ムエタイ 2.22 ルンピニー:福田海斗、現役ランカー・サックシーに惜敗
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Ture4U スック・ムエマンワンスック+ティーディット99
2019年2月22日(金)タイ・バンコク・ルンピニースタジアム
記事提供:MuayThai Super Fight
True4U メインイベント 116ポンド契約 3分5R
〇サックシー・ギャットムー9(タイ/ルンピニー認定スーパーフライ級8位、ラジャダムナン認定フライ級7位)
×カイト・ウォーワンチャイ[福田海斗](キング・ムエ/True4Uスーパーフライ級王者、元プロムエタイ協会フライ級王者)
判定3-0 (49-48/49-48/49-48)
タイで活躍を続ける福田海斗がメインイベントに登場、現役ランカーのサックシー・ギャットムー9と対戦。一進一退の攻防であったが、福田が僅差の判定負けを喫した。
この試合は現在開催中の「True4U スーパーフライ級CPトーナメント」の準決勝進出の最後の一枠をかけた、両者とも負けられない試合で、TV中継のメインイベントということで注目された一戦となった。試合前の賭け率は5-4でサックシーがわずかにリードしていた。
試合は第2ラウンドから動き、左右ローを中心として福田がテンポよく攻める。サックシーはロープを背負い前蹴りで牽制。なおもプレッシャーをかけてくる福田に対しカウンターの右ヒジを振るい、福田の顔面を脅かす。終盤、福田の右ストレートの引き際に鋭い右ヒジ一閃、福田が左目上をカットしてしまう。このラウンド終了時で7-4と依然サックシーがリード。
第3ラウンド、サックシーは得意の右ミドルで先制するが福田はキャッチしてパンチにつなぐ。そして首相撲へ。サックシーは脇を固め福田の内側をロックし良い体勢、福田はやや不利な体勢ながらも外側からがっちりとロックしサックシーにチャンスを与えない。離れると福田が左ボディ、そして飛び込んでの左ヒザ!一瞬サックシーの動きが止まり後退。そのチャンスを見逃さず福田は縦ヒジ。サックシーは後退しつつ右ミドル、そして首相撲で福田の動きを遮断。このラウンド終了時で3-1と賭け率は依然としてサックシーリードだが、十分福田も逆転可能な差であり、勝敗は第4ラウンドの動きに委ねられた。
そしてその第4ラウンド、ボディへのパンチを中心に前に出て攻め立てる福田に対し、サックシーはロープを背負ってカウンター攻撃、有利な賭け率を守る際の動きだ。時折飛び込んでの左ヒザを当てるものの、首相撲で動きを封じられてしまい良い体勢を作れない福田。特に攻撃をクリーンヒットさせたわけではないものの、福田が得意とする首相撲を封じられたというだけで賭け率がサックシーへ流れてしまい、30-1まで賭け率が開いてしまった。
しかし、まだ福田に期待するギャンブラーもおり「お前が勝ったら20万バーツ(約70万円)のチップだ!」との声がかかる。これは福田に賭けているギャンブラーが20万バーツをチップと渡す意思表示をして奮起を促し、このまま福田が負けて賭け金を失うよりはマシだという、いわゆる“注射”という行為である。わずかながら逆転の可能性が残っている場合に行われるが、現役ランカー相手に“注射”が入るというのも福田ならではの出来事だろう。
最終ラウンド、勢いよく飛びだしボディブローを中心にパンチで猛攻をかける福田。サックシーがズルズルと後退するも、ディフェンスに徹するサックシーからダウンを奪うことはできず、ここでゴング。僅差ながら福田は判定負けを喫してしまった。
判定負けとなった福田だが、関係者は皆口々に「賭けの流れに負けただけだよ」と話し福田の試合に高評価を与えた。あらためてランカークラスの実力を示したことは間違いなさそうだ。「CPトーナメント」は敗退となってしまったが、次戦も強豪との対戦が組まれるであろう。飽くなき挑戦を続ける福田の今後の巻き返しに期待しよう。