UFC 12.7 ラスベガス:朝倉海「UFCのチャンピオンになるためのピースが今揃っている」×パントージャ「堀口恭司のおかげでファイターとしての考え方が変わった」大会生中継のU-NEXTが直前インタビュー
MARTIAL WORLD PRESENTS GYM VILLAGE
センチャイムエタイジム錦糸町
最強のムエタイで最高の“美Body”を目指す!初心者の方、女性の方、大歓迎。見学無料!
UFC 310: Pantoja vs. Asakura(12月7日(土/現地時間)米国ネバダ州ラスベガス:T-モバイルアリーナ)のメインイベント、UFCフライ級チャンピオンシップを控えたアレッシャンドリ・パントージャ(王者)と朝倉海(挑戦者)のインタビューが、大会を生中継するU-NEXTから届いた。U-NEXTでは月額2,189円の料金内で視聴できる。日本時間8日(日)朝7:30より配信がスタートする。
朝倉海「UFCのチャンピオンになるためのピースが今揃っている」
―― 試合まであと3日となりました。現在のコンディションはいかがですか?
海 減量はキツイというかまあ、お腹は空きますけど(苦笑)、いい感じに準備ができて、あとは体重落とすだけかなという感じです。
―― 減量もバッチリですか?
海 今回栄養士さんもついてくれて、体重、トレーニングを見てくれていたのでそこは心配していないですね。
―― この試合のために3週間前からラスベガス入りをされていましたが、どういった成果を得られましたか?
海 着いてからは多少時差ボケがあったので、少しゆっくりトレーニングを始めて。で、標高の違いとかもあるので、スタミナ面だったりを強化するための練習をたくさんしてきました。
―― それは、どのようなトレーニングですか?
海 毎日ダッシュ系のトレーニングだったり、あとは週に1、2回ガチスパーをやったり。説明するのがちょっと大変なのですけど、コーチが決めたトレーニングをやってきました。
―― 日本で試合に向けての取り組みは終えてきて、あとは調整をしていくというような感じだったのでしょうか。
海 まあそうですね。調整が多かったですけど。まあでも、こっちに入ってからも10日前くらいまでは本当に5分5ラウンドのスパーリングとかもやってましたし、本当にいい練習ができましたね。
―― 本日行われたUFCメディアデーの会見で「ラスベガスの街で声をかけられる」とおっしゃっていましたね。UFCファイターになったという実感が強く湧いていますか。
海 そうですね。今回メインイベントということもあって、UFC側もたくさんプロモーションをしてくれたこともあって、本当に買い物に行っているだけでも声をかけられるし、店員さんとかもみんな気づいてくれるし。やっぱりUFCの影響力はすごいと感じますし、Instagramのフォロワーも1日に3000人増えたり、本当に驚いています。注目度がすごいなっていう。
―― 試合を直前に控えた今改めて、パントージャという王者についてどのように思っていますか?
海 やっぱりUFCのチャンピオンだし、この階級で今6連勝中なので、すべてにおいて強い選手だと思いますね。
―― 試合のオッズはご覧になりましたか?大差で海選手がアンダードッグですが、それについて、何か思うところなどはありますか?
海 まあでもそれは当然の結果かなと思いますけど。やっぱり海外の人からすると僕の試合をほとんど見たことがないと思うので、初めて来た人がいきなりタイトル戦をやって、最強のチャンピオンに勝てるわけがないでしょっていうのが当たり前だと思うのですけど。まあ、なんだろ。僕からしたら「どうでもいい」というか。僕はやることをやって倒すだけだし、すごく自信があるので。普通に倒そうと思っています。
―― 先ほど、UFCファイターになってアメリカでの認知度が高まっているお話であったり、アンダードッグでもそれを跳ね返すというお話を伺った上で、ここで海選手が勝利しベルトを巻くことは、どれほどの影響を及ぼすと思いますか?
海 すごいことになるでしょうね。やっぱりこういう起爆剤のようなものが必要だと思うし、UFCフライ級にとっても、こういう新しい風が必要だと思うので、僕がそれをやる予定だし、自分ならできるって信じているので。それを3日後に試合で証明するだけですね。
―― UFC王者になることが、日本の格闘技も盛り上がることにつながるという意識や使命感も大きいですか。
海 もちろんそうです。日本人が世界のトップに立ったら日本中の格闘技も盛り上がると思うし、格闘技を始めたいって思う若い子も増えると思いますし、いいことが多いと思いますので。そういう意味でも絶対に勝たないといけないと思っています。
―― 試合に集中しているタイミングで伺うのは恐縮なのですが、ここでタイトルを獲得してから、次の野望は頭のなかで膨らんでいますか?
海 たくさん考えていることはあるのですけれど。パントージャは本当に強いチャンピオンなので、この試合に勝つことだけに集中し、フォーカスして頑張りたいと思います。
―― 実際の試合は、どのような展開になると思いますか?
海 うーん、まあやってみないとわからないですけど、とにかく僕は最後までKOを狙って、途中で絶対に倒し切りたいと思います。
―― この試合を通して、応援している方や支えてくれてきた方はもちろん、見ている人に伝えたいことは?
海 僕が今回一番伝えたいことは……、なんだろ、僕はもともと夢とか目標とか全くなくて。18歳の頃に兄貴(朝倉未来)に格闘技の世界に誘ってもらって、初めてUFCのチャンピオンになりたいという自分の夢ができて。そこからその夢に向かっていろいろ考えたり努力したり、いろいろなひとと協力して、その夢を叶えるために進んできているその人生がすごく豊かになっているので、だから「夢を持ったときに、それを願い続ければ叶うんだよ」っていうところを僕が証明したいし、そういう、夢を持つことで、みんなの人生がどんどん豊かになっていいものになっていくということを、僕がこの試合を通して伝えたいと思います。
―― それが、ご自身にとっての夢の実現であると同時に、他ならぬ世界一の舞台であるUFCの王座であるということには、大きな意味を感じていますか。
海 そうですね。UFCのチャンピオンになれば説得力が増すと思いますし、たくさんの人に勇気や希望を与えられると思うので。だから、必ず叶えたいと思います。
―― ここまで辿りつくために、エリー&ビリーコーチをはじめ、海選手は自分の手で環境を1から整えてきました。それ以前のキャリアも含めて、これまでの自分の選択や行動に手応えや自信を持っていますか?
海 そうですね。常に「UFCのチャンピオンになるためには何が必要か」ということを自分のなかで考えてきて、そのピースが今揃っているので。だから今回試合に勝てると思いますし、僕のために支えてくれる人たちみんなに感謝の気持ちを持って、勝つことで恩返しをできたらと思っています。
―― 最後に、U-NEXTを通して日本から応援するたくさんのファンの皆さんへメッセージをお願いします。
海 日本のみなさん、今回フライ級タイトルマッチに挑みます。本当にいい準備ができて絶好調で試合の日を迎えられると思いますので、ぜひU-NEXTで応援していただけると嬉しいです。必ず勝って、日本にベルトを持って帰りたいと思います!
アレッシャンドリ・パントージャ「堀口恭司のおかげでファイターとしての考え方が変わった」
―― 試合まであと3日となりました。現在の心境は?
パントージャ 素晴らしい気持ちだよ、日本の大スターで、とてもいいファイターの朝倉海と対戦できることにワクワクしてる、というか超ワクワクしてる!ああいう、優れた選手であり難敵と試合するのはエキサイティングなことだし、だからそういう瞬間をすごくハッピーに感じるんだよ。
―― 試合に向けてのトレーニングキャンプは充実していましたか?
パントージャ 最高だった!何しろ堀口恭司という素晴らしいファイターが自分の練習に協力してくれて、それに彼だけじゃなくて、自分のトレーニング人生において最高のメンバーがたくさん力を貸してくれた。ジム(ATT)にはたくさんのいい選手がいるけど、そのなかでもアドリアーノ・モラエスや元谷友貴たちに助けてもらえているなんて、最高だよね、完璧なトレーニングキャンプだったよ。
―― 今名前のあがったメンバーで言うと、長身のモラエス選手が朝倉海対策の役割を担っていたのですか?
パントージャ アドリアーノは柔術黒帯の優れたグラップラーであるっていうところが大きくて、フットワーク的には空手ベースの恭司のほうが朝倉海の対策だったと思う。それから、恭司と練習するっていうことは、より精神的な駆け引きの面で大きいんだ。やっぱり朝倉海に勝ちたいと思ったら、自分自身のメンタルをしっかり整えていなくてはいけなくて、彼をぶっ潰すんだっていう。そうすれば勝てるというようなね。
―― 堀口選手は海選手と二度対戦していますが、具体的にアドバイスをもらいましたか?
パントージャ 言葉で何かっていう感じじゃないかな。練習をとにかくたくさん一緒に積んできたなかで大事なことを伝えてくれているというか、つまり朝倉はいい選手だからリスペクトを持って臨むようにっていうことだ。恭司がどれほどいい選手か知っている俺としては、朝倉が堀口を倒した試合を見て、朝倉はすごくいい選手なんだと知ったわけだし、恭司が誰かにやられたとしたら、それをした相手はとてもデンジャラスだって感じるよね。
―― そんな堀口選手との練習はどのようなものですか?
パントージャ 恭司とのトレーニングがどんなかって?ぶっ飛ばしてやってるよ!なんてね、もちろんそれは冗談で、素晴らしいんだよ。すごくたくさんのことを学んだ。何より、恭司のおかげで俺のファイターとしての考え方はすっかり変わったんだよ。いかにしてポイントを取り、スコアが付いて、そしていかに勝つかを教わった。それに、とにかく感謝しかなくて、自分を助けてくれたときというのは、家族、子どもたちの面倒も見てくれて、恭司とても特別な存在なんだよ。
―― 朝倉対策として意識していたことは?
パントージャ ヒザはもちろんだけど朝倉は打撃のスペシャリストだからその点で警戒はもちろんしていて、それを踏まえても自分の勝負の鍵となるのはグラップリングだから、たくさんの練習を重ねた。
―― 打撃は朝倉選手の大きな武器ですが、パントージャ選手の方が武器の量自体が多いと思います。そのことがアドバンテージになると思っていますか。
パントージャ もちろん。自分がよりコンプリートファイターだし、自分が持っていきたい方向に試合運びができる、ゲームメイクできると思っている。自分は彼と打撃でやりあえて、さらにグラップリングがある。さらに、チャンピオンシップは5ラウンドあるということ。彼には5ラウンドマッチの経験がないから、その点も自分が優位だと思うし、その上で早期フィニッシュを狙いに行くつもりだ。
―― 今のお話を踏まえて、5ラウンド、ドロドロの試合に引きずりこむという考えはありますか?やはりおっしゃったように、とにかく早いラウンドで決着するように仕掛けていくのか。
パントージャ 自分はどっちもできるわけだから、5ラウンドまで行ったとすれば彼の功績を称えるという感じかな。だって、俺は最初からフィニッシュを狙っていくわけだから。俺がやりたいこと自体は、それだから。俺は、世界に誰がフライ級最強なのかを知らしめたいし、試合がどうなろうと絶対に自分はフィニッシュできると信じている。朝倉はバンタム級から落としてきたわけで、自分よりも大きく体が強い相手と戦うという挑戦こそ、俺がやりたかったことなんだ。
―― バンタム級から階級転向してくるという点で、どこまで朝倉選手がリカバリできるかなど、気になることはありますか?
パントージャ 彼のリカバリがすごくうまくいくとは考えないようにしている。彼に取ってタフな試合をしたいということを念頭においているのだけど、彼がバンタムから落としてくるということは自分より優れた状態になるとは思わないと言うか、むしろ大きい分だけ、落ちる、劣ると思っていて。そう言うふうに考えることが自分の勝利にとっては大事なことでもある。
―― ずばり、勝利にどれほどの自信を持っていますか。
パントージャ すごく自信がある。自信を持つと言うこと自体が、最も重要なことだから。その逆に、全ての対戦相手に対してリスペクトを捧げることもまた、勝利の大切なカギなんだ。全ての対戦相手にリスペクトがあるし、朝倉がどれほど素晴らしいかもちゃんとわかってる。それに俺が持つこのベルトを奪取するために、彼は自分が持っていたRIZINのベルトを手放したわけだ。UFCで戦うために、自分の手の中にあるベルトを返上するということは、もう失うものなど何もないだろう。そういうことが、人を危険な存在たらしめるんだよ。
―― 防衛戦に臨む=負けたら失うものがあるパントージャ選手にとって、全身全霊で守り抜きたいこのベルトの価値とは?UFC王者であるということの重みとはなんでしょうか。
パントージャ このベルト、UFC王者であることは俺にとって多くの意味を持っているんだ。戦う理由なんだ。自分自身が世界最高のファイターであるということを証明し、そのために人生を賭けて、そして機会を手にした。自分はそのポジションを手にし、ベルトを手にし、そして今再び機会を得ているということなんだ。だから日本のファンのみんなに、そんな自分を見せられるということはワクワクするよ。というのは、日本文化に対してとてもリスペクトがあるから。自分の根っこにある最初のディシプリン(=専門分野)は柔術なんだ。それはブラジリアン柔術ではあるけれども、柔術は日本から生まれたもの。そういう文化や信念というものに対して深い敬意を持っているし、それに全てのものに敬意を払おうというその姿勢、頭を下げ、目を見て戦いに臨む、そういう部分をすごく尊敬している。自分が行きたい場所のひとつなんだ。
―― パントージャ選手のバイオグラフィーを見ると、ご自身の強みとして「アグレッシブさ」のほかに、「家族」を挙げていますね。ファイターとして強さを語る上での、家族の存在の大きさとは?
パントージャ 文字通りになるけれど自分はアグレッシブな選手であり、それでいて、家族を大切にする人間だということなんだよね。家族は何があろうと自分の人生の全てだし、何よりも大切なんだ、家族が。妻と2人の子供がね。俺としてはもっと稼いで、もっと家族との時間を持ちたい。それこそが強さにつながるんだ。この試合に勝つことで、より家族との大切な時間を過ごせるようになるからなんだ。
―― 最後に、日本のファンにメッセージをお願いします。
パントージャ 日本のファンの皆さん、応援ありがとう。日本のスター選手である朝倉海と対戦できることを光栄に思うし、スーパーハッピーだよ!今回勝利してベルトを防衛して、日本のさいたまスーパーアリーナで試合ができたらいいな。UFCを日本からU-NEXTで見ててね。