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(レポ&写真) [ケージフォース] 11.25 ディファ:光岡・井上快勝

GCMコミュニケーション "CAGE FORCE(ケージフォース)01"
2006年11月25日(土) 東京・ディファ有明

  レポート&写真:井原芳徳  【→カード紹介記事】 【→掲示板スレッド】

  ※大会の模様は12/31午前1:30よりテレビ東京にて放映予定



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 宇野薫が試合場の真ん中でマイクを持つ。それはいつも何か特別なことの始まりを予感させる。
 日本で唯一定期開催されているケージ使用の総合大会「D.O.G」が、今大会より「ケージフォース」に名を変えた。名付け親は宇野薫。さらに大会主催のGCMは海外のケージ使用大会と提携し、WWCN(ワールドワイド・ケージネットワーク)を結成した。
 ケージフォースのロゴの描かれた白いTシャツを着用した宇野は、第1試合開始前にオクタゴンの中に立ち、「WWCNから、UFC、HERO'S、PRIDE、PRIDE武士道といったビッグプロモーションで活躍する選手が出てくると思う」と話した。

 HERO'Sでは“総合格闘技のパイオニア”というキャッチフレーズが定着した宇野。これからは一ファイターとしてだけではなく、後進の指導、大会のプロデュースにおいても“パイオニア”となりそうだ。
 大会後の共同インタビューで宇野は「テレビの解説でUFCを見ていて、最新の技術がわかるので、選手に教えていきたい。距離によって肘とパンチを使い分けるのがうまい人はうまい」と話し、ルール面や演出面についても「まだまだ色々できることがある。半分了解ごとのようになっていることも崩したい。省ける物、入れたらいい物、色々あると思う。やっている人間から運営に伝えれば、もっと活性化する」と語った。

 6年前の修斗王座返上表明3年前の修斗復帰表明の時ような、衝撃的な表明はこの日の宇野の口からは聞けなかった。しかし、これからきっと何かが起こる。宇野の言葉の端々からは、確かな“力(フォース)”が感じられた。

第9試合 フェザー級 肘有り 5分3R
×中原太陽(和術慧舟會GODS)
○エイドリアン・パン(オーストラリア/フェアテックス・インテグレーテッド・マーシャルアーツ)
3R 2'00" 三角絞め


 1Rのバッティングで中原はまぶたを軽く切り、パンは減点1。中原はローの打ち合いで優位に立ち、パンチをかわしてテイクダウンに成功するなど、1Rはやや優勢だった。
 だが過去に慧舟會勢2人と戦っているパンは、トレーナーから寝技をみっちり叩き込まれたといい準備万端。2Rからは中原の再三のタックルを切るようになり、上からパウンドを落とし主導権。スタンドでもパンチが当たり出す。
 3Rには中原のタックルを切ってギロチン。これは失敗したものの、中原が下から足関を狙い、リバーサルに成功すると、そのカウンターでパンが三角絞めを仕掛け見事一本勝ちをおさめた。
 中原は3連敗に。とはいえ全て実力者の外国人との戦い。楽に勝てる試合はやっていない。大会後、宇野は中原の肘打ちについて「金網に押しつけ、斜め45度で出せてた」と話し、自身の指導を活かす場面があったことを評価していた。
 なかなか昇らない太陽だが、沈んだままでは終わらない。敗戦の悔しさと新たな技術を糧に、来年再浮上してくれることを期待しよう。

第8試合 ライト級 肘有り 5分3R
○光岡映二(和術慧舟會RJW)
×ダニロ・カルドゾ・ザノリニ (ブラジル/ブラジリアン・タイ)
1R 1'23" 腕ひしぎ十字固め


 開始すぐ、光岡がタックルに行ったところ、ザノリニのギロチンにつかまる。だが光岡は落ち着いて引き抜くと、マウントを奪取。腕十字をきっちり極め、逆転勝利を果たした。
 光岡は「(2月のMARSで)シャオリンに負けた後、練習で秋山(成勲)さんに肋骨を折られて、今年はどうなるかと思いましたが、(9月のD.O.Gに続き)2試合連続で一本勝ちすることができた。来年は日本人もいいし、海外にも出ていきたい」とマイクで語った。

 PRIDE武士道、HERO'Sの盛り上がりといった、近年の時流に乗れなかった感のある光岡だが、実力の高さは多くの人が認めるところ。大会後、宇野は「ケージフォースで70kgトーナメントをやれると面白いと思った。光岡には70kgを盛り上げて欲しい」と、期待を寄せる発言をしていた。来年はチャンスが巡ってきそうな気配だ。
 宇野はさらに、70kgトーナメントを開催する場合に出場して欲しい選手として、英国のケージウォリアーズのトーナメントを制した鹿又智成、この日活躍した美木航、さらにD.O.G参戦経験のある遠藤雄介、吉田幸治らの名を上げたが、「名前が上がっていない人でもどんどん名乗り出て欲しい」とも話していた。

第7試合 ウェルター級 肘有り 5分3R
○井上克也(和術慧舟會RJW/パンクラス・ウェルター級(75kg)1位)
×花井岳文(ツイスト) 
2R 3'29" TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)


 寝技のイメージの強い花井だが、井上と打撃で真っ向勝負。右ミドルと右ストレートはなかなか鋭い。
 だが1R中盤、パンチの連打を浴びると劣勢に。花井はタックルで凌ぎ足関を狙うが読まれて失敗。グラウンドではパウンドを浴び、スタンドに戻っては左フックでダウンする。
 2Rも井上の優勢は変わらず。花井のタックルを切ると、上からパウンドと肘で痛めつける。最後は花井が抜け出そうとしたところ、左フックを当て、戦意喪失状態の花井にパウンドを連打したところでレフェリーストップ。破壊力の強さを見せつける完勝だった。

 マイクを持った井上は「(8月のパンクラスで石毛に)タイトルを渡してしまったので、来年こそリベンジができるよう、年末からガンガン練習したい」と話した。共同インタビューでは、昨年7月のHERO'Sで負けた元修斗王者・菊地昭に関しても「負けたままでは悔しいので、チャンスを得るため試合を重ねる」とコメント。金網でのファイトももっと見たい気がするが、来年からの巻き返しに注目だ。

第6試合 ライト級 肘有り 5分2R
△タクミ(パラエストラ大阪)
△高橋 渉(フリー)
判定1-0 (松本=ドロー/梅木=タクミ/和田=ドロー)


 1R序盤、高橋がギロチンチョークでチャンスを作り、その後もリバースに成功する等主導権。だが2Rはタクミが挽回。序盤から上になると、中盤からは2分近くチョークを狙い続ける。とはいえ極めに至らずドローに終わった。

第5試合 87kg契約 肘無し 5分2R
○渋谷修身(Ingram)
×ハマン・レイズ(アメリカ/カミカゼジム)
1R 2'51" 三角絞め


 渋谷がタックルで上になると、足関を仕掛けつつポジショニングでも優位をキープし、マウントへ。ブリッジで返されそうになるや、すぐさま三角絞めに移行し一本。久しぶりに渋谷らしさが発揮される完勝だった。

第4試合 バンタム級 肘有り 5分2R
×田澤 聡(GUTSMAN修斗道場/修斗フェザー級(60kg)世界10位)
○山本 篤(KILLER BEE/パンクラス・フェザー級(64kg)3位)
判定0-2 (松本=山本/豊永=山本/和田=ドロー)


 1R、田澤は序盤から額より出血し、タックルで倒され下になり続け劣勢。2Rも序盤に左フックでダウンさせられる。中盤かはらアームロックでチャンスを作るが、山本は防御を続け、僅差ながらも勝利をもぎ取った。

第3試合 バンタム級 肘有り 5分2R
○砂辺光久(REAL/パンクラス・フェザー級(64kg)5位)
×ホベルト・マツモト(ブラジル/デラヒーバ・マツモト)
1R 5'00" TKO (ドクターストップ:右膝の負傷)


 総合初挑戦の柔術強豪・マツモトは、鋭い左ローを当て練習の成果をアピール。だが寝技になっても、砂辺に三角を防御され、思うようにはいかず。1R終盤、寝技の攻防で変形の足四の字固めのように二人の足が絡むと、マツモトは右膝を負傷しドクターストップ。無念のデビュー戦となった。

第2試合 78kg契約 肘無し 5分2R
○吉田善行(東京イエローマンズ)
×橋本朝人(和術慧舟會RJW/HTW)
1R 0'35" TKO (レフェリーストップ:投げによる右肘の負傷)


 柔道出身の吉田が、豪快に橋本を投げ飛ばすと、受け身を取り損ねた橋本が右肘を脱臼。そのまま試合終了となった。あっけなくはあったが、吉田のポテンシャルの高さの伝わった。

第1試合 ライト級 肘有り 5分2R
○美木 航(和術慧舟會RJW)
×池田祥規(極真会館)
判定3-0 (松本=美木/豊永=美木/梅木=美木)


 空手の実力者・池田相手でも美木の打撃が上手。1R序盤には左フックでダウンさせる。寝技はもちろん美木が優勢。マウントやバックを取り、肘打ちも駆使し完勝した。マイクでは今年3勝1分で終わったことをアピール。来年こそは躍進なるか。

※階級制はUFCでも採用されているネバダ州アスレチックコミッションの基準とほぼ同じ。ウェルター級=77.1kg、ライト級=70.3kg、フェザー級=65.7kg、バンタム級=62.2kg

Last Update : 12/01 12:02

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