津崎 クンタップ選手がバリバリに活躍してたのって、2007年とか2008年あたりだと思うんですよ。もう10年以上前ですよね。だから僕としてはクンタップ選手についての知識があんまりなくて。中島戦の前だと、最後の試合は巌流島ですよね。そこから過去の試合も見たらYETI達朗選手にもKO負けしたりしていて、さすがに全盛期は過ぎたのかなと思ってたんですが、まさか中島選手に勝つとはちょっと思ってなくて、やっぱりタイ人は侮れないなと思いました。日本人とは経験値が違うじゃないですか。もう100戦近くやっているし。そこは怖いなと思いますね。
――中島戦でのクンタップ選手の動きはどう見ましたか?
津崎 やっぱりうまいなと思いましたね。その試合はBLACKルールでヒジなしだったんですけど、中島選手がやりたいようにはやらせず、うまく戦うなと思いました。右にも左にも構えるし、組んだらヒザ・ヒザという感じで。
――今回はそこにヒジも加わるわけですよね。ご自分はどう戦いたいですか?
津崎 テクニックでは勝てないと思うので、そこでは勝負しないようにして……言葉にするのは難しいんですけど。
――中島戦がそうでしたが、攻めて前に出ようとするといなして組みヒザに持ち込まれますよね。
津崎 はい。そしてサウスポーになって下がりながら左ミドルとか蹴ってきますよね。ただ、サウスポーになってからのパンチとかはあまり怖くないかなと思います。パンチは右の方がいいだろうなとか、そういうことは頭に入ってるんで。前回のvic.YOSHI戦では相手が急にサウスポーで来たので、あれで面食らっちゃって、テンパってしまったんです。ただ、クンタップ選手もスイッチするので、今となってはあれはいい経験になったなと思いますけど。今回は前回のようにテンパらずに、落ち着いてできると思います。
――タイトルが懸かった試合という点ではいかがですか?
津崎 1戦目、吉田英司とのREBELS王座決定戦(2019年10月)は初の5ラウンドだったので、どこで出ればいいかとかがよく分かってなくて、5ラウンドただ必死に戦っただけでした。2回目は匡志YAMATO選手と名古屋でWBCムエタイの王座決定戦で戦って(2020年6月)、1回目の経験を踏まえて臨んだんですが、ここで人生初めてのKO負けを経験したんですね。「あ、俺も倒れるんだな」というのをそこで学びました。今回は3回目なので、2回分の経験を元にいろいろ考えながら戦いたいなと思います。
――3度目の正直ということもあり、気合いも入りますよね。
津崎 それはありますね。ベルトは本当にほしいので。ただ、力が入ってもムダに力んだりはしないで、モチベーションを高くして臨みたいなと思ってます。
――クンタップ選手は師匠の石毛会長とも戦っていますよね(2009年6月、ドロー)。
津崎 そうなんですよ。映像が残っていないらしくて、見てはいないんですけど、会長からその時の話は聞きました。こういうところが怖いとか、左になるとこういう攻撃があるぞとか、その時の経験を元にけっこう具体的に教わっています。今も会長に仮想クンタップになってもらって練習しています。
――実際に対戦したことのある人がやる「仮想●●」は説得力がありそうですね。
津崎 そうなんです。そこはすごく助かってます。でも、会長が戦った相手と戦うのは不思議な感じですね(笑)。
――ですよね(笑)。しかも、そんな大ベテランにいつまでも君臨されているわけにもいかないですよね。
津崎 それは本当に思いますね。ここでベルトを渡すわけにはいかないなというのは、すごく感じてます。
――しかも、ずっと参戦しているKNOCK OUTのベルトが懸かっているわけですからね。
津崎 その思いも強いですね。これは完全に僕が獲らなきゃいけない流れだなということは分かってるんで、絶対負けられないという気持ちが強いです。
――では、過去2回のタイトルマッチの時にはなくて、今の津崎選手にあるものとは、何でしょう?
津崎 負けた経験ですね。タイトルマッチを2回戦って、負けた経験が強みになってるなと思います。「あの時ああしたから負けた」というのは自分の中では分かっているので、今回はまた全然違うタイプの相手ですけど、そこをしっかり生かしながら戦いたいと思います。
――タイ人との対戦というのも……。
津崎 初めてなんです。ただ、スパーリングとかでは何度もやったことはあります。オーストラリアのジムにいた時はトレーナーがタイ人でしたし、スパーリングもいつもやっていました。ONEでベルトを持っていたペッタノンも一緒のジムだったので、練習もしてたんですけど、アイツはマジで強かったですからね。だから試合自体は初めてですし、ウチの石毛会長が、戦い方とかもほぼほぼタイ人みたいなものですからね。何となく、会長とやるみたいな感じになるのかなと思ってます。
――ここで勝つと、いよいよKNOCK OUTのチャンピオンです。そこにたどり着くために、最終的に必要なものって何だと思いますか?
津崎 あんまり根性論的なことは言いたくないですけど、やっぱり気持ちじゃないですかね。獲りたいという気持ちではまず負けないので、そこですね。REBELSの頃から出ているし、その思いは強いですから。ケガしても、アゴが折れても戦います。
――では最後に、当日の試合で一番注目してほしいポイントはどこでしょう?
津崎 自分的には、5ラウンド全部戦うつもりはないんですよ。早い段階で決めてしまいたいと思っているので、最初からアグレッシブにいくつもりです。だから最初から、目を離さずに見ていてもらいたいです。
――「どうせ序盤は様子見だろう」と思わずに、と。
津崎 はい。向こうのペースに合わせたくないというのもあるので、最初からガンガンいくつもりです。そこに注目してほしいです。
クンタップ・チャロンチャイ「ずっと見せられなかった自分の本当のスタイル、本当のムエタイを見せます!」
――10月の中島弘貴戦を改めて振り返っていただけますか? 自分にとってはどんな試合でしたか?
クンタップ 僕にとって、とても大切な試合でした。中島選手は本当にグッドファイターでしたし、パワーもありました。僕が勝てたのは偶然ではありませんが、結果が逆でもおかしくなかったと思います。勝負とは常にそういうものだと思っています。すごくいい試合を皆んなに見せられたと思っています。それは相手が彼のようないいファイターだったからです。
――久しぶりの試合、久しぶりの勝利だったと思います。周りからはどんな言葉をかけられましたか?
クンタップ みんな本当に喜んでくれました。本当にうれしそうにしてくれました。それを見て、僕も本当にうれしかった。本当によかったと思いました。
――その中島戦がKNOCK OUTへの初参戦になりました。どういう印象でしたか?
クンタップ 何度も大会は見させてもらってましたが、自分が出る側になって、改めていい大会だと感じました。選手たちがエネルギッシュでいいですね。若い世代がどんどん出てきて、これからもっと大会も盛り上がっていくと思います。運営スタッフの皆さんも選手へのリスペクトを持ってくれていて、素晴らしいと思います。
――今回、KNOCK OUT2戦目でタイトルマッチのチャンスが来ました。そこについてはどう思っていますか?
クンタップ とても光栄です。僕を評価してくれて、うれしいです。必ずこのチャンスを生かします。
――相手の津崎選手の印象は? 警戒するところはどこでしょうか?
クンタップ いいファイターだと思います。記者会見で会ってみて改めて感じましたが、やはり背が高いので、リーチも含めて、その差をどう埋めるかが僕の課題だと思います。
――津崎選手は、クンタップ選手が過去に戦った石毛慎也選手の弟子になります。石毛選手のことは印象に残っていますか?
クンタップ 10年以上前だったと思いますが、よく覚えています。まだ日本に来て間もない頃でした。結果はドローだったと記憶してます。とても気持ちの強い選手だと感じたことを覚えています。
――今回はその石毛会長の弟子との戦いです。どんな試合をしてどう勝ちたいですか?
クンタップ いつも思っていることですが、僕にしかできない試合をみんなに見せたい。今回は(肘有りの)REDルール。僕の本来の姿を見せられると思ってます。その上で、KOで勝ちたいと思います。
――前回の試合を踏まえて、もっとこうしたいという点は?
クンタップ 前回の試合はとても集中できました。日頃から常に試合に出られるコンディションをキープしていますが、今回は練習環境も整えて、より高いレベルのコンディションを作って当日を迎えたいと思います。
――勝てば久しぶりにチャンピオンということになります。ベルトにはどんな思いがありますか?
クンタップ これまで何本ももらってきましたが、KNOCK OUTのベルトは、僕の中で特別なものになりそうです。このベルトは絶対に欲しいです。
――タイトルマッチということで、特に意識するポイントはありますか?
クンタップ タイトルマッチだから、ということで意識が変わることはありません。常に自分にしかできないことをする。最高の試合をして、勝つ。そのことだけ考えています。今回もそのようにします。
――当日、自分のここに一番注目してくれというポイントはどこですか?
クンタップ ずっと見せられなかった、本当の僕のスタイルを見せます。本当のムエタイを楽しみにしていてください。きっと盛り上がると思います。
KNOCK OUT 12.11 後楽園ホール:4階級王座戦インタビュー(2/2)高3・乙津陸「数学に比べたらタイトルマッチはチョチョイのチョイ」×心直「作戦?1Rだけ倒しにいく」
対戦カード
RED フェザー級(57.5kg) 3分5R(延長1R)
小笠原瑛作(クロスポイント吉祥寺/KNOCK OUT-REDフェザー級王者・元同スーパーバンタム級王者、WPMF世界同級王者、ISKA K-1ルール世界バンタム級王者)
チャーパヤック・サクサトゥーン[Chartpayak Saksatun](タイ/ラジャダムナン認定フェザー級9位、BBTV同級7位)
第2代KNOCK OUT-REDスーパーフライ級(52kg)王座決定戦 3分5R(延長1R)
乙津 陸[おつ りく](クロスポイント大泉)
心直[しんた](REON Fighting Sports Gym/シュートボクシング日本バンタム級(52.5kg)1位)
初代KNOCK OUT-REDスーパーフェザー級(60kg)王座決定戦 3分5R(延長1R)
新田[あらた]宗一朗(クロスポイント吉祥寺/INNOVATIONスーパーフェザー級王者)
久井大夢[たいむ](TEAM TAIMU)
第2代KNOCK OUT-REDスーパーウェルター級(70kg)王座決定戦 3分5R(延長1R)
津崎善郎(LAILAPS東京北星ジム)
クンタップ・チャロンチャイ(タイ/BTC GYM/元WMC世界・WMAF・M-1スーパーウェルター級王者)
初代KNOCK OUT-BLACKスーパーバンタム級(55kg)王座決定戦 3分3R(延長1R)
工藤“red”玲央(TEAM TEPPEN)
古木誠也(G1 TEAM TAKAGI)
BLACK 63kg契約 3分3R(延長1R)
鈴木宙樹[ひろき](クロスポイント吉祥寺/元REBELS-BLACK -60kg級王者)
モンダム・ウィラサクレック[Mondam Weerasakreck](タイ/ウィラサクレック・フェアテックス)
BLACK ライト級(62.5kg) 3分3R(延長1R)
大谷翔司(スクランブル渋谷/INNOVATIONライト級王者)
庄司啓馬(TEAM TEPPEN)
RED スーパーバンタム級(55kg) 3分3R(延長1R)
大野貴志(士道館新座ジム/元WMC日本&Bigbangスーパーバンタム級王者、元MA日本バンタム級王者)
古村 光(FURUMURA-GYM)
BLACK スーパーバンタム級(55kg) 3分3R(延長1R)
小倉尚也(スクランブル渋谷)
加藤和也(ドージョーシャカリキ)
概要
大会名 MAROOMS presents KNOCK OUT 2022 vol.8
日時 2022年12月11日(日)開場・17:00 開始・18:00
会場 後楽園ホール
チケット料金 SRS席¥20,000 RS席¥12,000 S席¥8,000 A席¥6,000 ※当日券500円アップ ※小学生から有料、6歳未満でも座席を必要とする場合は有料
チケット販売 KNOCK OUTオフィシャルショップ チケットぴあ 出場選手・所属ジム
お問い合わせ Def Fellow 03-6262-3760 inquiry@knockout.co.jp https://knockoutkb.com/