パンクラス 7.28 大阪・住吉区民センター(レポ):秋葉太樹、緊急出場の氏原魁星の腕十字しのぎ約4年ぶり白星。シュウジ・ヤマウチがランカーの名田英平に1R一本勝ち。遠藤来生、中村晃司に判定勝ち
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PANCRASE BLOOD.3
2024年7月28日(日)大阪・錦秀会 住吉区民センター 大ホール
レポート:井原芳徳
第8試合 メインイベント フライ級 5分3R
○秋葉太樹(パンクラス大阪稲垣組/5位)
×氏原魁星[かいせい](ボンサイ柔術)
2R 2’16” TKO (コーナーストップ:グラウンドパンチ)
秋葉は34歳。20年にDEEPの安谷屋智弘に判定勝ちしたが、以降は韓国のRoad FCでのイ・ジョンヒョン戦の敗戦を挟み、パンクラスで小川徹、鶴屋怜、伊藤盛一郎、ムハンマド・サロハイディノフに敗れ5連敗中。とはいえ皆、新級王者や上位ランカーで、ジョンヒョンも秋葉戦の後にRoad To UFCに出場し4月29日のRIZINでの神龍誠の相手に選ばれた実力者で、秋葉は近年のパンクラスで最も過酷な戦いを続けてきた選手といえよう。
今大会では昨年のネオブラッドトーナメントMVPで、バンタム級から階級を落とす菅歩夢と戦う予定だったが、菅の負傷欠場により、試合8日前のオファーで氏原が代役を務めた。氏原はMMA 2勝2敗で7月24日に20歳になったばかり。パンクラスでは今年2月の品川大会でフライ級で西塚丈人と対戦し1R裸絞めで一本勝ちしたが、4月の立川大会のストロー級7位・寺岡拓永との試合では判定負けしている。準備期間が短いため、菅とは逆に階級を上げての試合となる。
氏原のセコンドには関根シュレック秀樹がつく。1R、氏原は開始すぐから物怖じせず前に出てパンチを当てるが、すぐに体格で勝る秋葉がプレッシャーをかけ返し、右のバックスピンキックを当て、パンチの連打につなげる。中盤、秋葉が氏原を押し込むが、間もなく離れる。すると秋葉が右フックを当て、氏原をダウンさせる。秋葉は金網際で押さえ、肘とパウンドを当てる、終盤、氏原は顔面を切られ出血しつつも、足を登らせ腕十字を狙うが、秋葉はパワーさも活かして潰す。記者採点は秋葉。
2R、秋葉が左テンカオを当ててから、左ハイにつなげると、氏原は組んで対処しようとするが、秋葉は首投げで豪快に倒して、またも金網際で上になる。下になった氏原はダメージが溜まっているが、素早い動きで腕十字を極め、逆転の一本勝ちかと思われたが、秋葉はもがいて間一髪で防御し、トップに戻る。氏原は再び出血が激しくなり、秋葉が上で押さえながら鉄槌を連打していると、氏原陣営が氏原のダメージの蓄積を危惧した模様でタオルを投入し、秋葉のTKO勝ちとなった。
マイクを持った秋葉は「氏原選手が代役で1週間ぐらいで仕上げてくれて、こうやってメイン飾ることができて光栄です。氏原選手ありがとうございます。地元関西でいっぱいの人が応援してくれて、気持ちのええKO勝ちをする予定やったのに、最近の負けのイメージが続いて、こういう形になりました。応援ありがとうございます。稲垣組のメンバーにケツ叩かれて上に上がってきている自信があるんで、もういっちょやってやるんで、これからも応援してくれるとうれしいです」とアピールした。
なお、この一戦が今大会のベストバウト賞に選ばれている。
第7試合 コーメイン フェザー級 5分3R
×名田英平[ようへい](コブラ会/8位、ネオブラッドトーナメント2019同級優勝)
○シュウジ・ヤマウチ(ブラジル/チーム・ヤマウチ)
1R 2’29” 腕ひしぎ十字固め
名田は昨年3月に糸川義人に勝利したが、その後は今年2月の大阪大会まで、Ryo、キム・サンウォン、三宅輝砂を相手に3連敗を喫している。
シュウジはベラトールで活躍するゴイチ・ヤマウチの従弟で32歳。日系ブラジル人で5歳まで愛知に住んでいた。22年12月にパンクラスに初参戦し、ライト級で現王者の雑賀“ヤン坊”達也に1R TKO負け。今年3月の立川大会ではフェザー級で同級7位の中田大貴と戦う予定だったが、前日計量で1.4kgオーバーし、中田側が提示した条件と合わず試合中止となっていた。今回もフェザー級での再挑戦の機会がパンクラスから用意され、無事計量をクリアし、試合でしっかり強さを見せる。
1R、序盤からヤマウチが名田に組み付いて金網に押し込む。ヤマウチが両脇を差すと、もがいた名田の背後に回り、オンブになろうとする。名田は対処して振り落として金網際で上で押さえようとしたが、すぐにヤマウチは足を登らせて腕十字を狙う。名田は上から押さえて対処していたが、三角絞め狙いのヤマウチを振りほどいて、腰を浮かせた状態から鉄槌を落としていると、ヤマウチが腕十字で捕まえ、最後はクラッチを切って伸ばしてタップを奪った。
マイクを持ったヤマウチは「日本に移住しました。日本で活躍したいです。パンクラスでチャンピオンになります」とアピールした。なお、ヤマウチが今大会のベストフィニッシュ(一本)賞に選ばれている。
第6試合 フェザー級 5分3R
○遠藤来生[らいき](パワーオブドリーム札幌/10位)
×中村晃司(パンクラス大阪稲垣組)
判定3-0 (加納29-28/田中29-28/梅木30-27)
遠藤は昨年3月から1年間、高木凌、関鉄矢(RIZIN)、平田直樹、石田陸也相手に4連敗中だが、3月の立川での石田戦はパンクラスもプレスリリースで「ベストバウト候補」と評する内容だった。
中村は8月で39歳になるベテラン。過去には敗れはしたがISAO、久米鷹介、弥益ドミネーター聡志、中原由貴とも戦った経験がある。最近は昨年12月の韓国のRoad FCで計量5kgオーバーのクォン・アソルに判定勝ち。今年2月のパンクラス大阪大会では岩本達彦に2R右フックでKO勝ちし、岩本戦後は「いい年なんで、今年、ベルトを狙っていきたいと思います」とアピールしていた。
1R、オーソドックスの遠藤がプレッシャーをかけ、中村がサウスポーで右の前手を降り続けながら距離を取り、左ミドル、ハイ、フックを随所で当てる。遠藤も右の蹴りを絡めつつ、詰めて左のジャブ気味のフックを当てる。僅差だが、やや遠藤の積極性が目立つ。記者採点は遠藤。ジャッジは2名が遠藤、1名が中村につける。
2Rも遠藤が前に出続け中村が回る構図が続く。遠藤が随所で右ミドルを強打する。回り続ける中村は少しずつ疲弊していく。中村は右ジャブを時折当てるが消極的な感は否めない。記者採点は遠藤。ジャッジは2名が遠藤、1名が中村につける。
3R、ようやく中村が右ジャブから左ハイにつなげ、左ボディフックも当てるが、変わらず遠藤は前に出る。遠藤は右ミドル、ストレートを当て、中村を削る。中村は組んで足を掛け遠藤を倒すが、力が入りきらず、余力のある遠藤がすぐ立って上になって、サイドで押さえる。終盤、遠藤はマウント、バックマウントと移行し、パウンドを当てて追い詰める。最後、スタンドに戻るが、中村は反撃に持ち込めず終了する。記者採点は遠藤。合計30-27で遠藤。ジャッジ3者も遠藤を支持し、遠藤が判定勝ちした。
第5試合 ストロー級 5分3R
○植松洋貴[よしき](NEVER QUIT/5位、ネオブラッドトーナメント2022同級優勝)
×尾崎龍紀(コブラ会/ネオブラッドトーナメント2019年同級優勝)
判定3-0 (田中29-28/後藤29-28/梅木29-28)
第4試合 女子フライ級 5分3R
×ライカ(RIGHT THING ACADEMY/4位)
○和田綾音(ALIVE)
判定0-3 (後藤27-30/加納28-29/梅木)
【プレリミナリーファイト】
第3試合 バンタム級 5分3R
○千種純平(パンクラス大阪稲垣組)
×田中千久[かずひさ](宇留野道場)
1R 4’20” 裸絞め
第2試合 フライ級 5分3R
○今井健斗(マーシャルアーツクラブ中津川)
×松原聖也 (Team FreeStyle)
判定3-0 (田中30-27/加納30-27/後藤30-27)
第1試合 バンタム級 5分3R
×前田 海(コブラ会イースト)
○山木麻弥[まひろ](ALIVE)
2R 0’29” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)