KNOCK OUT 4.25 後楽園ホール:小笠原裕典×銀次、川島えりさ×井之上弥生 インタビュー|開始時刻17:30に変更。チケット完売。ツイキャスで生中継
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KNOCK OUT 2021 vol.2(4月25日(日) 後楽園ホール)のBLACKフェザー級・小笠原裕典(クロスポイント吉祥寺/元WBCムエタイ日本統一スーパーバンタム級王者)vs. 銀次(Next零/TENKAICHI&KPKBフェザー級王者、大和KICK 57.5kg王者)、BLACK 女子45kg契約・川島えりさ(クロスポイント吉祥寺)vs. 井之上弥生(橋本PREBO)の4選手のインタビューが主催者から届いた。
試合順も決定。東京都の新型コロナウイルス感染症まん延防止等重点措置に沿い、開場時刻は15分早い16:45、試合開始時刻は30分早い17:30に変更された。チケットは完売。当日券の販売は無し。大会の模様がツイキャスを通じて有料生中継されることも決まっている(3,300円~)。
小笠原裕典「いい試合をしないと気が済まない。リスクを取ってでも熱い試合をします」
4・25『KNOCK OUT 2021 vol.2』の「KNOCK OUT-BLACKフェザー級/3分3R・延長1R」で、銀次と戦う小笠原裕典。今年1月、新宿FACEでの大脇武戦では初参戦の大脇に判定負けを喫し、これが再起戦となる。階級アップ、BLACKルール転向と新たな戦いに臨んでいる小笠原は、この一戦でどういう戦いを見せようとしているのか?
――今年一発目の試合、1月の大脇武戦は判定負け。不本意なスタートになったのではないかと思うんですが……。
小笠原 単純に、あの日自分が弱かったなというところで、何が必要か再確認しました。もう負けたくないし、悔しい気持ちがすごく出てきたので、むしろいいスタートになったんじゃないかと思います。
――あの試合を経て、見直した部分というのは?
小笠原 本当に自分がやりたくないことをやるというところですね。つらい練習もそうなんですけど、試合までにしっかりプランを立てて、「これが必要」というものを必ずやる。自分との約束を守るということです。今までもやってはいたんですが、前回の試合はわりと急に決まって、慌てて作ったというところもあったので。1年を通して、いつでも試合ができる体作りをしておかないといけないなというところで、気づいたこともありました。
――今回は銀次選手との試合です。前回に続いて、地方から初参戦してくる選手との試合という図式ですが。
小笠原 特に意識はしてないですね。どこの選手でもしっかりとトレーニングしてここまで続けてきたファイターなので、どこの選手とかは関係なく。僕は対戦相手には敬意を持ってますし、対戦相手の一人というだけですね。
――ただ、彼らから見ると裕典選手は「東京の、名のある選手」なので、ここで勝てば知名度が上がるということで、東京での試合はやはり違うという選手が多いんですが、そこについては?
小笠原 それも関係ないんですよね。俺は俺でトップに行きたくて戦ってて、自分のために必死こいてやってるんで。別に相手が地方の選手でギラギラしてようが、東京の選手だろうが、俺からしたら結局、「自分の行きたいところを邪魔してくる相手」には変わりないので。邪魔だから倒していきたいという感じですね。
――では相手の銀次選手について、印象は?
小笠原 気持ちの強いファイターなのかなという感じですね。気持ちだけじゃなく、基本的な技術もしっかりしていると思います。苦しい状況でもしっかり気持ちを出してくるファイターなのかなと思います。
――攻撃面などで警戒する点は?
小笠原 蹴りよりもパンチなのかなというイメージですね。身長差もあるので、そこをかいくぐってパンチをあてたいんじゃないかなと。そういうところは警戒してます。
――自分としてはどう戦いたいですか?
小笠原 もちろん自分の持ってるものを生かさないと意味がないので、リーチ差とかを生かせればいいですけど、最終的には気持ちと気持ちの戦いになってくると思うし、さっき言われてたように、銀次選手は東京での試合に燃えるというタイプなわけじゃないですか。だからいつも以上にモチベーションは高いだろうし、俺は俺で上に行きたいので、何が何でも負けたくないし。そういった面でも、最終的には気持ちと気持ちの戦いになるんじゃないかなと思います。自分もそれをしたいですし。やっぱり気持ちを見せる試合をしたいですね。
――前回の試合からフェザー級でBLACKルールということですが、体重とルール、それぞれについてはいかがですか?
小笠原 55kgもキツかったんですけど、1階級上げたところで、体も大きくなってるのでキツさはそんなに変わらないんですよね。ただ普段からの食事だったり体作りは意識してやってます。ルールに関しても、そんなに意識してないです。
――そうなんですね。戦い方が変わったりとかも、特にないですか?
小笠原 戦い方を変えなきゃいけないというのは、REDルールでやっていた時から思っていたんです。BLACKだからとかではなく、自分がどういう選手になりたいかと考えた時に、ファイトスタイルは変えなきゃいけないと。そのために、自分の理想に近づく手段の一つとして、今回BLACKルールに転向したんです。
――なるほど。
小笠原 今まで、自分はヒジに頼ってきた面があったので、そういう自分の得意なものをいったん封印して、パンチの回転などをもっと上げていかないといけないルールの中で一つ上のレベルに行きたくてやってるというところです。
――では、今はそういう部分を強化中だと。
小笠原 そうですね。ある意味、「ケンカの強さ」みたいなところも身につけていきたいと思っているんです。打ち合いに負けないとかそういうところで。だから、ゆくゆくはまたREDるーるでやってもいいと思ってますし、BLACKルールに対するこだわりは特にないです。
――フェザー級では選手層も厚くなってきて、龍聖選手は空位のBLACK王座を決めるトーナメントの開催も希望しています。
小笠原 やるからにはトップに行きたいので、KNOCK OUTのタイトルは絶対獲りたい、獲らなきゃいけないものと捉えてます。
――3月大会では弟の瑛作選手がベルトを獲りました。刺激にはなってますよね?
小笠原 はい。「獲ってからがスタート」じゃないですけど、結果を出してないと発言権も何もないし、やってる意味もないと思うので。タイトルは次に行くために、絶対必要な条件だなと思ってます。
――同時に、KNOCK OUTでの主役争いもクローズアップされてきています。そこは?
小笠原 別にKNOCK OUTの中での主役とかはあまり考えてなくて、あくまでも自分がなりたい選手になりたい、自分が行きたいところに行きたいという、そこしか見えてないんですよ。結局それは何かというと、2つ見方があって。一つは、「小笠原裕典と●●の試合が見たい」とか、ファンの人の話題に上がる選手になりたいということ。もう一つは、どの世界でもそうだと思うんですけど、やっぱりインターナショナルに活躍してる選手っていうのは輝いてるし、そこは自分もワクワクする部分なんですよね。だから世界を相手に戦える選手になりたいと。そこを目指してれば、おのずとみんなが言うKNOCK OUTの主役というものにもなってると思うので。だからKNOCK OUTの主役を目指してるわけではないです。「KNOCK OUTの主役は俺だ!」って、争いが狭いですよね。
――なるほど、大きな目標の中に含まれてるわけですね。さて、送っていただいた写真もお子さんと一緒のものでしたが、今も電話の奥でお子さんの声がしていますね。
小笠原 はい。1歳半の息子なんですが、かわいいです(笑)。
――お子さんが生まれて、心境の面で変わった部分はありますか?
小笠原 正直、そこも変わってないんですよね。子供ができて今までより頑張るというより、その前から一生懸命頑張ってましたし。だからモチベーションとか熱量の部分では変わりないんですけど、また違った角度のモチベーションは増えました。
――というと?
小笠原 それは、息子にとって誇りに思える父親でありたいというところで。もっと大きくなると、父親が何をやっているのかが分かるようになってくるので、「俺のお父さんはすげえなあ」と思ってもらいたいですよね。そこもつながってるんだと思うんですよ。「自分がどういう選手になりたいか」と考えた時に、ポイントを取って逃げてばかりいるような試合をする選手なのか、しっかりと気持ちを見せて戦う選手なのか。どっちが「俺のお父さんはすごい」と思ってもらえるかといったら、やっぱり気持ちを見せて戦って、男らしい試合をする父親の方だと思うんですよね。
――その気持ち、そして先ほどの銀次選手の印象などを聞くと、いい試合になりそうですね。
小笠原 そうですね、いい試合をしないと気が済まないというか。ここ最近、全然そういう試合ができてないので、フラストレーションが溜まってるんです。このまま、パッとしないまま終わるぐらいだったら、リスクを取ってでも、何か心に残る試合をしていかないと意味がないなと思ってるので。熱い試合がしたいです。
――熱い試合に期待してます。ありがとうございました!
銀次「誰が相手でも倒す自信がある。九州の力を見せてやります!」
4・25『KNOCK OUT 2021 vol.2』の「KNOCK OUT-BLACKフェザー級/3分3R・延長1R」で、小笠原裕典と戦う銀次。福岡からKNOCK OUT初参戦となる彼は、「東京の試合は燃える」と内に燃える欲望を隠さない。食ってやる気満々、フェザー級のトーナメントも見据える彼の自信のほどはいかに?
――KNOCK OUT初参戦が決まりました。オファーを聞いた時はどういう気持ちでしたか?
銀次 素直にうれしかったですね。大きい舞台で試合が決まって、相手も有名な選手なので。
――まずちょっと確認させていただきたいんですが、所属の「Next零」というのは、銀次選手が代表を務めるチームなんですよね?
銀次 はい。自分が代表で、福岡県飯塚市でやっています。今、プロ選手は自分を含めて2名います。
――プロデビューはいつになりますか?
銀次 18歳ぐらいの時だったと思うので、7~8年前だと思います。福岡県内での大会でした。
――東京での試合は何試合目になりますか?
銀次 けっこう前にRISEさんで2試合して、昨年に新日本キックさんで1試合したので、これが4回目になります。それ以外だと沖縄のTENKAICHIさんで2試合させてもらって、それ以外は福岡での試合ですね。
――東京での試合は、気持ち的に違うものがありますか?
銀次 やっぱり、全然違いますね。東京でやる方が燃えるというか、やってやろうという気持ちになります。強い選手ばっかりだし、こっちから1人とか2人で乗り込むので、本当に「戦いに行ってる」という感じがして、燃えますね。
――福岡での大会もお客さんはけっこう集まるし、熱い雰囲気はあると思うんですが、それでも違いますか。
銀次 違いますね。熱さも違いますし、お客さんも目が肥えてますよね。自分が客席にいた時に、他のお客さんが「あの選手はダメだね」っていう話をしていたのが聞こえたんですよ。強い選手がいっぱいいるので、目が肥えてるんだなと思いました。そういうお客さんの目にもとまる試合をしたいです。東京で勝つのと負けるのでは全然違うし、その後の知名度も違ってくるので。勝った者だけが手に入れるものもあると思いますからね。
――そのためにも、今回は勝利への意欲が強いと。
銀次 これからKNOCK OUTさんでやっていこうと決めてるんで。熱い戦いをして「この選手誰だ?」と、名前を覚えてもらえるような試合をしたいと思います。
――自己紹介的に言うと、ご自身はどういうファイターでしょう?
銀次 技術うんぬんではなく、バチバチに殴り合って倒しに行く選手だと自分では思ってるんで、そこを見てほしいなと思ってます。見てて熱くなれる選手だと、自分で思ってます。
――小笠原裕典戦でも、そういう試合を見せたいと。
銀次 小笠原選手の記者会見を見ていても、勝ってここから上がっていくというビジョンを持っていると思ったんですが、それはちょっと覆してやろうかなと。自分が食って、代わりに上がっていこうと思います。1月に小笠原選手と戦った大脇武選手も、名古屋から出てきて小笠原選手に勝って龍聖選手との大きな試合につなげましたよね。自分もここで勝って、フェザー級でトーナメントも開催されるみたいなので、そこに参戦の名乗りを上げたいと思ってます。
――小笠原選手についての対策は進んでますか?
銀次 はい。けっこう研究して、自分の中では倒すイメージもできているので、あとは自分がしっかりやるだけかなと思ってます。
――その対策の中で、印象や警戒する点は?
銀次 来る時はガッと来るので、そういうところでいらないパンチや蹴りをもらわないようにしたいと思ってます。最初は、倒すイメージがあまり湧かなかったんですけど、いろいろ研究したり周りの人たちと話していたら、かなりできてきたので、今はいけると思ってます。
――先ほどトーナメントの話も出ましたが、フェザー級は選手も増えつつあります。その中での自信は?
銀次 誰と試合しても負ける気はないし、自分が勝つので。勝ち続けていけばおのずとチャンスも巡ってくるでしょうし、その結果、ベルトも手に入るだろうと思っているので。とりあえずは目の前の小笠原戦に勝って、「次は誰が来るんですか」と。誰が来てもいいですよ、という気持ちです。
――今回、同じフェザー級では龍聖選手が沖縄のNo-Ri-選手と対戦します。
銀次 No-Ri-選手とは沖縄で対戦してるんですよ。九州から揃って同じ大会に乗り込むことになるので、東京で2人して吸収の力を見せて、ひと旗揚げたいですね。
――一番見てほしい点というと?
銀次 全てを見てほしいですが、一番となると、何があっても倒しに行くところですね。劣勢になっても、残り1秒になっても絶対に倒しに行くんで。倒さないと気が済まないですから(笑)。
――一番気持ちよかった倒し方というと?
銀次 何でも気持ちいいですけどね(笑)。蹴りでもパンチでも、何でも倒せるので。
川島えりさ「テーマは“完勝”。KNOCK OUT女子はぱんちゃんだけじゃない」
4・25『KNOCK OUT 2021 vol.2』の「KNOCK OUT-BLACK女子45.0kg契約/2分3R」で、井之上弥生と戦う川島えりさ。昨年12月、デビュー戦から2年近く空いた中での2戦目では判定勝利を得た川島は、今回の3戦目についてどういう意欲、テーマを持って臨んでいるのか?
――今回の試合がプロ3戦目になりますが、前回、昨年12月のねこ太戦は「再デビュー戦」と言われていました。実際、ご自分でもそのような位置づけでしたか?
川島 そうですね。宮田プロデューサーが最初に「再デビュー戦」っておっしゃってくださったんですけど、その時に私自身も「そうだなあ」と改めて思いました。というのが、トレーニング内容だったり練習量なんかもデビュー戦とは全く違って、新しい環境で試合を迎えられたので、そういう意味で自分自身でも「再デビュー戦」だったなと思ってます。
――「ちゃんとプロとして一歩踏み出せた」という感じ?
川島 本当にそうですね。意識が高められた試合だったので。
――その試合で初勝利もものにしました。ただ、試合内容については不満が残ったというコメントでしたね。
川島 練習でやってきたことは出せてはいたんですけど、全部出し切れてはいなかったので。それと、ぱんちゃん璃奈選手とのデビュー戦の時は「熱い気持ちで前に出る姿に感動した」と評価していただく声がすごく多かったんですけど、そういうアグレッシブさとかがこの前の試合では足りなくて、終わった時の達成感というか、やり切った感が自分でもなくて、見てる方の心を動かすような動きができなかったことが反省点で。結果は残せたものの、まだまだ内容には満足できなかったなという感じでした。
――アグレッシブさが足りなかった理由は何だったんでしょう?
川島 そこを言い訳にするのはダメだとは思うんですが、私自身はデビュー戦から2年近く経っていて、ブランクが空いてしまったことかなとは思ってます。
――では、「次こそは」という思いが強いと。
川島 はい。今回の試合に向けては、前回の試合で出し切れなかった気持ちの面をしっかり出して、前に出てアグレッシブに戦おうと思っています。
――今回の相手は井之上弥生選手です。現時点での印象は?
川島 試合数は私とそこまで差がないんですが、すごくタフな選手だなというのが第一印象で、打たれても打たれても前に出続けるタフさと打たれ強さが、女子の中でも珍しいタイプの選手だなと思いました。
――となると、お互いの気持ちのぶつかり合いになりそうですね。
川島 私も前に出てぶつかっていこうとは思うんですけど、今回はテーマとして「完勝」を目指しているので、お互いにただ前に出てゴチャゴチャした試合になるよりかは、いなすぐらいの気持ちでテクニックも見せられたらなとは思ってます。
――アグレッシブに前に出つつ、テクニックも見せると。
川島 前回の試合はうまく私が勝つ試合展開に運んでいったとは思うんですけど、「見せ場」というところが一つもなかったので、今回は見せるところはしっかり前に出て、打ち合っても勝つ自信はあるので。ただ、女子の試合でよくあるようなゴチャゴチャした試合にはなりたくないので、そこはしっかりテクニックで相手をいなしていきたいと思ってます。
――川島選手はすでにいろいろとファンやメディアの注目を浴びていますよね。ここで勝てばさらに存在感をアピールできると思いますが、注目度やアピールという面についてはどう考えてますか?
川島 もともと女子選手って、どちらかというと珍しい存在なので注目されやすいとは思うんですよね。その中でもKNOCK OUTといえば、今はぱんちゃん璃奈選手がチャンピオンでもあって注目を浴びていて、KNOCK OUTを引っ張っている存在でもありますけど、私は選手としてリングに上がれなかった間は会見の司会をしたり、今もYouTubeのナレーションを務めていて、盛り上げようという気持ちでは負けてないと思っています。今回はファイターとして、「KNOCK OUTの女子はぱんちゃん選手だけじゃないんだよ」ということをいろんな人に知ってもらいたいという気持ちです。その意味では、ぱんちゃん選手も同じ日に試合があるので、いいアピールになるなと思いました。
――ぱんちゃん選手にライバル心はある?
川島 私は、もちろんあります。向こうは私のことは全く気にとめてないと思うんですけど、私自身は悔しい気持ちでずっとキックを続けているし、負けず嫌いな気持ちも強いので、リベンジしたいという気持ちはすごくあります。もちろん対戦する相手は井之上選手なんですけど、ファンの人からは試合内容が比較されると思うので、そこはすごく意識してます。
――ぱんちゃん選手にはない、自分の強みはどういうところだと思っていますか?
川島 さっきの話と矛盾してしまうかもしれないんですけど……。ぱんちゃん選手は強いので、勝つのはうまいと思うんですけど、アグレッシブさとか打たれ強さでは負けない自信があるので、見てる人の心を動かすような存在なのは私かなと、勝手に思ってます。
――先ほど「リベンジ」という言葉もありましたが、いずれはもう一回?
川島 とは思ってるんですけど、ぱんちゃん選手は階級を上げて、私は今下げているので、試合の機会は難しいかもしれないですけど、今回みたいに同じ日に試合があって比較された時に、内容でいかに上回れるかということはすごく意識してます。
――さて、すごく今さらなところにさかのぼりますが、格闘技と出会ったのはいつのことなんですか?
川島 キックボクシングを始めたのは高校1年の時です。最初はエクササイズ目的でジムに入会したので、週1回行けばいい方というのを半年ぐらい続けてました。そこで小笠原瑛作選手から「試合に出ないの?」って言っていただいて、そこから週2~3回は行くようになって、アマチュアデビューしたのが高1の終わりの頃です。
――エクササイズ目的と言っても、女子高校生がキックジムに入会というのはまだ珍しいかなと思うんですが……。
川島 そうですね(笑)。父が以前ボクシングをやっていて、幼い頃に私も家でパンチを教わったりしていたんです。父は格闘技全般好きだったので、その影響はあると思います。家では格闘技の試合映像を日常的に見ていましたし。
――子供の頃は誰か好きな選手とかはいたんですか?
川島 魔裟斗選手はカッコいいなと純粋に思ってましたね。UFCとかも父と一緒に見たりしていて、格闘技は本当に身近にありましたね。
――でも、始めた時はプロになることなどは考えてなかったんですよね?
川島 はい、全く考えてなかったです。
――それがこうしてプロになった今、何を目標にしていますか?
川島 「ベルトを獲る」と答える選手も多いと思うんですが、私は……もちろんそういう欲もあるんですけど、そこがゴールとは思っていないんですね。プロとして何試合やれるのかも分からない中で、ぱんちゃん選手みたいに格闘技一本でやっているわけではなく、大学の学業とキックを両立させながらやっているので、試合間隔もどれぐらいでできるかもまだ分からない状態なんです。なので一戦一戦で、見てくれる人に感動してもらえたり、「川島選手のおかげで元気がもらえた」と思ってもらえるような試合がどれだけできるか、というのが一つの目標です。あとは純粋に強くなりたいという気持ちがあるので、そこで負けたくないなというのはあります。その結果としてチャンピオンになれればいいんですけど、それを最終目標にしているわけじゃないという感じです。
――大学の話が出ましたが、この春で2年生ですよね。ということは、コロナの影響で大学生活も想像と全く違ったのでは?
川島 そうなんです。高校の卒業式も大学の入学式もできなくて、去年は全くキャンパスに足を運ぶこともなく、友達もまだ片手で数えるほどしかできてなくて、まだ実感がないですね。今年は対面授業のメドもつきそうらしいので、そうなったらまた変わってきそうです。
――そうなったらなったで、キックとの両立という面では忙しくなりそうですね。
川島 そうですね。今以上に厳しくなるとは思うんですけど、どっちかがおろそかにならないようにしっかりやるというのは始める時に自分でも決めていて、「学業があるからキックが弱いんだ」とか、そういう言い訳には絶対にしたくないので、全力で両立させようとは思っています。
――なるほど。
川島 実はもう一つあって……。私は幼い頃から将来の夢があって、そのために大学とは別のスクールに通ってるんですよ。だから本当は、実質3つをやってる感じなんです。大学の授業は私にとっては苦じゃなくて、とても楽しいんですけど、そのスクールの方はいろんな分野が入ってくる職業を目指しているので、毎日、机に向かって頑張っているという感じです。
――そうなんですね。でも、大変な分やる気になるタイプのように聞こえますね。
川島 はい、もともと忙しい方が好きなタイプなので、厳しい状況なのは分かってるんですけど、逆に「頑張ろう」とやる気も湧いてくるので、全然、苦にはなってないです。
――そういった中で今回の試合は「完勝」を目指すと。では改めて、この試合で一番見てほしいところはどこですか?
川島 本当にもう、私自身を見てほしいと思ってます。「KNOCK OUTには川島えりさっていう女子選手がいるんだ」ということを意識して試合を見てほしいです。内容も問われると思っているので、そこも含めてしっかり見てほしいですね。
井之上弥生「諦めずに戦って、また勝利の喜びを味わいたいです!」
4・25『KNOCK OUT 2021 vol.2』の「KNOCK OUT-BLACK女子45.0kg契約/2分3R」で、川島えりさと戦う井之上弥生。プロ4戦目にしてKNOCK OUT初参戦、そして自身初の後楽園ホールということで、期するところがあるという。のんびりした口調に秘めた決意とは?
――今回、KNOCK OUTに初出場となりました。
井之上 KNOCK OUTというと出たい選手もたくさんいる中でお声をかけていただいて、驚きとうれしさがあります。
――相手の川島選手についてはどういう認識でしたか?
井之上 KNOCK OUTのナビゲーターをやられているということを聞いて、華のある選手なのかなという印象がまずありましたね。その後、デビュー戦を見させていただいて、負けん気の強そうな選手だなと思いました。ひるまずに前にどんどん出てくる感じで。
――その相手に、どう戦おうと思っていますか?
井之上 私は試合では下がり気味になってしまうことが多いので、私も前に出て行けるように頑張りたいと思っています。
――ここまでプロ3戦ということですが、長いブランクもあったそうですね。
井之上 そうですね。もともと痛めていた肩が悪化してしまったので手術を2回して、2戦目と3戦目の間が5年ぐらい空いてしまったんですけど、去年久しぶりに試合をしました。
――それだけ空いても、またリングに立ちたいという意欲は失われなかったと。
井之上 そうですね。いつかまた試合がしたいということをずっと思いながら、リハビリと練習をしていました。
――ちょっとさかのぼりますが、そもそもキックを始めたのはどういう理由だったんですか?
井之上 もともと運動は好きだったんですけど、キックはダイエット目的で始めました。近所にキックボクシングジムができたので、そこに通い始めたというのが最初です。だから試合に出ようとかプロになろうとかは全く思ってなかったんですけど、何となく続けているうちに「アマチュアの試合に出ない?」みたいな感じになって、それで試合をしたら「楽しいな」と思って(笑)。
――どういうところが楽しかったですか?
井之上 日常生活ではなかなかあそこまで極限の状態になるということはないので、そこが楽しかったです。
――ただ、プロではここまで3戦、勝ち星がない状態ですが……。
井之上 そうですね(笑)。これはあんまりよくないことなのかもしれないですけど、結果よりも「試合をする」ということが好きで楽しいというのがあるので。もちろん、そこで勝っていかなきゃというのはあるんですけど。勝てなくてイヤになるとかはないです。
――今回の試合についてはどうですか?
井之上 ずっと負け続けているので、それを断ち切りたいというのはもちろんあります。アマチュアで勝った時の、あの喜びをまた味わいたいです。
――そのために今回必要なものとは?
井之上 毎回、最初にスタミナのことが頭をよぎるので、その心配をなくせるような練習をして臨みたいと思っています。まだまだこれから、もうちょっと追い込んでいかなきゃというところですね。
――攻撃面で強化しているところは?
井之上 蹴りが苦手なので、蹴りも出していけるように練習してます。ただ、正直まだまだなんですが……(笑)。
――スタミナ面と蹴りが強化ポイントと。すみません、口調からの勝手な印象なんですが、もしかしてものすごくおっとりした性格ですか?
井之上 そう聞こえますか?(笑) 確かに、周りからも言われることはありますね。でももちろん、リングに上がったら勝ちたいと思ってますよ(笑)。
――いえ、そこを疑っているわけでは(笑)。では、ファイターとしての今の目標は?
井之上 今はやっぱり、まず1勝したいというところですね。その先はそこから考えるという感じで。今回の試合のテーマも、そこが一番大きいです。
――ここまで3戦は全部、新宿FACEでの試合だったということで、後楽園ホールでの試合も初めてということですね。そこについては?
井之上 やっぱり大きい会場なので、みんなからはけっこうプレッシャーをかけられてるんですが(笑)、そこで勝ちたいですね。
――試合ではお客さんにどこを見てほしいですか?
井之上 最後まで諦めずに戦い続けるところですかね。諦めずに戦って、初勝利をあげたいと思ってます
対戦カード
※REDルールは肘有りキックルール、BLACKルールは肘無しキックルール
第9試合 メインイベント 無法島 presents KNOCK OUT-BLACK ライト級(62.5kg)タイトルマッチ 3分3R(延長1R)
バズーカ巧樹(菅原道場/王者、MA日本スーパーライト級王者)※初防衛戦
大谷翔司(スクランブル渋谷/挑戦者、INNOVATIONライト級王者)
第8試合 セミファイナル 創世のタイガ presents BLACK 女子46.5kg契約 3分3R(延長1R)
ぱんちゃん璃奈(STRUGGLE/KNOCK OUT-BLACK女子アトム級(46kg)王者)
MIREY(HIDE GYM/WMC日本女子&J-GIRLSピン級(45.53kg)王者)
第7試合 BLACK フェザー級(57.5kg) 3分3R(延長1R)
龍聖(TRY HARD GYM)
No-Ri-[ノーリー](ワイルドシーサー・コザ/元TENKAICHIバンタム級王者)
第6試合 BLACK フェザー級(57.5kg) 3分3R(延長1R)
小笠原裕典(クロスポイント吉祥寺/元WBCムエタイ日本統一スーパーバンタム級王者)
銀次(Next零/TENKAICHI&KPKBフェザー級王者、大和KICK 57.5kg王者)
第5試合 RED スーパーフライ級(52kg) 3分3R(延長1R)
松﨑公則(STRUGGLE/元REBELS-MUAYTHAI・WPMF日本・J-NETWORKスーパーフライ級王者、元REBELS-MUAYTHAIフライ級王者)
花岡 竜(橋本道場/INNOVATIONフライ級王者)
第4試合 BLACK ライト級(62.5kg) 3分3R(延長1R)
麻火佑太郎(PHOENIX)
古村匡平(FURUMURA-GYM/大和MUAYTHAIスーパーライト級王者)
第3試合 BLACK スーパーバンタム級(55kg) 3分3R(延長1R)
炎出丸(クロスポイント吉祥寺/元J-NETWORKスーパーバンタム級王者)
加藤和也(ドージョー☆シャカリキ)
第2試合 BLACK スーパーフライ級(52kg) 3分3R(延長1R)
濱田 巧(team AKATSUKI)
酒井柚樹(TEPPEN GYM)
第1試合 BLACK 女子45kg契約 2分3R
川島えりさ(クロスポイント吉祥寺)
井之上弥生(橋本PREBO)
概要
大会名 KNOCK OUT 2021 vol.2
日時 2021年4月25日(日) 開場・16:45 開始・17:30
会場 後楽園ホール
中継 ツイキャス(3,300円~/PPV)
チケット料金 SRS席¥20,000 RS席¥15,000 S席¥10,000 A席¥7,000 ※チケット完売 ※小学生から有料、6歳未満でも座席を必要とする場合は有料
チケット販売 KNOCK OUT OFFICIAL SHOP チケットぴあ 出場選手・所属ジム
お問い合わせ Def Fellow 03-6262-3760 promotion@knockout.co.jp https://knockout.co.jp/