RISE 6.17 幕張メッセ:那須川天心、ムエタイ強豪ロッタンに辛勝「試合に勝って勝負に負けた」
MARTIAL WORLD PRESENTS GYM VILLAGE
センチャイムエタイジム中野
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Cygames presents RISE 125
2018年6月17日(日) 千葉・幕張メッセ イベントホール
レポート&写真:久保与志
第15試合 メインイベント 初代RISE世界フェザー級(-57.15kg)王座決定戦 3分5R(無制限延長R)
○那須川天心(TARGET/Cygames/RISE&ISKAオリエンタルルール世界バンタム級(-55kg)王者/57.15kg)
×ロッタン・ジットムアンノン [Rodtang Jitmuangnon](タイ/ルンピニー認定スーパーフェザー級1位、ラジャダムナン同級1位/57.15kg)
6R 判定3-0 (秋谷10-9/和田10-9/長瀬10-9)
5R 判定0-1 (秋谷49-49/和田48-49/長瀬49-49)
※那須川が王者に
1R、ローの応酬から足払いでロッタンを転倒させる那須川。那須川が左ストレートをかすめると、ロッタンは「もっと打ってこい」とばかりに顎を叩いて挑発する。手数は少ないものの1Rからプレッシャーをかけてミドルを蹴っていくロッタンに、那須川は蹴り足をキャッチして左ストレートを狙う。記者採点は10-10のイーブン。
2R、那須川は右ミドル、ハイの高い蹴りには必ず左ストレートをリターンしていく。ロッタンはパンチを被弾しても全く動じず、ミドルとパンチで圧力を強め、中盤に入ると激しい打ち合いに。ロッタンは右ミドルとボディストレートで天心のステップワークを潰しにかかる。那須川はロープ際に詰まる場面が増え、打ち合いもいつもより近い距離での攻防が目立つ。記者採点はこのラウンドも10-10のイーブン。
3R、ロッタンのプレスがより一層強まり、右ミドルと左右のパンチでたたみかける。那須川は足を使って距離を取ると、手招きして挑発し、左ハイをもらっても全く効いた素振りを見せずまた挑発する。右ボディストレートと低めの右ミドルで連打をしかけると、那須川はタックルまがいの組み付きで凌ぐ。那須川はボディへの集中砲火でロープ際から中々抜け出せない状況に陥る。記者採点は9-10でロッタン。
4R、右ボディストレートから左フックをたたきこむロッタン。ボディへの攻撃は被弾してしまう那須川だが、左ストレートを入れながら上手く右サイドにサークルして3Rのようにロープに詰まることはなくなる。那須川は胴回し回転蹴りを狙うがこれはクリーンヒットせず。那須川が入り際に顔面への飛び膝を狙うと、ロッタンもお返しとばかりにボディにえぐい膝蹴りを突き刺す。那須川がローブローを訴えて小川レフェリーがタイムストップして回復の時間を取ると、ロッタンは「NO!」と怒りの表情を浮かべながらローブローはなかったとアピールする。再開後、那須川がカウンターで左ストレートを当てると、ロッタンはボディへの膝をリターン。那須川は蹴り足をキャッチして左ストレート、崩しを狙うがロッタンの圧力を封じるには至らず、ラウンド終了のゴングが鳴るとロッタンは雄たけびを上げる。記者採点は10-10、ここまでのトータルは39-40でロッタン。
5R、観客を煽るロッタン。本人はポイントリードを確信しているように見えるが、ムエタイのように流すことはせずにパンチの連打で前に出る。那須川もダッキングしながら左ストレートでこれに応戦してスリリングな打ち合いに。ロッタンは右ミドルで那須川を下がらせ、左右のパンチをボディに集中して那須川にロープを背負わせる。ラスト30秒は那須川は力を振り絞るように左ストレート、バックブローで挽回しようとするが、終了間際の左ハイはスウェーでかわされる。記者採点は9-10、トータルスコア48-50でロッタン。判定は1者が48-49でロッタンにつけるも、残り2者は49-49のドローで無制限Rの延長戦に突入する。
6R、ゴングと同時に猛然と出てくるロッタン。最初の1分は攻め続けるも、那須川が回転を意識したような軽めの連打を当てていくとやや失速。那須川が手数でやや上回る展開で終えるが、5Rまでの採点基準を考えると明確にポイントを取れたかは微妙なところ。記者採点は10-10のイーブン。延長判定は3-0、3者とも那須川を支持して新設されたRISE世界フェザー級の腰に巻いた。
辛うじて勝利した那須川はマイクを渡されると、「ロッタン選手は本当に強くて、試合に勝って勝負に負けたなと思いました。すいません。今の勝利は皆に勝たせてもらったなと本当に思います」と涙ながらにコメント。
試合後のインタビュースペースでは「1Rからどんどん当たってたので倒れるだろうと思ったんですけど、3Rに左手の拳を痛めてしまって」と負傷があったことを告白。ロッタンのタフさには「本当に打たれ強かったです。何でこんなに当てても倒れないんだろうと思いました」と舌を巻いた。本戦判定時に負けが頭をよぎったか?という質問には「気力で立っていた状態だったので何も考えられなかった。ドローになったこともあんまり覚えてないです」と意識が朦朧としていたことも明かし、「勝ったとはまだ実感できない。ロッタンとはまたいつかやることになると思う」とロッタンとの再戦も予感している様子だった。
惜敗したとはいえ、日本の神童を追い詰めファンに強烈なインパクトを残したロッタン。那須川が望んで実現するRIZIN世界キックトーナメントが、榊原信行RIZIN実行委員長の発言どおり“立ち技最強”を決めるトーナメントになるのならば、この男の存在は必要不可欠ではないだろうか。
※セミファイナル以下の試合のレポート&写真は別ページに掲載しています。
第14試合 セミファイナル 第3代RISEフェザー級(-57.5kg)王座決定トーナメント決勝 3分5R(無制限延長R)
×森本“狂犬”義久(BRING IT ONパラエストラAKK/RISE 1位/57.2kg)
○工藤政英(新宿レフティージム/RISE 2位/57.4kg)
6R 判定0-3 (8-10/8-10/8-10)
5R 判定0-1 (47-49/48-48/48-48)
※3R右フックで工藤にダウン1、6R右クロスで森本にダウン1
※工藤が王者に
第13試合 Road to RIZIN KICK Tournament 決勝 -58kg契約 3分3R(延長1R)
×宮崎就斗(TARGET/RISEフェザー級(-57.5kg)5位/57.95kg)
○原口健飛(Kick Lab/新空手JAPAN CUP 2017 -57kgトーナメント優勝/57.9kg)
判定0-3 (27-30/27-30/27-30)
※3Rかかと落としで宮崎にダウン1
※原口が優勝
第12試合 -62kg契約 3分3R(延長1R)
○イ・チャンヒョン [チャンヒョン・リー](韓国/RAON/RISEスーパーフェザー級(-60kg)王者/61.8kg)
×町田 光(橋本道場/WPMF世界スーパーフェザー級王者、REBELS 60kg級王者/61.9kg)
判定3-0 (30-29/30-28/30-28)
第11試合 -90kg契約 3分3R(延長1R)
×清水賢吾(極真会館/RISE&シュートボクシング日本ヘビー級王者/90.0kg)
○バダ・フェルダオス [Bader Ferdaous](オランダ/ドージョー・ピーター・アーツ/88.0kg)
3R 2’52” KO (パンチ連打)
第10試合 スーパーフェザー級(-60kg) 3分3R(延長1R)
×野辺広大(RISE ON/INSPIRIT/RISE 1位、元王者/59.9kg)
○裕樹(ANCHOR GYM/RISE 2位、元同級・ライト級・スーパーライト級王者/59.7kg)
4R 1’20” KO (左ローキック)
3R 判定1-0(29-29/30-29/29-29)
第9試合 -67kg契約 3分3R
○HIROYA(TRY HARD GYM/元Krushスーパー・ライト級(-65kg)王者/67.0kg)
×高谷裕之(FIGHT FARM/パンクラス・フェザー級(-65.8kg)6位、元DREAMフェザー級(-65kg)王者/66.9kg)
3R 0’59” KO (右ストレート)
第8試合 ミドル級(-70kg) 3分3R(延長1R)
○イ・ソンヒョン(韓国/RAON/元RISEライト級(-63kg)王者/69.5kg)
×松倉信太郎(TRY HARD GYM/70.0kg)
4R 判定3-0 (10-9/10-9/10-9)
3R 判定1-0 (29-29/29-28/29-29)
第7試合 -68kg契約 3分3R(延長1R)
○“ブラックパンサー”ベイノア(極真会館/RISEウェルター級(-67.5kg)2位、J-NETWORKウェルター級王者、極真会館全日本ウェイト制軽量級2018優勝/67.7kg)
×ヤン・ジンファン(韓国/Team Hon/韓国世界キックボクシング-65kg級王者/66.1kg)
1R 2’18” KO (右飛び膝蹴り)
第6試合 スーパーフェザー級(-60kg) 3分3R(延長1R)
×一馬(MONSTAR GYM/RISE 4位/60kg)
○白鳥大珠(TEAM TEPPEN/元WPMF日本スーパーフェザー級王者/60kg)
1R 2’59” KO (左ストレート)
第5試合 Road to RIZIN KICK Tournament 一回戦 -58kg契約 3分3R(延長1R)
×MOMOTARO(OGUNI GYM/WBCムエタイ・インターナショナル・フェザー級王者、RISE DoA -57kg ’17準優勝/57.9kg)
○原口健飛(Kick Lab/新空手JAPAN CUP 2017 -57kgトーナメント優勝/57.9kg)
判定0-3 (29-30/29-30/29-30)
第4試合 Road to RIZIN KICK Tournament 一回戦 -58kg契約 3分3R(延長1R)
○宮崎就斗(TARGET/RISEフェザー級(-57.5kg)5位/57.95kg)
×藤田大和(リバーサルジム新宿Me,We/アマボクシング全日本選手権’11バンタム級(-56kg)優勝/58.0kg)
判定3-0 (30-25/30-25/30-25)
※2、3Rにそれぞれ左ローで藤田にダウン1
第3試合 -58kg契約 3分3R(延長1R)
○篠塚辰樹(TEAM TEPPEN/RISEフェザー級(-57.5kg)6位/58.0kg)
×半澤信也(トイカツ道場/J-NETWORKフェザー級10位/57.95kg)
3R 2’33” KO (左フック)
第2試合 -53kg契約 3分3R
×奥脇一哉(はまっこムエタイジム/元REBELS-MUAYTHAIフライ級王者/53.0kg)
○金子 梓(新宿レフティージム/53.0kg)
判定0-2 (29-29/29-30/29-30)
第1試合 女子-46kg契約 3分3R
×佐藤レイナ(team AKATSUKI/NJKFミネルヴァ アトム級2位/45.8kg)
○那須川梨々(TEAM TEPPEN/2017年KAMINARIMON女子Bクラストーナメント-45kg級優勝/45.9kg)
判定0-3 (29-30/28-30/27-30)
※セミファイナル以下の試合のレポート&写真は別ページに掲載しています。