BLACK COMBAT 11.18 韓国(レポ):DEEPライト級王座陥落から2か月、大原樹理、BLACK COMBATに再び乗り込み2R KO勝ち。来年1月のビッグマッチ大会にも連続参戦か
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BLACK COMBAT
2023年11月18日(土) 韓国・仁川・南東体育館
レポート:井原芳徳
ライト級 5分3R
×イ・ファンソン(韓国/BLACK COMBATライト級16位)
○大原樹理(KIBAマーシャルアーツクラブ/BLACK COMBATライト級1位、元DEEPライト級王者)
2R 1’40” KO (右前蹴り→左サッカーボールキック)
BLACK COMBAT(ブラックコンバット)はYoutubeチャンネル主体のプロモーション活動が韓国で人気のMMA大会。今年2月に韓国で行われたDEEPとの初の対抗戦では、DEEP側の大島沙緒里、大原樹理が勝利したが、山本聖悟、中村大介、赤沢幸典が敗れ、2勝3敗の負け越しで終わった。9月のDEEP後楽園ホール大会での2回目の対抗戦では、大島、大原、石司晃一が敗れ、BLACK COMBAT勢にDEEPのベルトを奪われ、対抗戦全体もBLACK COMBATが5勝2敗と圧勝した。大原はイ・ソンハに2R、スロエフストレッチを極められ一本負けし、ライト級王座から陥落した。
今回、大原は再び韓国に乗り込み、韓国の選手と対戦した。ファンソンはMMA 2勝1敗。21年にMMAデビューし1勝1敗の後、今年3月にBLACK COMBATに初参戦し判定勝ちしている。
BLACK COMBATのYoutubeには、大原とファンソンの試合の映像が大会3日後の21日にアップされた。BLACK COMBATは選手に愛称をつけるのが定着しており、ファンソンは「Ubermensch(ウーバーメンシュ)」(ドイツ語で超人)、大原は「Iron Spider」と呼ばれている。
試合は壮絶な打撃戦に。1R序盤、ファンソンが踏み込んで右フックを当てる。大原は右まぶたをカットし、少しのけぞり、クリンチで難を逃れて金網に押し込み、膠着ブレイクがかかる。だが中盤、大原が右ストレートをお返しすると、左ジャブでファンソンを倒し、立ち際に右のサッカーボールキックを胸元に当てる。立ったファンソンは終盤、右のカーフキックを連打すると、大原の足が少し流れる。ファンソンは顔面にパンチを時折当て、大原は鼻からも出血する。ファンソンは手を振って挑発し、パンチを当て続けるが、大原も右クロスを当て返すと、最後はファンソンが額から出血し、後退して終わる。一進一退のスリリングな展開に。記者採点はファンソン。
2R、お互い右カーフを当てていると、ファンソンのほうがバランスを崩し、下がり気味の展開に。大原はプレッシャーをかけ、右のストレートも当て、ファンソンをひるませる。ファンソンがステップで回らなくなると、大原はファンソンの脇腹に右の前蹴りをヒット。背中を向けてダウンしたファンソンに、大原が容赦なく左のサッカーボールキックを当てたところで、レフェリーがストップした。
大原は勝利者インタビューで「危なかった。一発目が目に行っちゃって距離感がわからなかったです。ヒヤヒヤさせましたけど面白い試合だったと思います」「イ・ファンソン選手、16位ですけど、それ以上のランカーたちが僕との試合を逃げました。僕と戦ったファンソン選手、強かったです。ファンソン選手は負けましたけどエールを送ってあげてください」「僕は15年目・56戦やってきましたが、試合を断ったことがありません。自ら断るということは自分からチャンスを逃すということなので、今回断った奴とやる気は一切ありません」とアピールした。
するとケージにはライト級3位のキム・ジュンキュン[Kim JungKyun]が登場した。ジュンキュンはBLACK COMBAT 5戦3勝2敗。22年大晦日の大会でイ・ソンハに判定負けしたが、その後は2連勝している。ジュンキュンは大原戦のオファーを断った理由について「ジムをオープンしたばかりなので試合ができなかった」と釈明した。大原は「だったらビジネスを優先しろよ。それじゃ格闘家じゃないよ」と批判し、ジュンキュンは「3月なら戦えます」と話した。
その後、BLACK代表、客席の王者・ソンハも絡んでのマイク合戦に突入。今後の行方は定かではないが、BLACK COMBATは来年1月にビッグマッチ大会を計画しており、大原らDEEP勢が参戦するため、大原とBLACK COMBATの絡みは今後もヒートアップしそうだ。下の動画は大原の退場時の様子で、花道には韓国の若者たちが集まってタッチを求めており、大原の存在はBLACK COMBATにおいて浸透しつつある。
無差別級 5分3R
×アズザールガル(モンゴル)
○ロッキー・マルティネス(米国/スパイク22/RMスポーツ/DEEPメガトン級王者)
判定0-3