UFC 12.17 ラスベガス(レポ):マネル・ケイプ、フライ級9位のドヴォルザークを圧倒しUFC 3連勝。来年は上位進出か
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UFC Fight Night: Cannonier vs. Strickland
2022年12月17日(土/現地時間)米国ネバダ州ラスベガス:UFC APEX
レポート:井原芳徳
マネル・ケイプ、フライ級9位のドヴォルザークを圧倒しUFC 3連勝。来年は上位進出か
第2試合 フライ級 5分3R
×ダビッド・ドヴォルザーク[ドボジャーク](9位)
○マネル・ケイプ(12位)
判定0-3 (27-30/27-30/28-29)
ケイプは19年のRIZIN大晦日大会で朝倉海に2R TKO勝ちしRIZINバンタム級王者になる。21年からUFCに上がり、アレッシャンドリ・パントージャ、マテウス・ニコラウに判定負けしたが、3戦目のオデー・オズボーン戦では計量オーバーしつつも1R右の飛び膝蹴りでKO勝ちした。昨年12月のジャルガス・ジュマグロフ戦でも1R TKO勝ちし2連勝中だ。今年4月の試合前のドーピング検査で禁止薬物が検出され試合中止となったが、微量のため罰則は無かった。
対するドヴォルザークはチェコ出身の30歳。20年3月からUFC参戦後3連勝したが、今年3月、当時7位のニコラウに判定負けしている。
1R、ケイプがプレッシャーをかけ、ドヴォルザークが回って距離を取る構図が続く。ケイプはスイッチやノーガードを織り交ぜるが、なかなかドヴォルザークを捉えられない。中盤、ケイプがバックスキンキックを空振りすると、ドヴォルザークがタックルで倒し、オクタゴンの中央付近で上から押さえる。終盤、ドヴォルザークはハーフガードまで行くが、ケイプも下からドヴォルザークの左腕をつかんで、アームロックを仕掛けながらリバースに成功する。ケイプはドヴォルザークの顔の上に座ったまま、アームロックをガッチリと極める。ドヴォルザークは顔をしかめつつ時間いっぱいまで耐えたが、コーナーに戻る時は左腕をダランとさせた状態で、ダメージが大きい。記者採点はケイプ。インターバル中にドヴォルザークにドクターチェックが入るが続行する。

LAS VEGAS, NEVADA – DECEMBER 17: (R-L) Manel Kape of Angola punches David Dvorak of the Czech Republic in a flyweight fight during the UFC Fight Night event at UFC APEX on December 17, 2022 in Las Vegas, Nevada. (Photo by Chris Unger/Zuffa LLC)
2R、ケイプは変わらず中央からプレッシャーをかけ、ドヴォルザークは回り続ける。最初はドヴォルザークの左腕のガードも上がっていたが、ダメージの影響がある様子で、次第にガードが下がっていき、1Rにように左ジャブのフェイントもできない。中盤、ケイプが左のテンカオをヒット。さらに接近戦で、ガードの下がったドヴォルザークに対し、右フックをヒットすると、ドヴォルザークが後退する。ケイプは金網に詰め、右フックでダウンを奪う。ケイプはさらに上からパウンドを落とし続ける。ドヴォルザークは足を伸ばしてケイプに押さえさせず、猪木アリ状態となりブレイクがかかる。終盤、ケイプはスタンドでボデイ、顔面に度々パンチをヒット。左ボディでまたもダウンを奪う場面も。それでもドヴォルザークは立ち上がる。ケイプが右の回転肘を当てると、背中を向いたケイプにドヴォルザークがしがみつき、そのまま倒してバックを取り、一転流れを変えたものの、ケイプが時間いっぱいまで防御して終える。記者採点は9-10でケイプ。UFCの生中継では前のラウンドの採点をした識者のツイート数件が画面隅に表示され、8-10というツイートもあったが、ジャッジ3者も9-10とする。
3R、ドヴォルザークは負けじと前に出るようになり、左ジャブのフェイントを出すようになるが、ケイプは右のカーフキック、左フックを的確に当て、反撃を許さない。ケイプはノーガードやバスケットボールのドリブルようなフェイントで挑発し、余裕たっぷりな様子だ。アリーナ会場での観客がたくさん入る大会ならウケる動きだろう。ドヴォルザークのタックルも切り、右フックもギリギリでスウェーする。終盤、ドヴォルザークが必死にパンチを放つが、ケイプはパンチをもらった肩を手で払い、最後は背中を向けて駆け足のジェスチャーをして終了する。記者採点はケイプ。合計27-30でケイプ。ジャッジは1者3Rのふざけ気味に流しに入ったケイプを低評価しドヴォルザークにつけたが、2Rまでの点差を埋める形にはならず、3者とも合計点でケイプを支持し、ケイプの完勝となった。
ケイプはこれで3連勝。1年ぶりの試合となったが、打撃だけでなく1Rのアームロックでグラウンド技術の進化も印象付け、コンディションも良さそうだ。来年はいよいよ、フライ級上位勢との絡みが期待できる。
キャノニア、ストリックランドとの接戦制す
第12試合 メインイベント ミドル級 5分5R
○ジャレッド・キャノニア(3位)
×ショーン・ストリックランド(7位)
判定2-1 (49-46/46-49/49-46)
キャノニアは7月のUFC 276でイズラエル・アデサニヤのミドル級王座に挑戦し判定負けして以来の試合。ストリックランドは6連勝後、UFC 276でアレックス・ペレイラに1R KO負けして以来の試合。
1R、キャノニアがオーソドックス主体で時折スイッチしつつ圧力をかけ続け、中盤にキャノニアの蹴り足をストリックランドがすくって倒すが、その先に持ち込めない。終盤もキャノニアが圧をかけ続ける。どちらも目立った攻撃は無い。記者採点は圧をかけ続けたキャノニアだが、細かくジャブを当てテイクダウンを奪ったストリックランドにつく可能性もある。
2R、ややキャノニアが積極性を増し、時折顔面とボディにパンチを軽く当て、右ローも絡める。とはいえまだお互い慎重な感が強い。終盤、ストリックランドが左ジャブのヒットをきっかけに、パンチの連打で前に出るが、キャノニアはかわし、最後は右ストレートを当て好印象で終える。記者採点はキャノニア。

LAS VEGAS, NEVADA – DECEMBER 17: (L-R) Jared Cannonier punches Sean Strickland in a middleweight fight during the UFC Fight Night event at UFC APEX on December 17, 2022 in Las Vegas, Nevada. (Photo by Chris Unger/Zuffa LLC)
3R、キャノニアがじわじわ積極性を増し、パンチのヒットが目立つように。ストリックランドは大半をかわしているものの、前回のKO負けの影響もあってか腰が引け気味で、自分の攻撃を返せなくなる。記者採点はキャノニア。
4R、ストリックランドはインターバルにセコンドに促された影響もあってか、このラウンドはようやく前に出て積極的に攻めるように。だが中盤からキャノニアがサウスポーからの左インロー、ミドルを当て、オーソドックスに戻し圧をかけ返す。お互い攻撃は少ないが、キャノニアの終盤の積極性がやや目立つ。記者採点はキャノニアだが、前半の手数で上回ったストリックランドにつけるジャッジがいる可能性はある。
5R、ようやくストリックランドの右ストレートが炸裂するが、すぐキャノニアは持ち直すし、中盤には右フックをお返し。中央に近いところでお互いパンチを当て一進一退の展開となる。顔面にパンチをもらったストリックランドは鼻血を出すように。終盤は右フックを被弾しつつ、パンチと蹴りを最後は多くまとめて終えるが、決定打は与えられない。記者採点はキャノニアだがストリックランドにつけるジャッジがいても不思議ではない。記者採点は50-45でキャノニア。僅差のラウンドが続いたため5R全て採点が割れ、合計点も割れたが、2者はキャノニアを支持し、キャノニアの判定勝ちとなった。
第11試合 コーメインイベント ライト級 5分3R
○アルマン・ツァルキヤン(9位)
×ダミル・イスマグロフ(12位)
判定3-0 (30-27/30-27/30-27)
第10試合 フライ級 5分3R
○アミル・アルバジ(8位)
×アレッサンドロ・コスタ
3R 2’13” KO
第9試合 フェザー級 5分3R
○アレックス・カサレス(15位)
×ジュリアン・エローサ
1R 3’04” TKO (レフェリーストップ:左ハイキック)
第8試合 ライト級 5分3R
○ドリュー・ドーバー
×ボビー・グリーン
2R 2’45” KO (左フック)
第7試合 ミドル級 5分3R
×コーディ・ブランデージ
○ミハル・オレクシェイチュク
1R 3’16” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
【プレリム】
第6試合 女子ストロー級 5分3R
×シャイアン・ブリスマス
○コーリー・マッケンナ
判定0-3 (28-29/28-29/28-29)
第5試合 ウェルター級 5分3R
×ジェイク・マシューズ
○マシュー・セメルスバーガー
判定0-3 (27-30/28-29/28-29)
第試合 バンタム級 5分3R
○サイード・ヌルマゴメドフ(15位)
×サイードヨクブ・カフラモノフ
2R 3’50” フロントチョーク
第4試合 ライト級 5分3R
○ラファ・ガルシア
×マハシャテ
判定3-0 (30–27/30–27/30–27)
※マハシャテは計量2.5ポンドオーバー。ガルシアにファイトマネーの20%を譲渡
第3試合 ウェルター級 5分3R
×ブライアン・バトル
○リナト・ファクレトディノフ
判定0-3 (25-30/25-30/27-30)
第1試合 バンタム級 5分3R
○セルゲイ・モロゾフ
×ジャーニー・ニューソン
判定3-0 (30–27/29–28/29–28)