KNOCK OUT 4.25 後楽園ホール:龍聖「前の試合のムカつきを消して次につなげる」×No-Ri-「同じ耳と目の病気の人たちに夢を与えたい」
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KNOCK OUT 2021 vol.2(4月25日(日) 後楽園ホール)のBLACK フェザー級・龍聖(TRY HARD GYM)vs. No-Ri-[ノーリー](ワイルドシーサー・コザ/元TENKAICHIバンタム級王者)の選手インタビューが主催者から届いた。龍聖は3月の大脇武戦で7戦目にして初の判定勝利となり、デビューからの連続KOが6で途絶えてしまった。そこからの連続参戦は、龍聖にとってどんな意味、どんな目的があるのか?沖縄在住で今回がKNOCK OUT初参戦となるNo-Ri-は、初の東京での試合に様々な思いを抱いているようだ。No-Ri-がこの試合、どうしても勝ちたい理由とは?
龍聖「前の試合のムカつきを消して、“次”につなげる試合に」
――今大会、ある程度出揃ったカードに「大丈夫か」とツイートしたと思ったら、急きょ2大会連続で出場が発表されました。あのツイートがきっかけだったんですか?
龍聖 宮田プロデューサーから、あのツイートの写真と一緒にオファーが来たみたいです。
――じゃあ「そんなに言うならオマエが出ろ」ということなんですかね(笑)。
龍聖 いや、「助けてくれ」ってことじゃないですか? もともと次は5月の大会に出る話があったし、ジムの選手のタイトルマッチもあったりしたので、正直タリいなって感じだったんですけど、まあ困ってるんだったら自分がやんなきゃなと思って決めました。試合後に言いたいこともあったし。
――やはりツイッターで前回戦った大脇武選手について、厳しい言葉も書かれていました。前回の試合を早く払拭したいという気持ちも?
龍聖 それは大きいですね。KOできなかったということじゃなくて、内容的にダメだったので、自分自身を取り戻したい、自分自身を納得させたいという意味で早く試合がしたいというのはありました。(ジムの代表代行の)HIROYAさんは「急いでやらなくてもいいんじゃない?」って感じだったんですけど、やることにしました。
――その大脇戦ですが、改めて振り返ると?
龍聖 何だかんだ今まで、あんなに逃げるヤツはいなかったんで。来たところにカウンター合わせたりはしたんですけど、全部自分で組み立てないといけなかったので。あと、連続KOの記録があったので、「倒さなきゃいけない」と思って勝手に固くなって、自滅したなって感じですね。
――やはりデビューから全試合KOということが、プレッシャーになっていたということですか。
龍聖 うーん……プレッシャーを力に変えられるタイプだと思ってたんですけど、どこかでやっぱりそうなってたんですかね。「絶対に倒さなきゃ!」という思いはありました。
――試合中も、そのために焦って空回りしたところもあったんですか?
龍聖 焦るというより、「うわ、力んでんな!」とは思いました。
――試合後、周りからはどんな反応でしたか?
龍聖 終わった直後は「あれは無理だよ!」って言われました。「あんなに逃げられたら勝てないよ」って。ただ、トレーナーのノップ(ノッパデッソーン)からは「ただでさえ逃げられたらやりづらいのに、あんな追っかけ方をしてたら無理だろう」って言われて。プレッシャーのかけ方とかも勉強にはなりました。
――やはり相手には向かってきてほしい?
龍聖 いや、別に戦い方のスタイルとしてああいうのはあると思いますし、向かってくるかどうかが全てではないですけど……。正直、アイツはあの内容で終わってガッツポーズしてましたし、俺に勝つことは捨てて俺の連続KOを止めれればよかったのかなとか思いましたけど……まあ、別にいいんじゃないですかね(笑)。
――あの試合を踏まえて、何か意識したり練習で変えたことはありますか?
龍聖 今、すげえ意識してることがあって。今まで「攻撃は最大の防御」だと思ってて、それはそうだとは思うんですけど、やっぱりディフェンスも課題だなと今は思うようになったんですよ。だんだん自分の強さも分かってきて、これからはああいう逃げる相手も増えてくると思うんで、それをどう捕まえるかだなと。そのためのプレッシャーのかけ方とかもノップとすげえ一生懸命勉強してて、一個一個考えてやってることがだんだんモノになってきてるんで、すごいいいかなとは思います。次はそういうことを出したいですね。
――で、次の対戦相手は沖縄のNo-Ri-選手です。印象は?
龍聖 試合映像をいくつか見ました。トリッキーというか、回転技とかけっこうハチャメチャな感じかなと思います。予測不能なことをしてくるんで、見えないとこからもらうと効いちゃうから警戒しますけど、そこだけ……ですかね。前の試合みたいに逃げる気もしなくもないので、そこがポイントかなと思ってます。
――次こそまたKOでという気持ちは強いですか?
龍聖 もう、そこに気負う必要もないし、こだわる必要もないんで。それよりは、いい試合をしようという気持ちの方が強いですね。いい試合、自分が納得できる試合がしたいなと。
――出場の経緯も含めて、やはり目立つ勝ち方が期待される状況ではありますよね。
龍聖 そうですか? 出るだけでいいんじゃないですかね?(笑) まあでも、勝手にKOになるとは思うんですけどね。とにかくこの前の試合のムカつきをどうにかしたいし。
――前回の試合が終わって残った一番の気持ちは、「ムカつき」ですか。
龍聖 いや、試合後の言い訳というか、相手の周りもすごかったんで。それを、山口代表が「いいねしました」とか「リツイートしました」とかっていうのが、ツイッターのタイムラインに出てくるんですよ。それですげえムカついて。「左があれば勝てた」とか言ってて、「勝てるわけねえだろ」と思って。だからムカついてますよ。もうKNOCK OUTのリングに上がらないでほしいです。
――あの試合を経て、試合に臨む気持ちに変化はありますか?
龍聖 この前の試合の前日計量は河部儀信代表と一緒に行ったんですけど、その時から「お前には早く3R判定の試合を経験してほしいんだ」ってずっと言われてて。ノップからも「龍聖はまだ3R戦ったことがない。早く経験してほしい」ってずっと言われてたんです。正直、「いいよ、そんなの。KOしたるわ!」と思ってたんですけど、この前の試合でそれがちょっと分かりましたね。ずっと全部KOでいける選手はいないし、試合後に宮田さんと話した時にもそういうことを言ってもらえて、いい経験だった、転機だったのかなと思いました。
――だとすると、今回の試合で一番のテーマは何ですか?
龍聖 “次”につながる試合がしたいということですね。
――“次”?
龍聖 それはまだ言えません。勝ったらリング上で言いたいと思ってるんで、想像しといてください。
――ジムでも女子選手が新たに他団体のチャンピオンになったり、どんどん選手が出てきてますよね。
龍聖 そうなんです。TRY HARD GYMはすごい選手がいっぱいいますけど、はじめは自分が一番年下だったんですよね。でも気づいたら自分はプロの若い選手をまとめるような場面が多くなってきてたり、アマチュアでプロ志望の選手もたくさんいるので、自分の未来だけじゃなくて後輩たちの未来も背負ってるなと思うようになったんです。そういう意味でも絶対に負けられないですね。
――それだけいい選手が出てくるのはなぜでしょう?
龍聖 ノップとHIROYAさんの指導と、HIROYAさんがのびのびやらせてくれるところですかね。でも自由すぎないというか。『ONE PIECE』の白ひげ海賊団みたいな感じなんです。試合が終わった選手もすぐに、次に試合がある選手の調整を手伝ってて、すごくいいチームになってきてるなっていうのがありますね。彼らを引っ張って、自分も大舞台に行かなきゃなと思います。とりあえず次の試合で勝って、何を言うか楽しみにしててほしいです。
No-Ri-「99%負けると言われてますが、残り1%に賭けています」
――今回、KNOCK OUTに初出場となりました。決まった時はどう思われましたか?
No-Ri- 東京での試合も初めてですし、それでKNOCK OUTという大きなイベントに出させてもらって光栄に思ってます。
――相手の龍聖選手については?
No-Ri- 対戦が決まる前からYouTubeで見てたんですよ。相手を煽ったりもしていますが、それでも自分は彼のことを尊敬していたので、対戦が決まってうれしいです。体幹も強いし、目もいいし、パンチもキックも今までと違ったスタイルの選手なので、楽しみです。
――ものすごい勢いで攻め込んでくるタイプの選手ですが。
No-Ri- すごいなと思います。ただ、前回KOできなくて判定に終わった試合でもいい試合をしていたので、そこがさらにすごいですよね。
――No-Ri-選手は、自分で言うとどういう選手でしょうか?
No-Ri- 試合では回転技が得意なので、注目してほしいです。龍聖選手に当てる自信もあります。あとは左ミドルキックが得意です。
――今回が東京では初ということなので、プロフィール的なこともお聞きします。現在まで23戦されているとのことですが、デビューはいつだったんですか?
No-Ri- 高校生の時で、2007年に沖縄でデビューしました。ただ、間に1回引退していて、4年間ブランクがあるので、選手としてのキャリアは今年で10年ぐらいです。
――一度やめられたのはどういう理由だったんですか?
No-Ri- 調理師学校に行ったんですが、学校が遠かったので、一度キックはやめたんです。それで料理の道に進んだんですが、合わなくてやめたんですね。そこで友達に「やりたいことをやった方がいい」と言われて、キックに復帰しました。復帰してからは6年ぐらいになります。
――これまでの試合は全部沖縄での大会ですか?
No-Ri- 一度だけ、2018年4月に群馬県で試合をしたことがあります。その時、僕が沖縄のTENKAICHIチャンピオンで、群馬のTENKAICHIチャンピオンと王座統一戦をやったんです。その試合は1RKOで負けて、ベルトを取られてしまったんですが。それ以外は全部沖縄です。
――となると、遠征しての試合は気持ち的にいかがですか?
No-Ri- やっぱり緊張しますし、応援団もいないので、沖縄での試合とはだいぶ違いますね。ただ今回も、沖縄から応援してくれるという声はたくさんもらっているので、期待に応えて頑張りたいと思います。
――東京や首都圏の選手に対抗心は強いですか?
No-Ri- そうですね。インパクトのある技を見せて、「沖縄にもこういう選手がいるぞ」というところをアピールしたいですね。
――負けなしの龍聖選手に勝てば、それだけでインパクトがありますからね。
No-Ri- 自分の役割は今回、噛ませ犬じゃないですか。でもここで勝てば一気に上に上がれると思うので、頑張りたいです。
――No-Ri-選手のことは「沖縄の試合では派手に踊りながらの入場で人気」と紹介されています。YouTubeで試合映像を見ても、確かに入場が盛り上がってますね。
No-Ri- そうなんですけど、今回は東京なのでバックダンサーもいないので、クールに入場したいと思ってます。
――あ、ダンスは今回はナシですか。
No-Ri- 普段はバックダンサーがたくさんいてくれて、みんなで踊りながら入場してるんです。やりたかったんですけど、東京ではバックダンサーを揃えるのも難しいので、残念ながら厳しいですね。これから勝っていって、東京でもあの入場をみんなに見せられるようになりたいです。須藤元気選手に憧れて始めたことなので。
――須藤元気さんがモデルでしたか!
No-Ri- はい。自分は小中学校時代にいじめられていて、それがきっかけで格闘技を始めたんです。その時に須藤元気選手を見て憧れて、「俺もこういうことがやりたい」と思ったんですよ。最初は一人で踊って入場してたんですが、だんだん知名度が上がってきて、バックダンサーも雇うようになって人気が出ました(笑)。
――須藤元気さんも最初は一人で踊ってましたからね。
No-Ri- もう一つありまして、僕は生まれつき両耳が難聴なんです。さらに5年前ぐらいに両目の難病が発覚して、視野が狭いんですよ。そういう難聴や難病を持っていても、東京でこういう大きな試合に出られるということで、同じ病気の人たちに夢を与えたいと思って、命がけで頑張っています。
――今回の試合にはいろんな思いがあるわけですね。そういうところも含めて、試合で一番見てほしいところはどこですか?
No-Ri- 一番得意なのはバックスピンキックなので、タイミングよく当たるところを見てほしいですね。周りからは「99%負ける」と言われてるんですが、残りの1%に賭けてます。自分では勝つ自信もありますし、自分を信じて戦いたいと思います。
対戦カード
※REDルールは肘有りキックルール、BLACKルールは肘無しキックルール
無法島 presents KNOCK OUT-BLACK ライト級(62.5kg)タイトルマッチ 3分3R(延長1R)
バズーカ巧樹(菅原道場/王者、MA日本スーパーライト級王者)※初防衛戦
大谷翔司(スクランブル渋谷/挑戦者、INNOVATIONライト級王者)
創世のタイガ presents BLACK 女子46.5kg契約 3分3R(延長1R)
ぱんちゃん璃奈(STRUGGLE/KNOCK OUT-BLACK女子アトム級(46kg)王者)
MIREY(HIDE GYM/WMC日本女子&J-GIRLSピン級(45.53kg)王者)
BLACK フェザー級(57.5kg) 3分3R(延長1R)
小笠原裕典(クロスポイント吉祥寺/元WBCムエタイ日本統一スーパーバンタム級王者)
銀次(Next零/TENKAICHI&KPKBフェザー級王者、大翔KICK 57.5kg王者)
BLACK フェザー級(57.5kg) 3分3R(延長1R)
龍聖(TRY HARD GYM)
No-Ri-[ノーリー](ワイルドシーサー・コザ/元TENKAICHIバンタム級王者)
RED スーパーフライ級(52kg) 3分3R(延長1R)
松﨑公則(STRUGGLE/元REBELS-MUAYTHAI・WPMF日本・J-NETWORKスーパーフライ級王者、元REBELS-MUAYTHAIフライ級王者)
花岡 竜(橋本道場/INNOVATIONフライ級王者)
BLACK ライト級(62.5kg) 3分3R(延長1R)
麻火佑太郎(PHOENIX)
古村匡平(FURUMURA-GYM/大和MUAYTHAIスーパーライト級王者)
BLACK スーパーバンタム級(55kg) 3分3R(延長1R)
炎出丸(クロスポイント吉祥寺/元J-NETWORKスーパーバンタム級王者)
加藤和也(ドージョー☆シャカリキ)
BLACK スーパーフライ級(52kg) 3分3R(延長1R)
濱田 巧(team AKATSUKI)
酒井柚樹(TEPPEN GYM)
BLACK 女子45kg契約 2分3R
川島えりさ(クロスポイント吉祥寺)
井之上弥生(橋本PREBO)
概要
大会名 KNOCK OUT 2021 vol.2
日時 2021年4月25日(日) 開場・17:00 開始・18:00
会場 後楽園ホール
チケット料金 SRS席¥20,000 RS席¥15,000 S席¥10,000 A席¥7,000 ※当日500円アップ ※小学生から有料、6歳未満でも座席を必要とする場合は有料
チケット販売 KNOCK OUT OFFICIAL SHOP チケットぴあ 出場選手・所属ジム
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