Krush 6.17 後楽園ホール(レポ):佐々木大蔵、久々のKO勝ち、10連勝、スーパー・ライト級王座3度目の防衛。K-1王者・大和哲也への挑戦を希望
MARTIAL WORLD PRESENTS GYM VILLAGE
OGUNI-GYM(オグニジム)
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Krush.138
2022年6月17日(金)後楽園ホール
レポート&写真:井原芳徳
第10試合 メインイベント Krushスーパー・ライト級(65kg)タイトルマッチ 3分3R(延長1R)
○佐々木大蔵(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/王者)
×寺島 輝[ひかる](TANG TANG FIGHT CLUB/team JOKER/挑戦者)
3R 1’31” KO (パンチ連打)
※佐々木が3度目の防衛
佐々木は20年2月、鈴木勇人を破り王者となり、以降は近藤拳成、平山迅を相手に2度の防衛に成功。並行して上がるK-1でも大和哲也、林健太、ヴィトー・トファネリらを下しKrush・K-1で9連勝中だ。THE MATCH 2日前の試合のため、公開練習で佐々木は「武尊、野杁正明、秀さん(=山崎秀晃)の熱を感じながら練習できています」とコメントしていた。
寺島はK-1アマチュアからの生え抜きで、19年4月にKrushでデビュー後4連勝。その後、山崎秀晃、斉藤雄太に連敗したが、昨年はKrushで松本篤人、元Krush王者の鈴木勇人相手に連勝し、9戦目・25歳でベルトに初挑戦する。4月大会では師匠の大沢文也がライト級王座奪取を果たしたばかり。佐々木も寺島も気合の入る状況での王座戦となる。
1R、両者オーソドックスで構え、佐々木が中央で構え、見合う時間が長いが、佐々木が右のカーフ、ストレートを時折当て、やや手数で上回る。寺島は開始すぐに左ハイを当てたが、その後の攻撃が乏しい。記者採点は僅差だが佐々木。
2R、佐々木が同様に中央で構えるが、寺島が距離を取りながら、随所で右ストレートを当て、やや優位に。佐々木はひるむことはないものの、自分の攻撃がなかなか当てられなくなり、パンチの空振りも増えてしまう。記者採点は僅差だが寺島。
すると3R、佐々木は危機感を持ったか?開始すぐから圧力を強めてパンチを振るい、右ストレートを度々当てて寺島を苦しめる。佐々木は前に出続けパンチラッシュを続け、寺島は下がって防戦一方となり、佐々木は左フックでダウンを奪う。寺島は立ち上がるがダメージが大きく、佐々木のパンチの連打で棒立ちになったところで、梅木レフェリーがストップした。
3度目の防衛をKOで果たした佐々木は「9月11日、K-1横浜アリーナ大会、よこはまつりにK-1スーパー・ライト級王者・大和哲也選手が参戦発表しましたが、挑戦者、僕しかいないでしょう。KrushチャンピオンとしてK-1のチャンピオンに挑ませてください」と、4月に先輩の山崎秀晃をKOしてK-1のベルトを奪取した哲也への挑戦を希望した。続けて「ずっと判定王者と言われましたけど、KOできる感覚がつかめましたので、今後は量産します。明後日、THE MATCH、秀さん、野杁正明、武尊、つなげました」とアピールした。
佐々木は3年前のK-1で不可思にTKO勝ちしたが、その時はカットによるドクターストップだった。純然たるKO勝ちは14年11月のKrushの早坂太郎戦以来約8年ぶりとなる。大会後のインタビューで佐々木は「ここに来てKOできるとは思わなかったです。寺島選手をつかまえきれず、3Rにようやく捕まえられて良かったです。しょっぱな、変則のハイキックをもらって少し予想外で動揺しました。3Rは行くぞーって、ここ行かなきゃいつ行くんだって感じでした」と試合を振り返った。
大会後の総括でK-1の中村拓己プロデューサーは「寺島選手が追い詰めたからこそ佐々木選手の強さが出て、寺島選手も恥ずかしい試合ではなかったと思います」「佐々木選手はあっぱれです。強くて安定感がある選手という印象が、殻を破ったと思います」「K-1の王座に挑戦する上で、佐々木選手は山崎選手と同門というネックが無くなって、チャンピオンに挑む一番近い位置にいると思うので、これからの展開は考えたいです」とコメントした。
第9試合 セミファイナル スーパー・フェザー級(60kg) 3分3R(延長1R)
○横山朋哉(リーブルロア)
×石田勝希(RKS顕修塾/MA日本&RKSスーパーライト級王者、ACCELライト級王者)
判定3-0 (箱崎30-24/岡田30-24/梅木30-25)
横山は今年1月、第10代Krushスーパー・フェザー級王座決定トーナメント決勝で中島千博に敗れたものの、それまでは5連勝、佑典・松本涼雅・山本直樹相手に3連続KO勝ち。今回は中島に敗れて以来の試合だ。対する石田は昨年12月のK-1大阪大会で、約4年ぶりにK-1系の試合に登場し、篠原悠人に判定負けして以来の試合。今回はスーパー・フェザー級に階級を落として戦う。
1R、序盤こそ石田がサウスポーの横山に右インロー、ボディフックを当てていたが、中盤から横山が左ミドルを強打し続けてペースを握り、左の三日月を当ててから、左ストレートの連打でダウンを奪う。終了間際にはパンチラッシュから左テンカオでダウンを重ねる。記者採点は10-7で横山。
2R、ある程度回復した様子の石田が右インローを当てるが、中盤から横山が左ミドル、ボディ、右ジャブ等を当て続け、手数で上回る。だが石田は1Rのように崩れることはない。記者採点はイーブン。
3R、横山は序盤から右フックで石田をフラつかせ、左ミドル、テンカオ等を効かせ優位を維持すると、終了間際に左インローでフラつかせてからの左ストレートでダウンを奪い、点差を広げ判定勝ちした。記者採点は10-8で横山。合計30-25で横山。
第8試合 スーパー・フェザー級(60kg) 3分3R(延長1R)
○野田哲司(PURGE TOKYO)
×松本涼雅(team ALL-WIN)
4R 判定2-1 (梅木10-9/岡田9-10/箱崎10-9)
3R 判定1-0 (梅木30-29/岡田30-30/箱崎30-30)
野田は昨年PURGE TOKYOに移籍しTETSUから本名に戻し、1月のKrushスーパー・フェザー級王座決定トーナメントのリザーブ戦に臨んだが、斎藤祐斗にKO負けした。対する松本は同トーナメントの昨年10月の一回戦で横山にKO負けし、プロデビュー以来の連勝が3で止まった。共に今回が再起戦だ。
1Rは両者比較的見合う時間が長く、パンチを出すが有効打にはつながらず、ミドルやローもヒット数が伸びない。記者採点はイーブン。
2R、両者の距離が縮まり、パンチが交錯し、クリンチとなる場面が増える。その中で野田が左ボディ、左フックのヒットを増やし、若干だが優位に。松本は目立つヒットが乏しい。記者採点は野田。
3R、松本が組まず手で押さえつつ膝を当てる場面が目立つようになるが、野田はひるまず。終盤のパンチの打ち合いでは野田がやや優位で終える。記者採点はイーブン。合計30-29で野田。ジャッジは1者が同じ採点だったが、2者は30-30で延長へ。
延長R、接近戦が続き、クリンチも多いが、パンチで打ち合う場面も増える中で、野田がハイも絡めてやや手数多く攻めて終了する。記者採点は僅差だがマスト判定のため野田。ジャッジは割れたが、2者が順当に野田を支持し、野田の判定勝ちとなった。
第7試合 フェザー級(57.5kg) 3分3R(延長1R)
○兼田将暉(RKS顕修塾/ACCELフェザー級王者、元RKSスーパーフェザー級王者、元HEATライト級王者、K-1甲子園2017 -60kg優勝)
×林 勇汰(FLYSKY GYM)
判定3-0 (豊永30-29/山根30-28/太田30-27)
K-1甲子園優勝経験もある兼田は、1月のKrushで4年ぶりにK-1系の試合に登場し、龍斗に判定勝ち。戦績は16勝(6KO)2敗。林は2月大会で佑典にKO負けしている。
1R、兼田はサウスポーで構え、右ジャブ、左ミドル、インローを度々当て主導権。記者採点は兼田。
2Rも兼田は同様に攻撃を散らしつつ、左ストレートも度々当てる。林も時折右ミドル、ローを返すが、攻撃数が伸びない。記者採点は兼田。
3R、兼田が左インローを当てていると、林は足取りがぎこちなくなる。林も右フックを当てる場面もあるが、兼田が左ハイ等で優位を維持。記者採点は兼田。合計30-27で兼田。ジャッジの評価はバラついたものの、兼田が3者から支持され判定勝ちした。
第6試合 スーパー・フェザー級(60kg) 3分3R(延長1R)
×目黒翔大(優弥道場)
○松山勇汰(TEAM TOP ZEROS/LARA TOKYO/K-1甲子園2020 -60kg優勝)
判定0-3 (太田25-30/豊永25-30/山根25-29)
両者サウスポー。1R、目黒が終始圧をかけ、度々松山をコーナーに詰めパンチを振るう。クリーンヒットにはなかなかつながらないが攻勢を印象付ける。2Rも目黒が圧をかけ続けたが、中盤から松山がハイ、膝、パンチを効かせ、右フックでダウンを奪う。
3R、序盤から松山が左ストレート、右ストレートで2ダウンを奪う。セコンドのレオナ・ペタスからは「ポイントアウトでいいよ。逃げていいよ」という声が飛び、前に出る目黒をかわしながら松山が随所でジャブを当て反撃を許さず判定勝ちした。
第5試合 75kg契約 3分3R(延長1R)
○ブハリ亜輝留[アキル](ウィラサクレック・フェアテックス幕張)
×EITO(ALONZA ABLAZE)※Respect All Fear Noneから所属変更
2R 2’00” TKO (レフェリーストップ:右ローキック)
1R、ブハリが圧をかけ続け、終盤にコーナーに詰めると、右ストレートの連打でスタンディングダウンを奪う。2Rも同様のパターンのパンチ連打でダウンを奪うと、最後は右ローでEITOを倒したところで芹沢レフェリーがストップした。
第4試合 75kg契約 3分3R(延長1R)
○パク・ヨハン(韓国/ZEEK GYM/KROSS×OVERクルーザー級王者)※優弥道場から所属変更
×鈴木健太郎(E.S.G)
判定3-0 (豊永30-29/岡田30-29/梅木30-28)
1R、鈴木が圧をかけ、ヨハンが回りつつ、やや積極的にミドルやストレートを出すが、まだはっきりした差はない。2Rもヨハンがやや優位を維持。3Rにはパンチで鈴木に鼻血を出させ、手数で上回り続け、左ハイも当てて差を示し判定勝ちした。
第3試合 スーパー・ライト級(65kg) 3分3R(延長1R)
×齋藤紘也(ウィラサクレック・フェアテックス三ノ輪)
○塚本拓真(K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ)
判定0-3 (豊永28-29/山崎27-29/岡田26-29)
※齋藤が公式計量で1.9kgオーバーし1R減点2、ファイトマネー30%減額。塚本は2オンスのグローブハンデを希望せず両者8オンスグローブを着用
1R、齋藤が左右のミドルや右テンカオから右のパンチにつなげる動きを繰り返し、何発も当ててダウン寸前まで追い込む場面も作る。
2Rも齋藤の優位が続いたが、中盤から塚本も右のストレートのヒットを増やしのけぞらせ挽回する。
3R、減量苦の齋藤に対し、塚本が左テンカオ、右ボディストレート、右ミドルを度々当てて苦しめ判定勝ちした。ジャッジ3者は2R以降の塚本の攻めへの評価でバラついた。
第2試合 ライト級(62.5kg) 3分3R(延長1R)
○伊藤健人(K-1ジム蒲田チームアスラ)
×南雲大輝(スタースポーツクラブ)※八光流柔術総本部から所属変更
2R 2’42” KO (3ダウン:右フック)
1Rから伊藤がサウスポーの南雲に、パンチと蹴りを多く当て続け主導権。2Rには中盤に左フックでダウンを奪うと、右フックで2ダウンを重ねKO勝ちした。
第1試合 ライト級(62.5kg) 3分3R(延長1R)
×明戸仁志(ALONZA ABLAZE)※K-1 GYM SAGAMI-ONO KRESTから所属変更
○弘輝(WORLD TREE GYM)※WORLD TREE GYM/team ALL-WINから所属変更
2R 2’56” KO (パンチ連打)
プレリミナリーファイト第2試合 スーパー・ライト級(65kg) 3分3R
○坂本優輝(PURGE TOKYO)
×龍(team ALL-WIN)
2R 1’27” KO (右フック)
プレリミナリーファイト第1試合 フライ級(51kg) 3分3R
△YASSY(K-1 GYM HIKARIMACHI TEAM BEAST)
△石郷慶人(K-1ジム福岡チームbeginning/KPKB(九州プロキックボクシング)フライ級王者)
判定0-1 (29-30/30-30/30-30)