KNOCK OUT 7.18 後楽園ホール:新階級75kgの初代王者は?松倉信太郎「人の心を揺さぶるのは、テクニックとかじゃなく覚悟が見えた時」、田村聖「100%、KOで獲ります。判定で勝つ戦い方は自分は無理」
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KNOCK OUT 2021 vol.3(7月18日(日) 後楽園ホール)で「初代KNOCK OUT-BLACKスーパーミドル級(75kg)王座決定トーナメント決勝」松倉信太郎(TRY HARD GYM/WPMF世界スーパーミドル級王者)vs. 田村聖(拳心館/元NKBミドル級王者、NKB PRIMA GOLD杯ミドル級トーナメント’19~’20優勝)が行われる。
スーパーミドル級という階級そのものが、松倉の発言が発端となって新設されたという経緯があるだけに、彼のこの王座にかける思いは強い。それが当日の試合にどう表れるのか? そして王座を獲得して、彼が実現したいと思っていることとは?
田村は3月の準決勝では当時無敗だった吉野友規に先制のダウンを奪われながら、逆転KO勝ちを収めた。この決勝、松倉戦を「転機になる一戦」ととらえている田村。どういう思いでリングに上がろうとしているのか?(記事提供:KNOCK OUT)
松倉信太郎「終わった後に『あの選手がすごかった』と思われる勝ち方を」
――まずは3月の準決勝を振り返っていただきたいんですが、渡慶次幸平戦は異種格闘技戦のような緊張感のある戦いでした。
松倉 そうですねえ……。去年WPMFのタイトルを獲って、いろんなルール、いろんなタイトルがある中で、僕個人としてできることは、ベルトを持ってる人を倒していくことで結果になっていくのかなあという思いがあったんですね。その中でラウェイのチャンピオンとやれるということで、すごくうれしかったし、トーナメントとしてもチャンピオンが集まった方が価値が上がるので、その意味では試合ができてすごくうれしかったというのはありますね。試合に関しては、腹をくくった渡慶次選手に、気持ちの面で僕が呑まれたというのはありました。75kg、スーパーミドル級という新階級を作るにあたって、一発当たったら倒れるという、予測のできない部分が魅力のひとつだと思っているので、それが体現できた試合ではあったのかなと思います。
――その言葉や口調からすると、ご自分の試合内容についてはあまり納得いってなさそうですね。
松倉 僕自身は、もらってしまったということもありますから。個人的に最近、勝敗って運の要素が大きいのかなと思うんですよ。あの試合は、たまたま僕が倒れなくて、たまたま渡慶次選手が倒れただけなのかなと。ただ、この先も僕が勝つ側にいるということは変わらないし、そこは譲らないですけど、かと言って僕が圧倒的に勝ったとは全然思ってないし、次にやったらどうなるか分からないし。でも僕に求められてるのは「1回目に勝つこと」だと思うので、そういう点ではよかったですけど、内容としてはよくはなかったかなと思ってます。
――そういう中で今回は決勝戦ですが、相手の田村聖選手の準決勝はどう見られましたか?
松倉 当日は僕の前の試合だったので、控えている時に大きな歓声が聞こえてきたのが分かった程度だったんですよ。それで「どっちが勝ったの?」ってチラッと見たりして。でもトーナメントのもう一つの試合がKOで終わったことで、僕もKOしなきゃという思いは強くなりました。細かい内容は後から映像で確認したんですが、田村選手は映像とかで見るよりもすごく強い選手だなと思いましたね。パンチとローキックが強くて、体が強くて、ローもスネでヒザを蹴るぐらいの、普通だったら蹴れないようなところを蹴れる強さを持ってて。パンチも一発一発フルスイングで、固いパンチを打つんだなと思いました。とにかく攻撃力があるんだなというのは、見ていて伝わりました。
――その相手と、決勝ではどう戦いますか?
松倉 僕も田村選手も倒せる選手だと思うので、当たった方が勝つし、当てられた方が倒れるという試合になると思います。よく「倒すか倒されるか」って言いますけど、客観的に見ても、どっちの攻撃が当たっても倒れるなとは思いますね。田村選手も前の試合でダウンしてるし、僕もダウン寸前までなったので、そういう駆け引きが見られる試合になるんじゃないかなと思います。
――ただ、最後はもちろん自分のKOで終わりたいですよね?
松倉 そうですね、それはもちろん意識してることですけど、フタを開けたら倒れているというのが自然なことというか。意識しないでも、必然的にKOになるだろうなと思いますね。
――トーナメント以前から、松倉選手はこの階級を作って自分が頂点に立つことを自分に課していたことが、言葉の端々から感じられました。
松倉 僕はずっと70kgでやってましたけど、負けることも多くて、自分の中では体重の部分が引っかかってたんです。「75kgだったら世界で戦えるんじゃないか」と。でも、その階級がないから70kgでやろうという、普通の考え方をしてたんですね。ただ後から、その考え方の時点で弱かったなとすごく思うようになって。階級がないから諦めるんじゃなくて、自分で作っていかないといけないんだなとすごく感じたんです。新しい階級を作るには、過去の63kgとかみたいに求心的な選手がいないとできないだろうし、逆にそういう選手がいれば、周辺の階級の選手もそこに集まってくると思うし。それと、『KNOCK OUT』がこれからもっと大きくなっていく中で、これからもっとたくさんの選手を集めていくことができたら、もっと盛り上がっていくだろうなと思っていて、そこはすごく意識していますね。
――この階級への期待感には、実績も知名度もある松倉選手が中心になっているからこそ、という部分も感じます。
松倉 僕はここまでたくさんチャンスをもらってきて、それをたくさんフイにしてきた部分もあるんですけど、階級を上げたと同時にいろんなことが重なって、今が僕のタイミングなのかなとは思いますね。パッとしなかった選手がいきなり強くなる様子もたくさん見てきたし、タイミングって人によっていろいろあると思うんですよ。それが僕にとっては今なのかなと。だから今までの負けもそうだし、Krushに出させてもらった時に会見やインタビューで話をする機会が多くて、自分の言葉で伝えることについても成長させてもらったと思うし、そういう一つ一つが今になって意味を成してきているなというのはすごく感じてます。だからこそここで結果を出すことが重要なんだなと痛感しています。
――試合日程のスライドなどもあって、当日はスーパーライト級の同じく決勝、ライト級のタイトルマッチと並んでいますし、スーパーファイトではチャンピオンも数多く出場する中での試合になりました。その中で新階級の存在感をアピールしたいですよね?
松倉 最初は一瞬、「こんなに試合が重なっちゃって、存在感が薄れちゃうんじゃないかな?」という弱気な気持ちが出てきてたんです。僕の悪いところなんですけど。格闘技界はチャンピオンがたくさんいて、僕も認識できてないチャンピオンもたくさんいるんですけど、例えばK-1なら武尊選手、RISEなら那須川天心選手という風に、団体で認識されてるチャンピオンって、階級とは関係ないじゃないですか。その団体の代名詞になってるというか。僕はそこを目指しているので、プレッシャーはすごくありますけど、チャンピオンが一堂に会して試合をする中でどれだけの爪痕を残せるか、みんなに知ってもらって引っ張っていけるのか、その魅力があるのかが問われるというか。決して田村選手をなめてるわけではないんですけど、田村選手を含めて対戦相手の多い大会だなとは感じてます。
――その中でベルトを獲って、理想の姿で終わるために、一番必要なものとは?
松倉 倒すのは当たり前で、“華”というか……言葉にするのは難しいんですけど、別にただKOしたから「すげえな」と思われるわけでもないし……僕が求めているのは、会場の空気を一瞬で変えられるようなものを見せたいなと思っていて。終わった後に「いやあ、あの選手がすごかったな」と思われるのが一番、という風に思ってますね。いかにそういう魅力を出せるか。この人なら『KNOCK OUT』を変えられるんじゃないか、引っ張れるんじゃないかと、周りの人を信じさせられるような雰囲気とか佇まいを出していきたいなと思っています。
――以前とはかなり考え方が変わったんじゃないですか?
松倉 多くの選手は、活躍するスター選手を見て「あれは自分にはできない」「自分とは別物だから」と思っちゃってると思うんですよ。僕も以前はそうでした。でも人々が試合を見て心を揺さぶられるのって、テクニックとかじゃなくて、覚悟が見えた時だと思うんです。そういう時に人々は熱狂したり感動したりするんだなと思って、そこは僕も含めて足りなかったなと思ったので、みんなに見せていきたいと思う部分ですね。
――そういう意味でも大きな試合ですね。
松倉 そうですね。これが終わりでは全然ないんですけど、ここをキレイに完結させて次のステップに進みたいなと思っているので、本当に落とせない試合ですね。
田村聖「松倉戦は出たとこ勝負。でも100%、KOでベルトを獲ります!」
――3月の準決勝、吉野友規戦は見事な逆転勝ちでした。
田村 ありがとうございます。試合開始直後、緊張しすぎていたのかフワフワしていて、そこが最初にダウンを取られた原因だったのかなと思います。ジムの人が言うには、「アップ不足なんじゃないか」と。「もっと息を上げて試合にかかった方がよかった」とは言われました。
――あの日、普段と比べて特に足りなかったということですか?
田村 普段の試合でも、他の人に比べてあんまり激しくはやらない方なんですけど、あれを考えると次はもっと汗をかいて、体をもっと温めた状態でいこうかなと思ってます。
――ただ、最初にダウンをもらったところから、しっかりと立て直して逆転できました。
田村 あのダウンは効いた感じは意外になくて、準備ができてないところにもらって、ビックリして倒れたという感じだったんです。だからそんなに影響はありませんでしたし、特に焦ったりもしなくて。そこからは自分の試合に持ち込めました。自分が思ってたのとはちょっと違ったんですけど、ローを効かせて、そのローに意識を持っていかせたところにパンチが入ったりはしていたので、よかったなと思いますね。
――その試合を勝ち進んで、今回は松倉信太郎選手との決勝戦です。松倉選手の準決勝はどうでしたか?
田村 渡慶次選手が打ち合いに行って、たぶんそれに乗った形だと思うんですけど、退かないし気持ちが強いんだなと思いますね。負けず嫌いなんじゃないかなと。
――そんな松倉選手との試合ですが、対策のほどは?
田村 普段からそんなにみっちり対策とかやる方ではないんですけど、試合の動画とかはひと通り見てます。いつもはその選手が負けているところとか倒されるところを見て、自分が勝つところを想像する、自分が勝つと思い込ませるという感じですね。
――なるほど、「この攻撃で倒れてるな」という研究ではなく、倒れるところに自分を重ねるために見ると。これまではそれがうまくいっているんですね。
田村 はい。ただ、前回の吉野選手の時は負けてる試合がなくて。
――ああ、そこまで全勝でしたからね。
田村 だからけっこう困りました。今回の松倉選手も倒されているシーンがないので、ちょっと困ってますね(笑)。なので、代わりに自分の好きな選手のKOシーンを見たり、自分が過去にKOした試合を見たりして、ランニングの時に想像したりしています。
――では試合に向けては、具体的な作戦を立てるというよりは、自分で「勝つ」と思い込むという感じなんですね。その上で、松倉選手とはどう戦おうと思っていますか?
田村 いつも通り、ローを効かせて意識を下に持っていってパンチというのが理想なんですけど、対策はされていると思うので、出たとこ勝負みたいなところはありますね。
――特に松倉選手は、何でもできるタイプですよね。
田村 いや、ホントにそうなんですよね……。サウスポーで来るかオーソドックスで来るかも分からないし、しかもダウンさせられているところすら見当たらないので、大変ですね(笑)。
――不安ですか?
田村 いや、不安は特にないです。一発当たれば倒せると思っているので。まあ一発もらえばこっちも倒れるとは思いますけど(笑)。
――では、「出たとこ勝負」の度合いがいつもより強いと。
田村 そうですね。そういうのは前回の吉野戦が初めてだったんですけど、あの試合をKOで乗り切れたことで、自信にもなりました。松倉選手はそれ以上に、どう来るかが予想つかない部分があるんですけど、「俺を相手にしたらこういう風に来るかな」と予想して、考えてる感じです。
――改めて、ここで勝てば『KNOCK OUT』のチャンピオンになるわけですが。
田村 ベルトのことはあまり意識していなくて、いつも通り「負けたくない」という気持ちの方が強いです。普段から「ここで勝てばベルト」とかは、あまり意識しすぎないようにしています。
――ただ、勝ってチャンピオンになれば、『KNOCK OUT』のトップの一人ということになるわけですが……。
田村 そうですね。ベルトを持っているということは、いろいろ発言もできると思うので、NKBでは対戦できなかったような強い選手とやりたいと、言っていきたいですね。特にこの選手という、具体的なものがあるわけではないんですけど。自分も今年33歳で、現役でやれるのもそんなに長くないかなと思うので、残りの選手生活はその時にやれる、一番強い選手とやっていきたいなと思います。
――75kgというリミットは、実際に前回やってみていかがでしたか?
田村 減量のこととか考えると、適正かなと思います。一番調子よく試合ができるかなと。普段、ミドル級(NKBでは72.575kg)でやる時は減量のための練習になる期間がけっこうあるんですけど、今は本当に試合のための練習しかしてないので、完成度が違うというのは感じます。
――改めてお聞きしますが、優勝してベルトを獲る自信は?
田村 100%、KOで獲ります。判定で勝つ戦い方というのは、自分は基本的に無理だと思うので。
――しかも、相手が松倉選手というのも大きいのでは?
田村 かなりデカいですね。以前、日菜太選手とやった時に「この試合は転機になる一戦だな」と思ってたんですけど、そのチャンスは掴めなかったので、「今度こそは」というのがあります。
――最後にもう一度お聞きします。当日、一番見てほしいところは?
田村 やっぱりパンチですね。一発当たったら終わっちゃうんで、見逃さないようにしてほしいです。
対戦カード
※REDルールは肘有りキックルール、BLACKルールは肘無しキックルール
KNOCK OUT-REDライト級(62.5kg)タイトルマッチ 3分5R
スアレック・ルークカムイ(タイ/STURGIS新宿ジム/王者、元同61.5kg王者、元REBELS-REDライト級暫定王者・元同スーパーライト級王者、元ラジャダムナン認定フェザー級7位)※初防衛戦
重森陽太(伊原道場稲城支部/挑戦者、WKBA世界ライト級王者)
初代KNOCK OUT-BLACKスーパーミドル級(75kg)王座決定トーナメント決勝 3分3R(延長1R)
松倉信太郎(TRY HARD GYM/WPMF世界スーパーミドル級王者)
田村 聖(拳心館/元NKBミドル級王者、NKB PRIMA GOLD杯ミドル級トーナメント’19~’20優勝)
初代KNOCK OUT-BLACKスーパーライト級(65kg)王座決定トーナメント決勝 3分3R(延長1R)
鈴木千裕(クロスポイント吉祥寺)
宮越慶二郎(拳粋会宮越道場/元WBCムエタイ・インターナショナル・同日本・NJKFライト級王者)
BLACK女子48.4kg契約 3分3R(延長1R)
ぱんちゃん璃奈(STRUGGLE/KNOCK OUT-BLACK 女子アトム級(46kg)王者)
sasori(テツジム/PRIMA GOLD/ミネルヴァ・ライトフライ級(48.99kg)王者)
RED 57kg契約 3分3R(延長1R)
小笠原瑛作(クロスポイント吉祥寺/KNOCK OUT-REDスーパーバンタム級(55kg)王者、ISKA K-1ルール世界バンタム級王者、WPMF世界スーパーバンタム級王者)
大田拓真(新興ムエタイジム/WBCムエタイ日本統一フェザー級王者、S1ジャパン55kg王者)
REDフェザー級(57.5kg)(ノンタイトル戦) 3分3R(延長1R)
安本晴翔(橋本道場/KNOCK OUT-REDフェザー級王者)
竹内賢一(Ten Clover Gym/Bigbangフェザー級王者)
BLACK 63kg契約 3分3R(延長1R)
バズーカ巧樹(菅原道場/KNOCK OUT-BLACKライト級(62.5kg)王者、MA日本スーパーライト級王者
康弘(ゴリラジム/九州プロキックボクシング(KPKB)スーパーライト級王者、大和KICK 65kg級王者)
BLACKスーパーウェルター級(70kg) 3分3R(延長1R)
中島弘貴(LARA TOKYO/元Krushスーパー・ウェルター級(70kg)王者)※バンゲリングベイ・スピリットから所属変更
サッシス[Saksith](カンボジア/元カンボジア・ウェルター級王者)
概要
大会名 KNOCK OUT 2021 vol.3
日時 2021年7月18日(日) 開場・17:00 開始・18:00
会場 後楽園ホール
中継 ツイキャス(3,300円~/PPV)
チケット料金 SRS席¥20,000 RS席¥15,000 S席¥10,000 A席¥7,000 ※全席完売 ※小学生から有料、6歳未満でも座席を必要とする場合は有料
チケット販売 KNOCK OUT OFFICIAL SHOP 出場選手・所属ジム
お問い合わせ Def Fellow 03-6262-3760 promotion@knockout.co.jp https://knockoutkb.com/