ムエタイ 7.7 バンコク(レポ):福田海斗、True4Uスーパーバンタム級3位ペットーとドロー。タイトル戦線に踏み留まる
MARTIAL WORLD PRESENTS GYM VILLAGE
中野トイカツ道場
中野駅徒歩3分。平日7~23時、年中無休営業。入会金&月謝2ヶ月分無料!
スック・ペッティンディー
2022年7月7日(木) タイ・バンコク・ラジャダムナンスタジアム
記事提供:MuayThai Super Fight
メインイベント 123ポンド契約 3分5R
△ペットー・ファイタームエタイ(タイ/True4Uスーパーバンタム級3位)
△カイト・ウォーワンチャイ[福田海斗](キング・ムエ/True4Uスーパーバンタム級4位、IMSA世界同級王者、元タイ国プロムエタイ協会フライ級王者)
タイで最も有名な日本人ムエタイ選手・福田海斗が7月7日(木)ラジャダムナンスタジアム興行「スックペッティンディー」のメインイベントに出場し、若手強豪ペットー・ファイタームエタイと対戦。一進一退の大激戦の末ドロー、場内の観客や関係者も大盛り上がりでこれまでにない高評価を受けた。
福田は先月9日(木)の同興行のメインに登場、長身サウスポーの強豪チャッチャイと対戦。圧力をかけパンチで攻め込み、4R終了時には賭け率50-1をつける圧勝でタイ人以外の外国人選手としては快挙ともいえる勝利を挙げた。
この勝利で福田はTrue4Uのスーパーバンタム級最新ランキングで4位にランクイン。タイトル戦も視野に入ってきている。 実際、試合前にはスックペッティンディーの前プロモーター・シアナオ氏(現プロモーター・ボート氏の父)は「今日、カイトが勝てば次回、122ポンド(スーパーバンタム級)のタイトルマッチを組む」と明言し、福田は絶対に負けられない一戦となった。
今回対戦するペット―はナコンシータマラート出身の20歳、ムエタイ用品ブランド「ファイター」のオーナーで前のラジャダムナンスタジアムプロモーター、ミットナコン氏の秘蔵っ子として育てられ、ペッティンディープロモーションのイチオシ選手。最近の試合では5/26(木)の同興行に出場、セミファイナルでベテランのサタンファーから勝利を挙げている。最新のランキングではスーパーバンタム級3位にランクインし、福田同様にタイトル獲得を狙う強豪だ。
両者の対戦はタイ・デジタル放送・True4Uでメインイベントとしてタイ全土に生中継、またYouTubeでも同時中継されており、日本国内でも多くの人がリアルタイムで見ていたようだ。
試合前賭け率は11-8で福田がリード。試合が動いたのは2R、「ペットーはアゴが弱い」という事前情報もあって、この日福田はジャブからタイミングを狙って右ストレート、右フックを強打。ペットーの得意な左ミドルをキャッチしてからの右フックがクリーンヒット。若干バランスを崩すペットーを見逃さず、ここで一気にパンチ連打。ペットーは距離を取り体勢を整えるも流れは福田へ。しかし、このラウンド終盤、少ないモーションから放ったペットーの右ストレートがヒット、ちょうどバックステップした福田がバランスを崩して転倒。ダウン宣告こそなかったものの、一瞬ヒヤッとした場面であった。このラウンド終了時で賭け率5-2と福田がリード。
3R、福田はリズムを速めて左ヒザ、組んでヒジと攻撃を絶え間なく繰り出す。ペットーはガードを固めながらもタイミングを狙って左ミドル、これが綺麗にヒット。中盤からは両者首相撲からヒジ・ヒザの激しい攻防。離れて左ミドルを蹴るペットー、福田はキャッチしてからの縦ヒジ一閃。この一撃でペットーは額をカットし流血、ギャンブラーもさらに大きく騒ぎ立てる。その後も福田のヒジ・ヒザの波状攻撃が続くがペットーも流血しながらも左ミドルを辛抱強く蹴り続け、必死に展開を呼び込もうとする。第3R終了時で3-2と以前福田がリード。
そして4R、不利な展開を打ち破ろうとすべくペットーは左ミドルを猛撃。とはいえ、力がなく福田にプッシングされ後退。そして組んでは福田のヒジ・ヒザ攻撃でまたもカットし流血がひどくなる。しかし、ここでも左ミドルの数が減らず2連打・3連打とヒットさせる。福田は若干スタミナをロスし、クリーンヒットを許してしまうとギャンブラーの盛り上がりも最高潮へ。手数が減ってしまった福田、このラウンド終了時に賭け率が並び、最終ラウンドで勝敗が決まる“チンダム”へ。
最終ラウンド、両者一発のミスが即勝敗につながるため、ジッと出方を伺い相手のミスを誘おうとする。福田が左ミドルを出せばペットーも即蹴り返し素早い攻防が続く。途中からは両セコンドやそれぞれ賭けているギャンブラーの指示で両者距離を取り、外す展開へ。これは両陣営とも勝敗に自信を持っているということで、最終ラウンドは最後の最後までギャンブラー達の賭けが続き、勝敗の行方がわからない好試合となった。結局、ジャッジの裁定はドロー。苦笑いで大きくリングに倒れ込んだ福田に対し、ペットーは若干ホッとした表情が印象的であった。
試合後、同興行のプロモーター・ボート氏は「いい試合だった、ギャンブラーの声を気にせず、5Rもお互い攻撃を出し合うと、もっと良かったね」と両者の健闘を讃えた。また関係者やファンからの評価も高く、ドローという裁定に対しファンの間ではSNS上で「カイトの勝ちだ」「ペットーの勝ちだ」と両者の試合に酔いしれた様子であった。今回、福田が勝てばタイトル戦という流れであったがドローとなったため、次回8月に予定される福田の次戦がタイトル前哨戦と持ち越しとなった。もちろん、更なる強豪が相手となるであろうが、この勢いのままタイトル戦に辿り着いてほしい欲しいものだ。