修斗 7.25 後楽園ホール:斎藤裕の次の世界フェザー級は?SASUKE「しんどい勝負もどんと来い。マイクも抜かりなく準備しますよ」、工藤諒司「声には出しませんでしたが、あるんですよ、修斗愛が」
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プロ修斗公式戦 2021 Vol.5 Supported by ONE Championship(7月25日(日)後楽園ホール)のメインイベント、修斗世界フェザー級チャンピオン決定戦・SASUKE(マスタージャパン東京/世界1位、環太平洋王者)vs. 工藤諒司(TRIBE TOKYO MMA/世界7位、環太平洋2位)の両者のインタビューが、主催のサステインから届いた。
修斗世界フェザー級のベルトは、RIZINフェザー級王者である斎藤裕が返上したベルト。SASUKEは怪我に泣かされた時期もあったが、19年の復帰後は6連勝。昨年9月に仲山貴志に2R TKO勝ちし同級環太平洋王者になると、今年1月の初防衛戦で内藤太尊に裸絞めで2R一本勝ちし初防衛。その2試合とも、試合後のマイクでは斎藤戦を熱望しており、今回斎藤も巻いたベルトを巻きアピールしたいところ。
対する工藤はONE Championshipのトライアウトで3連勝したが、コロナ禍の影響でシンガポールが主戦場のONE本戦への道が途絶え、昨年9月から修斗に戻り2連続1R KO勝ちし7連勝中。以前から評価されてきたポテンシャルを開花させ、攻守共に安定感を増しており、SASUKEにとっては手強い相手となる。
揺るぎなき、その信念に一切の死角なし“格闘忍者” SASUKE
「僕は皆さんの期待、想像を越える選手にならなければならない」
――1月の内藤太尊戦での勝利、環太平洋タイトル初防衛おめでとうございました。
SASUKE「有難うございます。周りの皆さんからも『獲るより守る方が難しい』とか『気引き締めろ』とか色々お言葉を頂きました。でも自分の中ではどの試合も同じ気持ちで挑むように心掛けています。もちろん今持っているタイトルへの想いもありますが、気持ちを変えずに試合に臨んでいます。どの試合でも同じ、腹を括って試合をしています」
――ジンクスとかは気にしない?
SASUKE「全然気にしないです(笑)。ネガティブなジンクスは気にしないようにしています。内藤戦も落ち着いて試合に臨めました。プランとしては、相手は簡単に諦めない印象だったので、パウンドアウトよりしっかりサブミッションさせるというものでした。絶対に3ラウンドに息を吹き返すと思っていたので、2ラウンドにフィニッシュできたのは良かったです。作戦を立てて一つずつ潰していくような戦いになりましたね」
――これで大怪我から復帰以来6連勝となりました。とても大怪我をしていたとは思えない活躍です。
SASUKE「長かったですもんね(苦笑)。2015年の全日本選手権決勝で右手前腕の尺骨を折りました。バックハンドブローで折って。その時は治ったのですが、次にデビューから2戦目の直前にまた同じ所を折って。折れた腕のまま試合に出て、そのどちらもの相手が飯田健夫選手という(笑)。そこから2戦、右手は折れたままで左手一本で戦っていた状態でした。2016年の年末から治療に入るのですが、そこからが長かったんです。人工骨を入れる手術を受けたんですが、復帰後すぐにまた同じ箇所を折ってしまって。その後は固定具を入れて、ひたすら休ませるようにしました。完全に骨が安定するまで休ませて。安定させるまでに約2年7ヶ月かかりました」
――その間ずっと焦るな休めと言ってた事を覚えています。
SASUKE「言われてましたね(苦笑)。怪我をしている間、チームメイトの黒部(三奈)さんがベルトを獲ったり、同級生の榎本明が有名選手に勝ったりとか、そういう姿を見て自分の中でも焦りがあって休まなかった・・休めなかったんですね。それで長引いてしまった所もあります。21歳の時かな、それ位の年齢の時って肉体的にも精神的にも大きく成長する時期だと思うんです。そこで焦りを加速させてしまった。若かった自分には精神的にキツかった」
――諦めそうになったことはなかったですか?
SASUKE「ありました。でも辞められなかったですね。何も出来なくてもずっとジムには来ていたんです。シャドーだけでもやりに来ていました。そしたら来る度にジムの会員さんたちが声をかけてくれて、それで救われました。弘中(邦佳)代表が作ったジムのカラーというか、みんなが家族みたいに仲が良くて。それが心の支えになりました」
――その支えがあったからこそだとは思いますが、復帰後はその思いが一気に爆発するような活躍で6連勝を飾ります。
SASUKE「有難いことです。結果として勝てていますが、弘中さんからも常々言われている事で、連勝して調子の良い時こそ気を引き締めるよう心がけています。もちろん嬉しい気持ちはありますが、連勝中でも気を抜く事はなかったです。もっと上を目指すならば、更に勝ち星を重ねなければならないし、次に求められる事はもっと高い内容になります。僕はみんなの期待、想像を超える選手にならないといけないと考えています」
――更なる高みを目指し、いよいよ世界チャンピオン決定戦のオファーが届きました。対戦相手はこちらも7連勝中の工藤諒司選手です。
SASUKE「工藤選手とは必ずどかかのタイミングで当たると思ってましたので驚きはありませんでした。もっと早いタイミングで当たると思っていました。うん、ようやく来たなという感じです」
――工藤選手にどういう印象をお持ちですか?
SASUKE「危険な匂いがする選手。技術、メンタルを超えた所で強い、生物的な強さを感じています」
――物静かで感情が読み取れない部分を感じます。
SASUKE「言葉も交わした事がないので、性格的な事は分からないのですが、試合を見てるだけで強さは感じています」
――打撃で押して、組み勝って、トップを取ってパウンド…スタイル的にお二人は似ている部分が多いと感じます。
SASUKE「それはよく言われます。似ているかもしれませんが、お互いベースが違うので、質の違いは感じています。僕は柔道がベースだし、工藤選手はレスリング。タイプは似ていても中の技術は全然違うものです」
――その中で勝負のポイントになる所はどこになると感じていますか?
SASUKE「一発の破壊力は向こうが勝ってると思うので、僕はそれをいかに一発をもらわないようにするか。一瞬でどんどん状況が変わるような展開になると思います。僕の強みはグランドでもスタンドでも勝負できる所です。穴を見つけたら、そこをどんどん突いていきます」
――短期決戦になるか、長期戦になるか…
SASUKE「向こうは序盤から飛ばしてくるでしょうね。でも僕は長く戦うつもりでいます。僕は後半にかけて調子を上げていくタイプ。しんどい勝負もどんと来いという気持ちでいます」
――今回ばかりは本当にしんどい勝負になりそうですね。
SASUKE「際の上手い選手なので、少しでも集中力を欠くとやられるんじゃないかと思います」
――見ている側としてはとてもゾクゾクする試合です。
SASUKE「そう言って頂けるのは嬉しいです。多くの方に、この試合が見たかったと言われます。皆さんが楽しみだと言って頂けるのが嬉しい。勝敗はどっちに転ぶか分からないですが、試合が終わった時には、もの凄く価値のある一戦になっていると思います」
――そしてサスケ選手といえば勝った後のマイクパフォーマンスにも注目が集まっています。
SASUKE「最近はマイクのハードルも上がってますよね(笑)。勿論抜かりなく準備しますよ」
――SASUKE選手の後押しをするように、当日は大応援団が来場されますね。
SASUKE「有難い限りです。チケットの完売がなければもっと増えていました。皆さんから温かい言葉が力になります。感謝してもしきれないです。当日は声は出せませんが、皆さんの気持ちが爆発するような試合をお見せしますよ。しっかり準備はしてきたので、皆さんの期待と想像を超える勝負を見せて、世界チャンピオンになります。時期的にオリンピックと被りましたが、修斗に来て良かったと思ってもらえるような試合をお見せします。当日は第1試合からメインまでをストーリーとして見て頂きたいです。絶対に後悔はさせません」
――今大会は当日券の販売もなく、完全完売となりました。会場に来れない方はABEMAでの生中継でお楽しみ頂くようになります。
SASUKE「今はABEMAさんのご協力があるからこそ、修斗の大会も行えてると思います。格闘技を広める為に凄く尽力頂いてます。ぜひこれからもABEMAさんで格闘技を、修斗を見て楽しんで頂きたいと思います。僕の試合は画面越しでも何かを感じてもらえる試合になると思います。ABEMAを見て楽しんでいただけたら、次回はぜひ会場に観に来てください」
“冷たい格闘サイボーグ”工藤諒司 いよいよ感情大爆発か!
「声には出さない修斗愛が僕にはある。その気持ちは彼より強い」
――現在、脅威の7連勝中。2017年のプロデビューから12戦10勝1敗1分。素晴らしい戦績です。
工藤「順調にここまで来れたと思っています」
――そしてここ3戦は連続KOフィニッシュ中と勢いは止まりません。この要因は何だとお感じですか?
工藤「最初からKOを狙っている訳ではないんです。流れの中でそうなっているという感じです。身体が自然に動けているんだと思います。少しでも成長できているのかなとは感じています」
――その動ける要因となっているものはなんでしょうか?
工藤「何なんでしょう(苦笑)。自分ではよく分かってないのですが、いい練習が出来ている事ではないでしょうか」
――身体が思ったように使えるようになったという事でしょうか?
工藤「身体が自然に反応しているという感じが近いかもしれません。昨年12月の山本健斗デリカット戦がまさにそうでした。最初に当たった左フックは狙って打ったものではありません。身体が勝手に動いて、気がついたら相手が倒れていて。当たった感触もほぼ無かったので、逆に焦りました」
――唯一の黒星を喫した山本選手にリベンジして、いよいよチャンピオンシップのオファーが届きました。相手はSASUKE選手。そして世界タイトルが賭けられました。
工藤「正直、環太平洋への挑戦はあると思ってましたが、世界戦のオファーが来るとは思ってませんでした。でも連勝している今、このタイミングでお話を頂けたのは良かったです」
――実際、オファーが来た時のお気持ちはいかがでしたでしょうか?
工藤「嬉しかったです。初めてタイトルに挑戦するのもあります。やっとここまで来たなという感じです。これまでタイトルというものに縁がなく、今まで一番になったことがないので自分でも楽しみです」
――いよいよSASUKE選手との試合となります。
工藤「そろそろ当たるとは思っていましたので驚きはありませんでした。SASUKE選手は総合格闘家というイメージです。隙もなく何でもできる。強いんだろうなとは思っています。SASUKE選手が山本健斗選手と当たった試合をよく見ていました。自分が戦った選手相手にどんな試合をするんだろうと思って見ていました。こう戦うんだなぁという感じで見ていました」
――お二人は、スタイル的に似ていると言われる事も多いのではないでしょうか?
工藤「周りからもよく言われます。でも僕はレスリング、SASUKE選手は柔道がベースになっているので、似ているようでも違うのだと感じています。特に組際の強さは自分が勝っていると思います。もつれた展開になると僕が上回れる。でもこの勝負は先に隙を見せた方が負けると思っています」
――ファイトスタイルは似ていると言われるお二人ですが、キャラクターとしてはお互い真逆なイメージがあります。感情を爆発させる“動”のイメージのSASUKE選手。工藤選手は感情が一切表に出ない“静”のイメージです。
工藤「感情を出さない…というか出せないんです。勝った瞬間とかは安心感の方が強過ぎて、気持ちが高ぶるような事にはならないです。すぐに落ち着いちゃいます」
――SASUKE選手みたいなタイプを見てどう感じますか?
工藤「お客さん的には楽しいでしょうね。自分にはできないです。盛り上げるような所はSASUKE選手に任せます」
――今回、勝ってベルトを巻いたら、それも変わるような事もありますか?
工藤「それはあるかもしれませんね」
――感情を爆発させる工藤諒司が見れるかもしれない?
工藤「もしかしたら(笑)。初めての事なので自分でも分からないです。修斗の世界タイトルです。僕、修斗が大好きなんで」
――そいう所の感情も全然出さないじゃないですか!
工藤「実はそうなんです。総合格闘技の始まりで、歴史もあって。やっぱり修斗だなって」
――SASUKE選手は声にどんどん出して言うタイプ。工藤選手は静かに思う修斗愛。
工藤「僕は声には出しませんでしたが、あるんですよ、修斗愛が。声に出す気持ちもあると思いますが、表に出さずに秘めてる気持ちを感じてもらう愛の形もいいじゃないですか。その気持ちは彼より強いと思います」
――工藤選手がそう思ってたなんて初めて知りました。
工藤「なので、この世界戦のお話を頂いた時、本当に嬉しかったんです。いつも以上に気持ちが入ります」
――俄然、この試合が楽しみになりました。工藤選手はこの試合、ズバリ短期決戦になると思いますか、それともじっくり戦うことになりそうですか?
工藤「う~ん…正直分からないです。お互いに5Rの試合は初めてですし、3R超えた時点でどうなっているのか。しっかり5R動ける練習はしているので長期戦となっても不安はありません。でもこの試合は一瞬で決着するような試合になると思いますので、ご覧いただく皆さんも目を離さずに見ていて欲しいす」
――当日は全席完売。でも会場に来れない方はABEMAでお楽しみ頂けます。
工藤「今は便利になってABEMAさんのお陰でWifi環境さえあれば、どこでも試合をご覧頂けます。ゆっくり自宅で、また出先でもご覧いただけます。沢山の方にご覧いただきたいです」
――試合が楽しみです。
工藤「試合に向けて恒例の東京大仏(板橋区)乗蓮寺の池にいる鯉を眺めに行ってきます」
――鯉、お好きなんですよね。
工藤「はい、鯉は穏やかで自分を犠牲にしても仲間を守る、仲間思いの魚なんです」
――鯉って、工藤選手の性格に似てるんですね!
工藤「そうかもしれませんね」
対戦カード
第8試合 メインイベント 修斗世界フェザー級チャンピオン決定戦 5分5R
SASUKE(マスタージャパン東京/世界1位、環太平洋王者)
工藤諒司(TRIBE TOKYO MMA/世界7位、環太平洋2位)
第7試合 セミファイナル 修斗女子世界スーパーアトム級(50kg)次期挑戦者決定戦 5分3R
SARAMI(パンクラスイズム横浜/世界2位)
中村未来(マルスジム/世界4位)
第6試合 バンタム級 5分2R
論田愛空隆(心技館)
中村倫也(EX FIGHT)
第5試合 ライト級 5分2R
エドモンド金子(BRAVE)
岡澤弘太(佐山道場)
第4試合 フェザー級 5分2R
仲山貴志(総合格闘技津田沼道場/世界2位、環太平洋4位、元環太平洋王者)
結城大樹(マスタージャパン福岡)
第3試合 バンタム級 5分2R
齋藤 翼(総合格闘技津田沼道場/FIGHT FARM)
野瀬翔平(マスタージャパン福岡)
第2試合 フライ級 5分2R
山内 渉(FIGHT FARM)
植木“令和”新(シューティング宇留野道場)※植木新 改め。総合格闘技宇留野道場から所属先名称変更
第1試合 トライアウト フェザー級 3分2R
村山大介(マスタージャパン東京)
スソン(KRAZY BEE)
概要
大会名 プロフェッショナル修斗公式戦 PROFESSIONAL SHOOTO 2021 Vol.5 Supported by ONE Championship
日時 2021年7月25日(日)開場・17:15 開始・18:00
会場 後楽園ホール
中継 ABEMA(生中継)
チケット料金 VIP 18,000円 RS 12,000円 SS 10,000円 S 7,000円 A 6,000円 ※チケット完売 ※小学生以上はチケット必要
チケット販売 イープラス 修斗BASEオンラインショップ サステイン 出場選手・所属ジム
お問い合わせ サステイン 03-3788-3042 https://www.shooto-mma.com/