RIZIN 10.1 名古屋 ドルフィンズアリーナ:太田忍を撃破した佐藤将光、試合後インタビュー「アーチュレッタや朝倉海や井上直樹とも普通に戦えると思っています。…何か言って欲しかった?(笑)」
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RIZIN LANDMARK 6 in NAGOYA 10月1日(日)ドルフィンズアリーナ大会のセミファイナルで太田忍に判定勝ちしたバンタム級の佐藤将光[しょうこう]が、試合後のバックステージでのインタビューで勝因や今後について語った。(写真提供:(C)RIZIN FF)
RIZIN 10.1 名古屋 ドルフィンズアリーナ(レポ):緊急初参戦の佐藤将光、バンタム級上位狙う太田忍のタックルしのぎ判定勝ち。アラン“ヒロ”ヤマニハ、所英男との寝技合戦制し判定勝ち
10月1日の名古屋大会では、バンタム級上位勢手前・MMAデビュー約3年の太田のタックルを、RIZIN初参戦で緊急出場の36歳のベテラン・佐藤が対処し、打撃で攻略し判定勝ちした。佐藤はマイクを持ち「ニワカかニワカじゃないかのちょうどセンターライン、佐藤将光です」と、1週間前の試合発表後にSNSをにぎわせたニワカ論争を皮肉るような自虐ネタを口にした。
1週間前のRIZIN.44では、40歳のベテラン・金原正徳が、前RIZINフェザー級王者・クレベル・コイケに判定勝ちしたばかり。金原は約18年、佐藤は約15年のMMAプロキャリアがある。金原はSRC(戦極)で頂点に立ち、UFCにも上がり、佐藤はONEで上位勢としのぎを削った。RIZINファンの間での人気・評価・認知度は低かったが、一夜でそれらを塗り替えた点で共通する。金原のコイケ戦後の談話もそうだが、今回の佐藤の口からも、地道に力をつけ成果を残してきた選手たちならではの重み・深みのある言葉が飛び出し、格闘技ファンの言語感覚や見る目をアップデートさせてくれそうだ。
バックステージでのインタビューで佐藤は試合内容について「テイクダウンを取らせて、バテてきたところを打撃でまとめるか、バックチョークかパウンドアウトを狙っていました」「概ね戦前のイメージと一緒ですけど、太田選手が思ったよりもタフで、効いてからも頑張るなと思いました」と振り返った。1-2の判定について「(太田に)1入るんだなってのはびっくりしました」「30-27のゲームに感じていました」と話し、自身としては完勝という感触だったようだ。
大会後の総括でRIZINの榊原信行CEOは「大晦日(=さいたまスーパーアリーナ大会)に上位勢の対戦とか、ファンが見たい相手と組んでいきたいです。(フアン・)アーチュレッタと朝倉海が(バンタム級タイトルマッチを)やった先のチャレンジャーに絡んで来れるポテンシャルは十分にあると思います」と期待を語った。
まだこの榊原氏の言葉を知らない段階の発言だが、大晦日への思いを聞かれた佐藤は「今は考えていないですけど、次の試合を見据えてやっていくだけです」と答えた。その理由を問われると、佐藤は「大晦日だけを見ていなくて、どの大会になるかわからないという意味です」と説明した。
「準備期間のあるオファーなら検討する?」と聞かれた佐藤は「準備期間が無くても、心が躍ればあります」と、今回の太田戦を受けた心境も絡めるように回答した。さらに「今回仮に1か月ぐらい前のオファーなら違った内容を見せられたか」と聞かれると、佐藤は「もうちょっとトライができたかもしれないですけど、2週間の割には上手く作れたと思います」と答えた。注目度に関わらず、いつでも戦える準備をしてきたからこその今回の佐藤の試合結果とも言える。この点でも、金原がコイケ戦で勝利した後の「誰と試合が決まったら何を強化するじゃなく、MMAをずっと積み重ねてコツコツやってきたのが試合に出た」という発言との、共通する意識を感じた。
金原は40歳。佐藤は36歳。年齢的な部分を意識するか聞かれた佐藤は「落ちていく部分も感じますし、技術的に成熟している部分も感じます。全部受け入れながらやっていくというか。歌手じゃないですけど、声が出なくなっても、アレンジして上手くやっていくのを、MMAでもできると思っています」と答えた。
試合後のニワカ論争を皮肉るマイクについて、佐藤は「フックになるというか、注目を集められるかなと思って言っただけで、僕は気にしていないです。上手いって知ってる人は知っていればいいし、知らない人は知らない、それでいいと思っています」と説明した。過激な発言を求められる風潮について、佐藤は「それはそれで全然アリで、自分自身はやらず、僕のやり方で盛り上げられたらと思っています。トラッシュトークはやらなくても何かフックは必要だとは思っています。僕のファイター像があって、今までと変えるつもりは無いです。自分らしさでやっていけたらと思います」との考えを述べた。
海、アーチュレッタとの対戦した場合のイメージを聞かれると「朝倉海もアーチュレッタも井上直樹もですけど、同じバンタム級なので、(RIZINに)来る前からあの辺とやったらどうなるだろうとは見ています。ボコボコにやられるイメージは無いです。普通に戦えると思っています」と答えた後、質問者の顔を見て「…何か言って欲しかった?」と笑顔を浮かべ、「結果はわからないですが、それぐらいのレベルにいると思っています」と付け加えた。
自己主張は控え目な姿勢は崩さないが、ベテランならではのひねりの効いた“フック”を意識することで、今後、RIZINで独自の地位を築いていきそうな佐藤。榊原CEOも「佐藤選手は実績通り老かいな、いぶし銀な戦いぶりを見せると共に、RIZINのバンタム級に無かったキャラで、実力含め新しい魅力になる期待を持たせてくれる試合でした」と話しており、今後の起用方法が楽しみだ。