Krush 1.27 後楽園:ピケオー、山内佑太郎を2R KO。神保克哉、中島弘貴から白星
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Krush.84
2018年1月27日(土) 後楽園ホール
Krush -70kg王者のジョーダン・ピケオーに40歳のベテラン・山内佑太郎が挑み、左の顔面狙いの前蹴りで先制ダウンを奪ったが、これで目覚めたピケオーのパンチラッシュをもらい続け、2Rに累計3度目のダウンを喫したところでKO負け。神保克哉は同級元王者の中島弘貴との接戦を制した。
レポート&写真:井原芳徳
第8試合 Krush -70kgタイトルマッチ 3分3R(延長1R)
○ジョーダン・ピケオー(オランダ/マイクスジム/王者/69.6kg)
×山内佑太郎(HALEO TOP TEAM/挑戦者、元全日本&WBCムエタイ日本統一スーパーウェルター級王者、元全日本ウェルター級王者/69.8kg)
2R 2’20” KO (パンチ連打)
※ピケオーが3度目の防衛
ピケオーは昨年1月15日に廣野祐に判定勝ちし2度目の防衛。6月のK-1 WORLD GP第2代スーパー・ウェルター級(-70kg)王座決定トーナメントの一回戦では日菜太から飛び膝で逆転のダウンを奪い判定勝ち。準決勝では優勝者のチンギス・アラゾフの右ストレートで1Rでマットに沈んだ。15年5月の初来日の佐藤嘉洋戦から対日本人では6戦全勝(3KO)。日本での9試合で負けた相手はアラゾフとマラット・グレゴリアンだけだ。
山内は過去、11年に健太、13年に城戸康裕、15年に中島弘貴と-70kg王座を争い、いずれも判定で負けている。中島戦後、怪我のため2年休み、今年9月の小鉄戦では右ローで追い詰め判定勝ちし、40歳にして今回の挑戦につなげた。
1R、開始すぐからピケオーが圧力をかけ、山内はコーナーを背負うが、ピケオーが詰めて右のフックを振って来たタイミングで、左の前蹴りをアゴにヒット。ピケオーはダメージは小さいが倒れたため、梅木レフェリーはダウンを宣告する。その後もピケオーは度々ロープ、コーナーに詰め、パンチを当て続ける。ダウンを取られた影響で回転も上がり、終盤にダメージの溜まった山内に右フックを当ててダウンを奪い返す。
2Rもその流れは変わらず、序盤からピケオーが山内をコーナーに詰め、パンチと膝を当て続ける。山内も連打を許さず、耐え続けたものの、ボディから顔面の連打をもらって腰が沈んだところでレフェリーはダウンを宣告。最後は同じようにコーナーに詰められ、右と左の連打をもらって累計3度目のダウンしたところで、すぐさまレフェリーがストップした。
3度目の防衛に成功したピケオーは「山内選手が強くて、まさかダウンを取られるとは思いませんでした。防衛できて良かったです」とリング上でコメント。バックステージでは「去年右拳を手術し、試合途中にも少し痛みを感じ、気を付けながら戦いました。正直、山内は1Rで倒せると思っていました。前蹴りをもらってダウンを宣告されましたが、フラッシュダウンで、立つのが少し遅れてダウンとみなされただけです。のんびり戦うつもりでしたが、あのダウンでスイッチが入りました。K-1のスーパー・ウェルター級と1階級下のウェルター級のトーナメントがあれば出たいですし、王者になりたいです」と話した。
敗れた山内はダウンを奪った顔面への前蹴りについて「コーナーに詰めると相手は攻め気になる。でも狙ったわけじゃなく、出したのが当たっただけ」と振り返り、「思ったよりもピケオーの攻撃が止まらなかった」とピケオーの猛攻を語り、今後については「白紙です」と話した。
第7試合 -70kg Fight 3分3R(延長1R)
×中島弘貴(バンゲリングベイ・スピリット/元王者/69.8kg)
○神保克哉(K-1ジム目黒TEAM TIGER/70.0kg)
判定0-3 (長瀬29-30/朝武29-30/梅木28-29)
6月の第2代K-1スーパー・ウェルター級王座決定トーナメント一回戦で優勝者・アラゾフの餌食となった中島が7か月ぶりに再始動。10月のKrushで小西拓槙に大差の判定負けを喫した神保と対戦する。
1R、パンチ主体の神保に対し、中島はしっかりガードして防御しながら、右ロー、左右のミドルを随所でヒット。神保もセコンドの「熱くならない」という声を聞きながら、崩れず行きすぎず落ち着いて戦っている。2R、中島は右ロー、神保は左ボディを多用するが、お互いなかなか崩れない。
3Rも同じ構図での削り合いが続き、どちらも一歩も引かない状態。終盤、神保がパンチの数を上げて少し攻勢になる。
どのラウンドも僅差ではあったが、最後の神保の攻勢が決め手となり、神保の判定勝ち。試合前の「テーマはオヤジ狩り」という言葉ほどのインパクトは無かったが、元王者からの白星は大きな価値を持つのは間違いない。
第6試合 -60kg Fight 3分3R(延長1R)
×闘士(池袋BLUE DOG GYM/59.8kg)
○大岩龍矢(K-1 GYM SAGAM-ONO KREST/60.0kg)
判定0-3 (芹沢26-30/梅木26-30/豊永26-30)
闘士は5月の郷州征宜戦、10月の横山巧戦と2連敗中。大岩は11月の朝久泰央戦で開始すぐにダウンを奪われ判定負けを喫して以来の試合だ。
1R、開始すぐから大岩が圧力をかけ、ロープに詰め続け、右フック、左右のミドル、右ローを当て、終盤に右のテンカオを効かせて下がらせてからの右フックでダウンを奪う。2R、大岩は序盤から右ローを連打して効かせ、その後も手数多く攻勢。3R、闘士は鼻血を出しながらもパンチを必死に振るうが、大岩は翻弄するように笑顔を度々浮かべ、終盤には右フックでぐらつかせる。倒せなかったものの、しっかり差を印象付け完勝した。
第5試合 -55kg Fight 3分3R(延長1R)
×森坂 陸(エスジム/55.0kg)
○亀本勇翔(K-1 GYM SAGAM-ONO KREST/55.3kg→54.8kg)
判定0-3 (長瀬29-30/朝武29-30/豊永28-30)
亀本はTBS系の恋愛リアリティショー「恋んトス」に1月からのシーズンに登場し、客席では共演者たちも見守る。前日計量で時間ギリギリでリミットをクリアしたが、リングに上がると体の厚み、手数でも森坂を上回り、蹴りの応酬の中でサウスポーからの左ミドルを度々当てて主導権。2Rも基本的にその流れは変わらない。3Rも亀本が顔面狙いの前蹴り、左膝、ミドル、ストレートを当て続け、森坂を圧倒。判定勝ちを宣告されると、今回の苦労とプレッシャーを思い出してか?涙を流した。
第4試合 -65kg Fight 3分3R(延長1R)
×松下大紀(NPO JEFA/64.7kg)
○細越貴己(K-1ジムEBISU/65.0kg)※K-1ジムEBISU小比類巻道場から所属表記変更
判定0-3 (豊永26-30/勝本26-30/梅木26-29)
3月10日の大会から始まる-65kg次期挑戦者決定トーナメント準決勝の査定試合。1R、両者パンチ主体で、細越が左右のボディの連打を随所で極め、やや手数多く攻める。2Rに入ると、左ボディが効き目を発揮。松下をロープに詰めると、左膝の連打からの右膝でダウンを奪う。細越はパンチのスキルが上がった様子で、キューバの元アマチュアボクシング王者・カレロ・エルナンデス・バロディア・コーチの指導が活きている。
3R、松下も序盤こそパンチのラッシュで反撃を試みたが、細越は耐えると膝を連打し続け、松下が防戦一方になったところで芹沢レフェリーがダウンを宣告。その後も膝主体で圧倒し、判定勝ちした。
第3試合 -67kg Fight 3分3R(延長1R)
○松岡 力(K-1ジム五反田チームキングス/元新日本キック日本ウェルター級1位、K-1甲子園’11(62kg)4位/67.0kg)※藤本ジムから所属変更
×渡邊俊樹(優弥道場/67.0kg)
2R 1’16” KO (3ダウン:右ローキック)
第1~3試合はKrush初参戦の選手が登場。松岡は戦績11戦5勝(3KO)4敗2分の24歳。野杁正明が優勝した13年3月のRoad to GLORY JAPAN -65kg SLAM 8人トーナメントではプロ3戦目で参加し、当時REBELS王者だった藤田ゼンに一回戦で敗れたものの、ダウンを先取し、高い素質を印象付けた。その後はホームリングの新日本キックで実績を重ね、16年7月に新日本キック日本ウェルター級王者の渡辺健司に判定負けして以来の試合。久保賢司代表のK-1ジム五反田チームキングスに移籍しての初戦でもある。
1R、長身の松岡が右ハイ、ミドル、左ジャブも絡めつつ、右ローのヒットを増やし、終盤にはぐらつかせて攻勢に。2Rに入っても渡邊にダメージは残り、松岡の右ローでついにダウン。その後も松岡がパンチも絡めつつ、右ローで2ダウンを重ね完勝した。
試合後は久保からマイクを渡されたが、松岡は「Krushで初めての試合で緊張して動きが固くなりました。…言うこと忘れました」と、アピールはスベったが、試合では十分なインパクトを残した。
第2試合 女子-45kg Fight 3分3R(延長1R)
×C-ZUKA(TEAM GONJI/元NJKFミネルヴァ・アトム級王者、J-GIRLSピン級5位/45.0kg)※C-CHAN 改め
○443(NEXT LEVEL渋谷/KING OF STRIKERS女子ピン級王者・J-GIRLS 4位/45.0kg)
1R 2’08” KO (右フック)
C-ZUKAはKrush初参戦の28歳で9戦4勝(1KO)4敗1分。Krush女子-45kgでは12月大会で松下えみが初代王者となった。C-ZUKAは松下と昨年2月のNJKFで戦っており、3R判定負けを喫したものの、左ハイでぐらつかせる場面を作った。165cmと長身で、153cmの443とのリーチ差がどう影響するか見どころだ。
1R、開始しばらくはC-ZUKAが右の前蹴り、ローを多用して443を突き放していたが、次第に443が前に出て距離を潰すようになると、右フックが当たるようになり、右フックでC-ZUKAがダウン。その後も443がパンチ主体で攻め続け、右フックを再びクリーンヒットし、豪快にマットに沈めた。
第1試合 -55kg Fight 3分3R(延長1R)
×大川一貴(青春塾/54.7kg)
○玖村将史(K-1ジム五反田チームキングス/DEEP☆KICK -53kg級3位、元NJKFバンタム級4位/55.0kg)※K3Bから所属変更
1R 2’11” KO (3ダウン:左フック)
NJKFバンタム級王者・玖村修平の弟で元同級4位の玖村将史が大阪から上京し、K-1ジム五反田チームキングス所属となってKrushに初参戦する。戦績7戦5勝(4KO)2敗の19歳だ。
1R、サウスポーのベテラン・大川に対し、開始すぐから将史が右ミドル、ローを当て続け、パンチも増やすと、連打からの左フックでダウンを奪取。その後も右ハイでダウンを奪うと、終盤にかけてのパンチラッシュで左フックをまたも当ててKO勝ち。しっかりインパクトを残した。
プレリミナリーファイト第2試合 -53kg Fight 3分3R
―小只直弥(K-1ジム総本部チームペガサス/52.9kg)
―晃貴(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/53.0kg)
1R 無効試合 (晃貴のローキックがローブローとなり、小只が試合続行不可能に)
プレリミナリーファイト第1試合 -63kg Fight 3分3R
○瓦田脩二(K-1ジム総本部チームペガサス/62.7kg)
×山下和希(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/62.9kg)
判定3-0 (30-28/30-29/30-27)
AbemaTV「格闘代理戦争」ROAD TO K-1 & 300万円トーナメント決勝戦 65kg契約 3分3R
○松村英明(魔裟斗推薦/65.0kg)
×中嶋志津麻(武尊推薦/63.0kg)
2R 0’44” KO (左ストレート)