Krush 11.26 後楽園ホール:中村拓己プロデューサー大会総括「鈴木勇人選手とトファネリ選手はメインに相応しい試合だった」「若いファイターにとって、大月晴明選手から学ぶもの・感じるものは多かったと思う」
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Krush.143 11月26日 後楽園ホール大会終了後、会場のインタビュースペースで中村拓己K-1プロデューサーが総括コメントを述べた。(記事提供:K-1 JAPAN GROUP)
Krush 11.26 後楽園ホール(レポ):鈴木勇人、トファネリとの打ち合い制しリベンジ。東本央貴、大月晴明に延長判定勝ち
◆中村拓己K-1プロデューサーの総括談話
当初、今大会では王者・璃明武vs挑戦者・永坂吏羅のスーパー・バンタム級タイトルマッチを発表していたのですが、璃明武選手が怪我で欠場となり、永坂選手はエキシでの出場となりました。直前でメインイベントがなくなったことをお詫び申し上げたいと思います。両者の対戦については璃明武選手の怪我の状況を見ながら考えたいと思います。
今大会はカード変更で鈴木勇人vsヴィトー・トファネリがメインイベントに繰り上げになったのですが、メインに相応しい試合になったと思います。両者ともK-1のリングでトップ選手と戦った経験があり、メインになった自覚を持ってリングに上がってくれたと思います。玉砕覚悟で殴り合うのではなく、技術・戦術・作戦もあったうえで真っ向勝負してくれて、どちらもメインイベンターに相応しかったと思います。2022年の鈴木選手は3戦3勝(2KO)で、一時は勝てない時期もありましたが、自分の強さを出せる戦い方を確立してきたと思います。スーパー・ライト級でまだ戦っていない相手もいますし、海外勢も日本に来ている中で、来年の展開を考えたいです。
トファネリ選手も2020年からK-1 JAPAN GROUPに参戦していて、対戦相手がK-1チャンピオン・Krushチャンピオンクラスで、前回の試合も出場選手の怪我で急遽出場した試合でした。戦績・レコードはは良くないですが、いつも強さが伝わる試合をしていて、チャンピオンクラス以外でどのくらいトファネリ選手に勝てるんだろう?という試合をしています。K-1ルールにもなれて、空手技もどんどん出て来るようになって、トファネリ選手にも次にも期待できる試合だったと思います。
セミファイナルの大月晴明選手と東本央貴選手の試合は、大月選手サイドから約1年10か月ぶりに『試合をしたい』というリクエストがあって。どんな相手がいいかを考えた時、ただ同じ階級で試合ができる選手は違うなと思って。
実はK-1 GYM SAGAMI-ONO KRESTの渡辺雅和代表から『東本がこのまま辞めるかもしれない・フェードアウトしそうだ』という話を聞いていて、僕は大月選手と戦うことにテーマを感じたり、大月選手と戦うことを燃える材料にしてくれる選手がいいと思ったんです。格闘技人生に火を点けて大月選手に向かっていく、そういう図式の試合がいいな、と。
それで東本選手にオファーしたところ、それまで全く練習していなかったそうなのですが『大月選手と戦えるならお願いします』と返事をもらって、体重も大月選手サイドに合わせるということで今回の試合が決まりました。東本選手はKrushでプロデビューして、Krushの創生期を支えた選手の一人だと思っているし、そういう選手と大月選手が熱い試合をしてくれて、本当によかったと思います。
東本選手も大月選手と戦って気持ちに火がついたと思うので。また次を考えたいです。個人的には64kg契約の方が動きがよかったと思うので、ライト級から階級を上げることも考えてチャンスを作りたいです。
敗れた大月選手ですが前日会見での表情や言葉使いは今の選手たちにはないものだと思いました。今のK-1・Krushには、大月選手のようにリング外でも殺気があって、いい意味で『何をするか分からない』という精神状態でリングに立つ選手は少ないと思います。若いファイターにとって、大月選手から学ぶもの・感じるものは多かったと思います。大月選手はこれからバンバン試合をするキャリアではないと思うので、次の試合についてはジムさんと話していきたいです。
そのほかの試合では松山勇汰選手のハイキックKOはお見事でしたね。対戦相手のSOUL選手は急遽出てもらった選手で、九州でも実績があるファイターだったのですが、その相手をよくと押し切ったな、と。松山選手は前回の試合(目黒翔大に判定勝ち)で前に来る相手に苦戦していて、今回もSOUL選手がどんどん前に出来る相手で、しっかり前回の穴を修正してKOしたと思います。今大会は接戦やスプリット判定で割れる試合が多かったんですけど、倒しきる試合は次に向けてアピールになったと思います。こういう“突き抜ける”試合をする選手は次のチャンスにつながると思いますね。
(大月選手とは試合後に話した?)『おつかれさまでした』くらいですね。(今日の大月選手はパンチが当たってはいるものの、倒すまでには至らない試合でした。プロデューサー目線で、何か感じるものはありましたか?)まず48歳という年齢で延長まで戦ったことがすごいと思うし、僕は東本選手の気持ちの入り方や覚悟も試合に出たと思います。
大月選手はあれだけキャリアと実績がある選手で、例えば今回は64kg契約だったのですが、もっと時間をかけてグッドシェイプに方がいいとジムさんが判断されるかもしれないです。それこそ大月選手には意味のある試合を考えて、大月選手サイドとしっかり話をして試合を組んでいきたいです。もしかしたらここで休んで5年後くらいに復帰するかもしれないし(笑)、次に試合については大月選手の戦いの本能に任せたいです。
(50代での復帰もPOK?)僕はウェルカムです。(ベルトに絡む以外でテーマ性のある試合を組みたい?)もし大月選手がベルトに対してこだわりがあったり、ベルトを目指すことでモチベーションが上がるなら、それでもいいと思います。変に形にはとらわれず、大月選手サイドと会話しながら決めていきたいです。