Krush 3.26 後楽園ホール:壬生狼一輝、ダチョウ倶楽部から受け取った手ぬぐいスタイルで「時は来た。それだけだ」、挑戦者・池田幸司「しっかり壊してKO決着で勝つ」
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Krush.135(3月26日(土) 後楽園ホール)の公開計量と前日記者会見が25日、東京で行われた。そのレポートがK-1 JAPAN GROUPから届いている。(写真:(C)K-1)
テーマは“破壊”のタイトルマッチ! 王者・壬生狼一輝はダチョウ倶楽部さんの手ぬぐいスタイルで「時は来た、それだけだ」、挑戦者・池田幸司「しっかり壊してKO決着で勝つ」
メインイベントでKrushバンタム級タイトルマッチを戦う王者の壬生狼一輝と挑戦者の池田幸司は二人とも計量を無事にパス。揃って記者会見に臨み意気込みを述べた。
昨年5月のK-1横浜武道館大会で行なわれたK-1バンタム級日本最強トーナメントをきっかけに、最軽量級のバンタム級は個性派揃いの選手たちによって大きな盛り上がりを見せている。そんな中で行なわれるこのKrushバンタム級タイトルマッチは、会見に同席したKrush EVANGELISTの石川直生さんも「壬生狼選手は連敗という経験をしたことで今まで以上に穴が少なくなってるのかなと思います。池田選手は連勝中の自信によって全ての技が研ぎ澄まされているんじゃないかなと思います。連敗から生まれる成長、連勝から生まれる自信、どっちが上回るか楽しみなタイトルマッチ」と期待を寄せる一戦だ。
石川さんの紹介通り、チャンピオンながら現在2連敗中という壬生狼は、この日はマオカラースーツに頭から手ぬぐいを頬かむりで登場。会見の冒頭で「今回、俺は正直やりにくいよ。お前、もっとキャラつけろ! 池田幸司じゃ薄い! ダイナマイト池田かダイナマイト幸司、どちらかに改名しろ!」と、池田に理不尽な要求を突きつけた。
公開練習でも語っていた通り、壬生狼の今回の試合のテーマは「破壊」。その公開練習では破壊に因んでプロレスラーの“破壊王”橋本真也さんになりきっていたが、この日着てきたマオカラースーツも橋本さんの代名詞。「松方弘樹、破壊王、そしてこのワシ! 破壊を司る者しか着れんのじゃ! マオカラーはワシの特攻服じゃ!」という意味が込められていた。
また、手ぬぐいは先日ABEMA公式格闘YouTubeチャンネルにて共演を果たした、ダチョウ倶楽部さんからいただいたものだということで、「リアクションの伝承、そして破壊の伝承、これで明日はバッチリじゃ!」と芸能界とプロレス界のレジェンドの魂を勝手に受け継いで自信満々だった。
キャラクターの迷走ぶりは相変わらずなものの、2連敗で後がないのも事実で、「この試合はワシの禊マッチやからしっかり倒すよ」と、壬生狼なりに名誉挽回の気持ちも強い。最後も「時は来た。それだけだ」と橋本さんの名セリフをパクりつつ、初防衛戦に臨む意気込みを示していた。
こんな騒々しい壬生狼に対して、挑戦者の池田は「チャンピオンながら2連敗で、そこそこの挑戦者が来て、かなり焦ってると思うんで僕はやるだけなんで、明日はバチバチ倒しに行きます」と、容赦するつもりはない。「コンディションは過去一というぐらい最高の状態」と準備万端であることも強調。磨いてきた技術も、「テクニックの種類にもいろいろあると思うんですけど、僕の長いリーチを活かしたテクニックでは誰にも負けない。そこを活かして試合運びをしていきたいと思います」と壬生狼を攻略するだけの自信がある。
壬生狼のパフォーマンスに対し、「こっちがやりづらいですね(苦笑)。でも、好きっすね」と好意的ではあるものの、試合は別。Krushバンタム級のベルトを目の前にして、「やっぱり格闘技を真剣にやってて、ベルトがないとちょっと語れないんで、しっかりベルトを獲っていい選手になりたいと思います」と鼻息も荒い。「しっかり壊してKO決着でいきたいと思います」と、「破壊」をテーマに掲げる壬生狼を、逆に破壊しての王座戴冠を目論む。
Krushバンタム級タイトル戦線の行方を占う一戦!松谷桐「次こそ自分の殻を破るチャンス」vs野田蒼「僕の可能性を見ていてほしい」
セミファイナルでKrushバンタム級ワンマッチを戦う松谷桐と野田蒼は計量を無事にパス。揃って会見に臨み、明日に向けての意気込みを述べた。
今大会ではメインイベントでKrushバンタム級タイトルマッチが組まれているが、このセミファイナルの松谷vs野田はそのタイトル戦線の行方を占う注目の一戦でもある。これがKrush3戦目となる松谷だが、Krushデビューから2戦目までは本人も満足出来る試合内容ではなかった。
しかし、今回はバンタム級戦線のトップの一角を占める野田が相手。Krush EVANGELISTの石川直生さんも、「その実力の本領をさらに高いところで発揮してくれることを期待しています」と、強い相手を迎えての本領発揮に期待を寄せている。松谷本人も、「自分も9月、12月と気負いすぎてたというか自分らしい試合が出来てなかった」と振り返っていたが、今回の試合に向けては「今は気負ってるとか特に何もない。明日は本当に自分らしい試合が出来ると思うんで、次こそ自分の殻を破るチャンスだと思っています」と、期待通りに実力を発揮する手応えを掴んでいる様子だ。
野田と計量で向かい合って、「凄くいい表情をしてたので明日の試合が楽しみです」と、相手に対する期待感もある。メインで行われるタイトルマッチに関しても「自分は正直どっちでもいいんですけど、とりあえずしっかり目の前の野田選手に勝ってからだと思うんで、明日のことしか考えてないです」と、余計なことは考えずに野田に集中する構えだ。
対する野田は昨年5月のK-1バンタム級日本最強トーナメントの出場者。一回戦でKrushバンタム級王者の壬生狼一輝に敗れたものの、大接戦を演じて強さを見せつけた。まだ19歳という年齢で、石川さんも「技術の成長と共に体の成長、パワーアップも一戦ごとに化けてくる選手なので明日も楽しみ」と進化の速度に目を細めるファイターだ。
計量で向き合った松谷に対し、「会見で見た時よりかは体も大きくて凄い調子良さそうだなと思いました。でも明日を迎えてみたら分かると思うんですけど、僕の体のほうがデカくなると思うんで、楽しみにしていてください」と、コンディションの面でも自信たっぷり。
「壬生狼選手が持ってるベルトやからこそ挑戦したいというのもあるし、(去年の)5月に負けたのもあるんですけど、壬生狼選手とやってから凄い成長したんで、もう1回やりたい」と現王者の壬生狼との再戦も頭に描いており、次期挑戦権を掴むためにも松谷戦の必勝を誓う。
「明日試合を見て、僕の可能性を見ててほしいなと思います」と、前回の試合からの成長度合いは自分でも手応えがある様子。「1R目から野田蒼を全開に見せていこうと思っているんで、1Rから注目しててください」と不敵に宣言していた。
K-1初の女子大会に向けて6選手が激突!真優「自分の方が上やぞってところを見せたい」vs鈴木万李弥「私の実力を世間の皆さんに認められる試合をしたい」
今大会ではKrushフライ級ワンマッチの真優vs鈴木万李弥、Krush女子ミニマム級の真美vs美怜、Krush女子ミニマム級のMOEvs森川侑凜の3試合が組まれ、真優と美伶が一度は計量をオーバーしてしまったものの、再計量でパス。しかし、美伶は会見には間に合わず、また森川も体調不良のため、この2人は欠席となり4人での会見となった。
6月25日(土)にはK-1史上初となる女子大会、「K-1 WORLD GP 2022 JAPAN ~RING OF VENUS~」代々木競技場第二体育館大会が控えており、各選手も女子の大きな晴れ舞台に向けてモチベーションが高い様子。
Krush EVANGELISTの石川直生さんから、「フットワークを活かした戦いに加えて、足を止めた打ち合いもするようになってきて戦いの幅も広がってきた」という評価をもらった真優は、昨年12月のK-1大阪大会での☆SAHO☆戦に続き、K-1 JAPAN GROUP初参戦の鈴木を迎え撃つ。
「自分に勝てばいい位置に上がれるんやろうなと思われているので、そこを自分がしっかり止めて、自分のほうが上やぞというところを見せる。そうしないと自分もチャンピオンに絡んでいけない」と返り討ちに気合十分の真優。「しっかりフライ級の中で自分はチャンピオンの次の位置におるんやぞというところを明日は見せたいです」と、6.25「K-1 RING OF VENUS」に出場するためにも、自分の女子フライ級における立ち位置を明日の試合で明確にするつもりだ。
対する鈴木はKrush初登場となるが、石川さんも「鈴木は総合格闘技の戦いもしていて、非常に深い経験をしている注目のファイターです」と語ったように、その参戦が話題を集めているファイターだ。以前はフライ級よりも重い階級で試合をしていたが、2カ月で11kgの減量を敢行。「今回この計量で落とした時に、身長的にはこっちのほうが動きやすいなと思って。キレも出てきたし、また違ったスタイルになるのかなと思います」と、適正な体重での試合に本人も期待感を抱いている。
「女子の試合って男子に比べて迫力ないなとか世間の目は厳しいと思うんですが、ここでしっかり結果を残して次のステージに進みたいと思います」と真優戦を突破した上で、こちらも6.25「K-1 RING OF VENUS」への出場に意欲を示していた。
「上腕、肩周りの筋肉が逞しくなっているのが目立っているので、明日もパワーと共にその進化を期待しています」と、石川さんから肉体面でのパワーアップ指摘されたのが真美だ。対戦相手の美伶が会見を欠席していたものの、「自分自身と会長とやってきたことを信じてやるだけです」と、笑顔を見せながらも落ち着いた意気込みを述べた。
「私ほどアグレッシブな戦い方をする女子選手っていうのはいないと思いますし、それをどんどんやっていって、それを見ていただきたいなって凄く思います」と、自慢のアグレッシブなファイトで美怜の技術を打ち壊し、6.25「K-1 RING OF VENUS」出場への切符を手に入れることに燃えている。
MOEは昨年5月のK-1横浜武道館大会以来、10カ月ぶりの試合となる。弱冠19歳ながら気の強さが持ち味だが、石川さんに「体の成長と共に軸と攻撃の力強さが加わっているのが印象的」と評される通り、フィジカルの面でも日増しに成長を続けている。
また、体調不良で会見を欠席した森川に対し、「試合通りの気が強そうな顔してるなと思いました。けど、今、会見を不参加ということで、明日までに万全に整えてきてほしいと思います」とチクリと言うなど、気の強さは相変わらず。今大会は女子の試合が3カード組まれており、6.25「K-1 RING OF VENUS」出場を巡って、それぞれが火花を散らし合う状況にある。
そんな中でMOEは、「女子の試合ってちょっとグチャグチャなところが多いかなと思うんで、しっかりテクニックを出して、自分にしか出来ないいい意味でマイペースに進めていけたらと思います」と、気の強さだけではなく自慢のテクニックで、他の選手との違いを見せることを宣言していた。
2人の“クラッシャー”が悔しさを胸に激突!晃貴「周りの期待に応えて殴り合って勝つ」vs小倉尚也「晃貴選手とは放っておいても面白い試合になる」
第8試合でKrushスーパー・バンタム級ワンマッチを戦う晃貴と小倉尚也は計量をきっちりパスして会見に登場。明日の決戦に向けて、意気込みを述べた。
Krush EVANGELISTの石川直生さんから、「武尊選手の背中を見て磨き続けている晃貴選手と武尊選手に憧れて格闘技を始めた小倉選手」という紹介があった通り、二人には共通項が多い。それぞれ選手としてのキャッチフレーズが、晃貴が“リトル・クラッシャー”、小倉が“ノンストップ・クラッシャー”と武尊同様“クラッシャー”の名前を冠している。そのため、石川さんも「絶対に折れない心を持っているので、激しい試合にならないはずがありません」と激闘を期待しているようだ。
このマッチメイクが組まれた時点で、それは2人とも承知の上。晃貴が「明日は絶対面白い試合になると思うんで、明日見ておいたほうがいいっすね、しっかり」と自信たっぷりに語れば、「向き合った時もお互いちょっと笑顔がこぼれてしまったので、明日は表情以上にいい試合になるかなと思います」と小倉も語るなど、激闘にする気満々だ。
期待感も肌で感じているようで、「対戦相手を聞いて殴り合い、気持ちの勝負だなと思いました。なので、その期待に応えて、しっかり殴り合って、会場を盛り上げて自分が勝ちます」と、殴り合い上等の晃貴。対する小倉も「晃貴選手とならおそらく放っておいても面白い試合になると思うし、明日は軽量級と女性の試合が多いので、自分と晃貴選手で盛り上げられたらなと思います」と、殴り合いからさらさら逃げるつもりはないようだ。
2月のK-1東京体育館大会では、第3代K-1スーパー・バンタム級王座決定トーナメントが行なわれたが、晃貴も小倉もエントリーされなかった。そこに悔しさを感じているのも両者に共通している想い。「映像を見いてて悔しかったっすね。この試合を見てもらって、ちょっと後悔させたいですね」(晃貴)、「その悔しさを持ちながら追い込みが出来て、日頃の生活も過ごせたので、明日はその結果が出ると思います」(小倉)と、リング上での戦いの激しさでリベンジを目論む。