LFAオクラホマ大会をABEMAが8.6(土)午前10時~生中継。田中路教「勝って次はベルト」、河名マスト「被爆三世の僕が好きなことをやって生きていることに感謝し戦う」。空手・二宮城光の三男、二宮城太も出場
MARTIAL WORLD PRESENTS GYM VILLAGE
格闘技医学会
現場で役立つ格闘技医学を研究/公開/実践中!
UFCに数多くの選手送り込んでいる米国のMMA大会「LFA (Legacy Fighting Alliance) 138 : FARIAS VS. TANAKA」(8月5日(金/現地時間) 米国オクラホマ州ショーニー:グランドホテル・カジノ&リゾート)に、日本から田中路教[みちのり]、河名マスト、二宮城太が出場する。田中と河名のインタビューがABEMAから届いた。大会の模様はABEMA格闘チャンネルにて8月6日(土)午前10時より放送される。
8月6日 午前10:00(日本時間)から、田中路教選手/河名マスト選手出場予定の「LFA138」を生中継します!
https://t.co/JWUJFzUaOQ @michinori_tamj @masto pic.twitter.com/mgG4FdtMfR— ABEMA格闘TIMES (@Abema_Fight) August 3, 2022
田中は201年に修斗でデビューし、グアムのPXCでバンタム級王座を奪取後、14~17年にUFCに上がり5戦2勝3敗で2連敗した後に、UFCとの契約が切れた。17年10月のGRANDSLAMのホジェリオ・ボントリン戦、19年3月のパンクラスのウラジミール・レオンティブ戦、昨年11月のLFAのヒカルド・ディアス戦と3連勝中。サクラメントの名門MMAジム・アルファメールで長年練習している。現在31歳。今回も前回に続きメインイベントに登場し、MMA 14戦11勝3敗のブラジル人・Ary Fariasとバンタム級で対戦する。
UFC復帰を目指し続ける田中は「ジムの代表のユライア(・フェイバー)もコンスタントにUFCにコンタクトを取ってくれています。ただ現状では再契約も厳しいということで、他の大会も考えましたが、試合が決まったので、UFCに向けてまた戦っていくような意気込みです」「UFCからは『大会直前に怪我人が出れば上げられるよ』と言われているんですけど、これまでも無く、これからも可能性も低いとは思うので、この試合の後にLFAでタイトルマッチをやらせてもらって、ベルトを取ってビッグイベントと交渉できればと思っています」と話す。
コンディションについては「今、普段の体重が74~5kgあるので(バンタム級リミットまで)13kgぐらい落とすのに少し苦労しました。これまで減量という減量をしたことがなく、ここに来て初めて本格的な減量をやった感じですが、自分に合った減量がわかって、順調に落とせた感じです」とのこと。前日計量は無事クリアし、実際の動きはどうなるか見ものだ。
対戦相手のブラジル人・Fariasについては「MMAの中でも柔術の技術を生かしてほとんどの試合で一本勝ちしていて、レベルの高いグラップラー」と評しつつ「誰が相手でも僕のやることは変わらない。僕自身もグラップラーなので、グラウンドで真っ向勝負できたらと思います。MMAなのでしっかりテイクダウンして上を取れればというのはあります。9か月の間、フィニッシュに向けての練習を結構積んできたので、そこを出せればと思います」と話し、対応に自信を示した。
今回はABEMAで生中継される。「アメリカで孤独に戦うよりも、日本で放送して日本のファンの皆さんが見てくれるのは力になるので、応援してもらえるとうれしいです」と話した。
河名は広島出身。4歳からレスリングを習い、これまで専修大学、クリナップといった名門に在籍し、U-23世界選手権2017グレコローマン59kg級で優勝。昨年春にMMAに転向し、7月のFighting NEXUSでのデビュー戦では敗れたものの、以降のRoad to ONE、NEXUS、石渡伸太郎引退興行、EXFIGHT、POUND STORMで5連勝。最近ではパンクラスの狩野優、修斗の山本健斗デリカットといったフェザー級ランカーに連勝している。ロータス世田谷に在籍し青木真也・北岡悟・矢地祐介らと練習しており、レスリングを活かしたグラウンドコントロール力の高さが持ち味。現在27歳。今回は10戦8勝2敗の米国人・Elijah Johnsとフェザー級で対戦する。
河名はLFA初参戦にあたり「半年ぐらい前のインタビューでUFCまで早くて2年半と出まかせに言っていたものが、現実味を帯びてきました。目標に近づいている気持ちがあります」とコメント。現地オクラホマ入りは試合3日前。ホテルの風呂にバスタブが無かったり、マットスペースも無く「ミット打ちをホテルのプールサイドでやった」といい、上手くいかないことも重なるが「想定して水抜き量はコントロールしていました」「高校生の頃から海外遠征に行っていたので慣れています」「自分でコントロールできない部分はあきらめます。ケージに入ったら条件は一緒。与えられた環境でやるべきことをやるしかない」と話し、動揺は無い様子だ。
MMAに転向して1年と少しで6試合に出場(ほかグラップリングの試合も経験)。「前回の試合が終わって自分の型が見えてきました。これまで幹を太くするのに注力する感じだったのが、幹も太くしながら枝を伸ばしている感じです。レスリングコントロール以外にも目を向けてトレーニングできたと思います」といい、少しずつMMAへの適応への手応えを感じている様子だ。
ベースとなるのは長年のレスリングの経験。「とにかく1回でもポイントを取れたらいいっていうのがMMAでも活きています。自分のやりたいことを押し付けて、序盤は譲ってくれないポジションを一瞬でも譲ってくれて、相手の気持ちが折れる音が聞こえたら勝ち。そこの嗅覚は(レスリングの経験が)活きています」とのこと。今回の試合でもその相手の“気持ちが折れる”シーンが訪れるか見ものだ。
しかし今回の相手もベースはレスリング。「MMAでレスラーとやったことがなかったので、スクランブルで譲らない。譲ったら負け。レスリング勝負になったら勝つしかないという気持ちでやります」と話す。レスリング大国・米国のMMA関係者の目に、河名の譲らないレスリングスキルはどう映るか?その反応次第でUFCへの道はより短くなる可能性もある。
今回の試合は日本時間8月6日に行われる。1945年、米軍が原子爆弾を広島に落とした日で、広島出身の河名にとって「特別な日」だ。「僕自身が被爆三世で、植物も育たないと言われた場所で、たくさんの人が命をつないできました。今、自分は好きなことやって生きていられることに、改めて感謝する気持ちを忘れずに戦いたい」「好きなことをやって生きているのを見て力になる人がいてくれれば、好きなことをやっている意味があるのかなと思います」と話し、より一層気持ちを引き締めている様子だった。
二宮城太は極真会館第10回全日本大会(1978)優勝・二宮城光(現・円心会館館長)の三男で29歳。3歳から空手をはじめ、コロラド州デンバーの円心会館総本部で練習・指導しつつ、アマチュアのMMAの試合にも出場。19年からLFAのアマ部門で4連勝すると、今年6月のプロデビュー戦では、サウスポーからの左フックからのパウンド連打で34秒TKO勝ちしている。アマの試合ではタックルを切ってからのギロチンで一本勝ちもしており、打撃以外の動きも見ものだ。今回はプロ2戦目。3戦2勝1敗の米国人・Nick Talaveraとフェザー級で対戦する。今回ABEMAで試合が放送されることで、二宮の認知が日本のファンにも広がることだろう。二宮のコロラドでの生活の様子はインスタグラムでも確認できる。