DEEP☆KICK 2.25 大阪 176BOX(レポ):K-1 GROUPのTETSUと古宮晴がKO勝ちで4月の-63kg王座挑戦者決定T決勝進出。原口健飛のジムの和田哲平&津留純平が夜の部メインセミで完勝
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DEEP☆KICK ZERO 10 & 11
2024年2月25日(日)大阪・176BOX
記事提供:DEEP☆KICK実行委員会(文・布施鋼治/写真・石本文子)
DEEP☆KICK ZERO 10
K-1グループがDEEP☆KICKをジャック!?DEEP☆KICK ZERO 10ではDEEP☆KICK-63㎏挑戦者決定トーナメント準決勝が2試合行われた。勝者はTETSUと古宮晴という、いずれもK-1グループを拠点に闘う関西の選手となった。新しい風が吹き荒れた大会のリポートをお届けする。
第5試合 メインイベント DEEP☆KICK -63kg挑戦者決定トーナメント準決勝 3分3R(延長1R)
×久保田有哉(TARGET)
○TETSU(月心会チーム侍)
1R 2’35” TKO
久保田は東京のTARGET所属ながら、最近はDEEP☆KICKを主戦場としている熊本出身の27歳。対するTETSUは地元大阪を拠点に活動する月心会チーム侍所属の23歳。最近は3連勝(1KO)と絶好調だ。TETSUはKrushを主戦場とするので、この一戦はRISE対K-1の対抗戦と見ることもできた。
試合前は接戦が予想されたが、勝負は呆気なかった。1R、TETSUは右ストレートでいきなりダウンを奪う。その後もスピーディでリズミカルなジャブで試合の流れを制し、最後は左のハイキックで久保田に引導を渡した。1R2分35秒、TETSUのKO勝ちだ。昨年7月には第26回全国空手道選手権大会団体の部で準優勝するなど、TETSUは空手家としても活躍している。その経験も活きたか。
第4試合 セミファイナル DEEP☆KICK -63kg挑戦者決定トーナメント準決勝 3分3R(延長1R)
×杉山遼平(Team FIST)
○古宮 晴(昇龍會)
2R 2’37” TKO
セミファイナルではもうひとつのDEEP☆KICK-63㎏挑戦者決定トーナメント準決勝として、杉山と古宮の一騎討ちが組まれた。杉山は小2の息子を持つ25歳。対する古宮はK-1グループを主戦場とする20歳で、2021年にはK-1甲子園-65kgで王者になっている逸材だ。プロになってから5連勝をマークしたこともある。
試合は1Rから古宮がアウトローとインローを打ち分け、杉山の下半身を徐々に削っていく展開に。2R、古宮は右ハイで杉山をグラつかせると、一気に試合の流れをたぐり寄せる。飛びヒザ蹴りで先制のダウンを奪うと、息も絶え絶えになった杉山に対し、最後はカーフキックで下半身を完全に破壊した。
2R2分37秒KO勝ち。古宮は4月の決勝戦へと駒を進めた。DEEP☆KICKはK-1グループにジャックされるのか!?
メインイベントでTETSUが勝利した後は古宮晴もリングイン。4月7日の「DEEP☆KICK ZERO 13」で対戦することになった古宮に対してTETSUは「次は大好きなハル君とはずっと一緒に練習していたのでやりたくなかった。でも目標であるチャンピオンベルトをとりたい。ハル君はまだ若いので、僕がとらせていただきます(笑)。いまのチャンピオンにはふたりとも絶対勝てるんで、決勝がタイトルマッチだと思って挑みます」と現王者・足利也真登(FightClubRush.)に宣戦布告した。
挑戦を受けた足利も黙ってはいない。マイクを握ると、足利は「ふたりとも素晴らしい試合でした。感動しました」と両者を讃えたあと、「6月に決勝戦で勝った方と僕がやる。僕も挑戦者の気持ちでやるので楽しみにしておいてください。これからも頑張ってね」とどちらが勝ち上がってきても受けて立つ覚悟を表明した。
初代王者・山口裕人から敦YAMATO、山畑雄摩、KENTA、足利と歴代王者に受け継がれる-63㎏の熱き魂がさらに熱くなってきた。
第3試合 60kg契約 3分3R
GUMP(TEAM TEPPEN)
ブラックハイエナ(韓国/エキスパートジム)
中止 (ブラックハイエナの負傷欠場)
第2試合 51kg契約 3分3R
×水流添正太(道場373)
○岸 佑樹(健心塾)
判定1-2(29-30/30-29/29-30)
水流添と岸の一戦はシーソーゲームに。1R、水流添は右ローで岸の下半身を削りにかかる。終盤、岸は右ストレートをヒットさせる場面もあったが、逆に相手のローでスリップダウンを喫する場面も。やや水流添が優勢だったか。
2R開始早々、今度は岸が右のジャブとローで攻勢に出る。2Rまでのオープンスコアは2者が20-19で岸を指示した。
続く3R、あとがない水流添は左フックで攻略しようとするが、決定打には至らない。逆に前のラウンドに続き、ローブローで試合を中断させてしまう。その後岸が反撃すると、水流添も右ローで応戦する展開になった。結局、ジャッジは2-1で岸の勝利を支持した。
第1試合 女子51kg契約 3分3R
○HOTARU(Continue)
×TOODY NAOMI(TEAM3K)
2R 1’24” TKO
1R、HOTARUはワンツーからの右ミドルで試合のリズムを掴む。サークリングしながら相手の出方を伺うTOODY NAOMIに対して、さらに右ミドルの連打を浴びせていく。
2Rになっても、試合の流れは変わらない。最後はHOTARUがワンツーの連打でダウンを奪い、2R1分24秒KO勝ちを収めた。
〈オープニングイベント〉NEXT☆LEVEL提供試合
OPファイトアマチュア試合では日韓交流戦が3試合組まれると、金子隆樹、平野巧太、上田樹那の日本勢が3勝と全勝を記録した。続く第2部「DEEP☆KICK ZERO 11」でも日韓対抗戦が3試合組まれている。
OP第6試合 アマチュア日韓交流戦-68kg契約 1分30秒2R
○金子隆樹(月心会チーム侍)
×アン・ソンミン(RAON GYM)
判定3-0(20-17、20-17、20-17)
OP第5試合 アマチュア日韓交流戦-60kg契約 1分30秒2R
○平野巧太(魁塾)
×パク・ジョンビン(エキスパートジム)
判定3-0(20-19、20-18、20-19)
OP第4試合 アマチュア日韓交流戦-50kg契約 1分30秒2R
○上田樹那(山口道場)
×ジョン・アヨン(エキスパートジム)
判定3-0(20-18、20-18、20-18)
OP第3試合 -42kg契約 1分30秒2R
△小寺愛斗(TEPPEN GYM 大阪)
△金子大虎(月心会チーム侍)
判定1-0(19-19、20-19、19-19)
OP第2試合 -22kg契約 1分2R
○石原光(teamFIST)
×末吉彪(LoTgym)
判定3-0(20-16、20-16、20-16)
OP第1試合 -54kg契約 1分2R
○井端刻也(健心塾)
×中井聖汰(キングジム)
判定3-0(20-18、20-17、20-18)
DEEP☆KICK ZERO 11
DEEP☆KICK ZERO 11ではDEEP☆KICK-65㎏挑戦者決定トーナメントが行われ、原口健飛の遺伝子を持つ和田哲平が中澤友にダウンを奪った末に大差の判定勝ち。来る4月28日のDEEP☆KICK京都亀岡大会で王者・石田迅に挑戦することが決まった。
なおDEEP☆KICKの次回大会は3月31日、泉大津市のテクスピア大阪で行われる「DEEP☆KICK 69」。メインではKING剛と中田史斗の間でDEEP☆KICK-53kg王座決定トーナメント決勝が争われる。
第5試合 メインイベント DEEP☆KICK -65kg挑戦者決定トーナメント決勝 3分3R(延長1R)
○和田哲平(FASCINATE FIGHT TEAM)
×中澤 友(ビンチェレあべの)
判定3-0(30-26/30-26/30-26)
和田は第6代RISEライト級王者の原口健飛が率いるFASCINATE FIGHT TEAMの有望株。DEEP☆KICKでは3戦全勝(3KO)という抜群のレコードを誇る。対する中澤は過去にタイトルマッチの経験もあるテコンドー出身の32歳。そろそろタイトルを手中にしたいところだが、この日は序盤から和田の勢いに呑み込まれてしまった。1Rから和田は右ミドルで試合のペースを握り、ハイキックで先制のダウンを奪う。「全然見えなかった」(中澤)
2Rになっても、和田の勢いは衰えない。左ミドルと右のテンカオで、中澤をどんどん追い込んでいく。中澤のワキがミミズ色に変色するのに時間はかからなかった。
結局、3Rになっても、試合の流れは和田が掴んだまま。一方的なワンサイドゲームにジャッジは三者とも30-26で和田の勝利を支持した。「メインなのに(倒せなかったことで)ちょっとしょっぱい試合をしてすいません。やる前、中澤選手はそんなに┄と思っていたけど、パワーもあるし、めっちゃ強かった。最後は打ち合いもできて楽しかった」
この勝利によって、和田は4月28日にDEEP☆KICK京都亀岡大会で王者・石田迅(LEGEND GYM)に挑戦することが決定した。「試合まであと2か月、今日みたいな試合をしていたらダメなので、しっかり倒す練習をして頑張りたい」
石田を倒して王者になれば、ジムでは原口、小林愛理奈に続く第3のチャンピオンとなる。
第4試合 セミファイナル 60kg契約 3分3R
×大前洸貴(INFINITY KICK BOXING GYM)
○津留純平(FASCINATE FIGHT TEAM)
1R 1’23” TKO
※大前が前日公式計量2.75kgオーバー。大前1R減点2とグローブハンデ
大前の計量オーバーで、あわや試合中止になるところだった津留はハッスル。大前のジャブに合わせ、右のテンカオ(カウンターのヒザ蹴り)。急激に動きが悪くなった大前に対して、津留はさらにテンカオからの右ストレートで大前からダウンを奪う。四つんばいの体勢から大前は動くことができず、そのまま大の字となった。これで津留は6戦5勝(3KO)1敗。現在DEEP☆KICK-60㎏で8位ながら、ランキング上位を脅かす存在になりそうだ。
第3試合 59kg契約 3分3R
○三輪力斗(真正会 大前道場)
×和斗(大和ジム)
判定3-0(30-29/29-28/30-29)
1R、三輪は左ミドルで試合の主導権を掴むが、和斗から2度もローブローを受け、いい流れを止められてしまう。それでもこの真正会所属の男は諦めない。2Rになると、再び左ミドルで猛攻をかけ、ラウンド終了間際には左ストレートをクリーンヒットさせた。
ここまでのオープンスコアは3者とも三輪。3R、もうあとがない和斗は右クロスで反撃。そのまま猛攻を仕掛けようとした刹那、今度は三輪にバッティングをしてしまい、またも試合は中断してしまった。結局三輪のダメージは深く、試合続行不可能に。結局試合はここまでのジャッジで判定する負傷判定となり、3-0で三輪が勝利した。両者に罪はないが、不完全燃焼だった感は否めない一戦だった。
第2試合 51kg契約 3分3R
△礼司(楠誠会館)
△山中涼惺(T.B.NATION)
判定0-1(28-28/28-29/28-28)
2日前の「RISE176」で塚本望夢を相手に一時はあわやという場面を作ったJINの実弟・礼司が登場し、プロ初白星を目指す山中と対戦した。
1R開始早々、山中は痛烈な左フックで先制のダウンを奪う。しかし2日前にJINが1Rにダウンを奪われてから挽回したように、礼司も2Rから逆襲に転じる。どちらが倒れてもおかしくない打ち合いになっても一歩も引かない。中盤からはソップ型の体型を活かしたハイとヒザ蹴りで追い打ちをかける。
3Rも礼司はワンツーを主体に追い上げ、試合の主導権を握ったところで試合終了のゴング。判定は1-0(山中)でドローとなったが、文句なしに今大会のベストバウト。激闘を繰り広げた両者には場内から惜しみない拍手が送られていた。
第1試合 51.5kg契約 3分3R
×陸刃(楠誠会館)
○佐々木仁紀(BFA-SEED)
判定0-3(28-30/27-30/28-30)
佐々木は1Rから右のボディとストレートを打ち分け、攻勢に出る。左のミドルとヒザ蹴りも効果的だ。2Rになると、陸刃は鼻血を出しながらようやく反撃を開始。ラウンド終了間際には佐々木にロープを背負わせるも、ラウンドを通して見れば佐々木の有利は変わらない。3Rはややこう着気味になったが、佐々木が判定勝ち。うれしいプロ初勝利を収めた。
〈オープニングイベント〉NEXT☆LEVEL提供試合
この日、昼の部として行われた「DEEP☆KICK ZERO 10」に続いて夜の部のZERO11でも、アマチュア日韓交流戦が3試合組まれた。
国際戦といえば、プロの部でも後ろの方にマッチメークされるのが常ながら、DEEP☆KICKは以前韓国のエキスパートジムの会長から「アマチュアの選手も日本で試合を組んでほしい」というリクエストが出され、これをDEEP☆KICK実行委員会が呑んで実現した。
聞けば、以前にもDEEP☆KICKではアマチュアの日韓国際戦を組んだことがあるという。他団体には真似できないマッチメークは新鮮というしかない。今回全部で6試合組まれた交流戦は日本勢が4勝2敗と勝ち越した。しかしながら、敗れたとはいえ、韓国勢は気持ちが強く、テクニックを身につけたら怖い存在になると思わせる選手が多かった。今後も実り多き海外との交流戦を続けてほしい。
OP第6試合 アマチュア日韓交流戦-70kg契約 1分30秒2R
×榎木友星(ビンチェレあべの)
○イ・ホジン(RAON GYM)
判定0-3(18-20、18-19、18-20)
OP第5試合 アマチュア日韓交流戦-57kg契約 1分30秒2R
○土橋颯斗(一心会)
×キム・ヨハン(エキスパートジム)
判定3-0(20-19、20-19、20-19)
OP第4試合 アマチュア日韓交流戦-65kg契約 1分30秒2R
×元原麗弥(LoTgym)
○イ・ウジン(RAON GYM)
判定0-3(19-20、18-20、19-20)
OP第3試合 -65kg契約 1分30秒2R
○小路督也(BLOW GYM)
×山口丈瑠(パラエストラ東大阪)
判定3-0(20-19、20-18、20-19)
OP第2試合 -42kg契約 1分30秒2R
○甲斐田虎我(BKジム)
×山口嵐(パラエストラ大阪)
判定2-0(20-19、19-19、20-19)
OP第1試合 -42kg契約 1分30秒2R
○柴田綾芽(楠誠会館)
×井田美守里(フリー)
判定3-0(20-19、20-19、20-19)