NJKF 6.24 後楽園ホール:健太、ホームリングで判定勝ち「僕はもう一回、NJKFを満員にしたい」
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NJKF 2018 2nd
2018年6月24日(日)後楽園ホール
レポート&写真:井原芳徳
第9試合 メインイベント 66.5kg契約 3分5R
○健太(E.S.G/WBCムエタイ日本統一ウェルター級王者)
×憂也(魁塾/DEEP☆KICK 65kg級王者)
判定3-0 (中山48-47/和田49-48/多賀谷49-47)
健太は2月のKNOCK OUT、3月のクンルンファイト、4月のKNOCK OUT、5月6日のクンルンファイトと、今年もほぼ月1ペースでリングに上がっているが、ホームリングのNJKFは昨年9月以来のテーパブット戦以来となる。
健太も憂也も昨年11月のシュートボクシングTDCホール大会のSB日本スーパーライト級王座決定トーナメントに出場し、共に1回戦で敗れており、対戦の可能性があった。憂也は3月のRISEでベイ・ノアに判定負けして以来の試合だ。
1R、健太が左ジャブ、左前蹴りで距離を作りつつ、右ロー、右フックを当て主導権。憂也もパンチを振るが、距離が遠い状況が続く。ジャッジ1者が健太につける、記者採点は10-9で健太。
2R、憂也陣営からは「打ち合え」という声が飛ぶが、踏み込めずにいると、健太が逆に距離を詰めパンチ戦に持ち込み、左右のパンチを当て、右フックを連打しダウンを奪う。憂也は左ミドル、左ボディを返すが、健太の勢いは止まらず、終盤にも右フックで憂也をぐらつかせる。記者採点は10-8で健太。
3R、憂也はパンチを積極的に振るうように。中盤過ぎからは身長差を活かし、左右の伸びのあるテンカオも絡めて挽回する。ジャッジの中間集計は(29-28/30-27/30-28)で、1者は憂也の3Rの攻めを評価している。記者採点も9-10で憂也で、中間集計は29-27。
4R、憂也は3Rほどの勢いは無いものの、左ボディ、テンカオ等を随所でヒットし、健太を苦しめる。だが健太もバック肘や右フックを当て、大差は付けさせない。記者採点は9-10で憂也。
5R、憂也はそれでもあきらめず、肘の比重も上げ、パンチ、膝で積極的に攻める。健太はうまくスウェーしつつ、中盤過ぎには右肘をクリーンヒットし、反撃を最低限に封じ終了する。記者採点は10-10で、合計48-47で健太。ジャッジ3者とも4Rか5Rのどちらかで憂也にポイントを付け、1点差まで持ち込んだが、健太が逃げ切る形で判定勝ちした。
健太は「メインらしくスカ勝ちしたかったけど倒しきれなかったです。相手の気持ちが強かったです。早く帰って(サッカーのワールドカップの)日本対世界を応援しましょう」と話した後、大会前半に比べてまばらになった客席を眺め「僕はNJKFで後楽園デビューした時は(06年11月の)真王杯(しんのうはい:各団体の王者が集まったトーナメント)で、メインは桜井洋平(NJKF)アドバイザー(の60kgトーナメント決勝)で、超満員でした。僕はもう一回、NJKFを満員にしたい。今は階級を下げて、スーパーライト級も可能ですし、大和哲也選手とか、そういう試合でNJKF後楽園を満員したいんで、その際はチケット買って会場にお越しください」とアピールした。
健太の言及した「真王杯」とは、NJKFが2006年に60kgと55kgで国内各団体の王者クラス8人ずつを集め、3大会かけて行った、5R肘有りルールのトーナメント。J-NETWORKも前年にMACH 55という55kgトーナメントを同じような形式で開催し、どの大会も超満員の盛り上がりだった。
当時のNJKFは今のKNOCK OUTのトーナメントの先駆けとなる企画を行っていたが、近年のNJKFはファイトマネーの高いKNOCK OUT、K-1、クンルンファイトなどに積極的に主力選手を送り込む側になったことで、肝心のNJKFのホームの後楽園大会の集客に苦しんでいる。集客が落ちれば選手が育ちにくくなり、さらに客が減る悪循環に陥りかねない。健太も危機感があったのか?タブー視せず、勇気を持ってアピールに踏み切った上、自身としても大和哲也という新たな目標を設定した。NJKF、そして哲也ら他の選手たちに、この言葉がどのように響くか?今後の動向を見守りたい。
なお、健太自身は8月3日のREBELS後楽園大会でのUMA(K&K BOXING CLUB/元REBELS 65kg級王者)との65kg契約の試合を控えている。
NJKF2018 2nd
メインイベント、"プロフェッショナルシスト"健太が5R判定勝ち!『違う道に進んだ大和哲也とNJKFのリングで闘いたい!』
『かつての真王杯のように後楽園ホールを熱くしたい!』
プロフェッショナルシストの思惑通り、実現なるか!?#NJKF #大和哲也 pic.twitter.com/r7S3v2b65E
— NJKF (@NJKF_NEWS) 2018年6月24日
第8試合 セミファイナル 70kg契約 3分3R
○YETI達朗(キングジム/WBCムエタイ日本統一スーパーウェルター級王者)
×クンタップ・チャロンチャイ・BTC(タイ/BTC GYM/元WMC世界ウェルター級王者)
1R 1’36” TKO (左フック)
YETIは2月に宿敵・白神武央を破りWBCムエタイ日本王者に。クンタップは全日本キック、M-1ムエタイチャレンジ(今のM-ONE)で活躍した現在38歳のベテランで、近年は巌流島に参戦している。
1R、YETIが開始すぐから左ミドルを強打し先手。クンタップも右ミドルを当てるが、パワー差は隠せず、YETIのパンチにも反応できず。YETIが圧力をかけると、ロープを背負ったクンタップに、オーバーハンドの左フックを当て、一撃KOした。
第7試合 NJKFライト級タイトルマッチ 3分5R
×NAOKI(立川KBA/王者)
○鈴木翔也(OGUNI GYM/1位、元スーパーフェザー級王者)
判定0-2 (和田48-49/宮本48-48/竹村47-49)
※鈴木が王者に
1R、NAOKIがサウスポー、鈴木がオーソドックスに構え、お互い蹴りを打ち合うが、蹴りをすくってからのパンチや、首相撲からの崩しも絡め、ほぼ互角の立ち上がり。2R、鈴木が左右のフック、ボディ、肘のヒットを増やし主導権を握る。だが終盤、NAOKIの肘で鈴木が右眉を少しカット。3R、NAOKIは中盤から左ミドルの連打で持ち返すと、右ストレート、組んでの左膝の連打で挽回。ジャッジ3者とも29-29の中間集計となる。
4R開始間もなく、NAOKIは鼻血でドクターチェックが入る。鈴木のパンチの影響か?再開後、NAOKIは息苦しい様子が続き、鈴木が組んでの右肘、左膝等を当て続け主導権。NAOKIは左まぶたも切られ、終盤にもドクターチェックを受ける。
5R、組んでの肘、膝の応酬の後、またもNAOKIの出血が激しくなりドクターチェックが入る。このチェックで休めたNAOKIは、再開直後からラッシュを仕掛け、膝を度々当て主導権を握る。記者採点は2Rと4Rが鈴木、3Rと5RがNAOKIで48-48。ジャッジ1者も同じだったが、2者は鈴木を支持した。
第6試合 NJKFフライ級王座決定戦 3分5R
○松谷 桐(VALLELY/3位)
×一航(新興ムエタイジム/1位)
2R 0’53” TKO (ドクターストップ:左肘打ちによる左まぶたのカット)
※松谷が王者に
能登龍也が負傷欠場のため王座を返上し、能登の後輩の松谷が代役出場し、能登の王座に挑戦予定だった一航と対戦した。両者とも16歳、松谷は5戦、一航7戦負け無しと似たキャリアだ。
1R、サウスポーの松谷が左ハイを当ててからのパンチラッシュで先手を取り、終盤には左の肘打ちで一航の左まぶたを切り、ドクターチェックを呼び込む。2R、一航は崩しを2度決め、流れをつかみかけるが、出血が激しくなりドクターストップ。松谷の勝利となった。
第5試合 NJKFスーパーバンタム級タイトルマッチ 3分5R
△前田浩喜(CORE/王者)
△久保田雄太(新興ムエタイジム/3位)
判定1-1 (中山50-48/多賀谷48-49/和田49-49)
※前田が初防衛
前田がサウスポー、久保田がオーソドックスに構え、ミドル、ローの応酬。2R終盤、前田が左ハイ、左ストレートで久保を追い詰め攻勢に。3Rはほぼ五分に戻る。4R、劣勢の久保田が右ミドルのヒットを増やすが、前田も終盤は盛り返し、最後に左ハイを当て好印象。5R、久保田も積極的に攻めるが、蹴りが再三ローブローとなりレフェリーから注意を受ける。前田も随所で左ストレート等を当てて反撃を封じる。判定は久保田の右ミドルの評価で割れた感があり、三者三様のドローとなった。
宮越宗一郎引退記念エキシビションマッチ 1分30秒2R
―宮越宗一郎(拳粋会/WBCムエタイ・インターナショナル・スーパーウェルター級王者)
―MOMOTARO(OGUNI GYM/WBCムエタイ・インターナショナル・フェザー級王者)、宮越慶二郎(拳粋会/WBCムエタイ・インターナショナル・ライト級王者)
勝敗無し
宮越兄弟の兄・宗一郎が引退エキシ(キャリアを振り返るインタビュー記事はこちら)。宗一郎は「正直辞めたい日もありましたが、キックボクシングをやって良かったと本当に思っています」と話し、関係者に感謝の言葉を述べると「これからは弟を筆頭に指導を頑張ります。強豪を育てNJKFに送りたいです。これからもよろしくお願いします。今まで本当にありがとうございました」と話し、10カウントゴングを聞いた。
第4試合 NJKFスーパーライト王座決定戦 3分5R
○畠山隼人(E.S.G/1位)
×真吾YAMATO(大和ジム/2位)
1R 2’11” TKO (左フック)
※畠山が王者に
1R、真吾がやや積極的な攻めで、右ストレートを当てて畠山を倒すが、宮本レフェリーはスリップと判断する。その後も真吾がやや押し気味ではあったが、畠山が右フックをカウンターで当てて真吾をぐらつかせると、すぐさま左フックもクリーンヒットし、真吾をマットに沈めた。
第3試合 NJKFバンタム級王座決定戦 3分5R
×日下滉大(OGUNI GYM/2位)
○俊YAMATO(大和ジム/1位)
判定0-3 (竹村48-49/和田48-49/宮本48-49)
※俊が王者に
両者は3度対戦し、日下が2勝した後、2月の後楽園で俊が3R判定勝ちしている。俊は大田拓真との王座決定戦が組まれたが、大田の負傷欠場で、2人の4度目の対戦が王座決定戦となった。
サウスポーの日下に対し、俊が圧力をかけ続け、ロー、右フック主体で攻める。日下も左ミドル、ロー、ハイを返すが、俊が攻め込む場面を多く作り判定勝ちした。
第2試合 スーパーフェザー級 3分3R
△吉田凛汰朗(VERTEX)
△梅津直輝(エスジム)
判定1-0 (竹村29-29/宮本28-29/多賀谷29-29)
第1試合 53.5kg契約(肘無し) 3分3R
×雨宮洸太(キングジム)
○誓 [ちかい](ZERO)
判定0-3 (中山28-29/多賀谷27-30/宮本27-30)
※3R右ストレートで雨宮に1ダウン