第1試合 |
○ |
美濃輪 育久 |
セコンド:柳澤龍志、他??? |
× |
ステファン・レコ |
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3R(10/5/5) 1R 0:27 |
踵固め |
※ 2年連続大晦日のオープニングマッチに抜擢された美濃輪。どれだけPRIDEの期待とファンのニーズが高いかが伝わってくる。
ゴングが鳴るや美濃輪のドロップキックが飛び出す!
これを冷静に対処したレコだが、美濃輪の側転タックルから足をとられると、倒れまいとロープをつかむが
レフェリー団にそれを注意されロープから手を離した途端、踵固めが極まってギブアップ!
「これぞ美濃輪育久!」という常人離れした闘い方と勝利で、史上最も盛り上がった総合格闘技大会のオープニングマッチを飾ってくれた。
反面、レコは安易にロープをつかんだり、簡単に踵固めを極められるなど、総合に対する取り組みに疑問が残った。 |
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第2試合 |
× |
ジャイアント・シルバ |
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○ |
チェ・ム・べ |
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3R(10/5/5) 1R 5:47 |
肩固め |
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第3試合 |
× |
安生 洋二 |
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○ |
ハイアン・グレイシー |
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3R(10/5/5) 1R 8:33 |
腕ひしぎ十字固め |
※ 安生にとって、日本プロレスファンにとって、日本格闘技界にとって因縁の一戦とも言える。
しかしながら、総合の実戦から遠ざかっている安生が実力者ハイアンにどこまで対応できるのか疑問の一戦でもあった。
試合までの背景にはU系ファンに涙物の物語があったが、試合になると何もさせてもらえない安生という現実が待ち受けていた。
安生もそれなりの対応を見せてはいたものの防戦一方で、最終的には逆十字を180度以上に極められギブアップを余儀なくされる。 |
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第4試合 |
○ |
長南 亮 |
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× |
アンデウソン・シウバ |
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3R(10/5/5) 3R 3:08 |
ヒールホールド |
※ 3Rまで互いに積極的な一進一退の攻防が繰り広げられる中、突然長南が切り札で勝負にかかる。
なんとスライディングでカニバサミを成功させると、そのまま踵固めをかける。
一瞬のことで不意をつかれたアンデウソンはたまらずタップアウト。 |
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第5試合 |
○ |
瀧本 誠 |
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× |
戦闘竜 |
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3R(10/5/5) |
判定 3-0 |
※ 30kgを超える体重差にも関わらず、打撃での勝負も辞さず、組み付いては華麗な柔道技でテイクダウンを奪う瀧本。
しかしテイクダウンを奪うも体重差が仇となり、寝技で極めきるまでは行かず判定勝負となった。
結果瀧本はPRIDEでも通用する適正と勝負根性を見せ、戦闘竜は20分をなんとか闘えるというスタミナを見せてくれた。 |
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第6試合 |
× |
吉田 秀彦 |
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○ |
ルーロン・ガードナー |
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3R(10/5/5) |
判定 3-0 |
※ 6月のマーク・ハント戦に続き未知なる強豪をぶつけられた吉田。
ガードナーに関する情報が乏しく、実際に闘うまで経歴と体格から「第二のマット・ガファリ?」という評価があった。
スタミナがほとんど無いだろうガードナーに対し、いかに時間を切らしスタミナが切れたところで吉田が寝技で料理するかが見所だった。
しかし、いざ蓋を開けてみると、その予想は全く覆されてしまう。
レスリング出身とは思えないパンチと、巨体からは全く想像できないスタミナで終始吉田を圧倒し続けたのだ。
ヒョードル、ノゲイラをも脅かすかも知れない存在が登場した瞬間だった。 |
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第7試合 |
○ |
ミルコ・クロコップ |
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× |
ケビン・ランデルマン |
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3R(10/5/5) 1R 0:41 |
フロントチョーク |
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第8試合 |
× |
近藤 有己 |
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○ |
ダン・ヘンダーソン |
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3R(10/5/5) |
判定 2-1 |
※ 試合後の情報によるとインフルエンザにかかった状態で参戦したヘンダーソン。
確かに、時折両膝に両手をつき中腰のようになる場面が何度か見られたが、
それ以外はそんなハンディを負ってるとは思わせなかったのは素晴らしい精神力だ。
勿論、試合に向けて体調管理が完全でなかったこと自体は褒められはしないが。
試合は判定となり誰もが近藤の勝利を予想しただろうが、なんとスプリットでヘンダーソンの手が挙げられた。
この日はFIRA(国際レスリング連盟)の理事長が会場に来賓しており、
目玉のガードナーとヘンダーソンが同じチーム・クエストで練習をしていることと、
ヘンダーソン自身もレスリングアメリカ五輪代表ということでレスリングに肩入れした判定をしたのではないか、
と噂されても仕方がない結果だった。 |
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第9試合 |
○ |
五味 隆典 |
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× |
ジェンス・パルヴァー |
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3R(10/5/5) 1R 6:21 |
KO 左アッパーからパウンド |
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第10試合 |
× |
ヴァンダレイ・シウバ |
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○ |
マーク・ハント |
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3R(10/5/5) |
判定 2-1 |
※ PRIDEで無敗を誇るミドル級絶対王者シウバの前に危険な相手が現れた。
この一戦は当初、「4度目は無い」と言われていた桜庭との4回目の対決が予定されていたのだが、
桜庭の怪我により急遽ハントが代役として参戦。
ハントは大晦日に向け菊田早苗との対決を打診されていたが、右足首の怪我を理由に回避していた筈にも関わらずの参戦だった。
結果から言うと、この試合も第8試合同様、不透明な判定決着となった。
2R、ハントがシウバをKO寸前まで追い込む場面があったためハント優勢でも仕方無いとの意見もあるかも知れないが、
明らかにシウバが優勢である試合内容だった。
それを証明するのが以下の通りの客観的事実で、
各ラウンドの支配時間(相手に何もさせず自分だけが攻撃した時間)と
与えた打撃の強度(3段階に分け、
@はKOには全く関係無いがダメージを負わせた打撃、
AはKOには至らないがかなりのダメージを負わせた打撃、
BはKO寸前のダメージを負わせた打撃)とテイクダウン(至ったポジション)の回数を記載している。
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シウバ |
ハント |
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シウバ |
ハント |
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シウバ |
ハント |
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シウバ |
ハント |
支配時間 |
1R |
3分48秒 |
11秒 |
2R |
1分58秒 |
1分13秒 |
3R |
4分1秒 |
0秒 |
計 |
9分47秒 |
1分24秒 |
@ |
立 2、寝 46 |
立 4、寝 28 |
立 0、寝 42 |
立 0、寝 4 |
立 1、寝 38 |
立 1、寝 5 |
立 3、寝 126 |
立 5、寝 37 |
A |
立 1、寝8 |
立 0、寝3 |
立 0、寝 1 |
立 1、寝 7 |
立 1、寝 0 |
立 2、寝 0 |
立 2、寝 9 |
立 3、寝 10 |
B |
なし |
立 1 |
なし |
立 2、寝 0 |
なし |
なし |
なし |
立 3、寝 0 |
テイクダウン |
ハーフガード1回
サイドポジション1回
テイクダウンのみ1回 |
なし |
マウントポジション1回 |
なし |
ハーフガード1回
ガードポジション1回 |
なし |
ハーフガード2回
ガードポジション1回
マウントポジション1回
サイドポジション1回
テイクダウンのみ1回 |
なし |
2Rがハントにとって唯一勝機のあった場面であったが、
シウバは朦朧としながらも冷静にガードポジションで防ぎながらハントにはほとんど何もさせず体力回復に成功している。
グラウンドでハントはただただ防御しかできず、3Rにいたってはスタミナが無くなり全く何もできずイエローカードまで出された始末だ。
これだけの事実にも関わらず、ハントが判定勝利というのはどう考えても納得できるものではない。
今後このような不当な判定結果が出ないように、
判定員を増やすか、判定基準を明確にし判定結果を明示するなど何らかの対処をして欲しい。 |
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第11試合 |
○ |
エメリヤーエンコ・ヒョードル |
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× |
アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラ |
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3R(10/5/5) |
判定 3-0 |
※ 決して長くはない総合格闘技の歴史だが、その歴史の中において最もレベルの高い一戦であった。
実力が拮抗しているため互いに決定的な場面こそ無かったが、
流れるような美しい攻防もあれば、ジェットコースターのようにとめどなく流れる激しい攻防もあった。
世界一、二を争うコンプリートファイター同士の戦いは2004年を締めくくるに相応しい世紀の一戦となった。 |
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