Krush 11.27 後楽園ホール 一夜明け会見:新美貴士「7月に岡嶋選手に敗れてからスタイルチェンジした」、菅原美優「自分との精神的な戦いに勝てたのが勝因」
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Krush.119 11月27日 後楽園ホール大会の一夜明け会見に、新Krushフェザー級王者・新美貴士、新女子アトム級王者・菅原美優らが出席した。会見のレポートがK-1 JAPAN GROUPから届いている。(会見写真:(C) K-1)
Krush 11.27 後楽園ホール:新美貴士、玖村修平&森坂陸との計7Rを制しフェザー級王者に。菅原美優が女子アトム級王者に
新Krushフェザー級王者・新美貴士、王者としてさらなる進化を約束「絶対的な強さはもちろん、倒せる王者になりたい」
ワンデートーナメントの準決勝と決勝で合計7R戦った末、見事に第5代Krushフェザー級王座を手に入れた新美貴士は、試合中に目を負傷したため、サングラス姿で登場。獲ったばかりのベルトを携えて会見に臨んだ。
9.26「Krush.117」で行なわれたトーナメントの一回戦を不戦勝で勝ち抜いていた新美は、準決勝では優勝候補との呼び声の高かった玖村修平と激突。下馬評を覆し、これを判定勝利で突破すると、決勝ではかつて自分が敗れた岡嶋形徒を破って勝ち進んできた森坂陸と対戦。延長戦にもつれ込む接戦の末に判定で勝利をもぎ取り、悲願のKrush王座戴冠を果たした。
勝利の要因は、攻撃の手数を増やして前に出るファイトスタイルへのチェンジだった。7.11「Krush.114」で岡嶋に敗れたあと、所属ジムの小森会長のアドバイスもあって、スタイルチェンジに着手。「実際やってみたら、スパーリングでも今までと全然動きが違うとすぐ分かったんで、やっぱり会長は凄いなと思いました」と、練習中から手応えを実感。「その成果が出たかなという感じですね」と、試合でも出し切れたことが2試合を勝ち抜けた要因につながった。
また「組まれる機会が来たら獲りたいなと思いますね」と、K-1のフェザー級のベルトにも虎視眈々の新美。現在のフェザー級はK-1王者の江川優生をはじめとして、強豪がひしめく激戦区だ。その激戦区でKrushのベルトを守り、K-1のベルトを手に入れるためにも「まだまだ自分は弱いと思っているんで、もっともっと強くなって、誰が来ても圧倒的に勝てるように準備していきます」と気を引き締める。
「絶対的な強さはもちろんなんですけど、倒せるようなチャンピオンになりたいですね」と、Krushフェザー級王者としてさらなる進化を目指していくことを誓った。
◆新美貴士
「色んな人の支えのおかげで、このKrushのベルトを獲ることができました。本当にありがとうございます。(昨日の2試合を振り返っての感想は?)2試合とも相手が強くて、試合前は2人とも1Rで倒してやろうという思いで倒しに行ったんですけど、なかなか倒れてくれなくて。気持ちも強くて、それでもこのベルトが絶対獲りたくて、チャンピオンになりたくてずっとやってきたので、最後は「執念でなんとか手数を出し続けることできたかなって思います。(2試合を勝ち抜けた一番大きな要因は?)やっぱり練習でやってきたことがそのまま出たなという感じです。今までよりもっと練習から、手数も攻撃的にいっぱい動いていたので、その成果が出たかなという感じですね。(今後はどのようなチャンピオンを目指す?)チャンピオンなんで、絶対的な強さはもちろんなですけど、倒せるようなチャンピオンになりたいですね。
(昨日は大幅にスタイルをチェンジしていたと思うが、どれぐらいから着手していた?)7月に岡嶋選手に敗れた時、ちょっと経ったぐらいからスタイルチェンジしてきましたね。(もしトーナメントの一回戦があればあのスタイルでやってた?)一回戦があっても、あのスタイルで行きました。(そのスタイルを見せなかったのが功を奏した?)そうですね。それもあるかもしれないですけど、見せても見せなくても、僕はもう攻めまくるしかないです。(小森会長の指示通りという話があったが、それを会長から言われた時はどう思った?)まあ、『ちょっとこうやってやってみろ』と言われて、実際やってみたら、スパーリングとも今までと全然動きが違うなってすぐわかったんで、やっぱり会長は凄いなと思いました。もう会長の言う通りにやりました。
(試合後のマイクでちょっと苦しいときに家族の顔が浮かんだという話をしていたが、一番苦しかった場面は?)結構苦しいところはあったんですけど、決勝で2Rぐらいからちょっと憶えてないんですけど、森坂選手は結構パンチがあるなと思って。何回かパンチを鼻とかにもらってたんですけど、そういう時とかに……これが痛かったんですけど『ここで行かないとダメだな』と思ってましたね。その時に顔が浮かんできました。(朝起きた時に手元にベルトがあったのはどんな感情だった?)僕、今日寝てないんですけど。頭が結構打たれて痛くて、寝るとそのまま帰らぬ人になりそうだったんで、寝ずにいました(苦笑)。
(自分の階級を見渡してみて、挑戦者として誰が来ると思う?)フェザー級は選手がいっぱいいて、層が厚いなと思っているんで、わかんないです。誰が来ても強い選手がいっぱいなんで。まだまだ自分は弱いと思っているんで、もっともっと強くなって、誰が来ても圧倒的に勝てるように準備していきます。(次はこのスタイルを研究してくると思うが、それでも行ける自信はある?)研究してこようが、僕の技の引き出しというか、相手がどんなスタイルで来ようが、いろんな武器を増やしているのでそこは大丈夫です。
(K-1のベルトも狙いたいという話もあったが、どう考えている?)僕がマッチメイクを組めるわけじゃないんですけど、組まれれば早めにというかやりたいですし、そういう試合が組まれる機会が来たら獲りたいなと思いますね。(いつでも準備はできている?)今回は怪我がひどいので、それをしっかり治して準備して、そうしたらいつでもっていう感じですね。(ファンの皆様へのメッセージは?)本当にいつもいろんな人に支えてもらって、本当に感謝しています。これからも皆さんの応援とかが力になるので、これからも応援よろしくお願いします」
新女子アトム級王者・菅原美優、下積みの苦労を告白「自分で必死にやって今の練習環境を整えた。そういう部分では負けたくなかったし、浅はかな感じで見られたくなかった」
7.21「Krush.115」から始まった第3代Krush女子アトム級王座決定トーナメント。準決勝で優を撃破した菅原美優は、チャン・リーを倒して勝ち進んできたMOEと決勝で激突。判定の末に勝利を収め、ついに王座を手に入れた。
プロになって2年弱というキャリアでチャンピオンになった菅原は、本人も「伸びしろしかないです」と言うように成長段階の途上にある。今回のMOEとの決勝でも、「『この距離で当てられるんだ』という新しい発見があったりとか、成長できる試合になったかなと思いました」と語ったように、トーナメントを戦っていく中で、力をつけてきた。
その菅原がチャンピオンになるまでに成長できた要因の一つとして、練習環境が整ったことも上げられるが、それも「自分で環境を変えてきた」という自負がある。「シルバーウルフに通い始めた頃は高校生だったんで。親の手も借りず、お家から遠いんで、定期代が月に2万とかかかるんですよ。それでも学校に行って練習して、終電までの3時間は毎日バイトして、ジム代と交通費を稼いで必死にやってきたんで、そういう部分では負けたくなかった」と、ハードな下積み生活を送ってきており、「いい環境に恵まれてる選手には負けたくない」と言っていたMOEに対して、「そういう浅はかな感じで見られたくはなかった」という気持ちがあったという。
試合前は余裕がなくなり、「SNSも更新できないぐらい切羽詰まっていた」という状態だったらしいが、「自分との精神的な戦いに勝てたというか、持ちこたえられたのが勝因かなと思っていますね」と、下積みの中で精神力も強化されていたようだ。
「まだへなちょこチャンピオンなんで、今までチャンピオンになった人は圧倒的に強かったので、自分のスタイルは崩さず、このまま倒せる技を身につけて、カッコいい選手になりたいですね」と菅原。チャンピオンになっても謙虚な態度は崩さず、「もっともっと練習したらもっともっと強くなれると思う」と、今後も貪欲に強さを求めていく。
◆菅原美優
「昨日はたくさん応援ありがとうございました。とりあえず勝てて、試合が終わってホッとしています。(昨日の試合を振り返っての感想は?)自分が想像してた試合展開ではなかったなと思ってて(MOEは)前蹴りの対策をしてくると思っていたので、もっと強引に前に出て来るかなとか、サイドに回られたりするかなと思ったんですけど、思った展開とは違ってやりやすかったです。あとはまたバッティングもあってしまって、申し訳なかったなという部分と、その場面で顔を上げて打ったら、『この距離で当てられるんだ』という新しい発見があったりとか、成長できる試合になったかなと思いました。
(トーナメントを勝ち抜いてチャンピオンになれた要因は?)まだチャンピオンになった実感はなくて、今回の試合もタイトルマッチと意識してなくて、とにかく必死で、負けるのが嫌で、それで試合前とかも全然余裕がなくて、SNSも更新できないぐらい切羽詰まっていて。ひたすら自分に言い聞かせていたというか、自分との精神的な戦いに勝てたというか、持ちこたえられたのが勝因かなと思っていますね。(今後どのようなチャンピオンを目指す?)まだへなちょこチャンピオンなんで、今までチャンピオンになった人は圧倒的に強かったので、自分のスタイルは崩さず、このまま倒せる技を身につけて、カッコいい選手になりたいですね。
(今日は前回の試合と違って、朝の目覚めは良かった?)今日はちょっと寝れましたね。本当にホッとしたというか、試合前は本当に食べ物を食べても気持ち悪くなっちゃったりとかしてしんどかったんで、そのホッとした感じが大きくて、朝迎えて幸せだなって思ったというか、いい目覚めでした(笑)。(朝起きて手元にベルトがあった時の心境は?)7時ぐらいまで起きてて、8時ぐらいから眠くなってボーッとしてたらベルトがあって、『ああ、持って帰ってきたんだなあ』と思って(笑)。ちょっとまだ実感がないというか、ワーッという感じです。
(試合をやってみて、まだまだ強くなれるという伸びしろを感じた?)伸びしろしかないと思ってますね。もっともっと強くなれると思うし、ちゃんと練習できるようになって1年も経ってないので、もっともっと練習したらもっともっと強くなれると思うし、練習できて毎試合毎試合周りの人に教えてもらって、感じて、楽しくてうれしくて、もっともっと強くなれると思いますね。がんばります。(今回体重が足りなかったということだが、今後増量計画は考えてる?)増量計画は常に考えております。暇があれば食べようと思っていて。でも、今回もパワー負けという感じはなかったんですけど、倒せるようになりたいという一つの目標があるので、そこの面で増量したいというかパワーをつけたいというか、増量するだけで倒せるわけではないんで、他の練習ももちろん必要なんで、プラスアルファみたいな感じで。
(タイトルは何度ぐらい防衛したい?)全然考えてなくて、強い人はいっぱいいるんで、とにかく先を考えるとダメなんで。今回の試合もタイトルマッチだけど試合でいっぱいいっぱいだったんで、目の前にあることを一個ずつクリアしていきたいなと思います。(いい環境を与えてもらっているのに負けられないというプレッシャーがあった?)そうですね。MOEちゃんが試合前に『いい環境に恵まれてる選手には負けたくない』って言ってたんですけど、確かに自分の環境は凄い恵まれてると思います。
ただ一つ言いたいのは、私はシルバーウルフに入って2年目ぐらいで、自分で環境を変えてきたんで、そこを言い訳にしてほしくないなというのと、自分も学生の頃からMOEちゃんと同じ過程を積んできたつもりでいるので。私は(学生時代は)プロではなかったので全然違うと思いますけど、シルバーウルフに通い始めた頃は高校生だったんですね。でも親の手も借りず、ジムはお家から遠いんで、定期代が月に2万とかかかるんですよ。だから学校に行って練習して、終電までの3時間毎日バイトして、ジム代と交通費を稼いで必死にやってきたんで、そういう部分では負けたくなかったというか、浅はかな感じで見られたくはなかったというのはありましたね。
(今のような話は今までしたことはあった?)そんなないですね。自分はヘラヘラしてるんで、弱そうだし、あんまそういう面で見られること少ないんですけど、ちょっとチャンピオンになったので、ちょっとは強気で行かないとなと思って(笑)。(試合後に城戸選手やKANA選手と話をしていたが、二人から言われたことで心に残っていることは?)とりあえず『良かった』って言ってもらって、本当に近くで支えてもらってたので。KANAさんに関しては試合前から怪我もあって、そういう辛い中でも自分をサポートしてもらっていて、城戸さんは本当にお父さんみたいで、凄いメンタル面でいつも心配してくれて、会うたびに二者面談してくれて、いっぱい話を聞いてくれて。本当に今回は左右田さんとKANAさんと城戸さんがいて、みんなで戦った気分ですね。試合前に城戸さんに、『ちゃんとセコンドに耳傾けて、一緒に戦っていると思って戦え』って言われて凄い心強かったというか、肩が軽くなったというか、うれしいですね。
(ファンの皆様へのメッセージは?)昨日は本当にたくさんの応援ありがとうございました。これからもっともっと強くなって、一生懸命がんばるので応援よろしくお願いします」
加藤虎於奈、1.23「Krush.121」でのKrushウェルター級王座への挑戦をアピール「来年1月23日はKrushで虎於奈、24日はK-1でレオナ!、加藤兄弟の2日間にしたい」
本来ならば8.29「Krush.116」で行なわれた第7代Krushウェルター級王座決定トーナメントの準決勝で対戦する予定だった松岡力と、今大会でウェルター級ワンマッチを戦った加藤虎於奈は、2Rに右ストレートでダウンを奪取するなど、試合を有利に進めていた。しかし、そのダウンを奪った2Rに松岡に掴まれたまま膝蹴りを顔面に被弾。目を負傷したため試合続行が不可能となり、反則勝ちという結果に終わった。
自身でも「不完全燃焼な試合内容になってしまって反省はしてますね」と語った加藤。「本当にあそこでもらった自分が悪いと思っているんで、次に活かせたらなとは思います」と反省しつつも、「今まで強くなった強くなったという感覚が、口では言ってたんですけどあんまりなくて。で、今回の試合の時に強くなるコツを掴んで、それが発揮できたのかなと思います」と、不本意な結末ながらも成長の手応えは掴んだ試合になったようだ。
昨日の試合後にもリング上でアピールしたように、既に次の目標は定まっている。自身が欠場した大会でKrushウェルター級王者となった山際和希への挑戦だ。「来年の1月23日のKrushのメインがまだ決まってないと思うんで、そこで山際選手とやれたら一番いいのかなとは思っていますね」と、日時も指定。この1.23「Krush.121」後楽園ホール大会の翌日は、国立代々木競技場第1体育館大会で「K’FESTA.4」が開催される。その大会には加藤の兄であるレオナ・ペタスが武尊のK-1スーパー・フェザー級王座に挑戦することが決定済み。
「1月はまだ決まってないんですけど、もし決まったら23日、24日は加藤兄弟の日にしたいんで、応援よろしくお願いします」と、兄弟によるKrush王座、K-1王座の連日戴冠劇を狙っているようだ。
龍華、志村力輝にKO勝利して6連勝!「K’FESTAにも出たいし、このまま連勝を重ねてベルトも獲りにいきたい」
K-1甲子園2連覇という実績を持つ現役高校3年生の龍華は、第5試合で志村力輝とKrushライト級で対戦。序盤からお互いにダウンを奪い合う試合展開となったが、先にダウンを奪っていた龍華が、1R2分2秒でKO勝利を飾った。
「久々のKO勝ちができて、とりあえずホッとしています」と一夜明けての心境を語った龍華。当初は「1Rはガツガツ攻めてくるんで、蹴りとかで様子を見て、カウンターとかで合わせていくという作戦だった」とのことだが、志村が攻めてきたことで自身も熱くなってしまい、「打ち返してしまった感じです」と攻めに転じてしまった。
ダウンの応酬に「もっと落ち着いて試合運びをしていたら、そうならなかったのかなと思います」と反省の弁も述べた龍華だったが、会見に同席した中村拓己プロデューサーからは、「KOで終わった龍華選手は印象に残りました。倒しに行く気持ちやダウンを取られたあともすぐ倒しに行ったことも良かった」と、高評価を与えられている。
昨日の試合後はマイクで来年1.24「K’FESTA.4」への出場もアピールした龍華。2年前の「KHAOS.7」でのプロデビュー戦で負けて以降は、現在まで6連勝中と勢いがある。「K’FESTAも出たいですし、このまま連勝を重ねてベルトも獲れたらいいなと思います」と、2021年も連勝街道の続行とベルト奪取を宣言していた。
反省しきりの提髪和希、2021年の飛躍を誓う「昨日の試合は負けたより悔しい。次は絶対に面白い試合をする」
前回の試合となった7.11「Krush.114」でTETSUに判定負けを喫していた提髪和希は、今大会では目黒翔大とKrushスーパー・フェザー級ワンマッチで対戦。1R終盤にヒザ蹴りで目黒にダメージを与えたものの、その後は倒しきれずに判定勝利となった。
この内容には提髪本人も、「昨日はつまんない試合しちゃったなって感じで、負けたより悔しいっす」とがっくりした様子。「1R終わりで膝効かせて、2Rで倒せるかなと思ったんですけど、そっから泥試合みたいになっちゃって申し訳ないです」と反省することしきりだった。
今年1年は2勝1敗(1KO)とまずまずの成績だったものの、「前回負けて、今回も微妙な感じで終わっちゃったんで悔しい1年だったです」と不満たっぷり。「格闘家なんでチャンピオン目指してやっていきます。次は絶対おもしろい試合するので、これからもよろしくお願いします」と、2021年の飛躍を誓っていた。