パンクラス 10.10 品川インターシティホール(レポ):プロ18年の41歳・藤野恵実、ネオブラッド世代・渡辺彩華を打撃で圧倒「初心を思い出しました」。バンタム級優勝・田嶋椋がネオブラMVPに
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パンクラス NEO BLOOD!
2022年10月10日(月/祝) 東京・品川インターシティホール
レポート:井原芳徳
中継:YouTube パンクラスチャンネル(月会費1,790円)、U-NEXT(月会費1,639円~)
第18試合 メインイベント 女子ストロー級 5分3R
○藤野恵実(トライフォース赤坂/1位、元王者)
×渡辺彩華(AACC)※パラエストラ柏から所属変更
判定3-0 (30-27/30-27/30-27)
パンクラスの今大会は通常のナンバーシリーズとは異なり、「NEO BLOOD!」の大会名がつけられた。新人王トーナメントにあたる「ネオブラッドトーナメント」が大会名の由来で、同トーナメントの決勝戦が行われたが、それ以外にも“新しい血”といえる若手・新鋭の試合が多数組まれた。
そんな中でデビュー18年・41歳の藤野は“新しい血”を迎え撃つような立場となる。藤野は3月大会でKARENに4R TKO負けしストロー級王座防衛に失敗して以来の試合。昨年9月のRIZINでの浜崎朱加戦に続き2連敗中だ。9月11日の立川大会でソン・ヘユン(韓国)との試合が組まれたが、ヘユンのビザ発給トラブルにより今大会に延期となる。だが大会1週間を切りヘユンの負傷欠場が発表され、藤野の相手は第1試合に登場予定だった渡辺に変わった。渡辺は25歳。柔道をベースとし、20年12月のDEEP JEWELSでのプロMMAデビュー戦で神野あかりに1R TKO勝ちして以来2年ぶりの試合、女子の名門AACCに移籍して初戦となる。
1R、藤野がオーソドックスで構え、サウスポーの渡辺にプレッシャーをかけ続け、左ジャブをヒット。渡辺がオーソドックスに切り替えても、ワンツーで右フックを当てる。中盤には藤野が渡辺の蹴り足をつかんでから組み付いて膝を当てる。渡辺の右ローのタイミングでもワンツーを当て、打撃で優位を維持する。パワーも技術もベテランの藤野がレベルの違いを見せつける。
2R、渡邉はスイッチしつつ1Rよりも前に出るようになるが、なかなか藤野に詰め切れず。次第に藤野が圧をかけ返し、左右のパンチを叩き込む頻度がじわじわと上がる。渡辺は鼻血を出し、口も開き気味に。それでもステップは途切れず、AACCの選手らしいタフさは感じられるが、防戦が続き、流れを変える糸口をつかめない。
3Rもスタンドの攻防が続き、藤野優勢は変わらない。藤野が随所で左ジャブ、右フックをヒット。渡辺は中盤以降、左ミドルのヒットを増やし、ようやく少し巻き返すものの、終盤は藤野が左右のフックを随所で叩き込み、優位を維持し終了する。終了のブザーと同時に、渡辺はマットに崩れるが、藤野はすぐさま歩み寄り、急なオファーで試合を受けた渡辺を称えた。ジャッジは3者とも順当に藤野を支持し、藤野の判定勝ちに。
マイクを持った藤野は「急きょ試合を受けてくれた渡辺選手に感謝しています。凄く気持ちが強くて、初心を思い出しました。倒せなかったんですけど、まだ弱くなっていないと見せられたと思うんで、もう一回チャンピオン目指して頑張らせてください」とアピール。場内は拍手で包まれた。
第17試合 コーメイン ライト級 5分3R
○平 信一(綱島柔術/9位、ZST王者)
×西尾真輔(宇留野道場/ネオブラッドトーナメント2022同級優勝)
2R 3’47” 裸絞め
ネオブラのライト級は木村裕斗の負傷欠場により、西尾が不戦勝で優勝となり、早速、ネオブラ優勝者恒例のご褒美マッチであるランカーとの試合が用意された。平は37歳・45戦のベテラン。最近では4月の立川大会で粕谷優介に一本負けしている。
1R、平が組みに来ると、西尾は引き込むような形で下になり、平の首を抱えるが、平は対処してサイド、ハーフで押さえ続ける。平は上四方、バックと動いてから、得意のジャーマンスープレックスを放ち、再び上になって押さえる。最後はマウント、バックと動く。平が圧倒するラウンドに。
2Rも平が序盤からテイクダウンを奪い、上四方で押さえ、バックを狙う。その隙に西尾は脱出し、背後から押さえてパウンドを連打するが、平は動いて再びタックルを仕掛けて倒し、トップポジションに戻す。中盤にはマウントポジションを取ると、またも西尾は脱出するが、この後も平はタックルで倒し、今度はマウントからバックマウントへと移行することに成功。最後は裸絞めを極めてタップを奪い、ネオブラ優勝者を退けた。
第16試合 ライト級 5分3R
×DARANI(PRAVAJRA/10位)
○余 勇利(マッハ道場)
1R 2’38” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
1R、余が開始すぐからパンチを振いつつ圧力をかけると、DARANIは組み付いて金網に押し込んでから倒す。DARANIは金網際でハーフで押さえつつ、時折パウンドを落とす。だが余は脱出すると、再びタックルで倒そうとしたDARANIを潰して、金網際で上になる。するとすぐさま余がパウンドを連打すると、DARANIは背中を向け防戦一方となりレフェリーストップ。余が一気に引っ繰り返して快勝し、ランキング入りを確実にした。
第15試合 フェザー級 5分3R
○三宅輝砂[きさ](ZOOMER/9位、ネオブラッドトーナメント2021同級優勝)
×小森真誉[まよ](ロータス世田谷)
2R 0’53” KO (左フック)
1R、三宅がスタンドでプレッシャーをかけ続け、左ジャブ、右ストレート、右ローを随所でヒット。小森のタックルも難なく切る。2R、今後は小森がプレッシャーをかけてきたが、三宅は落ち着いてかわし、自分の左ジャブ、右ストレートをヒット。右ストレートを効かせてダウンさせると、立った小森を金網に詰め、右ストレート、アッパー、左フック等のラッシュで再びダウンさせ、パウンドを追撃しようとしたところでレフェリーがストップ。三宅の完勝だった。
第14試合 第28回ネオブラッドトーナメント・フェザー級決勝戦 5分3R
○糸川義人(TURNING POINT MMA)
×石田陸也(DOBUITA)
判定3-0 (29-28/29-28/29-28)
第13試合 第28回ネオブラッドトーナメント・バンタム級決勝戦 5分3R
○田嶋 椋(OOTA DOJO)
×上田祐起(reliable)
2R 2’41” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)
※田嶋がネオブラッドトーナメントMVPを獲得
第12試合 第28回ネオブラッドトーナメント・フライ級決勝戦 5分3R
×伊藤まこと(パラエストラ柏)
○濱田 巧(パラエストラ柏)
判定0-3 (28-29/27-30/27-30)
第11試合 第28回ネオブラッドトーナメント・ストロー級決勝戦 5分3R
×植松洋貴(NEVER QUIT)
○江崎 壽[ひさし](ALMA FIGHT GYM BASE)
3R 0’42” 腕ひしぎ十字固め
※江崎が前日計量250gオーバー。試合は実施するが勝敗に関係なくトーナメントは植松の優勝
第28回ネオブラッドトーナメント・ライト級決勝戦 5分3R
○西尾真輔(宇留野道場)
×木村裕斗(パンクラスイズム横浜)
不戦勝 (木村の負傷欠場)
※西尾が優勝
第10試合 ミドル級 5分3R
○佐藤龍汰朗(エクストリーム柔術アカデミー)
×岩城啓祐(TRIBE TOKYO MMA)
判定3-0 (29-27/29-27/29-26)
第9試合 ライト級 5分3R
×芳賀ビラル海[かい](マスタージャパン)
○神谷大智(BRAVE)
判定1-2 (29-28/28-29/28-29)
第8試合 バンタム級 5分3R
○サイバー遼(トライフォース東中野)
×中村雄一(ハイブリッドレスリング八戸)
判定3-0 (29-28/29-28/29-28)
第7試合 バンタム級 5分3R
×鬼神光司(CAVE)
○高城[たき]光弘(リバーサルジム横浜グランドスラム)
2R 2’55” TKO (レフェリーストップ:右肘打ちによる眉間のカット)
第6試合 バンタム級 5分3R
○矢澤 諒(パンクラスイズム横浜)
×漆間將生[うるしま しょうい](KRAZY BEE)
1R 2’15” KO (右ストレート)
第5試合 バンタム級 5分3R
×名久井悠成(ANSWER FIGHT)
○梅原規祥[みさき](リバーサルジム武蔵小杉 所プラス)
3R 4’25” 三角絞め
第4試合 バンタム級 5分3R
○木本海人(CAVE)
×上野惇平(ハイブリッドレスリング八戸)
判定2-1 (29-28/28-29/29-28)
第3試合 フライ級 5分3R
×赤崎清志朗(香取道場)
○今井健斗(マーシャルアーツクラブ中津川)
1R 0’19” TKO (レフェリーストップ:左フックでダウン後)
第2試合 ストロー級 5分3R
○増田大河(セルフディフェンスアカデミー)
×清沢魁人(トイカツ道場ファイティングラボ松本)
3R 0’30” TKO (レフェリーストップ:左フックでダウン後)
第1試合 女子ストロー級 5分3R
×悠花(ALLIANCE)
○HARUKA(宇留野道場)
3R 4’13” Vクロスアームロック