TTF CHALLENGE 6.27 PIA LIVE STREAM生中継:空道の若手強豪がMMA転向初戦、岩﨑大河インタビュー 「ずっと加藤久輝選手に勝ちたいと思って練習していました」
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TRIBE TOKYO M.M.A主催のMMA大会「TTF CHALLENGE 08」が、6月27日(土) 19時より、チケットぴあのライブ配信サービス「PIA LIVE STREAM」を通じて無観客有料中継される(視聴料2000円)。まだキャリアの浅い選手の育成を主軸としたマッチメイクとなっている中、最も注目されているのが岩﨑大河(いわさき たいが)のプロデビュー戦だろう。
岩﨑は1997年7月7日生まれの22歳。大道塾が作り上げた着衣総合武道「空道(くうどう)」の全日本体力別選手権2017・2018 260超優勝、同無差別選手権2019準優勝の実績がある、空道のトップクラスの選手。身長は185cm。国内で選手層の薄いMMAウェルター~ミドル級のホープとなりそうな逸材だ。
とはいえ多くのMMAファンは岩﨑についてほとんど知らない状況のため、生配信の視聴の参考になればと考え、独占インタビューを行った。岩﨑は「大道塾/パラエストラ東京」のダブル所属で、今回は新たな練習先である東京都練馬区のパラエストラ東京にて話を聞いた。(聞き手・井原芳徳 インタビュー写真:井原芳徳)
――小学生のときに、大道塾に入り、空道を始めたたそうですが、きっかけは?
岩﨑「小さい頃、肥満体型で、親が運動をさせようとしたのがきっかけでした。」
――当時から体は大きかったんですか?
岩﨑「小学1年生から始めて、その時で130cm、35kgぐらいあって。」(※文科省の学校保健統計調査(「小学館 みんなの教育技術。」に掲載)によると、6歳での平均は116.5cm、体重21.4kg)
――クラスで背の順で並べば後ろのほう?
岩﨑「1回も後ろを譲ったことがないぐらいです。」
――高校を出てから東京の大道塾総本部の寮生になるわけですが、空道に本気でのめり込んだきっかけは?
岩﨑「ずっと本気ではやっていたんですけど、なかなか勝てなくて、中学生の時ぐらいから練習の強度を上げて行きました。2014年、高校2年生の時に世界大会があったんですけど、空道はロシア人が強くて、日本人相手に圧勝しちゃうんですね。自分も出させてもらって、相手はスペイン人の白帯で全然無名だったんですけど、その選手に普通にボコボコにされたのがが悔しくて。地元の新潟だけでやっていたら大きなレベルアップは見込めない、だったら東京に出て強い選手や大きい選手とたくさん練習しないといけないと思って、寮に入ろうと決めました。」
――高校で何か部活とかはしていたんですか?
岩﨑「特にやっていなかったです。」
――2016年に大道塾総本部の寮に入って、2017年、2018年と2年連続で全日本体力別選手権で優勝しました(※空道は「身長+体重=体力(身体)指数」という階級制を採用している)。入寮2年目で日本のトップに立ったんですから凄いですね。東京での練習の成果が出ました。
岩﨑「寮に入って、やれることも増えましたし、先輩と毎日一緒に生活をし、常に相談ができたのが大きかったです。」
――MMAに転向しようと思ったきっかけは?
岩﨑「加藤久輝選手(※空道2010・2012・2013全日本無差別優勝、全日本体力別5連覇)がMMAに転向されたのが一番でした。僕が小さい頃から、加藤選手が勝ち続けて、フィジカルとかが凄くて、ずっと加藤選手に勝ちたいと思って練習していました。MMA転向後はベラトールでもタイトルに届きそうなところで活躍して凄いなって思っていました。何かで加藤選手を越えたいと思って、頑張って練習して、体力別、無差別で勝ち続けることはできるだろうなと思ったんですよ。でも何連覇しても、加藤選手のいない大会で優勝しただけになってしまう。ならば、加藤選手ができていない、MMAで海外の主要団体、ONEやベラトールやUFCでチャンピオンになれたら、越えられるかなと思って、MMAで頑張ろうと思いました。」
――それを考え始めた時期は?
岩﨑「2018年ぐらいですけど、まだそんなに本気で思っていませんでした。新潟にいる自分の先生から卒寮後の進路を聞かれて、新潟に帰って自分の道場をやればいいかなぐらいに思っていたんですけど、先生に『もしお前ぐらいの体格があるなら、アメリカに行って練習する』と言われて、そういう生き方もあるんだなと思って。空道はアメリカだと練習環境が整っていないので、やっぱりMMAだなって、それから凄く意識し始めました。」
――昨年2019年11月の空道全日本無差別選手権は惜しくも準優勝という結果でした(下動画)。その決勝が、空道をメインでやっていく試合としては最後になるんですかね?
岩﨑「はい。」
――本格的にMMAの練習を始めたのは?
岩﨑「TRIBE(TOKYO M.M.A)に去年の9月頃から出稽古に行かせていただいて、今年の2月の頭に卒寮し、MMAの練習を日々するようになりました。」
――岩﨑選手のTwitterを拝見すると、最近の練習先はパラエストラ東京、TRIBE、パンクラスイズム横浜でしょうか。
岩﨑「そうですね。」
――空道時代から、MMAを意識した練習はしていたのですか?
岩﨑「していなかったですね。どちらかといえばMMAの技術を意識しながら、空道の練習をしていました。」
――道着の有無から違いますよね。
岩﨑「道着があると、組みたくない相手だったらつかんで突き放せるんですけど、MMAだとつかむ場所がないので、密着するか、切って離れるかしかないので、今でも難しいです。柔道ベースからレスリングベースになるのが難しいと思いました。」
――打撃はヘッドギア(※空道ではNeo Head Gear空(くう)と呼ばれる)が無くなります。
岩﨑「NHG空の厚みの分で、プロのMMAやキックの選手はよけるんですよね。厚みのところで当てていたのが、今はその先の(顔面に)当てるのが難しくて、苦労しました。踏み込むところも凄く意識しました。」
――フィストガードとオープンフィンガーグローブだと比較的近いんですかね?
岩﨑「フィストガードのほうが薄いので痛いんですけど、オープンフィンガーグローブだと少し安心して殴れるので、空道を先にやっておいて良かったなと思います。」
――空道はグラウンドが30秒ですね。
岩﨑「空道の場合は、ハーフガードの中に入れればポイントを取られないですけど、MMAはハーフガードだと安心できないですし、最初は結構苦労しました。」
――空道の時代から柔術はやっていたんですか?
岩﨑「総本部で週1回、寝技のクラスがあって、中井祐樹先生(写真左)と大道塾草加支部(兼パラエストラ草加)の能登谷佳樹支部長(※柔術黒帯)が交代で指導してくれました。」
――その時からここ、パラエストラ東京の中井先生との接点があったんですね。ここまで不利な点の話主体でしたけど、逆に空道のどういう経験がMMAで有利になりそうですか?
岩﨑「MMAの選手よりも蹴れるので、距離も遠くできるのが有利かなと思います。柔道の技術もあるので、相手が来た瞬間につかんで投げることも時々できているので、空道の練習でしておいて良かったと思いました。」
――大道塾の東孝塾長は空手出身ですから、蹴り技は空手系になりますか?
岩﨑「少年部上がりだと、キックボクシング、ムエタイに近いですね。キックが来たらキャッチをするとか、ディフェンスだと思わせてすぐカウンターが取れるとか、そのあたりもMMAでうまくできるのが大きいかと思います。」
――肘打ちも慣れていますね。
岩﨑「肘を打ち慣れているのはデカいですね。」
――頭突きはさすがに…。
岩﨑「自分は頭突きを多用する選手で、頭突きで開いて打撃とかだったんで、使えなくなります。」
――あとは試合場が、柔道のような囲いの無い場所から、金網の中に変わります。
岩﨑「場外があったので、場外際で止まっていても、いなすことができましたけど、MMAだとそこで止まると金網に押し込まれてしまうので、動き続けないといけなくなりました。」
――MMAに適応するためにやることは多いんですけど、ここまで話を聞いていると、非常に楽しんで新しい技術を吸収されている感じがします。
岩﨑「楽しいですね。学べることが多いので。頭の体操みたいに、こういう動きがあるんだって思えて、凄く楽しいです。」
――MMAのアマチュアの試合を経験されていないので、来週のプロデビュー戦が、MMA自体初戦となりますが、今の心境は?
岩﨑「緊張していますね。10何年戦っていても、いつも緊張します。」
――対戦相手のリカルド・サープリスは米軍の元軍人で33歳。試合は8年のブランクがあり、日本人との結婚を機に日本に移住した選手とのことですが、情報は?
岩﨑「YouTubeに8年ぐらい前の試合映像があったんですけど、詳しくはわからないですね。階級も前は軽かったですし。手足は長いなと思ったんですけど。」
――その相手と、どう戦って勝ちたいですか?
岩﨑「やっぱり打撃で倒せたら、空道の良さも伝わるし、自分的にもいいかなと思います。」
――最初にMMA転向の動機で話されましたが、勝ち続けて、ゆくゆくは世界を目指すと。
岩﨑「やるからには何でも一番を獲りたいので、そう思っています。」
――今回は-93kg契約の試合です。コロナ対策で選手の免疫力を保つため、ONE式の水抜き無しの体重設定となっていて、UFCなど、いわゆるユニファイドルールだと、約84kgのミドル級相当ですね。
岩﨑「水抜き無しでも84kgまで落ちるので、国内ならミドル級でも、ベラトールやUFCに出て、海外の選手と戦うなら、ウェルター級かなと思います。」
――何歳までに何かを達成したいとかは考えていますか?
岩﨑「本当は(3~4年後の)26~27歳ぐらいに海外に拠点を置いて練習ができる選手になりたいですね。コロナの影響でどうなるかはわからないですけど。」
――体格的にもアメリカでの練習がゆくゆくは必要になるんでしょうね。最後に生配信を見る読者向けにメッセージをお願いします。
岩﨑「大道塾と、パラエストラ東京の岩﨑です。今度の試合でKOできるよう頑張ります。」◆◆◆
◆中井祐樹・パラエストラ代表のコメント
大道塾の選手は、昔から(MMAでは)市原(海樹)さんから最近では加藤(久輝)選手まで、キックでは加藤さんや飯村(健一)さんが、他のジャンルに挑戦しても渡り合っているところを見せて来た流れがあります。流れの中で、好むと好まざるに関わらず、周りの人はそういう目で見ていて、若い人にとっては重いテーマかと思いますけど、本人はやるつもりでいますので、歴史を見られる人は見てもらって、本人の戦いぶりに注目してもらえればと思います。
■ 岩﨑大河のアカウント Twitter:@tymtymabc
対戦カード
第8試合 メインイベント ミドル級(93kg)
岩﨑大河(大道塾/パラエストラ東京/空道北斗旗全日本体力別選手権2017 2018優勝・無差別選手権2019準優勝)
リカルド・サープリス[Ricardo Surpris](米国/TRIBE TOKYO M.M.A)
第7試合 ライト級(77.1kg)
マックス・ザ・ボディ(BRAVE)
村岡倫行(トライデントジム)
第6試合 バンタム級(65.8kg)
MG眞介(パラエストラ東大阪)
前川大輔(総合格闘技道場コブラ会)
第5試合 バンタム級(65.8kg)
真人ガーZ(マシン会)※グレート真人ガーからリングネーム変更
スソン(KRAZY BEE)
第4試合 ミドル級(93kg)
関野大成(三河幕府)
泰斗(真月流/高本道場)
第3試合 フェザー級(70.3kg)
石井巧太郎(マルワジム)
狩野 優(TRIBE TOKYO M.M.A)
第2試合 フライ級(61.2kg)
大竹 陽(ハガネジム)
川北昴生(TRIBE TOKYO M.M.A)
第1試合 フライ級(61.2kg)
御代川敏志(フリー)
谷村愛翔(P’s LAB札幌)
概要
大会名 TTF CHALLENGE 08
日時 2020年6月27日(土) 開場・18:30 開始・19:00
会場 非公開
中継 PIA LIVE STREAM
大会視聴券2,000円 大会サポーター視聴券10,000円(特典:エンドロール映像に名前を掲載)
大会後1週間の追いかけ再生可能
お問い合わせ TRIBE TOKYO M.M.A 03-6914-9497