K-1 9.7 代々木第二:16選手参加のWORLD MAX 70kgトーナメント開幕、宮田充P「日本人は1名か0名」。創始者の石井和義氏、K-1の今後の世界展開プランを語る
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K-1は7月1日(火)東京・日本外国特派員協会にて記者会見を行い、9月7日(日) 東京・代々木第二体育館にて開催される「K-1 WORLD MAX 2025」の概要と、11月15日(土)代々木第一体育館にて行われる「K-1 WORLD MAX 2025」の開催決定も合わせて発表した。(記事提供:K-1 GROUP 写真:(C)K-1)
両大会では、『K-1WORLD MAX2025 -70kg世界最強決定トーナメント』を2回に分けて行い、9月大会は16名参加の開幕戦8試合を実施。11月大会は決勝トーナメントをワンデイで開催し、開幕戦を勝ち抜いた8名が世界一を争う。
昨年のMAX世界大会は優勝候補のオウヤン・フェンが怪我で決勝トーナメントを欠場という波乱の展開となったが、開幕戦で敗退のストーヤン・コプリブレンスキーが繰り上がりで復活し、そのまま優勝するというドラマティックな結末となった。ストーヤンは一回戦でレジェンドのブアカーオ・バンチャメークを下し、準決勝でデング・シルバ、決勝でヴィクトル・アキモフをKOした。
会見でK-1の宮田充プロデューサーは、ストーヤン、オウヤン、ダリル・フェルドンク、カスペル・ムシンスキなどの参加予定選手を挙げ「16カ国から強豪選手を集めたいと思います。重複する可能性もありますけど、基本は16カ国です。残る8選手については、こちらも海外勢が入って来るかと思います。日本人選手は1名か、もしかしたら0名になってしまうかもしれません」と明かした。
残り8名に関して宮田プロデューサーは「今回の発表では実績のあるファイターを6名、予選を勝ち抜いた2名が入っています。名前があるファイターだけではなく、新しい選手を呼びたいなと考えています。ロシア、アフリカ、韓国、タイ、そして意外な国からの推薦もあります。日本人だと7月の福岡大会で璃久選手がゾーラ・アカピャン選手を倒せば、有りかなと思います。日本で開催だから日本人をいれなければいけないという考えはないです」と断言した。
最後にK-1アドバイザーの正道会館の石井和義館長は「今年は、それでいいと思います。でも来年以降は、サッカーのワールドカップのように、3カ国だけ決めて発表するとか。予選リーグをして、上位32カ国で8試合、8試合を日本と外国でわけるとかするとか、決勝も8試合を2つにわけてやるとか考えてほしいですね。そうすればもっと優勝賞金を出せるし、大きなお金が動くと思います」と助言した。
■-70kg世界最強決定トーナメント・出場予定選手
ストーヤン・コプリヴレンスキー(ブルガリア/Mike’s Gym) Stoyan Koprivlenski
K-1 WORLD MAX 2024 -70kg世界最強決定トーナメント優勝
MAX FIGHTライト級(-70kg)王者
オウヤン・フェン(中国/天津阿福ファイトクラブ/CFP) Ouyan Feng
第5代K-1 WORLD GPスーパー・ウェルター級王者
WLF武林風 -70Kg級世界王者
WLF武林風 スーパールーキー -70kg級王者
2023年中国キックボクシング選手権-75kg級優勝
IPCC中国 -70kg級王者
カスペル・ムシンスキ(ポーランド/Armia Polkowice) Kacper Muszynski
MFC世界ライト級(-70kg)王者
IRON FIGHTERライト級(-70kg)王者
WKSFライト級(-70kg)王者
WFMCポーランド・ライト級(-70kg)王者
ダリル・フェルドンク(オランダ/Fight Team Ringer) Darryl Verdonk
元Enfusionライト級(-70kg)王者
ゾーラ・アカピャン(アルメニア/Gridin Gym) Zhora Akopyan
FEA WGPライト級王者
RCC Fair Fightウェルター級王者
Tatneft Cup 2019ライト級トーナメント優勝
アビラル・ヒマラヤン・チーター(ネパール/志村道場) Abiral Himalayan Cheetah
第6代Krushスーパー・ウェルター級王者
第4代HEATキックミドル級王者
ISKAインターコンチネンタル・スーパーウェルター級王者
ジョナス・サルシチャ(ブラジル/TF Team/CT Allan Popeye) Jonas Salsicha
元WGP Kickboxingスーパーミドル級(-78.1kg)王者
K-1 WORLD MAX 2025 -70kg南米予選トーナメント優勝
メイソン・ストロッドマン(アメリカ/WARMAN MUAY THAI) Mason Strodtman
HUSKY FAT PROMOTIONS -70kgトーナメント優勝
2024年WKA米国ミドル級(-72kg)トーナメント優勝
2023年WAKO米国ミドル級(-71kg)トーナメント優勝
2023年TBAスーパーウェルター級(-69kg)トーナメント優勝
MAXIMUS PROMOTIONSミドル級(-70kg)王者
シナ・カリミアンが出場決定「母国イランで困っている方々に勇気を与えたい」
7月1日(火)東京・日本外国特派員協会にて記者会見が行われ、9月7日(日) 東京・代々木第二体育館にて開催される「K-1 WORLD MAX 2025」に参戦が決まったシナ・カリミアンが登壇し、記者の質問に答えた。
カリミアンは、“イランの英雄”として18年9月に初代K-1クルーザー級王座決定トーナメントに参戦し、決勝でブバッカ・エル・バクーリに勝利し初代王座となった。20年11月に3度目の防衛戦でK-JeeにKO負けを喫し王座陥落も21年3月にダイレクトリマッチを行い、起死回生のバックブローで逆転KO勝利して王座を奪還した。
24年3月にはリュウ・ツァーにKO負けを喫し王座陥落後、クラウディオ・イストラテとの反則問題が発生して“反則王”の名も広まることに。6月のRIZIN北海道大会では、初のMMA挑戦で荒東“怪物キラー”英貴を破り評価を上げた。
以下、カリミアンの一問一答。
「また戻ってこられて嬉しいです。ご存知のように、今イランは厳しい状況となっています。K-1での試合を糧に、困っている方々に勇気を与えたい」
――前回のRIZINでは初めてのMMAルールの試合を勝利しましたが、振り返ってみての感想を。
「キックボクシングのキャリアはK-1ファイターとしてスタートしました。K-1に対する忠誠心はあります。今回はRIZINでK-1ファイターとして戦い、MMAだろうが誰でも倒せる、ベストを証明できたと思っています」
――MMAの練習は、どのくらいやってきたか?
「MMAの練習は、たったの2週間で終わりました。MMAには柔術、レスリング、打撃といろいろな技術はありますが、私の一番の強みは気持ちの強いところ。ハートの強さがあれば戦うだけなので、MMAだろうがK-1だろうが同じです。だからこそ、そこに足を踏み入れました」
――またMMAで見たいという声もあるが。
「RIZINファンやK-1ファンから、そういった声が出ているのは嬉しく思います。私のMMAの師匠から『小さいグローブでMMAのルール、相手はMMAで11勝をあげている。そんな選手に勝てたのは誇らしいこと。偉大なことだ』と褒められました」
――9月は誰と戦いたいか。
「相手は誰でもいいと思っています。強ければ誰でもいいです」
――母国イランは、イスラエルとの紛争があるなど大変な状況だが、どんな思いがあるか?
「ファイトを通じて、イランの人を勇気付けたい。強い選手を連れてきてください」
――イランは戦争がある国。どんな幼少期を育ったのか。
「私は、裕福でも貧しくもない家庭でした。2018年にK-1から呼ばれて人生が変わりました。チャンピオンになることができて、ファイトマネーで家族やイランの人たちを助けることができました。その意味でも、K-1には感謝しています。あまりこの場で言いたくないのですが、じつはファイトマネーは私のためではなく、イランの方たちへの寄付と家族のサポートのために使っていました」
――身近に戦争があることについては、どう思っているか。
「戦争はとても悲しいものです。そして、嫌いです。戦争で犠牲になる家族もいますし、高齢者、子ども、いろいろな人が巻き込まれてしまいます。平和へ向けての武力行使ではなく、会話を通して平和になることを願っています」
――個人的にアメリカやイスラエルに対して、どんな感情があるか。
「私は政治家ではなくファイターなので、その話題に触れるべきではないと思っています」
宮田P「シナ選手は、反則王というイメージがありますが、今年は世界平和をテーマに戦っていくと話していました。そこは色眼鏡で見ないで、イランのために戦っていくシナ選手を応援してください。シナ、反則しないよね?」
「大丈夫です!私は、ナイスガイです」
石井館長「やっと世界中に飛び立てる時期がきました。K-1が宝の山になる」
7月1日(火)東京・日本外国特派員協会にて記者会見を行い、K-1の宮田充プロデューサー、K-1創始者でありK-1アドバイザーの正道会館の石井和義館長、K-1海外事業部のヨムジンダー・ウォラドンが登壇し、K-1をインターナショナルイベントへ戻すことをあらためて強調した。
K-1は23年より新体制で『ReBIRTH(リバース=再生)』を掲げ、世界的に価値のある『K-1ブランド』を取り戻すことを宣言し、海外の強豪選手を招聘してきた。70kg級ではオウヤン・フェン、ストーヤン、ダリル・フェルドンク、カスペル・ムシンスキら海外強豪のスター選手たちを発掘し、90kg級ではリュウ・ツァーやティアン・ターザンなど世界トップクラスのファイターをK-1に集結させている。
世界へ向けた試合配信は、FIGHT SPORTSの親会社であるCSIスポーツとの長期的なグローバル放映権契約を締結。今年7月のK-1DONTAKUからK-1の番組を日本、フランス、スペイン、北欧・バルト諸国、シンガポール、インドネシア、韓国、フィリピンを含む40か国以上の国と地域で配信予定する予定だ。
ヨムジンダーは「昨年よりUdarTVでも、ロシアを含むユーラシア地域の6カ国においてK-1の放送が開始されております。K-1海外事業部では現在、PPV、OTTサービス、地上波テレビなど、さまざまなプラットフォームを通じて、グローバルな放送ネットワークの拡大に力を入れて取り組んでおります。CSI Sports社およびUdarTVとの提携に加え、現在、欧州、アメリカ、アジアの複数の新たなパートナー企業と協議が進んでおります」とさらなる拡大の可能性についてコメントした。
『K-1ブランド』の再構築について石井館長は「K-1はいよいよ生まれ変わり、世界に発信していきます。今までやらなかったのではなく、やれなかったんです。いろいろなものがすべて整備されて、ブランディングや放送権も戻ってきたので世界展開ができるようになりました。新生K-1が10年、K-1とKrushの2つのイベントで若い人を鍛えて育ててきました。その若い選手が、やっと世界中に飛び立てる時期がきました」と明かした。
そして石井館長は「これはスタンディングバウトではK-1にしかできないことです。1993年から2013年の約20年間、日本テレビ、フジテレビ、TBSで放映されてきたK-1は世界124カ国で放映されてきました。このブランド力、知名度があって初めてできること。ヨーロッパからアフリカ、アメリカ、アジア、格闘技が好きな人でK-1の名前を知らない人がいないくらい有名です。名前だけならばUFCと並ぶくらい有名です」とK-1ブランドが持つ影響力を説明した。
また、石井館長は国際オリンピック委員会(IOC)が認可してるキックボクシングの世界組織WAKOのアドバイザー兼日本代表理事を務めていることもあり、「世界126カ国、正式には146カ国の団体が加盟していますWAKOとうまく連携をしていけば、世界中の国々でK-1が行われるようになり、K-1を目指す選手が増えてきます」と付け加えた。
IOCからは「ぜひK-1ルールでやってほしい」と依頼があるといい、キックボクシングがオリンピック競技化することになれば、K-1ルールがよりスタンダードになると石井館長は語った。
さらに石井館長は「アマチュアとプロは表裏一体。一緒に伸びていかなければいけない。ただスタンディングバウトの伸び悩みの問題は、ずば抜けた最高峰の競技を行われる場がないこと。ぜひ、K-1で作り上げていただきたい。K-1は国際的なファイティングスポーツとして広まっていってほしい。サッカーのようになってほしい」と期待をかけた。
最近はキックボクサーがMMAや他競技に挑戦したり、海外の団体へ移籍することが増えてきたが「プロは大きなステージに立ちたいし、より大きなお金がほしい。それは当然だと思います。逆に言えば、K-1がそういう場になればいい。そのためには大きなお金を集めること。例えば100カ国で放送すれば、年間1億の放映権料が入る。スポンサー費用、グッズ、よりグローバルな企業が集まってくる。K-1が宝の山になるんです」とK-1が魅力ある団体になればいいと石井館長は力説する。
ONEチャンピオンシップについては「チャトリさんはよく頑張っていると思います。偉いなと思います。ぜひ、もっともっと頑張ってほしいです。キックもムエタイも、アジア発ですからね。あれだけ活躍してくれて、僕らも心強いです。それ以上の大きなマーケットを作ったのはK-1なので、楽しみにしてください。チャトリ、将来は一緒にやろうね」と石井館長は個人的な見解を述べた。
最後に石井館長から「K-1はランキングを作って、世界トーナメントに出てくるためのアジア予選、南米予選、そこで勝ち上がった選手しか出られないシステムを作ってほしい」との提案もあった。