Krush 8.18 名古屋国際会議場:KANA、野杁正明、大和哲也、3人揃って中国勢にKO勝ち
MARTIAL WORLD PRESENTS GYM VILLAGE
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Krush.92 ~in NAGOYA~
2018年8月18日(土) 名古屋国際会議場イベントホール
レポート&写真:井原芳徳 (写真は6月の会見での大和哲也、KANA、野杁正明)
第7試合 メインイベント Krush女子フライ級(50kg)タイトルマッチ 3分3R(延長1R)
○KANA(K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ/王者/50.0kg)※K-1ジム・シルバーウルフから所属先表記変更
×リュウ・シーベイ[Liu Shibei](中国/重慶市虎賁搏撃クラブ/CFP/挑戦者/49.8kg)
2R 1’38” KO (左ミドルキック)
※KANAが2度目の防衛
毎年夏恒例のKrush名古屋大会は2012年にスタートし、今年で7回目。昨年8月の名古屋大会に続き、ラスト3試合には三重県出身のKANA、愛知出身の野杁正明と大和哲也が揃い踏みする。7月22日の後楽園大会で日中対抗戦が行われたが、今大会でも日中対抗戦3試合が用意された。
KANAは5月17日のKrushでキム・タウンゼントに延長判定勝ちし王座防衛。その後、6月8日から7月9日までの約1か月、イギリス・ロンドン郊外のダブルKジムで単身武者修行し、男女色んなタイプの選手と121Rのスパーリングをし「試合をするぐらいの経験を積めた」という、
挑戦者のリュウ・シーベイは2000年5月9日生まれの18歳。重慶出身で、中国武術の散打の地元の大会で度々優勝し、全国青少年ムエタイ選手権という大会でも優勝しているという。プロのキック戦績は9戦8勝1敗。
試合はKANAが一方的に攻める展開に。1R、KANAは開始すぐから前に詰め、パンチ、ミドル、ローをヒット。シーベイは回ってかわし続け、左の膝を当てる場面もあったが、KANAの勢いは落ちず、2分過ぎ、パンチの連打でシーベイを後退させてから、左ボディでダウンを奪う。その後もKANAが右フック、ストレー、ミドルを当て続け圧倒する。記者採点は10-8でKANA。
2RもKANAがパンチ主体で攻め続けると、右フックを空振りさせた後、左ミドルをクリーンヒット。シーベイはうずくまってダウンし、7カウントで岡田敦子レフェリーがストップした。
完勝のKANAは「大和選手、野杁選手がKOで来て、入場の前、めっちゃヤバくて、フードかぶって入場しました。KOで勝てて良かったです。まだ練習していることが全て出し切ったわけじゃないので、リングでもっと価値のある試合ができるように頑張ります。これからもKrushの王者としてK-1にも参戦して、日本の女子格闘技はKANAが引っ張っていきます」とアピールした。
第6試合 セミファイナル 67kg契約 3分3R(延長1R)
○野杁正明(K-1 GYM EBISU FREE HAWK/K-1 WORLD GPスーパー・ライト級(-65kg)王者)
×ヤン・ハオドン[Yang Haodong](中国/福建闘士搏撃クラブ/CFP)
1R 2’58” KO (左ハイキック)
野杁は昨年8月の名古屋でのディエゴ・フレイタス戦、今年3月のK-1の大和哲也戦、6月のK-1のヴィンセント・フォシアーニ戦と3連続KO勝ちしているが、減量に苦しむようになり、ウェルター級(-67.5kg)への階級アップを視野に入れ、67kgでの試合に。65kgでリュウ・ウェイと戦う予定だったが、ヤン・ハオドンに変更となった。
ハオドンは96年12月26日生まれの21歳。英雄伝説アジア-64kg級トーナメントで16年、17年と連続で準優勝の結果を残し、戦績は31戦24勝(7KO)7敗。
1R、野杁は開始すぐから、素早い動きから左右のロー、左ジャブをコツコツとヒット。ハオドンは反応できず、頭がのけぞる。ハオドンは接近戦に持ち込んでパンチを当てるが、野杁は左右のアッパー、左ボディをお返し。ハオドンのパンチの連打も落ち着いた様子でブロックする。ハオドンの力量を既に計測し、67kgでの実戦感覚を確かめているかのようだ。そして残り10秒の拍子木の音が鳴ると、野杁は計算通りか?パンチの連打から左ハイをハオドンの首筋にクリーンヒットし、ハオドンを豪快にKOした。
野杁は「皆さん、これがKrushです。K-1のチャンピオンベルトを巻きましたけど、ここまで来れたのはKrushで経験を積んだおかげです。Krushらしい試合ができて満足しています」「哲也君に続いてKOでKANAちゃんに繋げられて嬉しいです」と話した後、「去年、K-1のベルトを獲った時、娘をリングに一緒に上げても、何のことかわかっていなかったんですけど、だいぶわかってきたので、今日はリングに上げます」と話し、娘と記念撮影し、観客を和ませた。
第5試合 スーパー・ライト級(65kg) 3分3R(延長1R)
○大和哲也(大和ジム/K-1 WORLD MAX -63kg日本トーナメント’10優勝、元WBCムエタイ世界スーパーライト級王者)
×ツイ・ジェンホイ[Cui Jianhui](中国/福建闘士搏撃クラブ/CFP)
2R 2’48” KO (左ボディフック)
哲也の相手、ツイ・ジェンホイは38戦26勝(6KO)12敗の21歳。身長は173cm。昨年の英雄伝説-64kg級アジア王者だ。哲也は意外にも57戦目で初の中国人との対戦。今回は3月のK-1のタイトルマッチで野杁にKO負けしてからの再起戦となる。
1R、サウスポーのジェンホイに対し、哲也が左ジャブのフェイントを仕掛けながら右ミドル、右の奥足狙いのローをヒット。ジェンホイも蹴りを織り交ぜながら左のパンチを返す。終盤に哲也が右ボディストレートを当て、お互い手数を上げるが、まだ均衡は崩れない。記者採点10-10。
2R、哲也が右のロー、ボディを当てるが、ジェンホイも時折左フックで哲也を脅かす。だが次第に哲也の右の奥ローが効き目を発揮。ジェンホイがバランスを崩すようになると、右ロー、右ミドルで後退させた後、左ボディをクリーンヒットし、見事マットに沈めた。
試合後、マイクを持った哲也は、この後試合する野杁とKANAの試合の応援を呼びかけた後、「大和哲也はK-1の世界一を取ります」と、野杁が返上する見込みのK-1スーパー・ライト級王座奪取に意欲を示した。
特別試合 2分3R
―平本 蓮(K-1ジム総本部チームペガサス/K-1甲子園2014 -65kg優勝)
―近藤魁成(大成会館/K-1甲子園2017 -65kg優勝)
勝敗無し
K-1甲子園優勝者で、AbemaTVの「オオカミくんには騙されない」シリーズの出演者としても先輩・後輩となる2人によるエキシ。魁成はDA PUMPの「U.S.A.」を入場曲に、踊りながら陽気で登場したが、エキシは実戦さながらの内容に。1Rは距離を取っての蹴りの打ち合い主体で静かだったが、2Rからお互い攻撃の威力を増し、魁成は鼻血を出す。3Rは両者ともスネ当てを外し、魁成の鼻血が増えるが、平本は容赦なくパンチをヒットしていた。
魁成は「やっぱり蓮君強くて、いつか絶対超えます」と涙声でコメント。平本は「僕もK-1甲子園の優勝の後、木村ミノル選手との試合が決まって、そこから強くなれました。今日はあの頃の気持ちを取り戻せました。僕も頑張りますけど、魁成のことも応援してもらえたらなと思います」と話し、魁成を激励した。
休憩前の時間には「Krushスペシャルトークマッチ 3分3R」と題し、城戸康裕がホストとなっての皇治、篠原悠人、武尊とのトークコーナーが設けられた。武尊の登場時には「もんじゃ食べに行こう。金曜日に」と話す等、武尊のスキャンダル報道をネタにして観客を楽しませた。
トークコーナーの後、休憩時間を挟んだ後には、8月5日にKrushウェルター級王者になったばかりの木村“フィリップ”ミノルがリングイン。木村は客席を回ってファンと撮影したりコミュニケーションを取った後、「ウェルター級、名古屋にめっちゃ強い奴がいるんで、条件が整えば名古屋でやりたいです」と、野杁を意識したコメントを残した。
第4試合 スーパー・フェザー級(60kg) 3分3R(延長1R)
○大岩龍矢(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)
×山本真弘(N.F.T.T./元IT’S SHOWTIME世界-61kg級王者、Krushライト級GP2009優勝、元全日本フェザー級王者)
2R 2’58” KO (3ダウン:パンチ連打)
真弘はここ5試合は1勝4敗で、安保璃紅、卜部弘嵩に連続KO負け中。かつて60kg戦線の国内トップに君臨したが今や35歳。色んな思いがあるのか?先輩の小林聡氏の入場曲だった映画キッズ・リターンのテーマ曲で入場する。
1R、大岩が序盤から左右のローをヒット。真弘は早くも足が流れ、サウスポー主体ながらもローをもらうとスイッチを繰り返す。特に右インローの威力は十分で、真弘は終盤にスリップするように。記者採点10-9で大岩。
2R、大岩は序盤から距離を詰め主導権を維持。2分過ぎ、右ローを強打し、真弘がフラつくと、大岩が詰めて右フックを連打し、真弘は力なくダウン。大岩は右ストレートで2ダウン目を奪い、最後はパンチを連打し、真弘が亀になってフラついたところで、山根レフェリーがストップした。試合後の大岩は「(プロデューサーの)宮田さん、近いうちタイトルマッチお願いします」とアピールした。
この試合後、今大会に出場予定ながらも対戦相手の海斗の欠場で試合が流れた平山迅がリングイン。「9月30日に試合が決まりました。(対戦相手の瑠久に)僕は平成生まれなのにオジさんと言われています。オジさんパワーを見せつけてKOします」と宣言した。
第3試合 ライト級(62.5kg) 3分3R(延長1R)
×泰斗(チーム泰斗)
○川崎真一朗(月心会ラスカルジム)
2R 1’12” KO (左ストレート)
1R、両者パンチとローを出しながらも慎重な状況が続いたが、終盤に川崎の左右のストレートが立て続けに上がり、泰斗はフラついた状態でラウンドを終える。記者採点9-10で川崎。
2R、川崎がじわじわ圧力をかけ、右ストレートの2連打でダウンを奪取。既に泰斗のダメージは大きく、川崎が左ストレートで再びダウンを奪うと、豊永レフェリーがストップした。泰斗はこれで6連敗。2月の林健太戦に続き2連続KO負けとなった。
川崎は試合後マイクを持つと「9月30日、何の日か知ってますか?ウチの和島(大海)が(スーパー・ウェルター級王者のジョーダン・)ピケオーを倒す日です。左腕で5秒で倒すって言っています」と、自分のことよりも同門の和島のことをアピールし、セコンドの和島も苦笑していた。
第2試合 スーパー・バンタム級(55kg) 3分3R(延長1R)
○玖村修平(K-1ジム五反田チームキングス/元NJKFバンタム級王者)
×山脇魁斗(隆拳塾)
判定3-0 (豊永30-27/芹沢30-28/山崎30-27)
大阪出身者同士の一戦。玖村兄弟の兄・修平は、今年、弟の将史を追いかける形でチームキングスに移籍し、6月の後楽園でKrushに初参戦し小倉尚也に勝利している。
1R、修平が圧力をかけ、左右のミドル、テンカオを的確に当て、右ローや右ハイも絡め主導権を握り続ける。記者採点は10-9で修平。
2R、山脇も手数を出してくるが、修平が左ボディのヒットを増やし、じわじわと山脇を追い詰める。修平は右ロー、右アッパーと攻撃を散らし、頭脳的な戦い方をしている。記者採点は10-9で修平。
3Rも修平がボディ、足に攻撃を散らし主導権。終盤には右ストレート、右ハイ等の手数を増やして倒しにかかるが時間切れに。記者採点は10-9で修平。合計30-27で修平。修平が格の違いを見せて完勝した。
第1試合 57kg契約 3分3R(延長1R)
○倉崎昌史(GET OVER)
×KAZUNORI(Team Nomads) ※稼頭徳 改め。JTクラブジムから所属変更
判定3-0 (鶴和30-26/山根30-27/岡田30-26)
※3Rパンチ連打でKAZUNORIに1ダウン
プレリミナリーファイト第2試合 フェザー級(57.5kg) 3分3R
○新美貴士(名古屋JKファクトリー)
×TETSU(月心会チーム侍)
判定3-0 (29-28/30-27/30-28)
プレリミナリーファイト第1試合 スーパー・フェザー級(60kg) 3分3R
○齋藤祐斗(JK TRIBE)
×山口 将(STRIKEs GYM/3POUND)
1R 2’05” KO (右ストレート)