修斗 3.20 後楽園ホール:岡田遼、元DEEP王者・大塚隆史退け初防衛「来年で格闘技の旅は終わり」。平良達郎、前田吉朗を秒殺しプロ8連勝
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プロフェッショナル修斗公式戦 PROFESSIONAL SHOOTO 2021 Vol.2 Supported by ONE Championship
2021年3月20日(土)後楽園ホール
レポート&写真:井原芳徳
第7試合 メインイベント 修斗世界バンタム級チャンピオンシップ 5分5R
○岡田 遼(パラエストラ千葉/王者)
×大塚隆史(T-GRIP TOKYO/世界1位、元DEEP王者)
判定3-0 (福田49-46/豊永48-47/橋本50-45)
※岡田が初防衛
岡田は昨年5月の無観客大会で倉本一真のスープレックスを封じてKO勝ちし、修斗バンタム級世界暫定王座を獲得。試合後のマイクで岡田は「みんな俺に勝てないよ。俺のほうが修斗を愛しているから」とアピールしたが、修斗一筋の岡田とは全く異なる道を歩んできたのが挑戦者の大塚隆史だ。
大塚は主戦場のDEEPの2階級を制覇し、17年には堀口恭司や石渡伸太郎の参戦したRIZINバンタム級GPでベスト4入り。その後もDEEPに上がり続けたが、新たな対戦相手を求め昨年11月、修斗に初参戦。岡田が一昨年引き分けた相手である環太平洋王者の安藤達也をカーフキックで1R KOすると「修斗、修斗、うるせえし。環太平洋のベルトに興味ないんで。佐藤(将光)選手、岡田選手、ベルト懸けなくていいんでやりましょう」とアピールした。
佐藤はその後、世界王座を返上し、岡田が正規王者に。さっそく岡田のベルトを懸け、大塚との大一番が組まれた。(※大塚×安藤と岡田の最近の試合をまとめた動画が修斗公式YouTubeにアップされている)
大塚のセコンドには北岡悟がつく。1R、スタンドで岡田は時折スイッチしつつ、右のカーフキックを随所で当てる。大塚は左インローを返すが蹴り数が少ない。岡田の右のカーフでスリップした大塚は、その後の岡田の蹴りのタイミングでタックルを仕掛ける。岡田は耐えると、大塚はギロチンを狙って引き込むが、岡田はすぐ外し、金網際で押さえ続ける。膠着ブレイク後、残り20秒を切って大塚がタックルを仕掛けるが、岡田は首を抱えつつ倒れ、その先は攻めさせず終了のゴングを聞く。記者採点はカーフが有効だった岡田。
2R、岡田は右のカーフだけでなく左の三日月蹴りもヒットする。大塚は1Rよりもパンチのヒットを増やすが、岡田はひるまず右のカーフ、ロー、左ハイ等を当て続ける。大塚はカーフを嫌ってか時折スイッチする。終盤、岡田は左ミドルを空振りさせて下がらせると、続けて右ストレートを当てて印象を残す。記者採点は岡田。
3R、スタンドの攻防が続き、中盤、大塚が胴タックルを仕掛けるが、岡田は切り、金網際で組み付いた状態で膠着ブレイクを誘う。その後も打撃戦が続くと、ようやく大塚のパンチのヒットが目立つようになるが、終了間際、岡田の右フックをもらった大塚がマットに片膝をつき、印象を悪くする。記者採点は岡田。
4R、スタンドの攻防の中で、岡田の右の前蹴りがローブローとなり一時中断する。約5分の休憩を経て再開。大塚がタックルを2度仕掛けるが、いずれも岡田は切って突き放す。スタンドでお互い攻撃が減ったものの、大塚が左のミドルで一瞬岡田の動きを止め印象を残す。記者採点は大塚。
5R、大塚が序盤にパンチの連打をまとめ好印象。だが中盤、岡田が押し込んでテイクダウンに成功する。大塚は脱出すると、上を奪い返し、岡田が立つと、しがみついて金網に押し込む。離れると、お互いテイクダウンを狙い合うスリリングな展開が続くが、大塚がテイクダウンを繰り返し、最後は本領を発揮し終了する。記者採点は大塚。
記者採点合計は48-47で岡田。4~5Rはポイントを取られたが、1点差で逃げ切ったと判断した。サブレフェリーの採点はバラついたものの、3者とも岡田を支持。岡田に勝利が告げられると、大塚は納得した様子でうなづき、岡田と抱き合って称えて退場した。
マイクを受け取った岡田は「大塚選手、俺がこの階級の王様だ。これが修斗のチャンピオンだ」と第一声を発しつつも「岡田遼が戦って一番盛り上がる選手は誰か知っていますか?修斗を愛していない強い奴なんですよ。その点、最高のチャレンジャーでした。大塚選手は強い選手です。彼のホームのDEEPなら五分五分です」と大塚を称えた。だが最後は「修斗をやるんなら何回やっても絶対俺が勝ちます。なぜなら彼より、俺のほうが修斗を愛しているから」としっかり決め台詞を叫び、大会を締めくくった。
バックステージでのインタビューで岡田は「1Rで行けると確信しました。向き合って僕が上だと思いました。(DEEPの)元谷戦を見ていてローのカットはあまり上手くないと思いました。日本一ケージレスリングが上手い相手なので、通用したのは良かったです。かなわないと思いましたけど、意外と俺行けんじゃんと思いました。想定内でした」と試合を振り返った。
今後の目標を聞かれると「去年でUFCに行きたかったんですけど、難しくなったので、ちょっと考えます」「来年のアマ修斗時代からの10周年をめどに格闘技の旅は終ろうと思います」と話し、残り約1年での引退を表明。「(師匠の)鶴屋(浩)さんとまだゆっくり話していないですけど」「あんまり体が強い方じゃないので。30を超えて、あまり長くできないんで(※注:4月10日で32歳になる)」とも語り、「とにかくこのベルトが防衛できたんで。このため格闘技やっていたんで、やり残したことはないですね」と話すと涙を浮かべた。
第6試合 セミファイナル 61.2kg契約(フライ級) 5分3R
○平良達郎(THEパラエストラ沖縄/フライ級世界1位)
×前田吉朗(パンクラス大阪稲垣組/フライ級世界5位、元DEEPバンタム級王者、元パンクラス・フェザー級王者)
1R 1’01” 裸絞め
平良は11月の後楽園大会で、当時フライ級世界1位の清水清隆に判定勝ちし、プロ7戦7勝とした21歳の新鋭。対する前田はパンクラス、DEEPのトップ戦線で活躍してきた39歳のベテランだ。前田は昨年7月に福田龍彌に3R TKO負けしたが、扇久保博正の王座返上で正規王者になった福田への挑戦者争いで重要な試合となる。
1R、お互いの左ミドルが相打ちになり、直後に組み付いた前田が反り投げのような形で倒しギロチンを狙うが、すぐに平良は脱出して立つ。すると平良はオンブで背後に回り、裸絞めを極め、そのまま後方に倒れてグラウンド状態で締め上げる。すると前田は失神。平良が衝撃的な一本勝ちを果たした。
平良は「ここで勝ったらタイトルマッチできると思って練習してきました。1位なので僕にはタイトルマッチしかないです。修斗のベルト目指してアマチュアから頑張ってきたので、次組んでください」とアピールした。(右下写真は大会後の岡田と平良。平良の師匠・松根良太はパラエストラ松戸出身で、岡田の先輩にあたる。)
第5試合 65.8kg契約(バンタム級) 5分3R
×魚井フルスイング(和術慧舟會HEARTS)
○後藤丈治(TRIBE TOKYO M.M.A)
判定0-3 (豊永27-30/橋本27-30/柴田26-30)
1R、両者サウスポーに構え、後藤が圧力をかけ続け、魚井は時折左のフックを強振する。中盤、魚井の左フックの直後に後藤が左ストレートを当ててダウンを奪う。その後も魚井は左のパンチを時折当てるものの、後藤はひるまずローを返し続ける。記者採点は後藤。
2Rも近い構図だが、魚井は左のパンチをなかなか出せず、後藤が左ロー主体に左ボディ等も絡め、手数多く攻め主導権を維持する。記者採点は後藤。
3R、後藤のヒットは減ったものの、終始圧力をかけ続け、魚井の左フックもかわし続け、反撃を封じ終了する。記者採点は後藤。合計30-27で後藤。後藤が元ランカーの魚井との打撃戦を制し判定勝ちした。
第4試合 77.1kg契約(ライト級) 5分2R
×宮路智之(パラエストラ松戸)
○菅原和政(マスタージャパン福岡)
2R 3’18” KO (レフェリーストップ:左ストレート)
第3試合 77.1kg契約(ライト級) 5分2R
○マックス・ザ・ボディ(カメルーン/BRAVE)
×上原 平(リバーサルジム横浜グランドスラム)
判定3-0 (20-18/20-18/20-18)
第2試合 インフィニティリーグ2020バンタム級 65.8kg契約 5分2R
○野尻定由(赤崎道場A-SPIRIT/勝ち点1→4)
×一條貴洋(ブレイブハート/勝ち点1)
2R 4’37” 裸絞め
第1試合 61.2kg契約(フライ級) 5分2R
×輝龍(roots)
○高橋SUBMISSION雄己(和術慧舟會HEARTS)
1R 0’42” ヒールホールド