九州プロキック(KPKB)9.25 アクロス福岡(レポ):日畑達也、佐藤九里虎に判定勝ち。八尋開人がスーパーライト級、YUZUKI BRAVELYがスーパーフェザー級王者に
MARTIAL WORLD PRESENTS GYM VILLAGE
格闘技医学会
現場で役立つ格闘技医学を研究/公開/実践中!
九州プロキックボクシング(KPKB)vol.9 & 10
2022年9月25日(日)アクロス福岡イベントホール
レポート:井原芳徳 写真提供:KPKB実行委員会
(※KPKB渡邉真治代表のインタビュー記事も同時に掲載しました。KPKB旗揚げの経緯、大会運営に対する考え等を語っていますので、ぜひご覧ください。)
vol.10
日畑達也、佐藤九里虎に判定勝ち
第6試合 53kg契約 3分3R(延長1R)
○日畑達也(FKD Fighting Sports Gym/WKBA日本スーパーフライ級王者、元KOS同級王者 元GLADIATOR武士道キック・フライ級王者)
×佐藤九里虎(FAITH/WMC日本スーパーフライ級王者、RISE同級10位)
判定3-0 (30-26/30-27/30-28)
※2R佐藤に左ストレートで1ダウン
8月のK-1福岡大会には、丸山公豊(ヘビー級)、幸輝(スーパーウェルター級)、銀次(フェザー級)、西林翔平(バンタム級)の4人のKPKB王者が参戦し、全国規模の大会でじわじわ存在感を増しているKPKB。ルールは肘無し・組んでからの攻撃も禁止で、K-1・Krushとほぼ同じのため、これらの大会に進出しやすいのだろう。
5月大会に続き今回も昼夜2部制で行われ、そのトリは九州出身の王者同士の顔合わせとなった。地元福岡在住の38歳のベテラン・日畑は4月のBOM別府大会で響貴・エイワスポーツジムに敗れて以来の試合。東京のFAITHに所属する佐藤は佐賀出身の32歳。RISEを主戦場とし、6月のRISE後楽園大会では金子梓にKO負けしている。両者とも何としても白星の欲しい一戦に。
1R、日畑がサウスポー、佐藤がオーソドックスで構え、距離を取ってのミドル、ロー主体の攻防が続く。中盤以降、日畑が左ストレートを立て続けに当ててロープに詰める場面が2度あるが、すぐに佐藤も盛り返してパンチと蹴りを返し、はっきりした差はつけさせない。記者採点は日畑だがまだイーブンでも不思議ではない。
2Rも日畑が左ストレートを随所で的確に当て、次第にロープに詰める場面が増える。すると中盤、佐藤の右ミドルの後に日畑が左ストレートを当てて倒し、和田良覚レフェリーはダウンを宣告する。その後も日畑が左ストレートを的確にヒット。佐藤が前に出てもステップでかわし、左ボディストレートやインローも絡めつつ、自分の攻撃を的確に当て続ける。記者採点は10-8で日畑。
3R、佐藤は圧力を強めるが、これまで同様、日畑が距離を取りつつ自分のパンチを的確に当て続け、佐藤の反撃を封じ終了する。記者採点は日畑。合計30-26で日畑。ジャッジ3者も日畑を支持し、日畑が判定勝ちした。
日畑は「この年でもキックボクシングを頑張れるのはたくさんの人のおかげです。応援に来てくれてありがとうございました」と感謝の言葉を述べた。
八尋開人がスーパーライト級王者に
第5試合 KPKBスーパーライト級タイトルマッチ 3分3R(延長1R)
×ダルビッシュ黒木(DAR/王者)
○八尋開人(RAOU JAPAN/挑戦者)
判定0-2 (29-30/28-30/29-29)
※八尋が王者に
K-1、RIZIN等にも参戦経験のあるダルビッシュ黒木は、5月大会の挑戦者決定トーナメントで2試合勝利し優勝した八尋開人を挑戦者に迎え防衛戦。黒木は5月大会で岩崎悠斗にKO負けしており再起戦。プロわずか3戦目で王座に挑む八尋の豪打は、経験豊富な黒木にどこまで通用するか。
1R、黒木がプレッシャーをかけるが、中盤、八尋が左右のフックから左ミドルにつなげると、黒木が少し苦しそうな表情を見せて後退する。終盤、八尋がボディ、顔面へのパンチで黒木をロープに詰め続ける。最後は黒木もパンチを返すが、そこまでの悪印象をぬぐうほどにはならない。記者採点は八尋。
2R、黒木が右フック等のパンチ連打で八尋をロープに詰め挽回する。だが中盤、八尋も右のカーフキックをコツコツ当て黒木の勢いをじわじわ削ると、終盤には右ボディを効かせつつ、左右のフックでロープ際に詰め返し、主導権を握り返す。記者採点はイーブン。
3R、両者頭を近づけて、ボディと顔面へのパンチの打合いを続ける。終盤、八尋が圧力を強め黒木がロープ際に下がるが、打合いで黒木も右ストレートを返し、どちらもなかなか譲らないまま終わる。記者採点はやや八尋優位だがイーブン。合計29-30で八尋。2R以降は接戦となったため採点はそれぞれ違い、1者はイーブンとしたが、2者が八尋を支持し、八尋が判定勝ちした。
ベルトを肩にかけマイクを持った八尋は「1Rで倒して圧倒するつもりだったので、めっちゃ悔しいです」と話し、スポンサーや練習仲間に感謝の言葉を述べると「もっと強くなってからデカいこと言います。これからも応援してくれなくてもいいんで注目してくれればと思います」と謙虚にコメントした。
第4試合 64kg契約 3分3R
○鳥山颯真(MSKC)
×裕希(RAOU JAPAN)
2R 1’26” KO
第3試合 ライト級 3分3R
○歩夢(ゴリラジム)
×河野晃征(BEGINNING)
1R 1’29” KO
第2試合 フェザー級 3分3R
○明世流(TEAM SHIMONOSEKI)
×直希(REVOLT)
判定3-0 (30-27/30-27/30-28)
第1試合 女子49kg契約 2分3R
×大原頼子(Lion GYM)
○末松 晄(Weed GYM)
2R 1’48” KO
vol.9
YUZUKI BRAVELYがスーパーフェザー級王者に
第10試合 KPKBスーパーフェザー級タイトルマッチ 3分3R(延長1R)
×児島伸弥(GREED GYM/王者)
○YUZUKI BRAVELY(BRAVELY GYM/挑戦者)
判定0-3 (28-30/29-30/28-30)
※YUZUKIが王者に
王者・児島は前回5月大会でのノンタイトル戦でYUZUKIの多彩な攻撃に手を焼き判定負けしており、今回ベルトを懸けて再戦した。
1R、重心低めに構えパンチで詰めようとする児島に対し、長身のYUZUKIが左テンカオ、右ロー再三的確に当てつつ、詰めれば左右のストレートも当て、早速主導権を握る。YUZUKIのベースはムエタイだが、組みなし、肘無しのいわゆるK-1系ルールにもしっかりアジャストできている。記者採点はYUZUKI。
2R、児島がプレッシャーを強め、右カーフ、ストレートのヒットが増えるが、中盤からはYUZUKIもパンチ、膝、ローのヒットを増やし、しっかり巻き返し五分の印象にする。記者採点はイーブン。
3R、YUZUKIは前に出る児島を押し返してからの右ローを度々当て、中盤以降はブロックはされるものの右ハイにもつなげ好印象。児島はガムシャラにパンチを振り回すが空振りや軽い当たりが続く。最後はYUZUKIがパンチの打合いでもしっかり当てて攻勢を印象付けて終了する。記者採点はYUZUKIで合計28-30でYUZUKI。ジャッジ3者とも1~2点差でYUZUKIを支持し。YUZUKIが判定勝ちで児島への返り討ちを果たすと共に、ベルト奪取に成功した。
YUZUKIは「自分はまだまだですけど、これから強くなって、ジムの先輩たちみたいになれるよう頑張るので、これからも応援お願いします」とアピール。大分のBRAVELY GYMの先輩ではNOBU、MASATO、MASAらが既に東京の大会でベルトを取る等の活躍をしており、YUZUKIも彼らに続くか注目だ。
佑悟がウェルター級王座挑戦権「幸輝選手に絶対にリベンジします」
第1試合 KPKBウェルター級次期挑戦者決定トーナメント準決勝 3分3R(延長1R)
×TAKUYA(ナックルズGYM)
○佑悟(Lion GYM)
判定0-2 (30-30/28-30/27-30)
第2試合 KPKBウェルター級次期挑戦者決定トーナメント準決勝 3分3R(延長1R)
○川内参星(JACK GYM)
×栗原 陵(MSKC)
判定2-1 (28-29/29-28/29-28)
第9試合 KPKBウェルター級次期挑戦者決定トーナメント決勝戦 3分3R(延長1R)
○佑悟(Lion GYM)
×川内参星(JACK GYM)
4R 判定3-0 (10-9/10-9/10-9)
3R 判定1-0 (29-28/30-30/29-29)
※佑悟が優勝。森木一吉のウェルター級王座挑戦権を獲得
5月大会でのスーパーライト級王座挑戦者決定トーナメント同様、ウェルター級でも4選手参加、組み合わせは前日抽選で決定する1DAYトーナメントが行われた。佑悟は5月大会でのスーパーウェルター級王者・幸輝とノンタイトル戦で3R KO負け。7月のKrushではFUMIYAに3R KO負けしたが、これらの苦い経験がトーナメントでも活きたか?
佑悟も川内も接戦となった準決勝3Rを戦ってからの決勝戦。1R、佑悟がサウスポーからの左ストレート、ミドル、右ハイ、川内がオーソドックスで構え右ミドル、ストレートを当てるが、ほぼ均衡状態。記者採点はイーブン。
2R、川内の右フックで佑悟が少しひるむが、その後は佑悟も細かく左ストレートを返し続ける。終盤には五分に。記者採点はイーブン。
3R、佑悟は左テンカオ、右ボディを序盤から的確に当てて川内を削る。中盤以降、川内も右フックを返すが、佑悟が声を上げながら左右のフックを増やし、やや優位で終える。記者採点は佑悟。合計30-29で佑悟。
ジャッジは1者が佑悟を支持したが、僅差のラウンドが続いたせいもあって、採点はバラつき、試合はマスト判定の延長へ。3R同様、佑悟はボディへの膝、パンチを絡めて削りつつ、顔面への左右のフックを叩き込む。川内も声を上げて右フックを振い続けるが、なかなか当てさせてもらえず終了、記者採点は佑悟。ジャッジ3者も佑悟を支持し、佑悟が判定勝ちでトーナメントを制した。
佑悟は「準決勝と決勝とも苦しい試合になりましたが、なんとか勝つことができたことにはホッとしています。内容はまだまだですが、幸輝選手に絶対にリベンジしますので、応援のほどよろしくお願いします」とアピールした。
第8試合 フェザー級 3分3R
×冨永武聖(SBHキックボクシングジム)
○瀬戸口礼(薩摩ジム)
判定0-2 (28-29/28-29/29-29)
※1R瀬戸口に2度のローブローの反則で減点1
第7試合 スーパーバンタム級 3分3R
○クレイジーハスキー尚吾(KING EXCEED)
×手島和樹(BANRICK ACADEMY)
2R 1’16” KO
第6試合 バンタム級 3分3R
○大平 龍(KICK SPARK)
×フジモン魂(ナックルズGYM)
判定3-0 (30-27/30-27/30-28)
第5試合 フェザー級 3分3R
×冨永泰公(KINGS)
○Yu-ki(隆真ジム)
判定0-2 (29-29/29-30/29-30)
第4試合 女子53kg契約 2分3R
×MEGUMI KICK SPARK(KICK SPARK)
○上野hippo宣子(ナックルズGYM)
判定0-3 (27-30/27-29/27-29)
※3R、MEGUMIに1ダウン
第3試合 54kg契約 3分3R
○最上英樹(KING EXCEED)
×YUKI BRAVELY(BRAVELY GYM)
判定2-0 (28-28/29-27/29-28)
※2R、YUKIに1ダウン