K-1 2.27 東京体育館(レポ/スーパー・バンタム級王座決定トーナメント):金子晃大、玖村将史との壮絶な打ち合い制してリベンジし王者に
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K-1 WORLD GP 2022 JAPAN~第3代スーパー・バンタム級王座決定トーナメント~
2022年2月27日(日)東京体育館
レポート&写真:井原芳徳 ※ワンマッチは別記事でお伝えします。
武居由樹のボクシング転向で空位となったK-1スーパー・バンタム級王座を懸けたトーナメントが開催された。K-1 JAPAN GROUPは当初、外国から4選手を招いてのトーナメントを計画していたが、新型コロナウイルス感染拡大予防の入国規制が続いたため、日本の8選手によるトーナメントに落ち着いた。今回の一回戦の赤コーナー側の金子晃大、璃明武、玖村将史、佐々木洵樹が当初エントリーしていたメンバーで、特に金子と玖村が有力メンバーと見られている。
第1試合 K-1 WORLD GP第3代スーパー・バンタム級(55kg)王座決定トーナメント・一回戦(1) 3分3R(延長1R)
○金子晃大[あきひろ](K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ/元Krushバンタム級(53kg)王者)
×黒田勇斗(K-1ジム心斎橋チームレパード)
3R 1’17” KO (2ダウン:右ストレート)
1R、金子が圧をかけ、右ストレート、右飛び膝、左ボディを随所で強打し主導権。やや動きは固い感もあるが、一発一発は重い。記者採点は金子。
2R、金子は1Rから時折当てていた右のカーフキックを多用するように。時折左のミドルやボディも織り交ぜ、主導権を維持する。黒田もカーフ、ローを返すが攻撃が少ない。記者採点は金子。
3R、黒田は前に詰めてパンチを連打するが、金子はブロックして左ストレートをねじ込みダウンを奪う。金子はその後も圧をかけ、左ボディを効かせてからの右ストレートで黒田を豪快にマットに沈めた。
第2試合 K-1 WORLD GP第3代スーパー・バンタム級(55kg)王座決定トーナメント・一回戦(2) 3分3R(延長1R)
○璃明武[りあむ](K-1ジム総本部チームペガサス/Krush同級王者)
×一航(新興ムエタイジム/WBCムエタイ日本統一バンタム級王者、元NJKF&WMC日本同級王者)
判定3-0 (豊永30-29/水谷30-29/箱崎30-29)
一航はK-1 JAPAN GROUP初登場。1R、璃明武が積極的に前蹴り、右ローなどを出すが、一航はローをカットしつつ、自分の左右のミドルを随所でお返し。まだほぼ五分の蹴り合いだ。記者採点はイーブン。
2Rも蹴り主体の攻防。お互いパンチも振るうが、詰め切れず空振りが多い。なかなか均衡が崩れない。記者採点はイーブン。
3Rもお互いミドル、ローを当てるが、決定打が出ない。最後、ようやく一航の右フックがさく裂したが、大きなダメージはなく、すぐ終了する。記者会見はイーブン。合計30-30でイーブン。ジャッジは3者とも全体的に少し手数で上だった璃明武を支持した。
第3試合 K-1 WORLD GP第3代スーパー・バンタム級(55kg)王座決定トーナメント・一回戦(3) 3分3R(延長1R)
○玖村将史(K-1ジム五反田チームキングス/元Krush同級王者)
×鬼山桃太朗(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/Bigbangスーパーバンタム級王者)
1R 1’24” KO (左三日月蹴り)
1R、開始すぐから玖村が左の三日月蹴りを当て、その後も重心を低く構える鬼山に何発も左ボディ、左右のストレートなどを的確にヒット。鬼山を防戦一方にすると、左の三日月を突き刺しダウンを奪取。鬼山は立ち上がれず、玖村が無傷で初戦を突破した。
第4試合 K-1 WORLD GP第3代スーパー・バンタム級(55kg)王座決定トーナメント・一回戦(4) 3分3R(延長1R)
○佐々木洵樹[じゅんき](POWER OF DREAM/元Krushバンタム級(53kg)王者)
×内田 晶[しょう](チーム・タイガーホーク)
4R 判定3-0 (豊永10-9/水谷10-9/箱崎10-9)
3R 判定0-1 (豊永29-30/水谷30-30/箱崎30-30)
1R、佐々木が時折スイッチしつつ、サウスポーで圧をかけ続け、蹴りを積極的に出し、右の飛び膝、左ストレートをヒット。内田は序盤こそ右ストレートで佐々木をスリップさせたが、なかなか以降は攻撃が出せない。記者採点はやや佐々木優位だがイーブン。
2R、内田は佐々木の攻撃が見えてきた様子で、被弾は減り、自分の右ミドル、ハイを当てる場面もあったが、後半は手数が減る。佐々木も攻めあぐね、お互い決め手に欠ける。記者採点はイーブン。
3R、佐々木が顔面狙いの左前蹴りを序盤に当て、以降は圧をかけ続ける。内田は佐々木の打ち終わりなどに右のストレートを随所で当て、若干好印象だが、決定打には至らない。記者採点はイーブン。合計30-30でイーブン。ジャッジは1者のみ内田を支持し延長へ。
延長R、佐々木が圧をかけ続け、左ミドル、左ストレートなどを当てる。内田も右ストレートを終盤に当てるようになるが、手数は落ちる。このラウンドも明確な差はなかったが、積極的だった佐々木がジャッジ3者に支持され、佐々木の勝利となった。記者採点も佐々木。
K-1 WORLD GP第3代スーパー・バンタム級(55kg)王座決定トーナメント・リザーブファイト 3分3R(延長1R)
○倉田永輝(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)
×愛瑠斗[えると](健成會)
1R 2’38” KO (2ダウン:左ハイキック)
緊急出場の倉田だったが、開始すぐからキレのある動きで圧倒し、左ハイを効かせてからの右フックの連打でダウンを奪取。最後も左ハイで愛瑠斗を豪快にマットに沈めた。
第11試合 K-1 WORLD GP第3代スーパー・バンタム級(55kg)王座決定トーナメント・準決勝(1) 3分3R(延長1R)
○金子晃大[あきひろ](K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ/元Krushバンタム級(53kg)王者)
×璃明武[りあむ](K-1ジム総本部チームペガサス/Krush同級王者)
2R 2’23” KO (2ダウン:右カーフキック)
結局、一回戦は元々このトーナメントにエントリーしていた赤コーナー側4選手が突破。そしてその中でも頭が抜けているのは、やはり金子と玖村だった。
1R、金子が右のカーフキック、ミドル、璃明武も右ミドルを返す蹴り主体の展開。金子は蹴り足を再三つかみ、レフェリーから注意を受ける。記者採点はイーブン。
2R、金子が右のカーフを当て続けていると、璃明武はダメージが溜まり、スリップの後に立ち上がるのも足が力が入らなくなる。すると金子は右ミドル、右ストレートも当てるようになり、終盤、踏み込んでの左フックでダウンを奪う。さらに金子が右のカーフキックで倒すと、レフェリーはダウンを宣告し、金子のKO勝ちとなった。
第12試合 K-1 WORLD GP第3代スーパー・バンタム級(55kg)王座決定トーナメント・準決勝(2) 3分3R(延長1R)
○玖村将史(K-1ジム五反田チームキングス/元Krush同級王者)
×佐々木洵樹[じゅんき](POWER OF DREAM/元Krushバンタム級(53kg)王者)
1R 1’37” KO (2ダウン:パンチ連打)
1R、サウスポーの佐々木に、玖村が圧をかけ続ける。佐々木が左ローを当てるが、直後に玖村が左ボディからの右フックの連打をクリーンヒットしダウンを奪う。佐々木は立ち上がるがダメージが大きく、玖村がパンチラッシュの中で押し倒すと、佐々木は立ち上がれず、芹沢レフェリーは2ダウン目を宣告し、玖村のKO勝ちとなった。
第20試合 K-1 WORLD GP第3代スーパー・バンタム級(55kg)王座決定トーナメント・決勝 3分3R(延長1R)
○金子晃大[あきひろ](K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ/元Krushバンタム級(53kg)王者)
×玖村将史(K-1ジム五反田チームキングス/元Krush同級王者)
判定2-0 (豊永28-28/西村29-28/金子29-28)
※金子が優勝。王者に
決勝は下馬評通り玖村と金子の対戦に。両者は20年3月のK’FESTAで対戦し、玖村が勝利し、金子の14戦のキャリアで唯一の黒星をつけている。
1R、序盤からパンチの打ち合いとなり、玖村が左ボディの連打から左フックにつなげるが、金子もパンチをお返し。玖村が左ミドルを強打すれば、金子も右のカーフを返し、玖村も右のカーフを返す。終盤、金子の右ストレートで少し玖村がひるむが、すぐ持ち直してパンチを返してひるませ、一進一退の展開に。記者採点はイーブン。
すると2R序盤、金子の右ストレートが連続でさく裂し、玖村はダウン。金子は左ミドル、右ストレートで倒しにかかるが、玖村は右ストレート、左ジャブを少しずつ返して巻き返し、金子は鼻血を出すように。記者採点は10-8で金子。
3R、玖村は左ボディを連打し、左ジャブも連打する。金子は苦しそうだが、随所で右のカーフを返し、反撃を抑えて耐えきる。記者採点は玖村。合計29-28で金子。1者がイーブンとしたが、2者は金子を支持し、金子がリベンジ、優勝、王座奪取を果たした。
表彰式を経てマイクを持った金子は「玖村君に2年前に負けてて、そこからめちゃくちゃ練習して、やっと決勝で戦えて勝ててうれしいですけど、ひたすら努力させてくれて、この経験をさせてくれたK-1に感謝しています。チャンピオンになったからこそ、K-1という素晴らしい団体を広めたいです。そのためにできることを努力し、僕がやっていることを届けられるよう努力したいです」とアピールした。
大会後のインタビューで金子は決勝の2Rに奪ったダウンについて「気合いって感じですね」と話しつつ「倒せなかったのはまだまだですね。もっとさらに強くならないと」とコメント。「チャンピオンはK-1の代表する1つの形なので、もっと結果を出さないといけない。すぐ切り替えて、課題を克服してもっと強くなりたい」と、早くも王者らしいコメントを残した。
敗れた玖村は決勝の2R目の痛恨のダウンについて「トーナメント3試合目で集中力が途中でダメだったのか、一瞬の隙だったと思います」と振り返り「1日でも早くやり返したい。結果は負けたけど実力で負けていると思っていない」と話し、早くもリベンジに燃えていた。
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