正道会館 9.15 エディオンアリーナ大阪:伝統派空手との融合?新ルール「フルコンPlus」に将暉・石田勝希も挑戦
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正道会館「adidas cup 2019 KARATE ALL JAPAN(第38回全日本空手道選手権大会)」
2019年9月15日(日) エディオンアリーナ大阪(府立体育会館)第1競技場
記事提供:正道会館(レポート&写真:能城賢司)
空手革命「フルコンPlus」
「フルコンPlus」石井和義館長の命名である。
「空手には手による顔面攻撃があって当然」である。しかし「フルコンタクトカラテ試合」にはない。フルコンルールを活かして、中段への突き、下段蹴りを集中する目線は下を向きがちになる。ルールが無ければ顔は容易に狙われる。
これは実戦なのか?そして、大会競技があれば、それに合わせて勝とうとするのは明らかであり、これは練習するほどに強くなるという、空手の第一目的を叶えるものなのか?
それを大きく改善した新しい空手ルールが「フルコンPlus」ルールである。
従来のフルコンとの違いを簡単に説明したい。
(1) 上段中段への直突きクリーンヒットさせた場合は有効ポイント1。
(2) 中段への突きがクリーンヒットした場合も有効ポイント1.
(3) 膝蹴りを除く中段蹴りをクリーンヒットさせた場合は有効ポイント2。
(4) 上段への蹴りをクリーンヒットさせた場合は有効ポイント3
(5) 瞬間的な崩し、投げ、足払いや蹴りなどで相手を転倒させ下段突きを寸止めで決めた場合は有効ポイント3。
(6) 上段突き等、試合で認められた技で相手がダウンした場合、戦意喪失した場合はポイント8、一本勝ちとなる。
(7) 8ポイントで一本となる。
(8) 延長戦は、先に反則すれば減点で即座に負け、先に技を決めて得点すれば勝ち、勝敗が決まって試合が終了する。
そして(1)の「直突き」に関しては、改革が開始された現時点におけるルールであり、今後、フック、アッパーなども許可される方向である。
9月15日、adidas cup 2019 KARATE ALL JAPANの第一試合目からこのルールによる対戦が開始された。
まさに、たちまち、会場は興奮と緊張に包まれた。実況中継のゲスト達も「こんなに見飽きない試合はない」と語る。
参加選手にはキックボクシング経験者もいたが、顔面攻撃を認めたから「キックボクサーが有利」でもなかった
フルコンタクト空手と伝統空手流派の融合とも言えるが、空手の「実戦への回帰」でもある。
正道会館石井和義館長がかつて宣言した「空手が顔面攻撃を入れてもキックボクサーにならない」が証明される展開となった。
今大会は今後の指針を示す意味も込めて「フルコンPlus」の全試合を石井和義館長が主審を務めた。
フルコンPlus UNDER 60kg
×山本竜輝(正道会館GSJ)
○兼田将暉(正道会館江拳塾)
兼田から攻撃を仕掛けて、山本が返すパターンから始まる。兼田が中段蹴りでまず有効、得点を得る。更に攻め込む兼田が再び上段突きで得点。山本が中段で返すも得点ならず。山本が上段突きで有効ポイント1を取る。山本中段蹴りで有効ポイント得点。
本戦終了間際で両者の得点が並ぶ。本戦は判定は引き分け、3分の延長戦。延長戦は先に有効を取れば即座に勝ち、先に反則すれば即座に負け。クリアでスピーディーな試合大会。
兼田が攻勢をみせる。次に山本が逆襲に転じた瞬間に兼田が上段突きで有効ポイント1を獲得。兼田の優勝が確定した。
フルコンPlus UNDER 67kg
×石田勝希(正道会館江拳塾)
○町分元気(正道会館総本部)
先手を取ったのは町分、初めての試合の様子を見る石田に安定したスタンスからの左前蹴りが石田の顔面に入りいきなり有効ポイント3。落着きが仇となった石田。石田はキックの試合でも上段に蹴りを貰う選手ではないのだが。
石田中段突きポイント1、続けて中段突きポイント1、本来、技巧派の石田が三連続中段突きで双方互角の3ポイント。石田が防御からの中段蹴りを放つが町分の腕の上からのためにクリーンヒットとは認められず、ポイント互角のまま本戦終了、引き分け。
延長戦はマストシステム、しばらくの攻防の後、町分の中段突きが石田に。優勝は町分元気に輝いた。
フルコンPlus UNDER 75kg
○磯崎哲哉(正道会館GSJ)
×樫村公治(正道会館恵風塾加古川支部)
磯崎はこのフルコンPlusの大会に至る前の実験段階の試合に出場経験を持ち優勝している。
磯崎と樫村、遠い間合いから両者が攻防、樫村が飛び込みざまに上段突き、有効を奪う。長年、フルコンタクトカラテの愛好者の中には伝統流派の空手が遠い間合いから飛び込む突き方を疑問視するむきもあったが、この試合を見ればその戦い方の意味も理解できる。
磯崎も変則蹴りで技の冴えを見せ、樫村も蹴りを返す。磯崎の蹴りを樫村が救い受けて転倒させるが態勢が崩れる。ポイントにはならず。
磯崎も攻め込む、磯崎が上段突きでポイント1を取り返す。ここで両者の間合いが0の打ち合いに、本戦判定は引き分け。延長戦はポイント、樫村が上段突き、磯崎が逆に攻め込むも、樫村の上段突きに副審の旗3本。判定樫村の優勝が確定。