KNOCK OUT 4.25 後楽園ホール:ぱんちゃん璃奈「レベルの違いを見せて、みんなが見たいカードを組んでもらう」×MIREY「1年間ずっと温めてきた隠しアイテムを見せたい」。松﨑公則×花岡竜、麻火佑太郎×古村匡平インタビューも
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KNOCK OUT 2021 vol.2(4月25日(日) 後楽園ホール)に出場する、ぱんちゃん璃奈、MIREY、松﨑公則、花岡竜、麻火佑太郎、古村匡平のインタビューが主催者から届いた。
ぱんちゃんは19年10月に一度判定勝ちした相手・MIREYとの再戦ということもあり「二度と私とは戦いたくないと思われるように、心を折りたい」といい、「今回もダラダラッと勝ってしまったら、言う資格がないので、一つレベルが違うというところをしっかり見せて、みんなが見たいカードを組んでもらおうと思ってます」と話す。対するMIREYは「今までの『ハードパンチャーで右フックが強い』というようなMIREYのイメージを覆すような試合をする」とのこと。果たして今回はどういう展開となるか?
第8試合 セミファイナル 創世のタイガ presents BLACK 女子46.5kg契約 3分3R(延長1R)
ぱんちゃん璃奈(STRUGGLE/KNOCK OUT-BLACK女子アトム級(46kg)王者)
MIREY(HIDE GYM/WMC日本女子&J-GIRLSピン級(45.53kg)王者)
第5試合 RED スーパーフライ級(52kg) 3分3R(延長1R)
松﨑公則(STRUGGLE/元REBELS-MUAYTHAI・WPMF日本・J-NETWORKスーパーフライ級王者、元REBELS-MUAYTHAIフライ級王者)
花岡 竜(橋本道場/INNOVATIONフライ級王者)
第4試合 BLACK ライト級(62.5kg) 3分3R(延長1R)
麻火佑太郎(PHOENIX)
古村匡平(FURUMURA-GYM/大和MUAYTHAIスーパーライト級王者)
ぱんちゃん璃奈「今回はレベルの差を見せて勝って、戦いたい相手にアピールします!」
4・25『KNOCK OUT 2021 vol.2』の「スーパーファイト/KNOCK OUT-BLACK女子46.5kg契約/3分3R・延長1R」でMIREYと対戦するぱんちゃん璃奈。3月31日に行われたカード発表会見では、昨年からの欠場の中、復帰のタイミングを図っていたこと、その中で対戦相手がコロナの影響もあり二転三転したことも明かされた。そんな中で決まったMIREYとの再戦に、彼女はどんな思いをぶつけようというのか?
――先日のカード発表会見では、「再戦したいわけではなかった」というMIREY戦決定の経緯や今後の希望などについて、かなり言いたいことを言った感じに見えました。
ぱんちゃん いえ、めちゃめちゃオブラートに包みましたけど、大人なので(笑)。
――そうでしたか(笑)。ただ、対戦相手も決まって試合も近づいている今は、試合に対してどういう気持ちですか?
ぱんちゃん 今回は楽しみしかないですね。いつもだったら「この相手にはこういう対策をして、確実に勝つぞ!」とか考えてるんですけど、この半年でいろんなことができるようにもなってきたので、自分のパフォーマンスに対する挑戦、どこまでできるかという感じでとらえてます。
――ということは、不安要素は全くない?
ぱんちゃん 全くないですね。前回のMARI戦(昨年11月)でもありませんでした。その前はあったんですけど、どんどんどんどん不安は減っていってます(笑)。自分の動きがよくなってきていて、自分で「変わってきたな」という実感があるので、対策してきたことをきちんとやって、自分の蹴りやパンチがきちんと出せれば、絶対負けることはないと思っています。だから、いかに自分の攻撃を出せるかということで、相手というより自分の問題という感じです。
――会見の際、一つ気になったのが「ダウンを取って勝つ」という言葉にとどめていたことです。「倒す」「KOする」と言わなかったのには理由があるんでしょうか?
ぱんちゃん 「まだKOまではいけないかな」と、自分で思ったんです。「今のパワーとか今の蹴りだったらダウンは取れる」とMARI戦でも思ってたし、今回も思ってるんですけど、失神させてのKOはまだ難しいと思っているので、ダウンを必ず1回、2回取るというのが今回の目標です。
――今回はそこまでということなんですね。
ぱんちゃん はいMIREY選手には前回、判定で勝っている(2019年10月)ので、同じ勝ち方では成長を見せられないと思っています。だからきっちりダウンを取るというところが今回の課題だと思っています。
――いつもそういう風に、段階を踏んで考える方なんですか?
ぱんちゃん 現実的に考えるという感じですね。今はダウンが目標で、そこがまだできてないのにいきなりKOというのは難しいかなと思っていて。そこで感覚を掴めればKOも自然とできてくると思うので、一発KOとかじゃなくて1発ダウン、2発ダウンという感じです。
――そのダウンを奪う攻撃というのは?
ぱんちゃん 蹴りでもパンチでも、どっちでも取れると思ってます。どこの部分でも取れると思うぐらい、今回は差があるかなと。
――前回のMIREY選手との対戦では、打たれ強さやタフさは感じませんでしたか?
ぱんちゃん 今まで戦ってきた他の選手たちもみんな打たれ強かったので、彼女が特にとは感じなかったです。ただ、1回も倒れてない選手でも、倒れることは全然あると思うので。二度と私とは戦いたくないと思われるように、心を折りたいと思います。
――今大会の試合順も発表されて、セミファイナルに決まりました。それについては?
ぱんちゃん セミファイナルだろうなと思ってました(笑)。メインがタイトルマッチで、私がセミだろうなと。昨年8月のタイトルマッチ(MISAKI戦)がダブルメインの第1試合で、前回(MARI戦)がメインだったんですけど、一緒だなと(笑)。特に今、順番にはこだわってないです。ただ、一つ前が龍聖君の試合で派手にKOすると思うので、その後だけに頑張らないとなと思ってます(笑)。
――何で対抗しましょうか。
ぱんちゃん 華は私の方があると思ってるので(笑)。彼はド派手なKOをすると思いますけど、私はスピードとかアグレッシブさを見てもらえたらと思います。この女子の階級で、私はリーチだけだと思われているみたいなんですが、スピードも負けないぐらいあるという自信があって、そのリーチとスピードを使って当てれば誰も入って来れないと思ってます。
――この欠場期間中に、『REBELS』がファイナルを迎え、『KNOCK OUT』はREBORNということになりました。そうした展開を、どう見ていましたか?
ぱんちゃん 以前は「出たい」と思っていたんですけど、普通に考えてパンチが打てていなかったので、「無理して出て中途半端な試合をするよりは、逆に出なくてよかったな」と思いました。3月に出るのは厳しくて、この4月大会がギリギリだったかなという感じだったんですが、今は準備万端になったので、今は見せられるという気持ちが強いですね。
――イベント全体の流れの中で、『KNOCK OUT』の主役争いも活発になってきました。先ほど名前が出た龍聖選手もその一人ですし、もちろんぱんちゃん選手もその中にいると思います。そこについては?
ぱんちゃん 龍聖君以外は、主役候補とは思わないですね(笑)。彼はこれからもっともっと目立っていくだろうなと思います。私は別に主役になりたいわけではなくて、強さを見せたいので。主役が弱かったらちょっと……と思うし(笑)、強いところを見せられればいいので、別に今まで通りで応援してくださってる方が十分いてくれるので、特に意識はしてないですね。
――もう一つ、今大会ではもう1試合女子の試合が組まれていて、デビュー戦の相手だった川島えりさ選手が……。
ぱんちゃん (遮って)読みましたよ、インタビュー。私は興味ないです。デビュー戦の後もプロで8戦やってきてプライドも持ってるし、戦う相手も違いすぎるし。「勝ち方で勝負」みたいなことも言ってましたけど、そこに関しても負けないと思います。今は次の相手と、その先の選手を見ています。
――分かりました。女子という点では、いろんなイベントで女子が盛り上がっていると言われていますが、そこはどう見ていますか?
ぱんちゃん 悶々としてますね。戦いたい選手がいるんですよ。彼女と戦いたいし、戦ったら勝てるなとも思っているので、今回しっかり勝ってアピールしようと思っています。
――それも楽しみにしてほしいと。
ぱんちゃん はい。今回いい勝ち方をしてアピールして、次戦でその選手と組まれなかったら暴れようと思ってます(笑)。
――暴れるのは思いとどまってほしいですが……(笑)。
ぱんちゃん でも今回は、そのためにどうしても差をつけて勝たなきゃと思ってるのは確かですね。今回もダラダラッと勝ってしまったら、言う資格がないので、一つレベルが違うというところをしっかり見せて、みんなが見たいカードを組んでもらおうと思ってます。
MIREY「ダウン? 取れるなら取ればと。1年間温めた隠しアイテムで勝ちます」
4・25『KNOCK OUT 2021 vol.2』の「スーパーファイト/KNOCK OUT-BLACK女子46.5kg契約/3分3R・延長1R」でぱんちゃん璃奈と対戦するMIREY。1年半前、2019年10月にはぱんちゃんに判定負けを喫しているが、コロナの期間にさまざまな部分を強化し、自信を持ってこの再戦に臨むという。その自信の中身とは?
――今回はぱんちゃん璃奈選手と1年半ぶりの再戦となりました。まず前回の試合を、今振り返るといかがですか?
MIREY 前回は後楽園ホールで初試合ということと、『KNOCK OUT』さんという大きな舞台に初出場ということもあって、すごく緊張してしまってカタカタだったんで、日頃の自分を出すことができなかったというのが、一番反省点ですね。
――なるほど。ぱんちゃん選手についてはどういう印象でしたか?
MIREY いや、別に特には、何とも。予想通りに、前蹴りで来る選手だなあという感じでしたね。攻撃については、別にないです。パンチとか蹴りとかも効いてなかったので。自分の戦いさえできていれば、全然いけたと思います。リングに上がる前から、会長に「アガり過ぎだ」って言われてたので(笑)。
――今回はアガらずに済みそうですか?
MIREY そうですね、2回目なので、後楽園ホールはもう攻略してないといけないなと。会長からも「次はいいかげんにしてくれよ」って言われてます(笑)。
――ぱんちゃん選手はカード発表会見で「ダウンを取って圧倒的に勝つ」と言っていましたが。
MIREY ああ、チラッと見ました。「やれるもんならやってくれよ」という感じです(笑)。私も打たれ強いつもりなので、ダウンも取れるなら取ればと。それに、私だってコロナのせいでこの1年3ヵ月ぐらい試合をしてなかったですけど、遊んでたわけじゃなくて、練習はしっかりやってたんで。
――その練習で、一番意識した部分はどこですか?
MIREY このコロナの影響で、ジムが使えなかった期間があったんですよ。ジム練習ができなかったので、会長とか他の選手と一緒に、私が大の苦手なラントレーニングをイヤというほどやらされたんです。だから足腰がメチャクチャ強くなって、踏ん張る力、踏み込む力が増したし、蹴りの威力はすごく上がってるので。今日もそうだったんですけど、練習しててもすごくいい感じに仕上がってるので、そこはぜひ皆さんに注目してほしいなと思います。
――ラントレをかなりやったということは、スタミナもアップしていそうですね。
MIREY そうですね、肺活量もかなり上がりました。公園でひたすら走ってばっかりだったので(笑)。ホントに苦手だったので、精神的にもすごく強くなったと思います(笑)。
――今回、どう勝ちたいですか?
MIREY 逆にダウンを取って勝ちたいですね。まだコロナの影響が出る前に、奥脇奈々選手との試合の前にタイで試合をして、首相撲からのヒザでTKO勝ちしているので、その時の喜びをもう一度味わえるようにやりたいです。
――ではMIREY選手のことを改めてお聞きしたいんですが、ペルーのご出身なんですよね?
MIREY はい。ペルーの首都、リマで生まれました。お母さんがペルー人で、お父さんが日本人とペルーのハーフなので、私はクォーターになります。最初に両親が出稼ぎで日本に来て、私と兄弟はその1年後に来ました。それが、私が5歳の時です。
――では、小さい頃にペルーにいて、育ったのはほぼ日本でということですね。日本語はこちらに来てから?
MIREY そうです。ペルーではスペイン語だけを使っていたので、日本語を覚えるのは大変だったと思います。お母さんに聞くと、小学校から泣きながら帰ってきてたらしいです。そんなに覚えてはいないですけど、環境も変わったし、苦労したんだと思います(笑)。
――キックボクシングを始めたのはダイエット目的だったということですが。
MIREY はい。太ってしまっていたので、ダイエットしたくて。6年前ぐらいですね。
――しかしダイエットだったらいろいろと方法があると思うんですが、その中でキックボクシングを選んだのはなぜだったんですか?
MIREY 普通のフィットネスジムは、性格的に続かないだろうと思ったんです。私自身、格闘技を見るのがすごく好きで、アンディ・フグ選手とか魔裟斗選手、ブアカーオ選手が活躍してる頃のK-1が好きだったんですよ。なので、せっかく痩せるならそっち系のジムに行こうと思って、自分に一番しっくり来たHIDE GYMに入会しました。
――では最初は、試合に出るとかプロになることは考えてなかったんですね。
MIREY 全然考えてませんでした。むしろ最初は、1ヵ月に1回顔出せばいいぐらいだったので。でも、だんだんジムに通う回数も増えてきて実際に痩せてきて、他の会員さんがアマチュアの試合に出ているところを見るようになって、彼らから「楽しいよ」というのを聞いたんですね。「本当にそうなのかな?」と思って、私も出てみたというのがきっかけですね。
――アマチュア戦績はどれぐらいですか?
MIREY 10試合前後ですかね? そのうち7か8は勝ったと思います。最初の方は負けてばっかりでしたけど(笑)。
――そこから今や2冠王ですね。選手としての夢は?
MIREY 世界タイトルを獲りたいです。
――今回対戦するぱんちゃん璃奈選手は、前回の対戦の後に『KNOCK OUT』のベルトを獲りました。そこには?
MIREY 申し訳ないですけど、そこには興味ないです。今、私は2本のベルトを持っていますが、自分から見ても強いし、タイ人から見ても強いと思われている選手が何人かいるじゃないですか。そういう選手たちとやりたいと思っていて、そのために日々努力をしているので。
――では、今回の試合のテーマは何になりますか?
MIREY 今回まず一番は、ホントに恥ずかしいんですけど、「アガらずに試合をすること」です。ベルトを2本も持っていて何を言ってるんだって話ですけど(笑)。2つめは、今までの「ハードパンチャーで右フックが強い」というようなMIREYのイメージを覆すような試合をすることですね。そこだけじゃないぞと思わせる隠しアイテムを、この1年間ずっと温めてきたので、それを皆さんに見せたいです。それで「世界タイトルに向けてもおかしくない選手だな』と思わせたいですね。
――ぱんちゃん選手はベルトを持っているだけでなく、人気もある選手です。そこは?
MIREY 全然全く興味ありません!
――ものすごい即答でしたね(笑)。
MIREY ホントに興味ないです。私は、自分が強くなりたいだけなので。他は本当に興味ないです(笑)。
――では最後に、今回の試合で一番見てほしいポイントは?
MIREY 新しいMIREYになっているので、それを見てほしいですね。
――あとはアガらずに戦うだけと(笑)。ありがとうございました!
松﨑公則「期待されている選手が相手だと燃える。現役はあと2~3戦、やり切ります!」
4・25『KNOCK OUT 2021 vol.2』の「KNOCK OUT-REDスーパーフライ級/3分3R・延長1R」で、花岡竜と戦う松﨑公則。45歳で現役を続ける松﨑だが、今年中の引退を決意。今回の試合を含めて、あと2~3戦で現役生活に区切りをつけるという。その中で行われる28歳下の花岡との一戦。松﨑はどのような思いを抱いてリングに上がるのか?
――引退までカウントダウンの試合に突入しているとのことですが。
松﨑 そうですね。あと、この試合を含めて2戦か3戦して、今年中にはやめようと思っています。
――その理由やきっかけというのは?
松﨑 年齢的なものもあるんですが、あと若い選手がどんどん出てきて非常にレベルが高くなってきて、トップの中で残っていくのはちょっと難しいなと思って。かと言って下のレベルでやり続けるというのも情けないので、いずれどこかで区切りをつけなければとは思っていたのもあって、このへんにしようかと。
――なるほど。今回の花岡竜戦も若い選手との対戦です。今は対戦相手のほとんどが年下とは思いますが、花岡選手はその中でも17歳の現役高校生です。そういった選手との対戦というのは?
松﨑 今の10代の選手ってものすごく強いので、キツいなという部分もあるんですけど、それだけに思いっきりできるなというのもあります。もう少しで最後というのもあって、やり切れるなという思いはあります。
――花岡選手がまさにそうですが、今はジュニアから多くの試合を経験して上がってくる選手が多いですよね。そのあたり、時代の変化も感じられていると思います。
松﨑 ですね。私が始めた頃は子供の時からやるということは少なくて、早くても10代後半とかでしたよね。でも、タイでは子供の頃からやっているし、一般のスポーツも小学生からやるというのは少なくないですから、ある意味、他のスポーツと同じになってきたのかなと思います。
――ちなみに松﨑選手がキックを始めたのは何歳だったんでしょう?
松﨑 私は25歳ですね。当時は別に珍しいことでもなかったですし、ジムも今ほどありませんでしたから。
――今の花岡選手の年齢、17歳の頃には何をしていましたか?
松﨑 高校生ですよね……ゴルフ同好会にいました。
――ゴルフ! 高校生でゴルフって珍しいですよね?
松﨑 そうですね。そんなにキツい部活というわけではなかったですけど。子供の頃から叔父にゴルフに連れて行ってもらったりしていて、好きだったんですよ。それで高校に入ったらゴルフ同好会があったので、入りました。
――花岡選手には高校生活についてもお聞きしたんですが、今は3年生なので進学を目指しているけど、英語が苦手で、逆に数学が得意だと。松﨑選手はどうでしたか?
松﨑 英語は、私も高校の頃はできませんでしたね。でも大学に入ってイギリスに半年留学して、今は多少しゃべれるようになりましたけど。数学の方は大の苦手でした。花岡選手は理系なんでしょうね。私はド文系で、国語は得意でしたけど、数学とか物理はダメでした(笑)。
――受験を迎える花岡選手にアドバイスは?
松﨑 受験はほとんど失敗しているので、偉そうなことは言えないです(笑)。受験は大変ですからね。
――すみません、余談でした(笑)。というところで、今回の花岡戦についてお聞きします。花岡選手の印象は?
松﨑 ジュニアから上がってきた他の選手と同じで、うまくてテクニックもあるし、身体能力も高いし、なかなか穴のない選手ですよね。よく回転系の技を使って、スピードもあるし。強いと思います。
――12月に対戦された白幡裕星選手とは同門です。橋本道場の特徴みたいなものは感じますか?
松﨑 選手がたくさんいる道場なので、お互いにやり合っていると思うので、どんどんレベルを高め合ってるんだなと思います。もともとは空手ベースが強かったような気がするんですが、そこにムエタイ系の動きが加わって、強い選手が増えていますよね。
――花岡選手とは、どう戦おうと思っていますか?
松﨑 自分の土俵まで持っていかないといけないので、どんどん前に出ていこうと思ってます。
――白幡戦でも後半になるにつれてどんどん前進していく姿が見られました。あのように?
松﨑 あれ以上ですね。最初からどんどん攻めていこうと思っています。
――あの試合では、出血しながらも気合いを入れて前進する松﨑選手の様子に会場がざわついていました。あそこまでできるのはなぜでしょう?
松﨑 何でしょうね?(笑) もともと劣等感が強いので、悔しくて「何とかしてやろう」という気持ちが出ているというか。特に期待されている選手が相手だと、燃えますね。
――だとすると、今回も燃える相手なのでは?
松﨑 確かに燃えますね、かなり。評価もされてると思いますし、実際強い相手なので、かなりやりがいはありますよね。
――相手に対して特別な感情が湧く?
松﨑 相手に対して感情的にどうこうということはないです。むしろ自分に対してですね。説明は難しいんですけど、特に試合中は何かスイッチが入る感覚はあります。
――今回の試合で特に心がけることは?
松﨑 前回は急きょの出場だったので、準備期間が短かったんですよ。その分、もともと遅い動きがもっと遅くなってしまいました。今回はもうちょっと体もできて、もうちょっといい動きができると思います。
――調整の部分で注意していることは?
松﨑 やっぱり、年も年なのでやり過ぎると疲れすぎてケガをしてしまいますし、そういうところを自分で感じながら、追い込むところは追い込むという感じですね。長くやっているので自分の体のことは分かるようになってきて、「これ以上やったらケガする」とか、「今はもう少し追い込める」というのは判断できるようになりました。
――冒頭にお聞きしたように、近い将来に引退することを決めた上での試合ですよね。モチベーションという点ではどう考えていますか?
松﨑 先のこととかは考えていないので、目の前の試合をやりきることだけですね。あと残りの試合を全力でやり切るということだけを考えています。
――試合を通じて、花岡選手に何かを伝えたいという気持ちは?
松﨑 「伝えたい」というわけではないですけど、「伝わったらいいな」という感じですかね。伝わるような試合をしたいと思います。
――今回の試合で、ここを見てほしいという一番のポイントは?
松﨑 前に出続けるという、気持ちの部分ですね。そこを見てほしいと思います。
――花岡選手に対してメッセージがあれば。
松﨑 「思いっきりやりましょう。いい試合をしましょう」と。私もそういう気持ちでいきますので。
――ありがとうございました!
花岡竜「試合より学校のテストの方が大変(笑)。今回はKOする自信満々です!」
4・25『KNOCK OUT 2021 vol.2』の「KNOCK OUT-REDスーパーフライ級/3分3R・延長1R」で、松﨑公則と戦う花岡竜。17歳・高校3年生の花岡にとって、45歳の松﨑はほぼ父親と同い年という。しかも「小っちゃい頃」から松﨑の試合を見ていたともいう花岡。そんな相手に対し、今回はKOを狙っていくという。その意気込みはいかに?
――前戦、今年2月の吉成士門戦がプロ8戦目にして初黒星となりました。
花岡 はい。プロではずっと負けなしで来ていて、黒星はつけたくないという気持ちが大きかったので、悔しかったです。「無敗対決」と大きく書かれていたし、相手が年下だったので負けたくないという気持ちが強くて、その面で悔しかった部分もあります。
――試合での反省点というと?
花岡 相手選手とは10cmぐらい身長差があって、そこをうまく攻め込めなかったなというのを、動画で振り返って思いました。自分には倒す力とかテクニックとかが足りないなというのは感じました。あとパンチが大事だなと思って、今はパンチの練習をけっこうやっています。
――今までは、そこまで重視していなかった?
花岡 パンチには苦手意識を持っていて、全然練習してなかったんですよ。蹴りの練習が多かったんですけど、今は半々ぐらいにしてパンチもやっています。最近、手応えも掴んできました。
――今回、『KNOCK OUT』本戦には初出場となります。チャンピオンの安本晴翔選手、白幡裕星選手をはじめ、橋本道場からは多くの選手が出て活躍しています。『KNOCK OUT』というイベントについては?
花岡 デビュー4戦目で、『KNOCK OUT』のオープニングマッチに出させてもらった時(2019年11月1日、佐藤仁志戦)に、本戦に出ている選手を見て、「いつかは本戦に出てみたい」と思ってました。イベントとして華やかだし、オープニングマッチだと全然注目されないので、やっぱり本戦がいいなあと。
――今回、対戦する松﨑公則選手は、昨年12月の『REBELS』で白幡選手と対戦しました。あの試合をどう見ていましたか?
花岡 裕星がずっと押してたんですけど、松﨑選手はひるむことなくずっと前に出続けていて、死ぬ気で勝ちに来る感じが怖いなと思いました。他の選手にはないベテランの怖さみたいなものを、みていて感じましたね。
――技や動きの面ではいかがでしょう?
花岡 近距離になった時のヒジがうまいなと思って小っちゃい頃から見ていたので、そこは気をつけたいなと思ってます。
――「小っちゃい頃」! 最初に見たのは何歳の時でしたか?
花岡 ちょこちょこ見てはいたんですけど、印象深いのは中2の時に見た晴翔先輩とのタイトルマッチ(2017年6月11日、REBELS-MUAYTHAIスーパーフライ級タイトルマッチ)ですね。ゾンビみたいな感じでどんどん前に出てきていたので、怖いなと思いました。
――ちなみに、花岡選手のお父さんは何歳ですか?
花岡 47歳ぐらいです。なので、松﨑選手とほぼ同じぐらいの年齢です。
――ですよね。父親ぐらいの年齢の人と殴り合うって、普通はあり得ないことだと思うんですが、気持ち的にはどうですか?
花岡 まあ、年は特に関係なく、普通にいち選手として戦うという感じです。
――どう戦ってどう勝ちたいですか?
花岡 スピードとテクニックは自分にはあるかなと思うので、それを使いつつ、『KNOCK OUT』の大会なのでノックアウトしにいく姿勢を見せて、最後は倒して勝ちたいです。
――そこに、先ほど練習の割合を増やしているというお話だったパンチは、どれぐらい生かせそうですか?
花岡 今までKOが少なかったので、KOのイメージがあまりなかったんですけど、最近は練習していて「これだったら倒せるな」という技が増えてきたので、それが当てられれば倒せるかなと思います。何パターンか練習しているので、それがうまくハマれば。
――自信のほどは?
花岡 自信は満々です。今回、52kgということもあって普段より試合体重が重いので、減量も少ないんですよ。その分も普段より動けるし、パワーを維持したまま練習もできているので、そこはデカいかなと思います。
――『KNOCK OUT』は3月大会でREBORNとなって階級やタイトルも変わった部分があって、スーパーフライ級では同門の白幡選手が新たにチャンピオンになったという状況ですが、タイトル戦線についてはどう考えていますか?
花岡 タイトルがほしくないと言ったらウソになるんですけど、ベルトよりも、強いと言われてる選手とどんどん試合をしていきたいという思いが強いです。組まれたら誰とでもやりますし、RED、BLACK、どちらでも出られるので、強い選手と両方でやった上で、そこにベルトがついてきたらなと思っています。
――当面、対戦したい選手、気になっている選手は?
花岡 『KNOCK OUT』でスーパーフライ級、フライ級だと、老沼隆斗選手とは1回やってみたいですね。
――近い階級も含めて、同門の選手たちはいいお手本ですよね?
花岡 そうですね。いろんなタイプの選手がいますし、同じ階級の選手も何人かいるので、いいお手本になってもらっています。階級が近い選手には負けたくないなという気持ちもあります。
――橋本敏彦会長からは、どんなことを言われていますか?
花岡 松﨑選手はもらってももらってもガンガン前に来るので、それに呑み込まれないようにと。そのために、前に松﨑選手と戦った裕星がサウスポーでもあるので、似たスタイルになってもらって、スパーリングで攻撃をよけたり回り込んだりという練習をしています。
――「仮想・松﨑公則」というわけですね。さて、今は17歳で高校3年生ということですが、学校生活で気になっていることは?
花岡 もう3年なので、考えているのは進路のことばっかりですね。4年制の大学に行きたいと思っているので、「成績を上げなきゃ」とか「テスト頑張らなきゃな」とか、そればっかり考えてますね(笑)。
――試合との両立が大変そうですね。
花岡 そうですね。練習は休みたくないので、そこはうまく調整してやっていこうと思っています。練習に行って家に帰ると11時過ぎとかになってしまうので、勉強は練習の前に、学校でやったりしています。テスト前は、試合が近くなければ1週間ぐらい休みをもらって、一気に詰めて勉強してる感じですね。
――素晴らしいです。ちなみに成績は……。
花岡 ほとんどが「3」で、「5」が1つ、「4」が4つぐらいですかね。
――いいじゃないですか! ちなみに得意科目と苦手科目は?
花岡 得意なのは数学です。苦手なのは、英語が本当にできなくて、毎回「3」か「2」の際どいところです(笑)。単語を覚えるのも大変なんですけど、文法が難しくて……。基本、一つのことしかできないので、違う言葉を覚えるのがそもそも無理です(笑)。
――無理と言わず頑張りましょうよ(笑)。試合とテストではどちらが大変ですか?
花岡 断然、テストですね。追い込みとかは大変ですけど、試合の非日常感が好きなので、楽しいんですよ。テストはつらいじゃないですか。
――そちらも頑張ってくださいということで(笑)、選手としての大きな目標は?
花岡 やっているからには、世界の大きなベルトを一本はほしいというのはありますね。
――そこにつながる試合をしていくということですね。では最後に、今回の試合で一番見てほしいポイントは?
花岡 いつもは「スピードとテクニックを見てほしい」と言ってるんですけど、観客の皆さんも倒すところが見たいと思うので、今回は倒しにいく姿勢を見てほしいです。今回はKOを狙っていきますんで。
――分かりました。しかし今の、特にジュニアからずっとやっている選手は皆さんそうですが、本当にお話がしっかりしていますね。
花岡 ホントですか? お父さんにはいつも「もっとしっかりしゃべろ」って怒られるんですよ(笑)。「何言ってるのか分かんねえよ!」って。緊張すると言葉が出なくなっちゃって。
――全然そんなことないと思います! ではそこも自信を持って、試合も勉強も頑張ってください!
花岡 ありがとうございます(笑)。
麻火佑太郞「古村選手との一戦だからこそできる、レベルの高い格闘技を見せたい!」
4・25『KNOCK OUT 2021 vol.2』の「KNOCK OUT-BLACKライト級/3分3R・延長1R」で、古村匡平と戦う麻火佑太郞。地元・長野から強さとチャンスを求めて上京し、前回の1RKO勝利を含めて2連勝中で注目度も上がってきた麻火は、この試合でさらなる躍進を狙う。今回、麻火はどんな試合を見せようとしているのだろうか?
――2月大会では1RKO勝利で連勝です。波に乗れているのでは?
麻火 いえ、前回のKOはたまたまというか、倒そうと思って倒したわけじゃないですし、自分の中ではまだまだ満足していないので、そういう意味では落ち着いてます。
――ただ、結果を残せたことはよかったですよね?
麻火 そうですね。勝たなきゃ次がない世界なので、そういう意味では勝てて安心してますし、紀州のマルちゃん選手も自分より勝率は高かったので、そういう選手にKOという形で勝ててホッとしてます。
――紀州のマルちゃん選手は初参戦でしたが、何もさせずにKOしましたよね。戦ってみての印象はどうでしたか?
麻火 前戦、大谷翔司選手とのイノベーションのタイトルマッチを見た時に、「倒せるかな」というのは正直思っていて、ずーっと相手選手をイメージして練習してきたのが試合でそのまま出せました。相手もイメージ通りだったし、自分もイメージ通りに動けたという試合でした。
――続いて今回は、古村匡平選手との試合となりました。
麻火 古村選手は去年、『KNOCK OUT』の「無法島 GRAND PRIX」トーナメントに出てましたよね。出るきっかけとなった動画がツイッターで出回っていたのを見た時に「ああ、強そうだなあ」と思って、いつかやりそうだなと感じたんです。自分はまだ『KNOCK OUT』にも『REBELS』にも出てなかった頃だったし、古村選手との接点もなかったんですけど、本当に感覚で「いつか戦う気がする」と思って。だから本当に組まれて、そんなに驚いてはいないです。
――やはりこの連勝が、古村戦を引き寄せたという形ですかね。
麻火 『REBELS』初参戦で中澤良介選手と戦わせてもらったんですが、僕の前が古村戦だったんですよ。その試合を見ていた時に、中澤選手が押し返す場面もあって、「中澤選手はすごく強いな」と思ってて。でもいざ臨んでみたらいい形で勝てたので、古村選手と自分にそこまで大きな差はないと思ってます。あと、2月大会は当初、大谷選手と決まっていて、今回は大谷選手とやれるのかなと正直、思って準備していました。それで古村選手との試合が決まった時に、古村選手より大谷選手の方が強いかなと思って、この方が気合いも入っているので、今回の試合は自分でも楽しみです。
――戦い方という面ではいかがですか?
麻火 実は試合映像はそんなに見ていないんですが、インパクトとかスピード、パワーはあるなと。戦績を見ても強いなというのは分かるので、油断はしていません。全力で臨みたいなと思っています。
――逆に自分がどう戦いたいというのはありますか?
麻火 今回は圧倒的な差をつけて勝ちたいと思っています。あと、毎回意識しているところなんですが、スピードでも差をつけたいです。
――スピードに関してはもともと自信のあるところなのでは?
麻火 そうですね。自分はパワーよりもスピードに自信がありましたけど、前回の試合はあまりスピード感がなくて。それは、前回はあえてパワーで勝負しようというのが自分のテーマだったからなんです。だから足技よりもパンチでしっかり威力を出して倒そうと意識していました。今回はスピードをしっかり出していこうと思っています。
――麻火選手は強くなるために長野から上京して、東京のジムに移籍したわけですよね。一方、古村選手は地方に拠点を置いて、東京で活躍しようとしています。同じ地方出身のファイターでも方法論は対照的ですよね。
麻火 自分もそこは思っていました。自分も以前は地方にいて、たまに東京に遠征して試合をする立場だったので、東京の選手、有名なジムの選手に比べたらチャンスが少なくて、悔しい思いもたくさんしてきたんですね。だから、古村選手が佐賀県から『KNOCK OUT』のトーナメントに抜擢されて、地方から東京に来て何戦もしているというのは、本当にすごいなあと思っています。
――ただ、目指す場所は同じなので、その点ではライバルですよね。
麻火 自分は試合前に相手を憎んだりする方ではなくて、しかも今回は珍しく同い年の相手との試合なので、親近感が湧いてるんです。だから変にバチバチするよりは、お互いの持っている者を出し合って、いい試合ができたらと思っています。これから『KNOCK OUT』はどんどん大きくなっていくと思うんですけど、自分たち2人も継続的に参戦していって、『KNOCK OUT』が大きくなっていくのを手伝いたいというか。お互いにイベントを引っ張っていけるような選手になると思うので、一緒に盛り上げようという思いの方が強いですね。
――先ほど名前が出ていた大谷選手は、同じ大会でバズーカ巧樹選手の王座に挑戦します。同階級として、タイトルマッチの行方も気になると思いますが。
麻火 自分でもビックリなんですけど、意外にそこまで気にしてはいないんですよ。今年ベルトを獲るというのが目標なのは変わらないんですが、もともと古村選手を除けば上にいるのは大谷選手とバズーカ選手だとは思っていたので、どちらにも勝てないとチャンピオンになれないと思って、ずっと練習してきました。なので、どちらがチャンピオンになってもやることは変わらないです。どちらも強い選手ですしリスペクトもしているので、自分は目の前の試合にしっかり勝った上でメインを見ようかなと思っています。
――では、タイトルマッチの2選手にも近づいているという実感がある?
麻火 そうですね、少しずつですけど。トレーナーと一緒に練習してきたことが試合で出せるようになっているということも感じていて、本当に少しずつですけど成長できてるなと思っています。まだまだ自分には伸び代しかないし、『KNOCK OUT』のベルトを獲ってもっと成長したいと思っています。
――今回の試合でよりタイトルマッチに近づくためには、勝ち方も必要になりますよね。
麻火 そこはすごく意識しているところですね。前回、初めてKOで勝てて、お客さんの印象もだいぶ変わったと思うんです。やっぱり倒すことがお客さんや『KNOCK OUT』の関係者にもインパクトを与えられると思うので、そう簡単には倒せないとは思うんですけど、今回もKOは狙っていきたいと思っています。
――ちなみに、「麻火佑太郞」というリングネームについてなんですが……。
麻火 はい(笑)。「佑太郞」は本名で、「麻火」はPHOENIXの前村代表が命名してくれました。PHOENIXは梅野源治選手をはじめ、伝統的にリングネームで戦ってるんですよね。でも自分はリングネームというものに慣れてなくて、本名がいいなと思っていたので代表に相談したんですが、「上か下か、どちらかは変えてほしいんだけど、検討できない?」ということで。もちろん強制というわけではないんですけど。
――やはりジムとして、原則的にリングネームにしたいということなんですね。
麻火 それで、どちらかというと「佑太郞」の方が残したいと思ったので、そうお願いしたんです。そしたら「佑太郞」に合う苗字の候補を3つぐらいいただいて、その中ではダントツで「麻火」がカッコいいなと思ったので、それで選びました。
――なるほど。
麻火 代表は画数などで苗字と下の名前の相性を考えるのが好きらしくて。「麻火」という字も画数でこれが一番いいらしいんですよ。
――でも実際、「麻火佑太郞」に改名してから連勝中ですからね。
麻火 そうなんです! それで「やっぱり『麻火』が合ってるな」と思って(笑)。最初は呼ばれ慣れなかったんですけど、今では『REBELS』から自分のことを知ってくださったファンの方が「麻火選手」って声をかけてくれるようになって、自分としても愛着が湧いてきています。字面もカッコいいですし、前村代表に感謝です(笑)。
――では最後に、今回の試合で一番見てもらいたい点は?
麻火 今回、レベルの高い格闘技をしたいと思っていて、そこが一番のテーマです。古村選手とだからこそ、それができると思いますし、自分たちにしか出せない雰囲気なりを作っていきたいと思っているので、他の試合にはないレベルの高さを皆さんに見ていただきたいと思っています。
――分かりました。ありがとうございました!
古村匡平「今年中にベルトへ。将来のためにも、もう1敗もできません」
4・25『KNOCK OUT 2021 vol.2』の「KNOCK OUT-BLACKライト級/3分3R・延長1R」で、麻火佑太郞と戦う古村匡平。昨年はバズーカ巧樹を相手にプロ初黒星も喫した年だったが、本人としては「もう1敗もできない」という焦りを感じているという。目標とする『KNOCK OUT』タイトル、その先に彼が持つビジョンとは?
――今回の対戦相手である麻火佑太郞選手は『KNOCK OUT』『REBELS』で連勝しています。その試合での印象は?
古村 麻火選手が最初に勝った中澤良介選手とは僕も対戦していて、その試合は「中澤選手はサウスポーが苦手なのかな?」と思いました。中澤選手は勝ち方にこだわりすぎて空回りしているように見えて、麻火選手の方がのびのびと戦っていましたね。自分のやりたいことをこの舞台で見せてやろうという気持ちが見えました。次の紀州のマルちゃん戦は1RKOで勝っていましたが、相手が初参戦でもあったので、むしろあれぐらいの勝ち方をしてもらった方が、こちらもやる気が出るというか。
――足技に特徴のある選手だと思いますが、攻撃面での印象は?
古村 サウスポー中心でスイッチもするので、相手からするとやりにくいのかなと思います。僕が対戦した相手からすると、丹羽圭介選手と同じにおいを感じました。丹羽選手との試合では「もっとこうしていればよかった」という自分の反省点がすごく見つかったので、今回はそういう点も出していければいいかなと思いますね。サウスポー、オーソドックス、スイッチ、どれで来ても対応できるように対策はしています。
――なるほど。
古村 弟の光、それから3月大会に出場したペットシラー・FURUMURA-GYMの2人ともサウスポーなので、サウスポー対策には最適なんです。だからどちらで来られても問題ないかなと思います。
――古村選手は昨年、2月に「無法島 GRAND PRIX」トーナメントで2試合を行い、9月に中澤戦と、計3試合。今回は7ヵ月ぶりの試合となります。
古村 『KNOCK OUT』の舞台ではFURUMURA-GYMをけっこう使っていただいているので、今回、自分の試合が決まったこともうれしいです。自分としては今年中に『KNOCK OUT』のベルトを獲りたいというビジョンがあるので、今回の試合はそれに大きく近づく一戦になるのかなと。そう思って、BLACKでもいいかなということでこのオファーを受けました。同日に同じ階級のタイトルマッチもあるのでそこも意識して、タイトルマッチも呑み込んでしまうような試合を麻火選手とできたらと思います。せっかく『KNOCK OUT』に呼んでいただいているので、イベント名に相応しい勝ち方で決着をつけたいです。
――タイトルマッチの勝敗についてはどう見ていますか?
古村 前回は大谷翔司選手が勝ってますが、今回はバズーカ選手が勝つかなと予想もしてますし、個人的にはリベンジもしたいので、ここは王者としての威厳を示して勝ってもらって、僕もここをしっかり勝って、今年中にタイトルマッチとリベンジマッチを兼ねて対戦できればと思っています。バズーカ選手からすると大谷選手はやりにくそうなタイプだと思いますが、前回バズーカ選手と対戦した時に、すごく頭を使って戦う選手なんだということに気づいたんです。打ち合いたくても打ち合ってくれなくて。だから、そのうまさを出せばKOもあるんじゃないかと思ってます。
――また、先ほど名前の出た古村光選手、ペットシラー選手が3月大会では結果を残せず、ジムとしての巻き返しの一戦にもなるかと思いますが。
古村 そうですね。ペットシラーは安本晴翔選手にも勝ってくれるだろうと期待もしていたんですが、そこで思うようにはいかせないのが、さすが安本選手だなとは感じました。また光に関しては、壱・センチャイジム選手に勝つというほぼ絶対的な自信があったんですけど、そこはキャリアの差が出たというか、壱選手が上手で思うようにやらせてもらえず、結果として2人ともやられてしまったので、今回は僕がノックアウトして暴れて、FURUMURA-GYMの勢いを取り戻すのが使命かなと思っています。
――光選手は前日会見のポーズや発言など、以前とは変化が見られましたね。
古村 いやあ(笑)、あの前日会見でしゃべってた地元ネタとかは、知ってる人間には面白いんですけど、知らない人からすると滑っちゃうようなネタでしたよね。ただツイッターでも反応があった通り、そんなの構わずにトップギアで飛ばしてたので、僕はあそこまではできないなと(笑)。僕は僕で、ありのままの自分をこれからも出していければいいかなと思ってます。
――光選手のアピールもそうでしたが、やはり地方から東京に遠征して試合をすることで、存在感を出したいという気持ちが強いですよね。
古村 そうですね。今までの僕たちには実績も経験もないので、いろいろやったら「面白い」と思ってもらえるかもしれないですし、「試合も見てみようかな」とも思ってもらえるかなという気持ちもあったんですけど、やっぱりある程度は実績と実力がついてからでないとダメかなとも思っていて。でもトップクラスの選手と試合が組まれるようにもなってきたので、そろそろプロとして会見も意識していこうかなと思うようにはなりました。
――やっぱり地元での試合とは意識が変わりますか?
古村 全然違いますね。地元では対戦してくれる相手が見つからない状況でもあるので、試合でも「自分が引っ張らないと」という意識なんですよね。だからこういった大舞台でやらせてもらえるというのはすごくありがたいですし、食らいついてやろうという気持ち、「地方だからってなめるなよ」という反骨精神みたいなものはすごくあります。毎回、東京では「九州にもこんな強い選手がいるんだぞ」という意地を見せてやろうという気持ちでやってます。
――いろんな側面があって、今回も大事な一戦ですね。
古村 ここしばらくは全てが大事な試合で、1回負けてしまうとまた上り詰めるまで時間がかかってしまうので、ここから1敗もしたくないという気持ちは強いです。正直、そんなに長く選手としてやっていこうとは思っていないので、『KNOCK OUT』のタイトルを獲って、チャンピオンとして日本のトップ選手たちと戦って、ある程度のところに行けたら引退しようと考えてるんです。
――そうなんですか。
古村 他の仕事にも興味があって、そのためにはまず格闘技で成功しないといけないなと。まだ21歳ですけど、この先のことを考えたら正直、焦りも感じます。それだけに、最速で日本のトップを獲るためにはもう1敗もできないと思ってるんです。あとKNOCK OUT-REDのタイトルもほしいので、チャンピオンのスアレック・ルークカムイ選手とも早く試合ができるように、今回の試合で両方の王座に近づけるような内容で勝てるように意識しています。
――そういった点も踏まえて、今回の試合で一番見てほしい点は?
古村 僕は一発がある選手だと自分で思っているので、その魅力を今回の試合でも伝えたいです。倒す時は一発で決まるし、いつ試合が終わるか分からないので、その一発を見逃さないようにしてほしいですね。今まで、「今回は違う」とさんざん言ってきて、『KNOCK OUT』での3試合でダウンの1回も取れてないんですよ。自分の持ってる破壊力をまだキッチリ出せていないと思っていて、今回はそれが出せるように練習してきているので、そこに一番注目してほしいです。
対戦カード
※REDルールは肘有りキックルール、BLACKルールは肘無しキックルール
第9試合 メインイベント 無法島 presents KNOCK OUT-BLACK ライト級(62.5kg)タイトルマッチ 3分3R(延長1R)
バズーカ巧樹(菅原道場/王者、MA日本スーパーライト級王者)※初防衛戦
大谷翔司(スクランブル渋谷/挑戦者、INNOVATIONライト級王者)
第8試合 セミファイナル 創世のタイガ presents BLACK 女子46.5kg契約 3分3R(延長1R)
ぱんちゃん璃奈(STRUGGLE/KNOCK OUT-BLACK女子アトム級(46kg)王者)
MIREY(HIDE GYM/WMC日本女子&J-GIRLSピン級(45.53kg)王者)
第7試合 BLACK フェザー級(57.5kg) 3分3R(延長1R)
龍聖(TRY HARD GYM)
No-Ri-[ノーリー](ワイルドシーサー・コザ/元TENKAICHIバンタム級王者)
第6試合 BLACK フェザー級(57.5kg) 3分3R(延長1R)
小笠原裕典(クロスポイント吉祥寺/元WBCムエタイ日本統一スーパーバンタム級王者)
銀次(Next零/TENKAICHI&KPKBフェザー級王者、大和KICK 57.5kg王者)
第5試合 RED スーパーフライ級(52kg) 3分3R(延長1R)
松﨑公則(STRUGGLE/元REBELS-MUAYTHAI・WPMF日本・J-NETWORKスーパーフライ級王者、元REBELS-MUAYTHAIフライ級王者)
花岡 竜(橋本道場/INNOVATIONフライ級王者)
第4試合 BLACK ライト級(62.5kg) 3分3R(延長1R)
麻火佑太郎(PHOENIX)
古村匡平(FURUMURA-GYM/大和MUAYTHAIスーパーライト級王者)
第3試合 BLACK スーパーバンタム級(55kg) 3分3R(延長1R)
炎出丸(クロスポイント吉祥寺/元J-NETWORKスーパーバンタム級王者)
加藤和也(ドージョー☆シャカリキ)
第2試合 BLACK スーパーフライ級(52kg) 3分3R(延長1R)
濱田 巧(team AKATSUKI)
酒井柚樹(TEPPEN GYM)
第1試合 BLACK 女子45kg契約 2分3R
川島えりさ(クロスポイント吉祥寺)
井之上弥生(橋本PREBO)
概要
大会名 KNOCK OUT 2021 vol.2
日時 2021年4月25日(日) 開場・16:45 開始・17:30
会場 後楽園ホール
中継 ツイキャス(3,300円~/PPV)
チケット料金 SRS席¥20,000 RS席¥15,000 S席¥10,000 A席¥7,000 ※チケット完売 ※小学生から有料、6歳未満でも座席を必要とする場合は有料
チケット販売 KNOCK OUT OFFICIAL SHOP チケットぴあ 出場選手・所属ジム
お問い合わせ Def Fellow 03-6262-3760 promotion@knockout.co.jp https://knockout.co.jp/