ムエタイ 2.15 ルンピニー:儀部快斗、試合中に5Rから3Rに変更され判定負け。中野伊織、奮闘も判定負け
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センチャイムエタイジム
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スック・ギャットペット:トンナムタイ・ルンピニーTKO&ムエタイ・スーパーファイト
2020年2月15日(土)タイ・バンコク・ルンピニースタジアム
記事提供:早田寛(Photo & Text by Hiroshi Soda)
トンナムタイ・ルンピニーTKO 第4試合 114ポンド契約 3分3R
×儀部快斗[カイト・エクシンディコンジム](エクシンディコンジムJAPAN)
○ジョムユットジョー・シットジョムユット
判定
儀部は昨年10月に久々にルンピニーに参戦し、この時はローキックで4R TKO勝ちしタイ側から注目を浴びた。今回の相手、ジョムユットジョー・シットジョムユットはナコンラチャシマー県出身19歳、50戦35勝の戦績がある。
初回は相手のジョムユットジョーはミドルが速かったが、儀部快斗はローキックを蹴り返す。相手が高い蹴りを蹴る度に儀部はしっかりとローを決めてゆくので、初回終盤には相手はミドルを蹴るのを躊躇してきた。このまま蹴り込めば儀部のKO勝利もありうるだろう。
2Rになりジョムユットジョーのミドルキックが増す。儀部はローを当ててゆくが、その間にボディーパンチや伸びのある右ストレートも決めてゆく。ジョムユットジョーは意地で蹴ってくるが、儀部に蹴られたローキックのダメージ蓄積があるのは確かだった。
3R、ここから儀部はローキックを軸に、どう攻撃の幅を広げてゆくのか楽しみなところだった。だがここで、スタジアム運営側から「通常5Rだが急遽この試合を3R戦にする」という事を告げられる。一体どういうことなのか?じつは、この儀部快斗の試合の後に、同スタジアムで、また別枠のテレビ放映が入っており、既定の時間内に会場の協賛広告やリングマットの張替を急がないといけないというので、3Rまでの時間しかない、というのだ。儀部陣営としては4ラウンド以降の追い上げに期待していたのだが、結局この試合は、ジョムユットジョーのそれまでのミドルキックが優勢だったという事で、ジョムユットジョーの判定勝ちという結果となってしまう。テレビ枠の都合だからといって、本来5Rで闘うムエタイを運営側の都合でいきなり3R戦にしてしまうとは、いったいどういったことだろう…。今後こういうことの無い様、運営側にはしっかりと抗議してゆきたい。
儀部快斗から試合後の声が届いている。「結果は判定負けでしたが、気持ちを切り替えて次に向けて頑張ります。関係者の皆さん、試合を組んでくださった方々、応援してくださった皆様、ありがとうございました。」
ムエタイスーパーファイト 第10試合 105ポンド契約 3分5R
×中野伊織[イオリ・エクシンディコンジム](エクシンディコンジムJAPAN/九州共立大学スポーツ学部1年在学)
○ウォラユット・ゲッチャチャナン
判定
ルンピニー初試合となる中野伊織が第10試合に出場。中野はこれまでに、タイ、サラブリ県にあるノーナックシンジムで計3カ月にも及ぶ長期合宿の遂行や、その間にもムエタイで2戦を闘ってきた(1勝1敗)。今回3戦目でルンピニー参戦というチャンスを得ることができ、本人も期待と緊張の入り混じった心境だった。対戦相手のウォラユットはウボン県出身15歳。50戦40勝の戦績がある。この戦績数だげをみれば、かなりのハンディがあるが中野はどう闘い抜くのか。
試合は初回、中野はローキックを軸に距離を詰める。対戦相手のウォラユットは左ミドルを返すが、中野の右ローキックが強烈であり、ウォラユットは初回から食らい始めた。2R中野はローキックに加え、蹴った後にパンチを返してゆく。このパンチが当たりはじめ、ここから上下に揺さぶった攻撃を仕掛けた。
3R、足が効いてきたウォラユットに対し、中野陣営はローキックとボディーパンチへの指示を出す。動きが鈍ってきたところへのボディーパンチは有効だろう。ウォラユットはこの中野のパンチを食らい、腹が効いたことが分かる。
4R、中野陣営からは「もっと腹を打て!」と檄が飛ぶ。あと一発強打が当たれば、ウォラユットは倒れ込みそうな状況まで弱っていた。だが、中野の方もこれまでに打ち続けてきた拳のダメージなどで、なかなか強打を打てずにいた。
最終ラウンドも、あと一発当たればウォラユットは大失速し、堅く勝利できるだろうというところまで追い詰めたが、このまま判定までいけば、中野はウォラユットの左ミドルを食らっていた事で判定勝ちは厳しいかもしれない。
試合終了ゴングが鳴り、レフリーはウォラユットを勝利宣言した。中野はルンピニー初陣で大打撃戦を繰り広げるも判定負けしてしまう。だが、これまでの中野の取り組みを見てきたエクシンディコンジム タイ本部のチャイ会長は、中野の奮闘ぶりを大きく称えた。この威勢の良い中野伊織の闘いぶりはタイのギャンブラーにも好評で、またすぐに次の試合が決まるだろう。
中野伊織より試合後の声が届いている。「皆様、応援ありがとうございました。結果は判定負けでしたが、自分の中で凄く良い経験になりました。また一からやり直しますので、応援をよろしくお願いします。」