ONE Championship 8.2 マニラ AbemaTVで生中継:ONE王座初挑戦の松嶋こよみ「どれだけ相手の気持ちを折れるか」
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デメトリアス・ジョンソン、エディ・アルバレス、ロッタン・ジットムアンノンら世界のトップ選手が揃い、日本から和田竜光、岡見勇信ら6選手が参戦するONE Championship「ONE: DAWN OF HEROES」(8月2日(金) フィリピン・マニラ:モール・オブ・アジア・アリーナ)。そのメインイベントに登場するのが松嶋こよみ(パンクラスイズム横浜)だ。若松はマーチン・ヌグエン(ニューイェンやウィンとも表記する)の持つONEフェザー級王座に挑戦する。
松嶋はパンクラスの王座戦線で活躍後、昨年9月にONEに初参戦し、元ONE同級王者のマラット・ガフロフに1R KO勝ち。続く6月15日の上海大会でクォン・ウォンイルを寝技で封じ判定勝ちし、ONE 3戦目で早くも王座奪取のチャンスが巡って来た。
王者のヌグエンは4月のマニラ大会でジャダンバ・ナラントンガラグに2R KO勝ちして以来の王座防衛戦。昨年5月には後に青木真也にTKO勝ちするクリスチャン・リーの挑戦も退け、過去にはライト級との2階級同時制覇も達成したことのある、ONEを代表する選手の一人だ。
強敵相手に、松嶋の描くファイトプランは? AbemaTVでの8月2日(金)午後6時からの生中継に注目だ。(取材&写真:井原芳徳)
――インタビュー収録は大会2週間前ですが、今の練習状況はいかがですか?
松嶋「チャンピオンシップはいつもの3Rよりも長い5Rなので、それに合わせた体力作りをしないといけないので、疲労は溜まっていますけど、充実した練習はできていると思います」
――6月15日の上海大会ではクォン・ウォンイルを寝技で封じ判定勝ちしました。改めて振り返っていかがですか?
松嶋「9か月試合が空いて、準備期間がたくさんあって、やりたいことがあり過ぎて、逆に出し切れなかったかなってところもあるんですけど、その中でもレスリングを徹底して戦えた部分では、良かったのかなと思っています」
――試合前のインタビューでは「KOするかしないかより、勝たなきゃいけない試合」と話されていました。
松嶋「そうですね。現地に着いてから、凄い調子が良かったので、できることを考え出すと、もっと動けるって気持ちが強くなり過ぎましたね。試合では相手の打撃が少し効いてしまった部分がありました。そこで一回気持ちを仕切り直して、レスリングに集中した展開でした。あそこでもらって、気持ちで打ちに行っても、やられていたと思うので、しっかり勝ちに行けたかなと思っています」
――ラウンドのインターバル中、師匠の北岡悟さんからはアドバイスがありましたか?
松嶋「『テイクダウン後の処理をもっと早くして行こう』という話があったんですけど、ウォンイル選手が立つのが上手で、やりにくかったです。その辺も改善点の一つです」
――9カ月ぶりの試合で、緊張は無かったですか?
松嶋「今回は全然緊張する感じも無くて、今までで一番落ち着いている状態で、『こんなに落ち着いていて大丈夫かな』って逆に心配になるぐらいでした」
――ONEでの試合を重ね、減量やルール対応も慣れた感じもありますか?
松嶋「自分に合っていると思うので、減量を気にせず、試合だけに集中できていて、これがいい方向につながれば、もっと力を出せると思っています」
――ウォンイル戦から1か月半しかなく、試合間隔が短いですけど、今回のチャンピオンシップのオファーをもらった時の気持ちは?
松嶋「次すぐにタイトルに挑戦できるとは思っていなかったので、オファーが来た時はビックリしたんですけど、このチャンスを逃したら次いつ挑戦できるかわからないですし、ONEにも強い選手が山ほどいるので、やるしかないなと思いました」
――前回のダメージは無かった?
松嶋「そうですね。怪我も痛いところも無く、帰って来てちょっと休んで、すぐ練習再開して、オファーをもらった時は練習していました」
――過去にこんなに短かったことは?
松嶋「デビューした時は試合が多かったですけど、2カ月か2カ月半ぐらいの間隔でしたね。これほど短いのは初です」
――今回の相手のヌグエンの印象は?
松嶋「僕が初めてONEの試合を観に行ったのが、ニューウェンとクリスチャン・リーの試合で(上動画)、このレベルでどうやって戦っていけばいいんだろうと思って見ていたのが、その選手と戦うことになって、『もう来たか』って感じがします。凄い強いのは間違いないですし、みんな怖がる一発を持っている選手で、戦うことで僕の成長にもつながるかなと思っています」
――ガフロフ戦の右のオーバーハンドフックとか、ナラントンガラグ戦の飛び膝のフィニッシュの前の右のカーフキック(スネを狙ったローキック。上動画)とかは凄いですよね。
松嶋「クリスチャン戦もカーフキックで歩けないぐらい効かされていて、怖いっちゃ怖いですけど、怖い選手はいっぱいいるので。正直、ガフロフの時のほうが怖かったんで(苦笑)。それに比べたら気持ちは楽ですけど」
――どういった対策練習をしていますか?
松嶋「オーバーハンドもカーフ蹴りも、マモルさんと試行錯誤を繰り返して対策を考えて、スパーリングで川村(亮)さんと試して、それを繰り返して作っている感じです。もらわないのが一番ですけど、もらってしまうタイミングは5分5Rもあれば必ずあると思うので、その中でどう戦うかも意識しながら練習しています」
――グラウンドでは裸絞めやスタンドのギロチンで勝ったりもしていますね。
松嶋「全部を意識すると準備が間に合わないので。倒したらしっかり上になる。立つのも上手なので、立たせないで上の時間をどれだけ作れるかですね。それが直接ポイントにつながるかよりも、どれだけ相手の気持ちを折れるかを意識して戦いたいです」
――5Rありますから、中盤以降、お互いの体力や気持ちが削られたところが勝負所かもしれませんね。具体的に5Rに合わせてどういう練習をしていますか?
松嶋「(体の大きい)川村さんとのスパーリングで、圧を多めにかけてもらったり、走り込みも今までの倍近くしたり、体力が途切れないで戦う準備をしています」
――短期決着の可能性は?
松嶋「短い時間で殴り倒せるかと言ったら、たぶんそんなに甘くは無いと思いますね。もちろんチャンスがあれば絶対逃さないように戦おうとは思いますけど。5分5R、25分走り切るつもりで、体力も気持ちも作らないといけないので」
――今回は完全なアウェーです。
松嶋「そこはあまり気にならないですね。昔、カナダで試合した時も超ブーイングの中で試合したので、普通に戦えると思います」
――凄いカードが並んだ中でメインということに、うれしさはありますか?
松嶋「というより、これメインで大丈夫なの?って(笑)。だからこそ、ここで勝ったらおいしいですよね。UFCの元チャンピオン2人(DJとアルバレス)が自分より前に試合して、メインで勝ったら、先につながると思うので何が何でも勝ちたいです」
――セコンドにつく北岡さんもRIZINの試合が近くて、ジムの選手のケアでも忙しそうですよね。
松嶋「今月もFighting NEXUS、パンクラス、アマチュアの試合もあって、北岡さんも試合があって。北岡さんの試合の次の日には出発なので、ハードスケジュールですけど、一緒に集中して練習ができていると思うので」(※北岡も29日に一緒にマニラに行く予定だったが、28日の試合でダメージを負ったため、北岡の出発は31日に変更となった)
――頑張っている姿を横で見ていると気が抜けないと。
松嶋「本当、その中でも凄い練習量なので、自分が北岡さんより練習してないのはおかしいだろと思いながら走り込みとかを一緒にやっています。いい環境になって行っていると思います」
――最後にBOUTREVIEWの読者、AbemaTVの視聴者に向けてのアピールがございましたらお願いいたします。
松嶋「今できる全力をマニラで25分間ぶつけてきたいと思うので、そういう部分を応援してもらえたらありがたいです。よろしくお願いします」
対戦カード
第15試合 メインイベント ONE MMA フェザー級(70.3kg)チャンピオンシップ 5分5R
マーチン・ヌグエン[ニューイェン/ウィン/Martin Nguyen](ベトナム/オーストラリア/王者)
松嶋こよみ(パンクラスイズム横浜/挑戦者)
第14試合 ONE ムエタイ フライ級(61.2kg)チャンピオンシップ(肘有り・オープンフィンガーグローブ着用) 3分5R
ジョナサン・ハガティー(英国/王者)
ロッタン・ジットムアンノン(タイ/挑戦者、元ルンピニー認定スーパーフェザー級1位、元ラジャダムナン同級1位)
第13試合 MMA ライト級(77.1kg)GP 準決勝 5分3R
エドゥアルド・フォラヤン(フィリピン/元ONE王者)
エディ・アルバレス(米国/元UFC&ベラトール王者)
第12試合 MMA フライ級(61.2kg)GP 準決勝 5分3R
デメトリアス・ジョンソン(米国/元UFC王者)
和田竜光(フリー/DEEP王者)
第11試合 MMA フライ級(61.2kg)GP 準決勝 5分3R
ダニー・キンガド(フィリピン)
リース・マクラーレン(オーストラリア)
第10試合 ムエタイ バンタム級(65.8kg)(肘有り・オープンフィンガーグローブ着用) 3分3R
ロートレック・PKセンチャイムエタイジム(タイ)
アンドリュー・ミラー[Andrew Miller](英国)
(以下プレリム。以上は本戦。本戦開幕式は21:30から)
第9試合 MMA フライ級(61.2kg)GP リザーブバウト 5分3R
ジェヘ・ユスタキオ(フィリピン/元ONE王者)
若松佑弥(TRIBE TOKYO M.M.A/パンクラス2位)
第8試合 MMA ヘビー級 5分3R
マウロ・セリーリ(イタリア)
アルジャン・ブラー [Arjan Bhullar](インド)
第7試合 ライト級(77.1kg) 5分3R
ホノリオ・バナリオ(フィリピン/元ONE王者)
パク・デソン(韓国)
第6試合 MMA バンタム級(65.8kg) 5分3R
レアンドロ・イッサ(ブラジル)
竹中大地(パラエストラ和泉)
第5試合 MMA ウェルター級(83.9kg) 5分3R
ジェームズ・ナカシマ[James Nakashima](米国)
岡見勇信(EXFIGHT)
第4試合 MMA フェザー級(70.3kg) 5分3R
エドゥアルド・ケリー(フィリピン)
シャ・ビン[Xie Bin](中国)
第3試合 MMA ストロー級(56.7kg) 5分3R
ポンシリ・ミッサティット(タイ)
ミャオ・リータオ [Miao Li Tao](中国)
第2試合 MMA 女子ストロー級(56.7kg) 5分3R
サマラ・サントス[Samara Santos](ブラジル)
三浦彩佳(TRIBE TOKYO M.M.A/パンクラス2位)
第1試合 MMA バンタム級(65.8kg) 5分3R
スノト(インドネシア)
ムハマド・アイマン(マレーシア)