極真会館 11.29 武蔵野の森 総合スポーツプラザ:総本部のロシア人・コンスタンティン・コバレンコが無観客全日本大会で初優勝。女子は佐藤七海が制覇
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国際空手道連盟 極真会館(館長・松井章奎)「日本赤十字社 災害義援金チャリティー 第52回オープントーナメント全日本空手道選手権大会 2020全日本女子空手道選手権大会」
2020年11月29日(日)東京・武蔵野の森 総合スポーツプラザ(無観客開催)
レポート:井原芳徳 写真提供:極真会館
昨年11月、極真会館の4年に1度の男子の全世界大会が開催され、上田幹雄が日本人としては16年ぶりとなる優勝を果たした。全世界大会の無い年の11月には毎年、全日本大会が開催される。今年は新型コロナウイルス感染予防のため無観客で実施され、大会の模様は新たにスタートした極真会館公式コンテンツ配信サービス「KYOKUSHIN ONLINE」を通じて生配信された。
今年は男子48人、女子は12人が参加したが、これまでと異なり、ベスト8以降の組合せは決めず、勝ち上がった選手によるクジ引きで組合せを決めた(女子は4人がシード)。その理由について極真会館は「今大会には過去の全日本大会の優勝経験者が出場せず、選手の実績がほぼ横一線であることや、世界大会翌年の全日本大会で新たに活躍する新人選手の誕生に期待をこめて、コロナ禍で変則的な今大会において実験的にこの方式が採用されることになりました」と説明していた。その結果、男子は東京城北支部の4人、東京城西支部の3人が同じブロックに集まることになる。
男子の優勝候補は昨年世界大会5位(技能賞も獲得)の在日ロシア人・コンスタンティン・コバレンコと、世界大会6位の星龍之介(本部直轄浅草道場)だったが、星は三回戦で奥寺勇輝に敗れる波乱。女子は昨年世界女子大会準優勝の佐藤七海が有力候補だ。
試合時間は1~2回戦は本戦2分で、それ以降は本戦3分で再延長ありになる。延長と再延長の時間は2分。
男子(48選手参加)
【準々決勝】
○西村界人(東京城北支部)
×山川竜馬(東京城北支部)
延長5-0 本戦0-0
×小林健人(東京城北支部)
○清水祐貴(東京城北支部)
本戦0-5
×奥寺勇輝(東京城西支部)
○石﨑恋之介(東京城西支部)
延長0-5 本戦0-2
×加賀健弘(東京城西支部)
○コンスタンティン・コバレンコ(ロシア/総本部道場)
本戦0-4
【準決勝】
○西村界人(東京城北支部)
×清水祐貴(東京城北支部)
本戦3-0
西村は昨年の世界大会で優勝候補の一人だったゴデルジ・カパナーゼを破りベスト16まで進んだ26歳。準々決勝同様、同門対決が続き、両者準決勝でも慎重だったが、体格で勝る西村が、終盤に前に出て突きを連打する。清水は押され気味になり、まだ大差は無かったものの、審判3人が西村を支持した。
×石﨑恋之介(東京城西支部)
○コンスタンティン・コバレンコ(ロシア/総本部道場)
本戦 一本
25歳のコバレンコは得意の足掛け下段突きを駆使し、順当に準決勝へ。準決勝でも体格で勝るコバレンコが圧力をかけ続け、細かく左右のローを放ち続ける。すると中盤、コバレンコが右ローを当ててから詰めると、石崎が後方にスリップする。さらにコバレンコが左インロー、右アウトローを石崎の左の前足に連打すると、石﨑は倒れたまま立ち上がれず、コバレンコの一本勝ちとなった。
【3位決定戦】
○清水祐貴(東京城北支部)
×石﨑恋之介(東京城西支部)
本戦5-0
【決勝】
×西村界人(東京城北支部)
○コンスタンティン・コバレンコ(ロシア/総本部道場)
延長0-5 本戦0-0
前に出るコバレンコに対し、西村はステップでかわしつつ、前蹴り、バックスピンキック、左のローなどを積極的に当てる。中盤、左の三日月蹴りを当てると、少しコバレンコは下がる。だが終盤、コバレンコは前に出て突きを連打し、西村は押されてスリップする。最後、西村は顔面殴打の反則も犯してしまう。
本戦は審判5人ともドローとし延長へ。コバレンコは本戦よりも左右のローを多用し、前に出るように。西村は足が流れて下がり気味になり、コバレンコはローに膝蹴りも絡め優位を印象付ける。審判は5人ともコバレンコを支持し、コバレンコの優勝となった。
総本部の指導員でもあるコバレンコは「ロシアで練習し、日本に戻った後(政府のコロナ対策で)2週間の隔離生活を送りましたが、思うような練習ができず心配でした。その後、赤石誠先生と稽古し、ロシアの先生からもアドバイスをもらい、結果を出すことができました。極真のオンラインを通じてロシアや総本部のみんなも応援してくれたと思うので、責任を感じました。決勝の西村選手とは総本部で練習をしたことがありますので、強い攻撃をもらわないよう気を付けました。今回は優勝できましたが、3年後の世界大会を見据え、技術も体力も向上させたいです」と勝利者インタビューで話した。
優勝・コンスタンティン・コバレンコ
準優勝・西村界人
3位・清水祐貴
4位・石﨑恋之介
5位・山川竜馬
6位・加賀健弘
7位・奥寺勇輝
8位・小林健人
敢闘賞・亘 和孝(東京城西支部)
技能賞・奥寺勇輝
試割賞・コンスタンティン・コバレンコ 52枚
新人賞・佐藤拓海(東京城西支部)
女子(12選手参加)
【2回戦】
○佐藤七海(東京城西国分寺支部)
×本村愛花(東京城東北千住支部)
本戦5-0
○山﨑乙乃(東京城西世田谷東支部)
×佐藤 凜(東京城西国分寺支部)
本戦4-0
○鵜沢菜南(千葉下総支部)
×八幡華菜(東京城西支部)
本戦5-0
○遠藤ひとみ(神奈川横浜北支部)
×酒井真由(東京城西支部)
本戦5-0
【準決勝】
○佐藤七海(東京城西国分寺支部)
×山﨑乙乃(東京城西世田谷東支部)
本戦4-0
○鵜沢菜南(千葉下総支部)
×遠藤ひとみ(神奈川横浜北支部)
本戦5-0
【3位決定戦】
×山﨑乙乃(東京城西世田谷東支部)
○遠藤ひとみ(神奈川横浜北支部)
本戦0-5
【決勝】
○佐藤七海(東京城西国分寺支部)
×鵜沢菜南(千葉下総支部)
本戦4-0
一回戦シードの佐藤は、二回戦、準決勝とも、終盤に回転の速い連打をまとめて好印象を残し勝利し、順当に決勝に進出した。鵜沢(うざわ)は17歳で一回戦から勝ち上がり、準決勝で遠藤ひとみに手数で差を付け完勝し決勝へ進んだ。
開始すぐから、体格で勝る鵜沢が距離を詰め、突きの連打で先手を取ろうとし、佐藤もこれまでとは一転し、突き合いの展開に応じる。お互いローも絡め、一歩も引かない攻防に。中盤、鵜沢は左のローを2連打し、少し佐藤がバランスを崩すが、すぐ持ち直し突きを返す。すると佐藤は終盤、手数とステップの回転を上げる。鵜沢も随所で返し、大差はつけさせなかったものの、終盤の手数差が審判に好印象を残し、5者のうち主審含む4者が支持し、佐藤の初優勝となった。鵜沢は決勝で敗れたものの敢闘賞と新人賞を獲得。今後の活躍の期待が十分できる戦いぶりだった。
優勝・佐藤七海
準優勝・鵜沢菜南
3位・遠藤ひとみ
4位・山﨑乙乃
敢闘賞・鵜沢菜南
技能賞・佐藤七海
新人賞・鵜沢菜南