REBELS 2.17 新木場スタジオコースト:大谷翔司・森貴慎インタビュー届く。鈴木宙樹の相手変更
MARTIAL WORLD PRESENTS GYM VILLAGE
OGUNI-GYM(オグニジム)
池袋の名門ジムでキックボクシングを始めよう!一般/上級/キッズ/シニア/レディースクラス
PANCRASE REBELS RING.1(2月17日(日) 新木場スタジオコースト)の「REBELS 60kg級王座決定トーナメント1回戦」で鈴木宙樹(クロスポイント吉祥寺)と対戦予定だった旭野穂(ゴールデングローブ/KROSS×OVER -60kg級王者)が負傷欠場する。鈴木は1回戦を突破し今後の大会での決勝に進む形となり、今大会では初参戦のジョン・ラゥィー(タイ)と対戦する。ルールは肘無しのREBELSルールで60kg級で変わらない。また、REBELSからは大谷翔司、森貴慎のインタビュー記事が届いている。
元陸上自衛隊徒手格闘訓練隊。現在は渋谷のBARで働く大谷翔司
「自衛隊の5年間があるから今がある。地上波生中継の大舞台でベルトを巻いて『キックの大谷』を知って貰いたい」
取材・撮影 茂田浩司 撮影協力 BAR 30 CLUB(渋谷区道玄坂2-23-11)
プロフィール
大谷翔司
(おおたに・しょうじ)
所 属:スクランブル渋谷
生年月日:1991年1月12日生まれ、28歳
出 身:愛媛県宇和島市
身 長:178cm
戦 績:2016年4月プロデビュー、12戦7勝(3KO)5敗
2月17日(日)、新木場スタジオコーストで開催される「PANCRASE REBELS RING.1」(パンクラス・レベルス・リングワン)。日菜太対現役ムエタイ王者シップムーン、「筋肉美女」ぱんちゃん璃奈vs「女子高生ファイター」川島江理沙のトライアウト、「西の爆腕ビッグダディ」KING強介vs「破天荒な天才児」栗秋祥梧のハードパンチャー対決など多彩なカードが並ぶ中、REBELSファンの注目を集めるのがREBELS-MUAYTHAIライト級タイトルマッチ、王者良太郎対挑戦者大谷翔司である。
王者の良太郎は、選手として活躍するかたわら、もう一つの顔「teamAKATSUKI」の代表として教え子の濱田巧や安達浩平をREBELSに送り込み、ファンにはすっかりおなじみ。対する挑戦者の大谷は、REBELSでデビューし、REBELSで育った期待のホープである。
両者は一昨年の王座決定トーナメント準決勝で対戦し、良太郎がダウンを奪って判定勝ち。だが、1月23日の会見で大谷は「ダウン以外は自分が圧倒した」と主張。リング上のマイクパフォーマンスや記者会見でほとんど喋らない「寡黙な男」が語気を強めて発言する姿はとても珍しかったが、大谷自身はこう振り返る。
「『アピールするのはもっと強くなってから』と思っておとなしくしてましたけど(笑)、これからはそういう活動もしていこう、と」
これまで自分のことを一切語らなかった大谷翔司が、悲願のタイトルマッチを前に、初めて自分の経歴とキックボクサーとして見据える未来を語った。
■自衛隊の猛者たちに鍛えられた5年間
■唯一の悔いは、震災の災害派遣に行けなかったこと
大谷が子供の頃に熱中したのは野球。「甲子園に出ること」を目標に野球漬けの生活をしていた。
「小学校でソフトボール、中学では部活の軟式野球部と、硬式球を使う地元のクラブチームの両方でやってました。肩に自信があってずっとショートを守ってて、高校は全然無名の吉田高校でショートで3番を打ってました。最後の夏は、練習試合でコールド勝ちした相手で『余裕だな』なんて思ってたらまさかの1回戦負けです。涙も出なかったです(苦笑)」
部活を引退すると、すぐに地元のキックボクシングジムに入門した。
「中学、高校がちょうどK-1とPRIDEが盛り上がってる頃で、格闘技に興味を持って休み時間は寝技で遊んでました(笑)。部活を引退して、すぐにやりたかったキックボクシングを始めたんです」
高校を卒業すると、陸上自衛隊に入った。
「特にやりたいこともなくて、父親が公務員なのでその影響です。就職先といっても愛媛県はいい企業がなくて、みんな県外に出ていくか、漁師になって海に出るか、公務員になるかです。野球部からは僕を含めて3人が自衛隊に入って、他の2人はまだいます。辞めたのは僕だけです。入隊して、香川県の善通寺市の駐屯地で6か月間教育を受けた後、全国に配属されるんですけど、僕はそのまま善通寺の普通科という歩兵部隊に配属されて、そこに5年間いました」
自衛隊では、思いがけず「仕事として格闘技の練習」をするようになる。これが人生のターニングポイントとなった。
「自衛隊の中に『訓練隊』というのがあって、ランニング専門、ラグビー専門、剣道専門と分かれていて、僕は徒手格闘(としゅかくとう)専門の徒手格闘訓練隊のメンバーに選ばれたんです。自衛隊時代はだいたいそっちで活動してました」
徒手格闘は、自衛隊格闘術とも呼ばれ、敵を徒手(素手)で制圧することを目的として編み出された「実戦」を想定した格闘術。その訓練は過酷を極めた。
「行事があると、武器を持った敵を制圧する演武を見せたりしますけど、普段の練習は基本的にフィジカルトレーニングと日拳(日本拳法)です。訓練は、朝8時から夕方4時頃まで。1日6、7時間はやってました。午前中がラントレでずっと走ってて、午後からはスパーリングです。僕は元々、体幹にあまり自信はなかったんですけど、徒手格闘の訓練で相当鍛えられたと思います。当時の訓練隊のメンバーには、自衛隊体育学校から帰ってきた人とか30代後半から40代のデカくて、強い人が一杯いたんです。そういう人たちが1日中バリバリ練習してて、バケモノみたいな強さなので、僕はよくぶん投げられてました(苦笑)。『すぐにプロでやれるだろうな』っていう人たちがゴロゴロいましたね」
自衛隊の猛者たちに揉まれて、大谷は心身共に強くなった。
「一般の日拳の大会にも結構出て、四国大会では2、3回優勝してます。ただ、有段者と級で分かれてて、僕は級のクラスに出たので四国大会で優勝したから次は全国とかではないですね。参加者はそんなに強い人もいないですけど、人数が多くてトーナメントで120人ぐらい出ます。だから、1日で7、8回は勝たないと優勝できなかったです(笑)。練習は月曜から金曜まで。2、3か月に1回遠征があって、沖縄とか練馬にも来てました。行った先の訓練隊と合同練習をして、最後は試合をして。そういう遠征も楽しかったです」
大谷は、5年間の自衛隊での生活を「楽しかった」と振り返る。
「1日中、日拳の練習をしたり、訓練をして、それでお金が貰えるんですから(笑)。僕は体を動かすのが好きで、格闘技も好きで、全員寮生活なので友達も一杯出来ましたし。家賃がいらなくて、飯も全部出るので貰った給料は全部自由に使えたんです」
そんな大谷が唯一、表情を曇らせたのが東日本大震災のこと。
「先輩や同期が災害派遣で被災地に向かったんですけど、僕はちょうど肩を脱臼して入院していて行けなかったんです。参加したかったですね……」
■スクランブル渋谷で練習し、渋谷のBARで働く生活
■プロ3連敗、試合中の脱臼、様々な試練を乗り越えて、
■上京4年目に掴んだチャンス。「死んでも負けられないです」
23歳になると「もっとキックボクシングをやりたい、プロで自分の強さを試したい」と思うようになり、自衛隊を辞めて、地元のジムでキックボクシング団体「INNOVATION(イノベーション)」のプロライセンスを取得。2015年5月に上京した。
「ネットで色々と調べたら、イノベーションの加盟ジムに『スクランブル渋谷』が出てきて。渋谷にあこがれがあったので(笑)、REBELSにも出れるし『ここだ』と思って。連絡して『INNOVATIONのライセンスを持ってるんですけど、プロ練に参加していいですか』と聞いたら『いいよ』と言われて」
職場も渋谷にこだわり、探し回って、現在も働く「BAR 30 CLUB」を見つけた。
「僕は、やりたくないことはあまりやれない性格で、どうせなら意味のあることをしたい、と思って。昼夜逆転のリスクはあるんですけど、今はやりたいことは全部やっとこうかなって。現役を引退したらバーの経営をしたいので、勉強のために働いてます。人見知りなので最初はきつかったですけど、今は慣れて、楽しいです。お客さんに応援して貰ってて、僕の試合には毎回50~60人来てくれます。みんな格闘技に興味ないのに(笑)。オーナーも無茶苦茶応援してくれて、デビュー戦から毎試合来てくれますし、メインスポンサーなんです。新しくキックパンツを作るんですけど、大きく広告も出してくれました」
2016年4月、REBELS.42でのプロデビュー戦に勝利し、2か月後のイノベーションでも勝利して2連勝。順調なスタートだったが、プロ3戦目にウザ強ヨシヤ(テッサイジム)に判定負けを喫すると、そこから3連敗を喫した。
当時の大谷を、スクランブル渋谷の増田博正会長はこう振り返る。
「ジムに入会してプロ練に来るようになった時『独学でやってきたんだろうな』という印象でした。センスはあるんですけど、基礎からしっかりと教わってなくて、自分の好き勝手にやってきた感じだったんです。ウチに入ってからも『練習をただこなすだけ』でした。それが3連敗したことで意識が変わりましたね。サンドバッグもミットも集中してやるようになりました」
大谷にとっても3連敗のショックは大きかった。一瞬「辞めて、愛媛に帰ること」も頭をよぎったという。
「『センスがないのかな?』と思って。でも、カッコつけてカバン1個で上京して、3連敗して『ごめん、無理だった』と地元に帰るのは恥ずかしくて出来なかったです。もうやるしかない、勝って立ち直るしかないんだ、と思いました。今考えたら、あの頃は気持ち的に全然乗ってなかったです。何となく『この練習さえしておけば勝てるだろう』という感じで『自分はどうなりたいのか』も明確じゃなかったです。1度負けて『やべえ』って気持ちが落ちて、そこからズルズルと、気づいたら黒3つ付いてました」
今は違う。大谷には明確な目標がある。
「ベルトが3つ欲しいです。REBELSと、愛媛にいる頃からあこがれだったINNOVATIONのベルトを獲って、世界のベルトが1つ欲しいです。(増田)会長みたいなベルトの獲り方がしたいです」
大谷を育ててきた増田会長は、伝説の団体「全日本キック」の黄金時代に数々の激闘を繰り広げ、2階級制覇した後、WPMF世界王座を獲得した名選手である。
「会長はあこがれです。選手としてもそうですけど、分析能力とか人を見る目に長けていて。試合中も『ここがダメ』とか、とても的確なアドバイスをくれて、いつもすごいな、と思ってます」
現在、大谷はバーで週6日働く生活をしている。
「バーは毎日営業しているんですけど、僕は土曜日だけ休みを貰っていて、月曜から金曜は夜8時から朝4時まで、日曜は深夜2時まで働いてます。日曜日の営業が終わったら、帰ってソッコーで寝て、10時に起きてトレーニングキャンプ吉祥寺でフィジカル、昼食の後で少し休んで、午後3時からスクランブル渋谷で練習して、終わったらまたバーに行って働く、という生活です。
キックで稼げるようになったら? バーの仕事もまだまだ学ぶことがたくさんあるので、バイトの日数は減らすかもしれないですけど、ずっと働きたいと思ってます」
今大会に向けた1月23日の記者会見では、これまでにないほど強い口調で大谷は発言した。
「タイトルマッチでいい勝ち方をすれば多くの人に注目して貰えると思うんで。勝つのは最低条件で、いい勝ち方をしてベルトを巻きたいと思います」
「(良太郎との一昨年の試合について)内容的には五分五分か、僕の方が圧倒してた。自分がミスさえしなければ、今回はベルトを巻けると思います」
「この1年半の自分の成長は(良太郎に比べて)絶対に負けてない自信があるんで。その辺も注目して見て貰いたいですね。(成長したところは)トータル的に伸びてるんですけど、モチベーションも全然違うし、練習に対する姿勢、考え方も全然変わってて。それプラス、フィジカル、テクニックも上がってます」
こうした発言も、大谷の中の「変化」の一つ。
「今までは強さばかりを求めてて、知名度を上げようとかそっちの活動を全然してなくて。ずっと『もっと強くなって、チャンピオンになってから』と思ってたんですけど。今のうちから言いたいことを言ったりしておかないと、と思って。記者会見では『アピールしよう』とちょっと意識しました。ただ、ああいう感じの方が自分の素といえば素なんです。今までは意識して控えめにしてました(笑)」
一昨年の王座決定トーナメントで良太郎に敗れた後も、決して順調ではなかった。昨年2月のREBELS.54で雅駿介(フェニックス)との試合中に左肩を脱臼してTKO負け。大谷は激痛でうずくまり、担架で退場する屈辱を味わった。脱臼癖のあった左肩を手術し、ようやく昨年12月のREBELS.59で復帰。ライト級次期挑戦者決定戦でウザ強ヨシヤにリベンジを果たし、とうとう悲願のベルトまで「あと1勝」というところまでこぎ着けた。
増田会長も、大谷の成長ぶりに期待を寄せる。
「当て勘もいいですし、フィジカルは自衛隊で鍛えられていて元々強かったですけど、吉祥寺でのフィジカルトレーニングでさらに強くなってます。今回は地上波生中継ですし、ベルトを獲ったらたくさんの人に『大谷翔司』を知って貰えます。大谷には『これで獲らないと意味ないよ』って言ってます。ベルトを獲って、もっと上を目指せる選手ですから」
大谷自身、自衛隊での安定した生活を捨てて上京し、4年目にしてようやく掴んだチャンス。心中には期するものがある。
「愛媛にいた頃、REBELSのベルトは『夢のまた夢』でした。上京して、実際にREBELSの試合を見たら強い選手が揃ってて『やべえ団体だな』と思ったので、今、自分がREBELSのベルトまであと一歩まで来てるのがちょっと信じられない気持ちも正直、あります。
だけど、今の位置では全然満足してないです。この地上波ゴールデンタイム生中継の大会が来たタイミングもピッタリで『こんなチャンスないだろう』っていう。
この試合が決まって、自衛隊時代の幹部の人たちからもたくさん連絡をいただきました。『がんばれよ』って。そんな喋ったことのない上官からも『応援してるから』ってLINEが来たり。地元の友達はみんな興味なくて『何やってんの? 飲みにいこうぜ』みたいな感じなんですけど(苦笑)。
プレッシャーはありますけど、今回は死んでも落とせないです。勝ちに行くのが大前提で、変に『倒そう』と考えると大振りになって首相撲でスタミナを奪われて、っていう展開になるリスクがあるので、今回は勝ちに徹します。それがイコール、倒しに行くことになるのかな、と思うんですけど。
しっかりと自分の強さを見せて、REBELSのベルトを巻きますので、TOKYOMX2の生中継かエムキャスで、ぜひ試合を見て貰って、応援をよろしくお願いします」
軽量級の倒し屋、“ベビーフェイス・アサシン”森貴慎が待望のREBELS初参戦。
「相手の『穴』を見つけるのが得意なんです。僕のパンチが当たれば、老沼選手も倒れますよ」
取材・撮影 茂田浩司
プロフィール
森 貴慎
(もり・きしん)
所 属:トイカツ道場
生年月日:1992年1月13日生まれ、27歳
出 身:静岡県静岡市
身 長:167cm
戦 績:2016年8月プロデビュー、13戦10勝(7KO)3敗、J-NETWORKバンタム級王者
2月17日(日)、新木場スタジオコーストで開催される「PANCRASE REBELS RING.1」(パンクラス・レベルス・リングワン)。日菜太対現役ムエタイ王者シップムーン、「筋肉美女」ぱんちゃん璃奈vs「女子高生ファイター」川島江理沙のトライアウトなど、多彩なカードが並ぶ中、格闘技ファンにぜひ注目してほしいのが次代の格闘技界を担う若きチャンピオン対決、老沼隆斗vs森貴慎である。
REBELS-MUAYTHAI王者の老沼は弱冠二十歳。90年代を代表する「ムエタイキラー」、現STRUGGLEの鈴木秀明会長の薫陶を受け、ベルト獲得後も着実に成長を続けている。
対する森は、デビューからわずか2年でベルトを巻くと共に、軽量級ながら7割のKO率を誇る「ベビーフェイス・アサシン」。
実は、両者はかつて対戦した経験があり今回が再戦。だが、双方ともその事実を大会の記者会見では触れなかった。
そこには「天才は天才を知る」森と老沼の互いの才能を認めあったリスペクトと、隠れたライバル関係があった。
「老沼君との試合がなければ、僕はここにいないです」
森貴慎と老沼隆斗の間に、何があったのか。
■荒れに荒れた十代。母親の涙で更生を誓い、
■24歳でプロデビューしたものの、
■18歳の「天才空手少年」老沼にKO負け…。
トイカツ道場を主宰する戸井田克也代表が道場の様々な情報をYouTubeで発信する「トイカツの部屋」。2018年6月にJ-NETWORKバンタム級王者となった森貴慎が出演している。
そこでは「母子家庭に育ち、グレて、母親を泣かせた」というエピソードが語られている。現在の優しい表情からは想像も出来ないが、十代は荒れに荒れていた。
「グレてましたね(苦笑)。中学を卒業して、美容専門学校に進学したんですけど、先生とちょっと揉めてしまって1年で退学して。資格も取れなかったし、地元でいろいろとヤンチャしました。だけど、警察に補導されて、母親が泣きながら、体を震わせて警察署に迎えに来たんです。その母親の姿を見て『ちょっと、俺はダメだな』と思って、ヤンチャするのを一切辞めました」
18歳から板金工として働きながら、ボクシングジムに通う友人と週1でボクシングの練習をし、20歳から本格的にキックボクシングを始めた。これが森にとっての転機となる。
「子供の頃からスポーツは何でも得意で、野球でもサッカーでもすぐに出来てしまうんです。今もそうなんですけど、試合の動画を見てて『この技、いいな』と思うと真似したり、スパーリングしてて相手の技を受けて『これを自分もやってみよう』って。他人の技を見て、自分のものにするのが得意なんです。すぐに出来てしまうんですよね」
23歳で上京し、東京・中野のセンチャイジムに通った。1年間、アマチュア大会に出て腕をみがきながらプロデビューを目指したが、また「ヤンチャな血」が騒ぎ出す。
「まだイケイケの頃で遊んでしまって(笑)。ジムと音信不通になった時があって、1か月ぐらいして連絡したら『また通っていいよ』と言われたんですけど。一度環境を変えて、しっかりやりたいと思ってトイカツ道場に入ったんです」
2016年8月、24歳でプロデビュー。
抜群の運動センスを武器に、プロでも勝ち続けてタイトルを獲りたい、と考えていた森の前に、一人の天才少年が立ちはだかった。
まだ18歳で、当時は正道会館に所属していた老沼隆斗である。
「トリビュレイトで老沼選手の対戦相手が怪我をして、欠場になったんです。試合の1週間前で代役を探してて、僕に声が掛かったんですけど、その頃はまったく練習をしてなくて(苦笑)。体重だけ落として試合したんですけど、調整不足だし、そんな状態で勝てるほど甘くなかったです。2Rに老沼選手のハイキックを喰らって、KO負けしました」
この2016年12月のプロ2戦目でのKO負けを機に、森は一層、キックボクシングに真剣に取り組むようになった。まず、自分のスタイルを見直した。
「実は、老沼選手との試合はオーソドックスでやったんです。元々、左利きですけど、野球は右投げだったんで『キックも右かな』と思ってやってたんですけど、何か上手くいかなくて。それで、老沼選手に負けて、サウスポーに変えてみたら、しっかりと攻撃に力が入るようになって『これだ』と。それから、試合でも倒せるようになったんです」
リベンジの機会は意外に早く訪れた。ただし「間接的に」だ。2017年3月のJ-NETWORKで、森はSTRUGGLEの中田ユウジと対戦。左ストレートとヒザ蹴りで1RTKO勝利を収めた。
「バッチリ倒しました(笑)」
■森は、己の感覚と拳に絶対の自信を持つ。
■「老沼選手は強いです。厳しい試合になると思う。
■だけど、僕のパンチが当たれば倒せますよ」
いよいよ約2年ぶりの再戦の日がやってくる。
ただ、不思議なのは、1月17日の大会記者会見ではチャンピオン同士の「王者対決」について両者ともに語りながら、この対決が「再戦」である点には一切触れなかったことだ。
「僕は『老沼選手から何か言って来るのかな?』と思っていたんですけど、老沼選手からなかったんで。あれから、老沼選手はSTRUGGLEに移籍して、試合をするたびに別人のように強くなってますよね。でも、僕もサウスポーに変えて、キャリアをしっかりと積んできたんで、自分の成長度合いが分かる試合だと思います。
判定になれば不利だと思うんです。老沼選手はポイントを取るのがとても上手いので。だから、ダウンを奪ったり、倒すことは意識してますね」
記者会見で、森はこう言い切った。
「REBELS初参戦で、インパクトのあるKOを見せたい」
「(老沼が)パンチで来てくれて、打ち合いをしてくれたら、上等で打ち合う気でいるんで。多分、蹴ってくると思うんで、自分も負けないように蹴り返して、パンチの距離で倒せたら、と思います」
PANCRASE REBELS RING.1 公開記者会見 第1弾
(老沼、森の登場は56分頃から)
森の言葉からは「自分のパンチが当たれば必ず倒せる」という絶対の自信が感じられた。
その理由は「倒して勝ってきた選手」だけが持つ「倒す感覚」を、森はすでに自分のものにしているからだ。
「どんな選手にも必ず『穴』があって、自分はそれを見つけるのが得意なんです。よく『当て勘がいい』と言われるんですけど、それは自分でも分かってて、試合中に相手の隙や『ここだ』というタイミングが分かるんです。そこで思い切っていけば絶対に倒せますし、逆に、少しでも躊躇してチャンスを逃すと負けてしまう。だから、今回も『ここだ』というチャンスには絶対に詰めますので、見ている人にぜひ注目してほしいです」
森には、この試合に向けてさらなるモチベーションを高める出来事があった。
「結婚して、妻が昨年11月に出産したんです。より一層気合いが入りましたし『やってやろう』という気持ちはもっと強くなりましたね。ずっとJ-NETWORKで試合をしてきて、ベルトを獲った時に『次は何かな?』と考えて、一度止まって、半年間、試合をしなかったんです。でも、今回はREBELSの生中継のある大きな舞台で、老沼選手というトップ団体のチャンピオンと試合が組まれて、再戦ですし、気持ちが全然違います。かなり気合いが入ってます。正直、厳しい試合にはなると思います。だけど、必ず盛り上げたいし、一番いい試合をしたいですね。老沼選手に勝てば、ダイレクトでREBELS-MUAYTHAIのタイトルマッチを組んで貰えると思うし。ベルトを獲るためなら、スーパーフライ級まで落としますよ」
森には、背中を見据えている目標の選手がいる。
「JIRO(創心會)とは昔から付き合いがあるんですけど、彼がクロスポイント吉祥寺でインストラクターを始めた頃『一人だと淋しいから来てよ』と誘われて(笑)、クロスポイントさんに出稽古に行ったことがあるんです。そうしたら、小笠原瑛作選手にボクシングスパーをして貰ったんですけど、何も出来ずにボコボコにされました(苦笑)。階級が違うので『戦いたい』はないんですけど、僕も瑛作選手のようになりたいですね。瑛作選手のように世界タイトルを獲って、強いタイ人と戦ってみたいです。REBELSで結果を出していけば、そういうチャンスも広がっていくと思うので。REBELSのファンの人は老沼選手の強さを知ってると思いますけど、僕のパンチが当たればその老沼選手も倒せると思います。しっかりと作戦通りに戦って、KOして、必ずインパクトを残しますので、ぜひ注目してください」
対戦カード
※ルール表記の無い試合はムエタイルール。「REBELSルール」は肘無し・首相撲制限あり。
【NIGHT】
第8試合 TOKYO MX「BE-BOP SPORTS」PANCRASE REBELS TRYOUT REBELSルール 47.5kg契約 2分3R
ぱんちゃん璃奈(STRUGGLE/コーチ・梅野源治)※岡本璃奈 改め
川島江理沙(クロスポイント吉祥寺/コーチ・不可思)
第7試合 メインイベント REBELS 70kg級タイトルマッチ REBELSルール 3分3R(延長1R)
日菜太(クロスポイント吉祥寺/王者)※3度目の防衛戦
シップムーン・シットシェフブンタム(タイ/挑戦者、ラジャダムナン認定スーパーウェルター級王者)
第6試合 セミファイナル スーパーバンタム級 3分5R
小笠原瑛作(クロスポイント吉祥寺/WPMF世界スーパーバンタム級王者、ISKA K-1ルール世界バンタム級(55kg)王者)
ペットヤソー・ダープランサーラカム(タイ/元ルンピニー認定フライ級9位、MAXムエタイ55kg級王者)
第5試合 REBELS-MUAYTHAIライト級タイトルマッチ 3分5R
良太郎(池袋BLUE DOG GYM/王者)
大谷翔司(スクランブル渋谷/挑戦者)
第4試合 REBELSルール 57.5kg契約 3分3R(延長1R)
KING強介(ロイヤルキングス/REBELS-MUAYTHAIスーパーバンタム級王者)
栗秋祥梧(クロスポイント吉祥寺)
第3試合 スーパーバンタム級 3分3R(延長1R)
KOUMA(ウィラサクレック・フェアテックス荒川/WPMF日本王者)
宮元啓介(橋本道場/元WPMF世界&WBCムエタイ・インターナショナル王者)
第2試合 52.8kg契約 3分3R(延長1R)
老沼隆斗(STRUGGLE/REBELS-MUAYTHAIスーパーフライ級王者)
森 貴慎(トイカツ道場/J-NETWORKバンタム級王者)
第1試合 フライ級 3分3R(延長1R)
心直(87キックフィットネスジム)
白幡裕星(橋本道場)
オープニングファイト REBELSルール 77kg契約 3分3R
川和 真(禅道会新宿道場)
吉野友規(STURGIS新宿ジム)
【DAY】
第13試合 メインイベント REBELS 60kg級王座決定トーナメント1回戦 REBELSルール 3分3R(延長1R)
浅川大立(ダイケンスリーツリー/INNOVATIONフェザー級王者、岡山キックボクシング59kg賞金トーナメント優勝)
才賀紀左衛門(クロスポイント吉祥寺)
第12試合 セミファイナル REBELSルール 60kg級 3分3R(延長1R)
鈴木宙樹(クロスポイント吉祥寺)
ジョン・ラゥィー(タイ)
第11試合 REBELSルール 59kg契約 3分3R
MOMOTARO(OGUNI GYM/WBCムエタイ・インターナショナル・フェザー級王者)
古谷野一樹(クロスポイント古河/REBELS 57.5kg級王者)
第10試合 スーパーバンタム級 3分5R
炎出丸(クロスポイント吉祥寺/元J-NETWORKスーパーバンタム級王者)
大野貴志(士道館新座ジム/WMC日本スーパーバンタム級王者、MA日本フェザー級王者)
第9試合 REBELS 63kg級初代王座決定トーナメント1回戦 REBELSルール 3分3R(延長1R)
丹羽圭介(TEAM KSK/元RISEライト級(63kg)1位)
恭介(インスパイヤードモーション/RISEライト級10位、2017年RISING ROOKIES CUP同級優勝)
第8試合 REBELS 63kg級初代王座決定トーナメント1回戦 REBELSルール 3分3R(延長1R)
稲石竜弥(TEAM OJ/Bigbangライト級王者)
和輝(Phoenixx)※栗秋和輝 改め
第7試合 53.5kg契約 3分3R
JIRO(創心會)
工藤“red”玲央(TEAM TEPPEN)
第6試合 REBELS-MUAYTHAIスーパーウェルター級王座決定リーグ戦 3分3R
津崎善郎(LAILAPS東京北星ジム)
降籏健嗣(士道館ひばりが丘道場)
第5試合 REBELS-MUAYTHAIスーパーウェルター級王座決定リーグ戦 3分3R
吉田英司(クロスポイント吉祥寺)
光成(ROCK ON)
第4試合 フェザー級 3分3R
三浦 翔(クロスポイント大泉)
原島 モルモット 佑治(TESSAI GYM)
第3試合 REBELSルール 57.5kg級 3分3R
浦林 幹(クロスポイント吉祥寺)
知BRING IT ON(BRING IT ONパラエストラAKK)
第2試合 スーパーフライ級 3分3R
濱田 巧(team AKATSUKI)
響波(Y’s glow)
第1試合 REBELSルール 60kg級 3分3R
新田宗一郎(クロスポイント吉祥寺)
宇野高弘(パラエストラ栃木)
概要
大会名 PANCRASE REBELS RING.1
日時 2019年2月17日(日) ・DAY 11:00開場 11:15本戦開始 ・NIGHT 17:00開場 17:30本戦開始
中継 TOKYO MX(17:30~のNIGHT全試合生中継) エムキャス(全試合生中継) UFC fightpass(全試合生中継)
チケット料金
・DAY VIP¥15,000 SRS¥10,000 S¥8,000 A¥7,000 2F¥6,000 立見¥5,000
・NIGHT VIP¥30,000 SRS¥15,000 S¥10,000 A¥8,000 2F¥7,000 立見¥5,000
※チケットは指定席完売。立見のみ販売 ※当日500円増し ※入場時1ドリンク¥500購入 ※6歳未満は入場無料(座席を必要とする場合は有料)
チケット販売所 PANCRASE store イープラス 参加各ジム 参加各選手
お問い合わせ REBELSプロモーション 03-6262-3760 inquiry@rebels.jp http://www.rebels.jp/